April 12, 2006

モラル・ハラスメント

おすすめ本某所にてカウンセリング業務を
開始しました。
半分ボランティアな活動です。

『モラル・ハラスメント
〜人を傷つけずにはいられない』

マリー=フランス・イルゴイエンヌ著

いま、モラル・ハラスメントの相談を受けています。
「セクハラ」「モラハラ」と、“ハラスメント(嫌がらせ)”
の言葉に食傷気味の方もいらっしゃるかもしれませんが、
心に傷を負い、生き辛さを感じていることが大変な損害だと
認知されたからこそ、広まった言葉なのではないでしょうか。

また、モラル・ハラスメントは、当事者になってみないと
わからない異常な世界です。それを周囲のひとたちが軽く
見ることで、本人は二重の苦しみを味わうことでしょう。

なにを隠そう、わたしは某職場に在職中、精神的にとても
不安定になり、有名な某カウンセリングルームに足を運んだ
ことがあります。原因は、職場のボスと当時の恋人の2人から
のモラル・ハラスメント・ダブルパンチにありました。まともな
休憩もとれず朝から深夜までノンストップで働いていた生活で、
前頭葉(?)が悲鳴をあげて機能低下していたのかもしれません。

カウンセリングルームに足を運べたということは、あるイミ
復活の兆しがあったとも言えます。そのときのわたしには
答えが見えていたんですね。よって、初回の1回しか行き
ませんでした。カウンセラーに話していたら泣けてきました。
でも帰り道はスキップです(笑。今はぜーんぜん、過去のこと
になってます。

“こんなことをされるなんて、自分が悪いのではないか”
これは、モラル・ハラスメントの餌食にされた人が陥りやすい
思考です。モラル・ハラスメントは、他人を傷つけずにはいられ
ない人が起こすものです。その思考に陥れることこそ、彼らの
得意技といえるでしょう。

いかに気丈なひとであっても、いかに冷静な人であっても、
いかに思慮深い人であっても、いつ陥るか分からない罠だと
言えます。だって、相手は無意識に、餌食とする人の自尊心
を砕くことに長けた人物なのだから。羊のような顔をして
心のなかにス〜っと入ってくるのがとても上手な人物なの
だから…。

まともな感覚でつきあおうとすればするほど、わけのわから
ない世界に連れていかれ、自分の正常な価値判断力を否定
され続け、ついには精神的に支配されたと同じ状態になって
しまいます。対等に戦える相手ではないので、物理的に離れ
ることが一番なのですが、それに気づく頃にはボロボロに
傷つけられているのではないかと思います。

たいていは、近しい大切な人物が、親しくなるうちに変貌して
いくようです。だからこそ侮れないし、怖いのだと思います。

“挑発的なかっこうをしていたからレイプされた。よって、
された本人が悪い”的な発想をして自分を責めてしまっては
相手の思うツボですし、周囲のひとがそんな発想をして
しまうのも酷です。

彼らは自分に対する信頼や優しさを逆手にとり、横暴に振舞い
ながらも、あの手この手を使って自分から離れていかないよう
仕向けてきます。そのために、信じられない行動を起こすこと
もあるのです。手段選ばず、です。ものすごい狂気です。
当事者以外の人には、善人のように振舞うこともお手のもの。

これもマインドコントロールの一種なのでしょうね。彼らは
本当にそれが上手なのです。獲物には罪悪感を植えつけ、
不条理な世界に引きずりこんでいくのです。彼らの心の闇に
気づき、それすら受けとめようとしてしまったら最後、あとは
まっさかさまでしょうね。

信頼や優しさにつけ込む行為こそ憎まないと、被害者の心は
癒えません。被害に遭う人には傾向があるのかもしれませんが、
モラル・ハラスメントの加害者は、被害者と出会う前から、
どこか壊れているのだと思います。他人を信頼できないのに、
他人からの信頼や賛辞を求めてやまない人たちなのかもしれ
ません。被害者の人格や純粋な気持ちをめちゃくちゃに壊す
ことでしか、自分の存在を守ることのできない人たちなのかも
しれません。(加害者の救済は、また別問題です)

冒頭にアップした本は、わたしが当時の恋人をなんとか理解
しようと思って買った本です。頭がおかしくなりそうなのに、
まだ“関係を続けるために”理解しようとしていた自分が
不思議でたまりませんが、それこそが“モラハラ”なのだと
実感しています。

特に渦中にある被害者の人は、加害者のことを理解しようと
してはいけません。加害者の生い立ちや心の闇を受けとめて
あげようなんて、決して考えてはいけません。こちらが正面
向いて誠実に向き合えば向き合うほど、彼らは増長していきます。
“あの人も人間。きっといろいろあったのね〜”と考えるのは、
自分が完全に復活してからにしましょう!

そういう人間が具体的に存在していること自体、この本を読む
まで信じられずにいました!ましてや、自分の目の前にいる人が
そうだなんて…。信じられない存在だからこそ、まっとうに対処
しようとしてしまうんですがね…。
この本を読んだら目からウロコで、自分の置かれた状況を客観視
できるようになり、目が醒めたのです(^^)

でも、わたしがモラル・ハラスメントの渦から抜け出せたのは、
これまでに誰かに自分を尊重してもらった大切な経験があった
からだと思っています。渦に巻かれながらも、“おかしいぞ”と
危険信号を送れたのは、人に大切に扱われ、愛し愛された記憶
のおかげなのだなあと…。

ちなみに、モラハラ加害者には、独特の雰囲気で魅力的な人物
が多いとも言われています。ほら!あなたのそばにいるその人、
大丈夫?(笑。

ms_popin at 00:59│Comments(22)TrackBack(1)気になる 

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1. ○△社長の観察日記  [ 株式会社イスズ製作所 ]   April 14, 2006 23:35
○△社長はどこにでもいます. 産業カウンセラー・ネットワーク: 職場のモラルハラスメント対策室 http://blog.seesaa.jp/tb/15658628 http://eap.seesaa.net/article/15658628.html 産業カウンセラーヮ..

この記事へのコメント

1. Posted by yuki   April 12, 2006 09:47
「モラハラ」・・詳しく知らなかったのですが、にゃりんたさんの所で、初めてこれがどういうものなのかを知るきっかけが出来ました。
ある種、加害者にあたる人は病的な人格の持ち主なのでしょうね。そんな加害者によるマインドコントロールに遭う前に、一人でも多くの方が救われることを願ってます。

あと、事後報告で申し訳ありませんが、私の今日の記事からポピンさんの「夜回り先生」の記事にリンクを貼らせて頂きました。どうかご了承くださいませ。
2. Posted by ポピン   April 12, 2006 10:07
>yukiさん
にゃりんたさんご自身も、モラハラ記事を読んで
「コレは!」って気づかれたそうですもんね。。。
みんなにとってはただのイヂワルな人であっても、
近いところにいる人にとっては、まさに「加害者」
なんですよね。

夜回り先生リンク、ありがとうございます(^^)
yukiさんのブログから水谷先生のマンガを立ち読み
しました。買っちゃおうかな♪
3. Posted by にゃりんた   April 12, 2006 10:52
有り難うございます。何だかお礼が言いたくなっちゃって。
言いたかったこと、すっきり言ってもらえて嬉しい気分です。
実は思い出し作業の中でも私、かなり動揺していることが分かります。
今までこんな経験は全くなかったのに。
モラハラに気がついて過去の自分と向き合ったら、その当時出せなかった怖いという感情が吹き出して来ました。
そして誰かの言葉に敏感になったりする自分がいます。
やはりどこかまだせめているのでしょうね、自分を。
やっと付き合うまでの記事を書くことが出来ました。
そして付き合ってからの体験を書こうとしています。
でも少し心が乱れている気もしています。

自分を救いつつも誰かに勇気を与えるそういう記事になったらいいなと思います。
いつかポピンさんと直接この話が出来たらいいな・・・。
4. Posted by kokoro   April 12, 2006 13:37
モラルハラスメントの加害者たる人と接した経験は私にはありませんが、人であって人でない『人でなし』と縁があった事はあります(笑)
相手がどう言う人なのか、見ぬく力が欲しいですね。

5. Posted by ポピン   April 12, 2006 16:14
>にゃりんたさん
いえいえ。こちらこそ♪
タイミングよく仕事で相談が入ったのと、昨日は半日
その対応に没していたのとで、書こうと思い立ちました。
物理的に離れても、モラハラコントロールのもとにある
自分を感じることってあると思います。完全に立ち直るまでは。
にゃりんたさんが客観的に見れながらブログを書く作業は
いいことですよね。でも無神経なコメントが入ったら
再び傷ついてしまうから、そんな心ないコメントが
飛び込んでこないことを切に願っています。
そうですね、いつかお話できたらいいですね(^^)
6. Posted by ポピン   April 12, 2006 16:17
>kokoroさん
まともに対処しないで逃げた方がいい相手って
いるもんですよね(^^;
でも、思うんですけど、こういう人たちって
自分自身のことすら誤魔化して生きている気がして…。
自分自身の痛みを感じないように、こういう行動を
とるのではないかと…。
自分自身をだましているくらいだから、普通に接している
ときには、見抜けないんですよ、たぶん。
あとは、いつの時点で逃げ出すか、の勝負ですかね。
7. Posted by kokoro   April 12, 2006 17:39
まともに対処しないで良い相手ですね。(^ー^* )フフ♪確かにいますよね。
誤魔化して生きる人生って、空虚でしょうね。それしか術を知らないのであれば、それもまた悲しいです。本当は、とても弱い人間なんでしょうね。モラルハラスメントの加害者って…
8. Posted by ポピン   April 12, 2006 17:45
とても、弱い人たちなんでしょうね。
そして、たぶん知能犯。知性の使い道が間違って
いるけど…。
9. Posted by ゆず   April 12, 2006 18:36
モラハラ・・・初めて知りました
率直に言ってコワイ本当にそんな人っているのって思いました

でも知らず知らず被害にあってる方もいるんでしょうね??
この機会にモラハラ勉強してみたいと思います
10. Posted by set-miss   April 12, 2006 22:20
わたしもモラハラってどんなものかわからなかったの
ですけど、こういうのなんだ・・・ぞっとする人たち。
具体的に思い浮かばないけど、絶対会ったことある、
そういう人っているいる、という気がしました〜

トリイ・ヘイデンの本とか好きなんですけど、
それに出てくる心病んだ子供たちとかって、
似た感じかなあ、なんて思いました。
ずばっとど真ん中の痛いところに、切り込んでくる。
それも無意識的に。ああ、恐い、こっちに来ないで〜・・・
11. Posted by ポピン   April 13, 2006 02:13
>ゆずさん
ご紹介した本は、フランスの精神科医が書いたものですが、
「モラハラ加害者と関わってしまったら、その経験から
得るものはない」とまで書いています。
尋常でない人との経験は、今後に役立てる機会すら
ありそうにないわけですね〜。また出遭ってしまわない限り…。
12. Posted by ポピン   April 13, 2006 02:19
>set-missさん
トリイ・ヘイデンって知りませんでした。
調べてみたら、たくさん書いてるんですねー。
しかもノンフィクションが多いんですねー。
いつか手にとってみま〜す。

身近にいそうでしょ?
外にいれば、不愉快な思いをすることはあっても
まぁ問題はないと思われますが、深い関係になって
しまったら、もう…。
エネルギッシュな相手から力を失わせていき、
自分は負のパワーで盛り上がっていく…そんな人たちです。
あ〜。コワ。
13. Posted by れれれ?   April 13, 2006 04:15
ご無沙汰してます。
きっと精神的に弱い人の自己防衛の結果ですよね、モラ・ハラって。よく言えばまじめで、努力家で、ウィットに溢れていたり、何か人より長けたものをもっていたり・・でも、どこか、何か、胡散臭いしウソがあるんですよね。何せ、孤独・不安・こころの闇の裏返しが人生の原動力だから、相対的に自己を維持するために、常に誰かを落としていなければならない・・・
考えたらゾッとしますね、近くにいますけど。
14. Posted by ポピン   April 13, 2006 13:00
>れれれ?さん
おひさしぶりです(^^)
そう!彼らは魅力的なんですね。魅力的に見せることを自然にやってるのでしょう。と書くと、何も悪いことはないと思われそうですけど、そこに「胡散臭さやウソ」が隠れているわけなんですね。自己防衛のためには、どんな些細なことにもウソをつくようですね。しかも堂々とね。

 >常に誰かを「落として」いなければならない…
そうなんでしょうね。本当にゾッとするような負のパワーですね…。そうしないと生きていけないんですよね。生きる術になっちゃってるわけです。
愛情こめて投げかけた言葉でさえ、彼らにとっては鋭利な刃。だから、理解しがたいところで自己防衛して、こちらを攻撃してくるのですなぁ…。
れれれ?さんのお近くにもいらっしゃいますか…。いくられれれ?さんでも倒されることがあるかもしれないのでご注意を!(^^)
15. Posted by tetty   April 13, 2006 16:41
鬼嫁は一種のモラハラではないかと思っていますが、如何でしょうか?
16. Posted by ポピン   April 13, 2006 18:35
>tettyさん
モラハラな人は、元気で前向きな他人のパワーを削いでいくことで
自己愛を高め、生きながらえている人です。どうです???
弱い者をいじめたがる人はごまんといる中で、モラハラはまた
特殊な技法で生きている人なのだと思いますが、どうです?
なんにせよ、生きる気力を奪いとられるのはキツイですね…。
17. Posted by pikko   June 08, 2007 04:01
ポピンさんこんばんは。
今真夜中です!
色々悩んで、ここに辿り着きました。
文章を読んで、非常に泣けてきました…。

私の彼が当てはまりました。

何事にも私の意見を聞かず、
自分の正しさで、啓蒙しようとする彼。
恋人にする態度なのかなあ?
って思うほどに高圧的に。

私はすっかり自信が無くなり、
彼の分身みたいに
この何年か生きてきたように思います。

彼に無視されても、泣きながらすがってきた
私を彼は切ろうとしませんでした。
麻薬みたいな関係だ…。

この本読んでみよう。

18. Posted by パピコ   June 22, 2007 23:41
ポピンさんこんばんは。
モラハラで検索しててここにきました。
この本も読みました。
実は最近別れた彼がまさしくこの加害者にあてはまっているんです。

彼はすごく独特の雰囲気で魅力的なんですよね。
ドSって自他ともに認めてるけど、
ドSを通り越して悪魔みたいです。
理解しようとすればするほど自分の判断基準からはずれていくし、
愛情をかけてもイジワルばかりされるし。

私は今までにいい恋愛をしてきたので、明らかにこの関係はおかしいと思ったので付き合ってる間中、おかしいよ、変わった方がいいよ、
って言い続けた結果、ふられました。
彼に強く出れるのって私ぐらいだろうと思ってがんばってました。
19. Posted by パピコ   June 22, 2007 23:42
<つづき>彼の不遇な生い立ちや心の闇、葛藤がわかるからこそ、ほっとけないような感情でいっぱいになって、なんとかして幸せにしてあげたいって思っちゃうんです。
でもどんなにがんばってそうしようとしてもどうしても報われません。
暖簾に腕押しみたいに。

>pikkoさん
麻薬みたいな関係って本当にそのとおりです。
今でも実は、彼のことが忘れられないというか、
どうにかして理解してまた一緒にいたいとか思っちゃうんです。
たぶん共依存の関係になってるんですよね。
20. Posted by ポピン   September 13, 2007 11:25
>pikkoさん
うわー。放置ブログでレス遅くなっちゃって申し訳ないです!
コメントありがとうございました!!!

本当にね、モラハラの人って、独特の魅力がありますね。
危険な魅力…ともまた違うんですけど…。

>理解しようとすればするほど自分の判断基準からはずれていくし、愛情をかけてもイジワルばかりされるし。

ふふふ。そうそうそう。そうなんですよね。
ワケわかんないですね、こちらの回路では(笑)


>彼に強く出れるのって私ぐらいだろうと思ってがんばってました。

それが罠だし、理解するのに頑張れちゃうバイタリティ(?)ある人が被害者になっちゃうのね!!!


ともあれ、お別れできてよかったですね!!!(笑)
21. Posted by ポピン   September 13, 2007 11:26
↑や〜、ごめんなさい!
上のレスはパピコさんへのレスでした!!!

ごめんなさい!
22. Posted by ポピン   September 13, 2007 11:29
>pikkoさん
本は読みましたか?
わたしは線引きまくりで真っ黒になっちゃいましたよ(笑。
泣けてきたし。
この本で目が覚めましたよ。どうやっても彼のことは理解できないし、理解しようと思っちゃいけないってこと。

こんな人と一緒にいると、ほんと自尊心なくなってカラッポにされちゃいますからね。
がんばってください。捨てちゃってくださいね!!!

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