『RPGツクールDS+』のサンプルゲーム「Bravers!」が配信中です。『DS+』をお持ちの方は、ぜひダウンロードして遊んでみてください。制作の参考になるであろう要素も色々と仕込んでみましたので、どういう風に作成されているのか中を覗くだけでも結構です。
http://www.famitsu.com/blog/tkool/2012/02/rpgds_68.html
さて、せっかくなので「Bravers!」の制作裏話を書いてみたいと思います。
http://www.famitsu.com/blog/tkool/2012/02/rpgds_68.html
さて、せっかくなので「Bravers!」の制作裏話を書いてみたいと思います。
当初、サンプルゲーム制作の予定はなかったのですが、急遽制作する事になりました。提示されたお題は、「5〜6時間遊べる正統派RPG」、「配信素材は使用しない」という2点です。
●SFRPG
『DS+』には現代、戦国、SFの3つのジャンルの素材が収録されていますが、ある程度のボリュームを持ったゲームを制作しようとした場合、現代以外のジャンルですと、他ジャンルの素材も上手く使わないと制作するのが難しいと思います。ですので、「サンプルゲーム」なわけですから、他ジャンルの素材をどう使うのかを提示した方が参考になるのではないかと考えました。
ですので、戦国かSFかになるわけですが、『ツクールシリーズ素材集 和』のサンプルゲーム「長一郎剣風伝」で和風RPGを制作したばかりな上、ここでやりたい事はあらかたやってしまったというのもありましたので、消去法でジャンルはSFにする事としたわけです。
●シンボルエンカウント
『DS+』発売前の「ツクールBlog」でシンボルエンカウントも可能になったと書かれていた事もあり、シンボルエンカウントのゲームを作りたい人もいるでしょうから、そのサンプルとしてシンボルエンカウントを採用しようと決めました。これが、今作のウリの一つ目となります。
シンボルエンカウントで必要となる敵シンボル自体の作成は大して難しくないのですが、問題はその挙動です。「ランダム」にすると、こちらが近付いても襲ってこないので変ですし、「近付く」にすると、フロア全体の敵シンボルが一斉に近付いてきますので、小部屋でウロウロしていようものなら、敵シンボル大集合状態になってしまいます。また、その大集合状態を突破すると、フロア内の他の部分に敵シンボルがまったくいなくなってしまうというのも大きな問題です。
そこで、「所持金を0増やす」イベントを置くことで対処しています。
移動するイベントは、実行内容が設定された他のイベントの上を移動する事が出来ません。ですので、「所持金を0増やす」という実行内容を設定したイベントを要所要所に置く事で、敵シンボルからすると透明の壁が置かれているのと同じ状態になります。これにより、フロア内の敵が一箇所に集合してしまうという事態を防いでいます。これでも、まだ多少の問題はあるのですが、対処法としてはベストじゃないにしてもベターではなかろうかと思います。
なお、こうした敵シンボルにとっての壁になるイベントの実行内容は何でも構いませんが、ゲームに影響を与えず、かつ無駄に容量を消費させないで済ますためには、「所持金を0増やす」が良いのかなと思います。
●ジャンクパーツ
ゲーム中に入手出来る「ジャンクパーツ」を集めて持って行くと、持って行った累計数に応じてアイテムをくれるという、DQの「ちいさなメダル」みたいなシステムが、今作のウリの二つ目となります。
アイテムの所持数によってイベントの内容を変えられれば簡単に作成出来るのですが、残念ながら『DS+』ではそれが出来ません。そこで、複数のイベントを「自動実行」で組み合わせる事により、持って行った累計数をに応じてもらえるアイテムを変える(=イベントの内容を変える)ようにしています。
ただ、累計数はスイッチで管理していますので、該当アイテムがゲーム内に存在する数だけスイッチが必要になってしまいます。「ジャンクパーツ」はゲーム内に10個存在しますのでスイッチが10個で済んでいますが、この数が増えれば増えるほど必要なスイッチが増えてしまい、後々、スイッチが足りなくなってしまうという事態を招く恐れがあります。
ですので、ゲーム内に存在する数はほどほどの数にしておくと良いでしょう。でないと、自分で自分の首を絞めてしまいます(笑)
●端末の依頼情報
ブレイバーズ本部にある端末の依頼情報を調べると依頼(=サブクエスト)に関する情報が表示されるのですが、依頼達成前と達成後で表示される文章が変更されるようになっています。初回はシナリオ本編と直結しているので文章は変更されませんが。
仕組みから言うと、ある選択肢を選んだ際に、その時の状況(特定のスイッチがONになっている、特定のアイテムを所持している、など)によって実行される内容が変わるというものなのですが、『DS+』ではPC版にあるイベントコマンド「条件分岐」がないため、そのままでは実行内容を変える事が出来ません。
そこで、ここも「ジャンクパーツ」に関するイベント処理と同様に、「自動実行」する別のイベントに処理を引き継がせる事で、その時の状況によって実行する内容を変えています。
具体的には、選択肢の直後に「スイッチA」をONにして実行内容を終了します。
そして、引き継ぎ先となる別イベントは、この「スイッチA」を条件に自動実行するように設定します。この時、別のページには「スイッチA」と共に「スイッチB」などといった他の要素も自動実行の条件に設定しておきます。こうする事で、「スイッチB」がONの時とOFFの時とで別のページの内容が実行されるというわけです。
なお、いずれのページでも最後に「スイッチA」をOFFにするのを忘れないようにしてください。そうしないと、引き継ぎ先のイベントが延々実行され続ける事になってしまいます。
●「真っ暗」マップの使い方
特殊マップに収録されている「真っ暗」マップの使い道が分からないという意見を見かけましたので、使い道のサンプルとしてエンディングで使用しています。
この「真っ暗」マップは、一画面に収まるサイズより一回り大きなサイズになっており、すべてのマスが通行可能です。ですので、マップの端を舞台袖に見立てるならば、あらかじめ舞台袖にキャラクターなどのイベントを置いておき、あとはこれらのイベントを移動させる事で、画面外から画面内へイベントキャラクターが移動してきたり、逆に画面内から画面外へ退場させるという演出が可能になります。
また、この「真っ暗」マップの黒色は、フェードアウト時の黒色とまったく同じ色ですので、フェードイン・フェードアウトと組み合わせる事によって、画面内のイベントキャラクターをフェードさせながら消したり、表示させたりする事が可能です。
ですので、単に暗転中にメッセージを表示したいだけならば、フェードアウトさせるだけで十分ですけども、演出の一環としてキャラクターにちょこちょこと小芝居させたい場合などには、この「真っ暗」マップを上手く使ってみてください。
●ゲームバランスについて
ゲームバランスは、ザコ敵に関しては、それなりの手応えを持ちつつもキャラが育てば余裕で倒せるレベルとし、ボス敵に関しては、それなりに苦戦をするレベルに調整しています。特に「死にスキル」を作りたくなかったので、補助スキルを活用すると戦いがかなり楽になるようにしてみました。
具体的には、ザコ敵は基本的にこちらより素早いためにある程度のダメージを受けてしまうものの、1〜2ターン程度で全滅させられるようにしています。これによって、1回の戦闘を短くしつつ、じわじわとこちらの戦力が消耗されていくようになりますので、MPを温存するのか使うのかをプレイヤーに考えながら遊んでもらえるようにしています。そして、レベルが上がると敵よりも素早く行動出来るようになりますので、ノーダメージで全滅させられるようになっています。
また、スキルについては、攻撃魔法を使えば敵を一発で倒せるようにしておき、その攻撃魔法では一発で倒せない敵が出てきたあたりで、次の攻撃魔法を覚えるようにしていますので、強い攻撃魔法を覚える嬉しさを感じられるのではないかと思います。
ボス敵は、通常攻撃主体なのかスキル攻撃主体なのかによって、使う補助魔法を変えると相当楽に戦えるようにしています。逆に補助魔法を使わない力押しですと、レベルをそれなりに上げないと苦戦すると思います。これは、「死にスキル」になりがちな補助スキルを活かすための措置で、そのために覚える補助スキルの数も絞っています。
とは言え、全体的にはガチガチな難易度ではなく、結構ゆるめの難易度にしており、何度もテストプレイしてもらってバランスを確認していますので、良い感じに仕上がったのではないかと思っています。また、「詰まり」状態を防ぐために、回復ポイントなども多めに配置していますので、そこを拠点にして戦ったりすると、かなり楽にキャラを育てられるのではないでしょうか。
ただ、一部で「敵が強すぎる」という意見を見かけたのは想定外でした。敵から逃げまくってレベルが低いまま、力押ししようとしているからではないかと思うのですが……。
以上、制作意図も含めた裏話を書いてみました。
サンプルゲームなわけですから、ここが良いと思った部分はぜひ参考にしてもらいたいですし、逆に良くないと思った部分は、どう改良すればより良くなるのかを考えて、より良い形にして皆さんの制作するゲームに取り込んでもらえると、サンプルゲームとしての役目を果たせるのではないかと思っています。
●SFRPG
『DS+』には現代、戦国、SFの3つのジャンルの素材が収録されていますが、ある程度のボリュームを持ったゲームを制作しようとした場合、現代以外のジャンルですと、他ジャンルの素材も上手く使わないと制作するのが難しいと思います。ですので、「サンプルゲーム」なわけですから、他ジャンルの素材をどう使うのかを提示した方が参考になるのではないかと考えました。
ですので、戦国かSFかになるわけですが、『ツクールシリーズ素材集 和』のサンプルゲーム「長一郎剣風伝」で和風RPGを制作したばかりな上、ここでやりたい事はあらかたやってしまったというのもありましたので、消去法でジャンルはSFにする事としたわけです。
●シンボルエンカウント
『DS+』発売前の「ツクールBlog」でシンボルエンカウントも可能になったと書かれていた事もあり、シンボルエンカウントのゲームを作りたい人もいるでしょうから、そのサンプルとしてシンボルエンカウントを採用しようと決めました。これが、今作のウリの一つ目となります。
シンボルエンカウントで必要となる敵シンボル自体の作成は大して難しくないのですが、問題はその挙動です。「ランダム」にすると、こちらが近付いても襲ってこないので変ですし、「近付く」にすると、フロア全体の敵シンボルが一斉に近付いてきますので、小部屋でウロウロしていようものなら、敵シンボル大集合状態になってしまいます。また、その大集合状態を突破すると、フロア内の他の部分に敵シンボルがまったくいなくなってしまうというのも大きな問題です。
そこで、「所持金を0増やす」イベントを置くことで対処しています。
移動するイベントは、実行内容が設定された他のイベントの上を移動する事が出来ません。ですので、「所持金を0増やす」という実行内容を設定したイベントを要所要所に置く事で、敵シンボルからすると透明の壁が置かれているのと同じ状態になります。これにより、フロア内の敵が一箇所に集合してしまうという事態を防いでいます。これでも、まだ多少の問題はあるのですが、対処法としてはベストじゃないにしてもベターではなかろうかと思います。
なお、こうした敵シンボルにとっての壁になるイベントの実行内容は何でも構いませんが、ゲームに影響を与えず、かつ無駄に容量を消費させないで済ますためには、「所持金を0増やす」が良いのかなと思います。
●ジャンクパーツ
ゲーム中に入手出来る「ジャンクパーツ」を集めて持って行くと、持って行った累計数に応じてアイテムをくれるという、DQの「ちいさなメダル」みたいなシステムが、今作のウリの二つ目となります。
アイテムの所持数によってイベントの内容を変えられれば簡単に作成出来るのですが、残念ながら『DS+』ではそれが出来ません。そこで、複数のイベントを「自動実行」で組み合わせる事により、持って行った累計数をに応じてもらえるアイテムを変える(=イベントの内容を変える)ようにしています。
ただ、累計数はスイッチで管理していますので、該当アイテムがゲーム内に存在する数だけスイッチが必要になってしまいます。「ジャンクパーツ」はゲーム内に10個存在しますのでスイッチが10個で済んでいますが、この数が増えれば増えるほど必要なスイッチが増えてしまい、後々、スイッチが足りなくなってしまうという事態を招く恐れがあります。
ですので、ゲーム内に存在する数はほどほどの数にしておくと良いでしょう。でないと、自分で自分の首を絞めてしまいます(笑)
●端末の依頼情報
ブレイバーズ本部にある端末の依頼情報を調べると依頼(=サブクエスト)に関する情報が表示されるのですが、依頼達成前と達成後で表示される文章が変更されるようになっています。初回はシナリオ本編と直結しているので文章は変更されませんが。
仕組みから言うと、ある選択肢を選んだ際に、その時の状況(特定のスイッチがONになっている、特定のアイテムを所持している、など)によって実行される内容が変わるというものなのですが、『DS+』ではPC版にあるイベントコマンド「条件分岐」がないため、そのままでは実行内容を変える事が出来ません。
そこで、ここも「ジャンクパーツ」に関するイベント処理と同様に、「自動実行」する別のイベントに処理を引き継がせる事で、その時の状況によって実行する内容を変えています。
具体的には、選択肢の直後に「スイッチA」をONにして実行内容を終了します。
そして、引き継ぎ先となる別イベントは、この「スイッチA」を条件に自動実行するように設定します。この時、別のページには「スイッチA」と共に「スイッチB」などといった他の要素も自動実行の条件に設定しておきます。こうする事で、「スイッチB」がONの時とOFFの時とで別のページの内容が実行されるというわけです。
なお、いずれのページでも最後に「スイッチA」をOFFにするのを忘れないようにしてください。そうしないと、引き継ぎ先のイベントが延々実行され続ける事になってしまいます。
●「真っ暗」マップの使い方
特殊マップに収録されている「真っ暗」マップの使い道が分からないという意見を見かけましたので、使い道のサンプルとしてエンディングで使用しています。
この「真っ暗」マップは、一画面に収まるサイズより一回り大きなサイズになっており、すべてのマスが通行可能です。ですので、マップの端を舞台袖に見立てるならば、あらかじめ舞台袖にキャラクターなどのイベントを置いておき、あとはこれらのイベントを移動させる事で、画面外から画面内へイベントキャラクターが移動してきたり、逆に画面内から画面外へ退場させるという演出が可能になります。
また、この「真っ暗」マップの黒色は、フェードアウト時の黒色とまったく同じ色ですので、フェードイン・フェードアウトと組み合わせる事によって、画面内のイベントキャラクターをフェードさせながら消したり、表示させたりする事が可能です。
ですので、単に暗転中にメッセージを表示したいだけならば、フェードアウトさせるだけで十分ですけども、演出の一環としてキャラクターにちょこちょこと小芝居させたい場合などには、この「真っ暗」マップを上手く使ってみてください。
●ゲームバランスについて
ゲームバランスは、ザコ敵に関しては、それなりの手応えを持ちつつもキャラが育てば余裕で倒せるレベルとし、ボス敵に関しては、それなりに苦戦をするレベルに調整しています。特に「死にスキル」を作りたくなかったので、補助スキルを活用すると戦いがかなり楽になるようにしてみました。
具体的には、ザコ敵は基本的にこちらより素早いためにある程度のダメージを受けてしまうものの、1〜2ターン程度で全滅させられるようにしています。これによって、1回の戦闘を短くしつつ、じわじわとこちらの戦力が消耗されていくようになりますので、MPを温存するのか使うのかをプレイヤーに考えながら遊んでもらえるようにしています。そして、レベルが上がると敵よりも素早く行動出来るようになりますので、ノーダメージで全滅させられるようになっています。
また、スキルについては、攻撃魔法を使えば敵を一発で倒せるようにしておき、その攻撃魔法では一発で倒せない敵が出てきたあたりで、次の攻撃魔法を覚えるようにしていますので、強い攻撃魔法を覚える嬉しさを感じられるのではないかと思います。
ボス敵は、通常攻撃主体なのかスキル攻撃主体なのかによって、使う補助魔法を変えると相当楽に戦えるようにしています。逆に補助魔法を使わない力押しですと、レベルをそれなりに上げないと苦戦すると思います。これは、「死にスキル」になりがちな補助スキルを活かすための措置で、そのために覚える補助スキルの数も絞っています。
とは言え、全体的にはガチガチな難易度ではなく、結構ゆるめの難易度にしており、何度もテストプレイしてもらってバランスを確認していますので、良い感じに仕上がったのではないかと思っています。また、「詰まり」状態を防ぐために、回復ポイントなども多めに配置していますので、そこを拠点にして戦ったりすると、かなり楽にキャラを育てられるのではないでしょうか。
ただ、一部で「敵が強すぎる」という意見を見かけたのは想定外でした。敵から逃げまくってレベルが低いまま、力押ししようとしているからではないかと思うのですが……。
以上、制作意図も含めた裏話を書いてみました。
サンプルゲームなわけですから、ここが良いと思った部分はぜひ参考にしてもらいたいですし、逆に良くないと思った部分は、どう改良すればより良くなるのかを考えて、より良い形にして皆さんの制作するゲームに取り込んでもらえると、サンプルゲームとしての役目を果たせるのではないかと思っています。








