2025年01月01日

* 科学万博(1985年)
みなさま、明けましておめでとうございます。
一年ぶりのご挨拶でございます。
本年2025年はモモノリ自身のキャリア人生における大きなエポックの年となる
予定です。
というのも、4月から始まる大阪・関西万博の某パビリオンにおけるアテンダント
教育に関わることになったからです。
これはとても多岐にわたって責任を負うものですが、加えて、今回は国家プロジェクト
レベルという点でもスケールの大きいプロジェクトで一層身が引き締まります。
さて、愛知県で行われた「愛・地球博」以来、20年ぶりに日本で久しぶりに実施
される万博ですが、その開催が決まった時、モモノリ自身の内側に「ザワッ」と来る
ものがあったのを今告白しておきます。
「あ~万博。関わりたいなあ」
そうです。
今から40年近く前、アメリカの大学を卒業後、契約とはいえ、初めて社員として
働き始めたのはつくば科学万博だったのです。
その後、たまたま世の中はバブルのど真ん中で日本中に博覧会ブームが起き、
つくば科学万博で通訳コンパニオンとして徹底的に教育を受けたモモノリに
博覧会コンパニオンもしくはアテンダントへの教育の仕事が次々と舞い込んだの
でした。
そして、それがその後には海を渡って海外の日系企業のイベントやショウルーム
での現地スタッフ教育を多数経験することにもつながっていきました。
そうこうしているうちに日本はバブルも弾け、博覧会開催への熱気もすっかり
冷めてしまったころ、大阪・関西万博の開催決定でした。
IRがらみの万博誘致ということで、問題をかかえた案件であるのは重々承知の
うえで・・。
やはり、あの万博独特の空気や雰囲気のなかでプロジェクトの関わる達成感
というのは経験をした人でなければわからない点があります。
ただし、今回は大阪での開催。
到底、弊社に、私に縁が繋がるとは思ってもいませんでした。
それが、ひょんなことから某社プロデューサーの方の記憶にモモノリのキャリア
が残っていたようで、昨年の春ごろお声がかかってからあれよあれよ、という間に
馬車馬のように準備業務に明け暮れる毎日です。
そんな忙しい日々のなかでも、ふっとこう思うのです。
万博で始まった自分のキャリアはいろいろな経験と実績を重ねさせてくれたけれど、
いま、こうやって集大成にまでたどり着かせてくれたんだなあ、と。
全部繋がっている。地続きでした。
モモノリよりもずっとお若い後輩の方たちにちょこっと耳打ちしたい。
30年後のあなたは今のあなたの延長線よ、途切れさせなければ、と。
どなた様にもどうかよい一年を!
===============================
通訳、ツアーコンダクター、海外コーディネータ、バイリンガル司 会・ナレーター、
企業研修・セミナー講師、と様々な経験を経て
現在はランゲージスペシャリストのコーディネーションおよび人材 教育(零細)
会社を経営するモモノリが今年も日本の女性を元気に、 とメッセージを時々
((^_^.)届けします。
読者の方からのご相談にお答えするエントリも絶好調。 ご相談はこちらからどうぞ
2024年01月03日
みなさま、またまた1年ぶりのご挨拶です。
新年あけましておめでとうございます。
新年早々、能登地震や羽田空港での航空機事故など続き、やや
気持ちがざわつき、心が落ち着かない方たちもいらっしゃるかもしれません。
そんな時だからこそ、モモノリから元気のでる新年のメッセージ
を綴りたいと思っています。
これまで時折、当ブログでも書きましたが、モモノリのライフワークのひとつは働く女性 たちの背中を押す1ピースになるべく、研修や講演・セミナーなどを通して理論から実務のノウハウ、気づきを促すことです。
これは本当に長年続けてきて、あるとき、これまでお会いしてきた受講者の方たち(海外も含む) をざっと数えてみたら2万人を超えていました。我ながらびっくりです。
さて、そんな経験のなかで、昨年本当に忘れがたい受講者の方とのめぐり会いがありました。
クライアントは国内某有名企業。ミッションはその企業の広報関連施設のリニューアルに伴い そこで働くスタッフの教育。
彼女・彼らの意識変革から案内実務まで今の時代に沿ったものにアップデートして欲しいという、 結構ハードルの高いものでした。
こういう場合、なにが一番難しいか、というと意識変革をスタッフ全員に促すことなんです。
どれだけノウハウを伝えても、結局、マインドの芯の部分が変わらねば、付け焼刃になりかねず、少し経てば元の木阿弥ということがよくあるから、です。
とはいえ、今回の重要ミッションにあたりクライアントのご担当者や現場の責任者の方たちとは何度もじっくり意見交換を重ね、また
事前に現場のメンバーには内緒で視察をするなどの準備を重ねたおかげで、何とか、この意識改革の第一ステージはほぼ辿りつきました。
そして、いよいよ実務研修に入ったときのことです。
この施設では、案内はツアー形式となっており、スタッフの方たちは膨大なシナリオを暗記し、それを来場者の方に説明をします。
かつての案内はとてもお行儀よく、丁寧ですが、どこかよそよそしさも感じられ、「いまの時代」の来場者には退屈で、印象も浅くなりがちだったように感じられました。
そこで、クライアント側とモモノリの描いたビジョンは、
「来場者も参加し、その場の空気に貢献して忘れがたい経験をしていただくツアー」というものでした。
マインドセットが変わったメンバーからこれまでして来なかったことや言わなかったセリフなどのアイディアをどんどん出してもらい実行してもらうと、みんな見違えるほどイキイキと案内役となっていくのです。
そんななか、もがいているひとりの女性がいました。
ユリ子さん(仮名)です。
ユリ子さんは一人息子さんを頑張って育てながら働くシングルマザー。男の子の母親、かつ、現場スタッフの中で一番年長ということもあって、どこかモモノリも親近感がわきます。
ただ、残念ながら記憶力という機能の点では最年長さんには試練だったのかもしれません。いや、モモノリだってこれはわかる。いまや覚えるよりも忘れることの方が多かったりして。。
そんな不利な条件と「えい、やっ!」とやってしまう若さからくる思い切りも出せず、「いまの時代」の来場者を巻き込むような演出に踏み込めないユリ子さん。。。
ユリ子さんのシナリオには細かな演出や情報を書き込んだ赤ペンの文字や追加の付箋紙が沢山でした。
実務研修の終盤に差し掛かったころです。
そのクライアント企業のかなりVIPの方が、今の様子をみたい、ということで現場にいらっしゃることになりました。
もちろん、終盤とはいえ、研修中のメンバーの誰かが、この緊張するゲストを相手に成果を見せねばなりません。
外注の研修講師としては、メンツを立てるために、出来が一番良いメンバーを指名することもあったかも知れませんが、モモノリには
ひとつヒラメキがあったのです。ユリ子さんに担当してもらおう、と。
案の定、VIPご案内の直前のリハーサルでユリ子さんは緊張マックス。準備してきたすべての情報やセリフを全部上手に言おうとして、結果、噛んでしまったり、忘れてしまったり、たどたどしさでリズムも悪くなってしまっていました。
顔面が蒼白になっていたユリ子さんにモモノリはこんな風に檄を飛ばしたんです。
「ユリ子さん、もう切り捨てよう!もっと言いたい、知ってもらいたい、という気持ちは捨ててしまおう!スッキリして情報は絞り、ただ、楽しんでくださいねぇ、の気持ちだけを届けるの!」
そう、これはユリ子さんに限らず、ある一部の方たちにありがちなことなんです。周囲に気をつかい、周りに悪く思われないために、気をまわしすぎ、あれやこれや考えすぎてしまって結果自分が不自由になってしまうということ。
この言葉を聞いたユリ子さん、はっとした表情で、再度本番に挑みました。
モモノリの提案通り、セリフは短く、しかし、リズミカルな来場者とのやり取りが施設のコンセプトを楽しく伝えることに成功。
「ユリ子さん、変わったね~。いい感じです」
というクライアントからのコメントも頂く結果に。
もちろん、ユリ子さんの達成感に満ち足りた表情から、彼女がひとつ大きな階段を登ったこと手ごたえを感じたことは間違いありません。
「ユリ子さん、よかったね。
あなたが切り捨てたのはセリフだけじゃないのよ。生き方そのものだから、ね。もっと自由に、新しいあなたの人生が始まるんだからね」
クライアントからのありがたいコメントを聴いて、モモノリがユリ子さんへそう言葉をかけると、
「先生、ありがとうございます。
私、これまでの人生で褒められたことなんてなかったんです。でも
本当に自分の人生を切り開けるような気がします」
という思いもしなかった告白?が。
ああ、ここにも、自分の人生を自らなんとかしようという女性が現れた!と心から嬉しく思った次第でした。
さてさて、実は弊社は昨年創業25周年を迎え、今年26年目に突入したのです。
長かったようであっという間だった四半世紀。
弊社もこのユリ子さんのように、まだ出来る!まだ行ける!という気持ちでReborn!(再生)する一年としたいと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします!
=============================== 通訳、ツアーコンダクター、海外コーディネータ、バイリンガル司 会・ナレーター、企業研修・セミナー講師、と様々な経験を経て
現在はランゲージスペシャリストのコーディネーションおよび人材 教育(零細)会社を経営するモモノリが今年も日本の女性を元気に、 とメッセージを時々((^_^.)届けします。
読者の方からのご相談にお答えするエントリも絶好調。 ご相談はこちらからどうぞ
新年早々、能登地震や羽田空港での航空機事故など続き、やや
気持ちがざわつき、心が落ち着かない方たちもいらっしゃるかもしれません。
そんな時だからこそ、モモノリから元気のでる新年のメッセージ
を綴りたいと思っています。
これまで時折、当ブログでも書きましたが、モモノリのライフワークのひとつは働く女性 たちの背中を押す1ピースになるべく、研修や講演・セミナーなどを通して理論から実務のノウハウ、気づきを促すことです。
これは本当に長年続けてきて、あるとき、これまでお会いしてきた受講者の方たち(海外も含む) をざっと数えてみたら2万人を超えていました。我ながらびっくりです。
さて、そんな経験のなかで、昨年本当に忘れがたい受講者の方とのめぐり会いがありました。
難易度高め、意識変革から
クライアントは国内某有名企業。ミッションはその企業の広報関連施設のリニューアルに伴い そこで働くスタッフの教育。
彼女・彼らの意識変革から案内実務まで今の時代に沿ったものにアップデートして欲しいという、 結構ハードルの高いものでした。
こういう場合、なにが一番難しいか、というと意識変革をスタッフ全員に促すことなんです。
どれだけノウハウを伝えても、結局、マインドの芯の部分が変わらねば、付け焼刃になりかねず、少し経てば元の木阿弥ということがよくあるから、です。
とはいえ、今回の重要ミッションにあたりクライアントのご担当者や現場の責任者の方たちとは何度もじっくり意見交換を重ね、また
事前に現場のメンバーには内緒で視察をするなどの準備を重ねたおかげで、何とか、この意識改革の第一ステージはほぼ辿りつきました。
そして、いよいよ実務研修に入ったときのことです。
これまでにない「いまの時代」へアップデート促す
この施設では、案内はツアー形式となっており、スタッフの方たちは膨大なシナリオを暗記し、それを来場者の方に説明をします。
かつての案内はとてもお行儀よく、丁寧ですが、どこかよそよそしさも感じられ、「いまの時代」の来場者には退屈で、印象も浅くなりがちだったように感じられました。
そこで、クライアント側とモモノリの描いたビジョンは、
「来場者も参加し、その場の空気に貢献して忘れがたい経験をしていただくツアー」というものでした。
マインドセットが変わったメンバーからこれまでして来なかったことや言わなかったセリフなどのアイディアをどんどん出してもらい実行してもらうと、みんな見違えるほどイキイキと案内役となっていくのです。
ユリ子さん(仮名)の場合
そんななか、もがいているひとりの女性がいました。
ユリ子さん(仮名)です。
ユリ子さんは一人息子さんを頑張って育てながら働くシングルマザー。男の子の母親、かつ、現場スタッフの中で一番年長ということもあって、どこかモモノリも親近感がわきます。
ただ、残念ながら記憶力という機能の点では最年長さんには試練だったのかもしれません。いや、モモノリだってこれはわかる。いまや覚えるよりも忘れることの方が多かったりして。。
そんな不利な条件と「えい、やっ!」とやってしまう若さからくる思い切りも出せず、「いまの時代」の来場者を巻き込むような演出に踏み込めないユリ子さん。。。
ユリ子さんのシナリオには細かな演出や情報を書き込んだ赤ペンの文字や追加の付箋紙が沢山でした。
実務研修の終盤に差し掛かったころです。
そのクライアント企業のかなりVIPの方が、今の様子をみたい、ということで現場にいらっしゃることになりました。
もちろん、終盤とはいえ、研修中のメンバーの誰かが、この緊張するゲストを相手に成果を見せねばなりません。
外注の研修講師としては、メンツを立てるために、出来が一番良いメンバーを指名することもあったかも知れませんが、モモノリには
ひとつヒラメキがあったのです。ユリ子さんに担当してもらおう、と。
自分を不自由にしているものを切り捨てて生きるススメ
案の定、VIPご案内の直前のリハーサルでユリ子さんは緊張マックス。準備してきたすべての情報やセリフを全部上手に言おうとして、結果、噛んでしまったり、忘れてしまったり、たどたどしさでリズムも悪くなってしまっていました。
顔面が蒼白になっていたユリ子さんにモモノリはこんな風に檄を飛ばしたんです。
「ユリ子さん、もう切り捨てよう!もっと言いたい、知ってもらいたい、という気持ちは捨ててしまおう!スッキリして情報は絞り、ただ、楽しんでくださいねぇ、の気持ちだけを届けるの!」
そう、これはユリ子さんに限らず、ある一部の方たちにありがちなことなんです。周囲に気をつかい、周りに悪く思われないために、気をまわしすぎ、あれやこれや考えすぎてしまって結果自分が不自由になってしまうということ。
この言葉を聞いたユリ子さん、はっとした表情で、再度本番に挑みました。
モモノリの提案通り、セリフは短く、しかし、リズミカルな来場者とのやり取りが施設のコンセプトを楽しく伝えることに成功。
「ユリ子さん、変わったね~。いい感じです」
というクライアントからのコメントも頂く結果に。
もちろん、ユリ子さんの達成感に満ち足りた表情から、彼女がひとつ大きな階段を登ったこと手ごたえを感じたことは間違いありません。
「ユリ子さん、よかったね。
あなたが切り捨てたのはセリフだけじゃないのよ。生き方そのものだから、ね。もっと自由に、新しいあなたの人生が始まるんだからね」
クライアントからのありがたいコメントを聴いて、モモノリがユリ子さんへそう言葉をかけると、
「先生、ありがとうございます。
私、これまでの人生で褒められたことなんてなかったんです。でも
本当に自分の人生を切り開けるような気がします」
という思いもしなかった告白?が。
ああ、ここにも、自分の人生を自らなんとかしようという女性が現れた!と心から嬉しく思った次第でした。
さてさて、実は弊社は昨年創業25周年を迎え、今年26年目に突入したのです。
長かったようであっという間だった四半世紀。
弊社もこのユリ子さんのように、まだ出来る!まだ行ける!という気持ちでReborn!(再生)する一年としたいと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします!
=============================== 通訳、ツアーコンダクター、海外コーディネータ、バイリンガル司 会・ナレーター、企業研修・セミナー講師、と様々な経験を経て
現在はランゲージスペシャリストのコーディネーションおよび人材 教育(零細)会社を経営するモモノリが今年も日本の女性を元気に、 とメッセージを時々((^_^.)届けします。
読者の方からのご相談にお答えするエントリも絶好調。 ご相談はこちらからどうぞ
2023年01月02日
みなさま、明けましておめでとうございます。
また今年もしばらくぶりのご挨拶となっ
てしまい申し訳ありません。(^_^;)
ネットフリックス話題作『CROWN』にみる女性活躍の壁
一昨年はリモートに弊社サービスの多くがとって変わり、その対応も含め
忙しい日々の年でしたが、昨年は秋ごろから政府の入国規制緩和に伴い、
とにかく、爆発的にご依頼を頂く毎日で、数年ぶりに早朝から夜まで仕事で
飛び回る日々が戻ってきました。
それがやっと落ち着いたのが、12月半ば。ここからは大量にたまった事務作業
や片づけなどなどに時間をとられて慌ただしく年末を迎えましたが、そんな
なか、ふっと以前から噂を聞いていた動画配信サービス、ネットフリックスの
『CROWN』を視聴し始め、一気に見入ってしまいました。
この作品は昨年逝去された英国エリザベス女王の幼少期からチャールズ皇太子・
ダイアナ妃の離婚スキャンダルくらいまで、約7~80年くらいの女王の人生と
その時代を生きた歴史上の人びとの生き様や社会の状況などを丁寧に描くドラマ
シリーズです。
一説によると、今や2億人を超えるというNETFLIXの躍進に大いに貢献した
ドラマとか。
2016年に始まって、最新シリーズは昨年の秋に終了した大作なので、たぶん、
見る方によってもっとも心に残ったところ、感じたこと、感銘を受けたところが
違うことと思いますが、モモノリがひとつあげたいのはこのドラマに描かれる
女性たちのキャリア形成上に現れる葛藤と課題について、です。
エリザベス女王の女性活躍の壁
さて、ここでいう女性たちとは、もちろん、エリザベス女王で、もう一人は
英国初の女性首相、マーガレット・サッチャー首相のことです。
うまれながらにして(正確には伯父のエドワード8世の突然の退位により)君主
になることを運命づけられたリリベット(幼いころから家族間で呼ばれた女王の
愛称)は遠縁にあたるギリシャ王族のフィリップ(のちのエディンバラ公)と
結婚し、3男1女をもうけます。
日本の報道では、この夫君フィリップと女王はとても仲のよいご夫妻といった
話しばかりでしたが、その裏にあった知られざるエピソードは今の私たちに
も相通じるような話しがいくつも現れています。
結婚当初より、将来は英国君主となると分かり切っていたことなのに、つねに
自分の妻が人々の関心の的になり、報道され、おおきく取り上げられることに
本心では面白くないと感じていたフィリップ。
王位継承者もしくは君主として、すべきこと、しなければいけない妻の振る
舞いに「男としての」自尊心が傷つけられ、憤慨し、わざと我がままを言って
妻をこまらせる行為をしてみたり。。。
ああ、こういう男性、じつは結構いるんです。
「夫ブロック」と言いますか。。。
大学教員同士の夫婦。妻が大切な学会発表をすることになったら、わざと
その当日に用事をいれておいて「子どもはどうするんだ!」と怒る男性
教員。
妻が勤務先で昇進を打診されると「家のことはどうするんだ」と昇進を喜ばず、
難色を見せる夫。
妻が起業を相談すると「家のことはしっかりやることが条件」とか言って、
自分が協力する、という後押しはなし。
これらぜ~んぶ「嫉妬やねたみという夫ブロック」ですから。
もし、これらの例を全部「妻⇔夫」で立場を入れ替えたら、絶対起きない
現象ですよね。(あ、起業のときは「家の収入はどうするの」って妻は
いいそうですが・・)
英国史上最長の在位の女王の最大の壁は実は最愛の夫であったという
点は、私たちの何世代も先に女性活躍の最先端を行っていたエリザベス
女王にも共通していたのです。
(そのうえ、フィリップったら、自分の存在を確認できる?とか言って
年老いてまでなんどか浮気してましたし。あきれた話しですわ)
マーガレット・サッチャー首相の女性活躍の壁
貴族階級出身ではないものの、なみはずれた努力と強い意志で英国の
初の女性首相に上り詰めたマーガレット・サッチャー首相。
ひろく「鉄の女」などと呼ばれ、保守的で強硬な政治姿勢が強いイメージ
だったと思います。
英国病と呼ばれ、戦後に停滞していた経済を新自由主義と呼ばれる手法で
次々に立て直し、後に日本でもお手本とされた「金融ビッグバン」などの
大胆な改革を取り入れた手法は英国本国よりはるか遠くの日本で高い評価
となっているようです。事実、一昨年の自民党総裁選で立候補した女性
政治家は「わたしは日本のサッチャーになる」と述べておりますし。
しかし、今回のCrownにはそのサッチャー氏のあまり知られていない驚き
の裏の姿が描かれています。それをElle web版 2020/12/03ではこんな
風に酷評しています。引用してみましょう。
女王に挨拶することすら「時間の無駄」としながら、いっぽうで家事を完璧にこなし、閣僚との打ち合わせに執拗に手料理を用意する。なぜなら女性はどんなに仕事ができても家事をやらなければ「家庭をおろそかにしている」と貶められるから。当然それを手伝わせるのは娘だけ。息子に手伝わせれば「男の手を焼かせて」とまた非難される。 女性の役割を強調しながら、同時に女性でないことを証明しなければいけないサッチャーの矛盾が、「男以上に男」の過激な政治姿勢へをとらせ、結果失脚していく。その過程を観るのは実に腹立たしいけれど、見る価値あり! (画像:1970年、皿洗いをするサッチャー。こういった演出で保守派を代表する女性像を創り上げていった)
この記事では「演出」と称していましたが、実はこれが本当のサッチャー家の
日常だったようで、ドラマのなかでは、なんどもアイロンがけをしたり、
ダウニング街10番地の首相公邸に集う閣僚たちに料理をふるまう首相の姿が
描かれています。夫のデニスはゆっくりソファに身をおき、新聞をよみ、
一切手伝っていません。
そして、サッチャー女史自身が、強いリーダーは同時に立派な妻・母という名の
完璧な家事労働者でなければいけない、という信念をもっていたふしがうかが
われます。
結局、彼女が英国内で働く女性のキャリアモデルにはならなかったことの原因が
ここにあったのかもしれません。
日本の女性活躍の壁を突き破れ!with Men
いまだ企業等での女性管理職登用が進まない一因のひとつに、候補女性自身が
それを望んでいない人もいる、という事実があります。
責任を背負うのが嫌だ、というだけでなく、家事や育児に奮闘しているのに、
そのうえ、管理職としての職務は重すぎる、というところにまで目を
こらしてみる必要があるでしょう。
また、多くの人事の方が証言するように、優秀な女性社員に管理職への登用を
打診すると多くの場合「家族と相談したい」と答えるそうです。男性だったら
まずしない答えです。
どこか、自分のキャリアについて夫の承認を得ねば、というメンタリティなの
かもしれません。
さあ、こうしてみると女性たちの長期キャリア形成にパートナーたちの立ち位置
や姿勢がいかに大事か。また、手抜き家事がどれほど重要か、ということも
理解いただけることと思います。
やっとこのところ、男性社員の育休取得推進の声があがり始めていますが、
そんなの20年遅いわ!と思う次第で、本当はこういう本音の議論を政治家たち
もしっかり理解してほしいものです。
今年もまた一歩女性たちが歩みを進める年になりますように!
===============================
通訳、ツアーコンダクター、海外コーディネータ、バイリンガル司会・ナレーター、
企業研修・セミナー講師、と様々な経験を経て現在はランゲージスペシャリストの
コーディネーションおよび人材教育(零細)会社を経営するモモノリが今年も日本
の女性を元気に、とメッセージを時々((^_^.)届けします。
読者の方からのご相談にお答えするエントリも絶好調。
ご相談はこちらからどうぞ