●11月27日、日曜日、14時より、東京芸術劇場にて、都響定期演奏会Cシリーズ●
① ベルク:アルテンベルク歌曲集 op.4 * ★ソプラノ/天羽明惠 *
②ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲 ニ長調 ★ピアノ/ピエール=ロラン・エマール
③マーラー:交響曲第4番 ト長調 *★ソプラノ/天羽明惠 *
①は有名な曲ですがの実演はおそらく初めてか、かなり久しぶり。
ペーター・アルテンブルク(1859~1919)は、ベルクが曲をつけてくれたおかげで知ることができた放浪詩人。
(本名は、リヒャルト・エングレンダーで、ユダヤ人)
5曲で10分ほどなので、もう少し聴きたい印象もありますが、後のオペラ《ヴォツェック》を思い起こさせるようなところもある。所々オケの迫力がすごい。第2曲はかなり短い。
冊子の解説によると、曲が前衛過ぎて、全曲初演はベルクの死後らしい。いつもながら歴史に残る芸術家は不遇???。
②ソロのピエール=ロラン・エマールはおそらく2010年以来。2010年時はラヴェルの両手のピアノ協奏曲。
今回は座席も前の方で、音量も十分で聴き応え十分。
曲を委嘱したパウル・ウィトゲンシュタインの一族の本を以前読んだことがあり、100年程前の第一次世界大戦とその後のインフレで、ハプスブルク帝国の鉄鋼王ウィトゲンシュタイン家も没落。そんなことを思い起こしていたら、あっという間に曲が終わってしまった。
★アンコールはブーレーズの《ノタシオン》で、数年前と同じだったような?????
大ホールでも十分に響き渡る。さすがにすごい曲、すごい演奏。
③ 中庸なテンポ、54分前後か????メリハリ十分。バランスも良好。
インバルの後なので、指揮者はどうかはともかく、オケは比較的演奏しやすかったのでは????完成度も十分。
周知のように、この曲の終楽章は、第3交響曲からの転用で、時代的に一番早く作曲されているので、第1や第2楽章には、終楽章の旋律が使用されているので、ファンには非常に面白いのでは????
◆第1楽章 :ソナタ形式
展開部のフルート4本の「夢のオカリナ」も美しい。マーラーの交響曲第5番冒頭にも登場するトランペットのファンファーレは明瞭、再現部の終わりのホルンも良好。
◆第2楽章 :ABACAーコーダの形式
コンマスのソロも良好。BやCのトリオには終楽章の旋律の変形が登場して興味深い。
◆第3楽章 :ABABAーコーダの二重変奏でかなり充実した楽章
Aの弦は美しく、木管の第2主題良好。A主題の後半は、マーラーの交響曲第2番の終楽章と同じなので、ここも興味深い。3度目のAでテンポ・アップするところは、アッチェレランド十分。その後のfffの「突発」は、実演だけのことはあり、大迫力。
定石通りここで、ソプラノが登場。
◆第4楽章 :
この楽章は、歌詞の内容を知れば、ユダヤジョークかどうかは寡聞にして知りませんが、楽譜には「絶対パロディなしで」との指定があるらしいので、マーラーの一筋縄ではいかない気質、才能が顕在化している。
とりわけ、第2節の歌詞内容は「天上の世界」とは違いすぎ。すさまじく残酷!!!!!
大野和士の演奏もその辺りをロマンチックではなく、グロテスクに(とりわけ低弦に)表現しており、素晴らしい。
★交響曲第4番の聴き比べは、こちら
① ベルク:アルテンベルク歌曲集 op.4 * ★ソプラノ/天羽明惠 *
②ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲 ニ長調 ★ピアノ/ピエール=ロラン・エマール
③マーラー:交響曲第4番 ト長調 *★ソプラノ/天羽明惠 *
①は有名な曲ですがの実演はおそらく初めてか、かなり久しぶり。
ペーター・アルテンブルク(1859~1919)は、ベルクが曲をつけてくれたおかげで知ることができた放浪詩人。
(本名は、リヒャルト・エングレンダーで、ユダヤ人)
5曲で10分ほどなので、もう少し聴きたい印象もありますが、後のオペラ《ヴォツェック》を思い起こさせるようなところもある。所々オケの迫力がすごい。第2曲はかなり短い。
冊子の解説によると、曲が前衛過ぎて、全曲初演はベルクの死後らしい。いつもながら歴史に残る芸術家は不遇???。
②ソロのピエール=ロラン・エマールはおそらく2010年以来。2010年時はラヴェルの両手のピアノ協奏曲。
今回は座席も前の方で、音量も十分で聴き応え十分。
曲を委嘱したパウル・ウィトゲンシュタインの一族の本を以前読んだことがあり、100年程前の第一次世界大戦とその後のインフレで、ハプスブルク帝国の鉄鋼王ウィトゲンシュタイン家も没落。そんなことを思い起こしていたら、あっという間に曲が終わってしまった。
★アンコールはブーレーズの《ノタシオン》で、数年前と同じだったような?????
大ホールでも十分に響き渡る。さすがにすごい曲、すごい演奏。
③ 中庸なテンポ、54分前後か????メリハリ十分。バランスも良好。
インバルの後なので、指揮者はどうかはともかく、オケは比較的演奏しやすかったのでは????完成度も十分。
周知のように、この曲の終楽章は、第3交響曲からの転用で、時代的に一番早く作曲されているので、第1や第2楽章には、終楽章の旋律が使用されているので、ファンには非常に面白いのでは????
◆第1楽章 :ソナタ形式
展開部のフルート4本の「夢のオカリナ」も美しい。マーラーの交響曲第5番冒頭にも登場するトランペットのファンファーレは明瞭、再現部の終わりのホルンも良好。
◆第2楽章 :ABACAーコーダの形式
コンマスのソロも良好。BやCのトリオには終楽章の旋律の変形が登場して興味深い。
◆第3楽章 :ABABAーコーダの二重変奏でかなり充実した楽章
Aの弦は美しく、木管の第2主題良好。A主題の後半は、マーラーの交響曲第2番の終楽章と同じなので、ここも興味深い。3度目のAでテンポ・アップするところは、アッチェレランド十分。その後のfffの「突発」は、実演だけのことはあり、大迫力。
定石通りここで、ソプラノが登場。
◆第4楽章 :
この楽章は、歌詞の内容を知れば、ユダヤジョークかどうかは寡聞にして知りませんが、楽譜には「絶対パロディなしで」との指定があるらしいので、マーラーの一筋縄ではいかない気質、才能が顕在化している。
とりわけ、第2節の歌詞内容は「天上の世界」とは違いすぎ。すさまじく残酷!!!!!
大野和士の演奏もその辺りをロマンチックではなく、グロテスクに(とりわけ低弦に)表現しており、素晴らしい。
★交響曲第4番の聴き比べは、こちら