2012年03月11日

東日本大震災から1年が経過して  松村 貞章

文字通り未曾有の破壊的な被害をもたらした東日本大震災、巨大津波と福島原発事故から丸1年が経過した。報道各社は申し合わせたようにほぼ一日中同じような内容の映像を流し続けている。もちろん我々はあの日を忘れることは出来ない。現地に寄り添い、物心両面での支援の気持ちも持ち続けている。しかしながら日常の喧騒の中で、少しずつ風化してきていることはやむをえないし、誰も責められない事だと思う。それを認めざるを得ないからこその、これでもかの特番なのであろう。

TOPページにも、海外からも賞賛されている日本人の同胞を思いやる気持ち、連帯感、絆という美しい言葉を書いたが、どうもここに来て大きな違和感を感じる。
それは被災地の瓦礫処理の問題だ。瓦礫処理が1年たってもほとんど進んでいない事。復興、復旧、新ビジネスの立地など、何を始めるにしてもこの瓦礫処理がその第一歩であることは皆わかっているはずなのに!

政府の対応のまずさは何も今に始まった事ではないが、瓦礫処理を受け入れるという都道府県があまりにも少ないことだ。私の住んでいる千葉県そして市川市も手も上げていない事を心から恥じる。何故だ。何故なんだ。放射能の安全が確認されている瓦礫を何故自ら進んで分かち合おうとしないのか? そうせずして何が思いやりだ。何が連帯感だ。何が絆だと思う。先日、受け入れを表明した市長のところに反対住民が大挙してプラカードを持って抗議に訪れた。私にはこうした住民の態度が全く理解出来ない。これは権利の主張でなく単なるエゴだ。プラカードには「ガレキがお金に見える」と写しだされていた。気の利いた文言を書いたつもりなのだろうが、私はこの人の常識を疑う。政府のリーダーシップの無さ、全国の自治体に対する説明不測、説得の労を惜しんでいる点はさておき、今は上からの指示や依頼を待っている時期ではない。自治体自ら手を上げ、「うちは最大このくらいの処理能力があるので、どこのどの部分を受け持てば良いか相談しよう」と政府に働きかける位であるべきだ。

大震災後1年を経て、被災地で亡くなったの方々への鎮魂の気持ちと共に、瓦礫処理に対する政府の無策と他人事と考えている地元を含めた自治体や反対住民への怒りを込めてコメントする。一日も早い瓦礫処理の完了を心より願っている。

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2011年03月21日

東北地方・関東大震災に対する欧米航空会社の対応について  文責:松村 貞章

3月11日午後発生し未曾有の死者と災害をもたらした表記大震災の被災者の方々に対し、心よりお見舞い申し上げます。またお亡くなりになった方々に哀悼の意を申し上げますと共に、各地の避難所等ですべての面でギリギリのところで頑張っておられる方々、また被災地や福島原子力第一発電所で復旧のために自己犠牲の精神で命を張って活躍しておられるスタッフ、自衛隊、消防団、ボランティアの皆様そして海外より多数駆けつけて頂いた救助スタッフの皆様に心からの敬意を表します。私共も非力ながら何か少しでもお役に立てるはずと思いますので、スタッフ全員何らかのアクションを取らせて頂きます。

さて、この大地震は私共の業務にも大きな影響を与え、11日当日はもちろんのこと、先週の1週間は旅行の取り消しとその対応でほとんどの時間を費やしました。お客様のキャンセルはやむを得ない事情ですが、地震により航空会社の運行スケジュールも色々と変わり、それが一層の業務の混乱を招きました。やむをえない事情はあるものの、航空会社により温度差が相当にあり、どうしてこんなに違うのだろうという点に関心を覚え、フェアーを期す意味でも該当する航空会社のホームページの関連記事を熟読した上で、私なりの評価をさせて頂きました。航空会社は運送業であると共にサービス業であることは誰も否定できないと思います。非常時とは言え、公的な存在であることをどれだけ認識しているかという点に注目しました。弊社の主体が欧米中心であることもありますが、アジア系航空会社は概ね予定通りのところが多かったため、対象は欧米系各社としました。

1.北米系では最大のDL(=デルタ航空)、AA(=アメリカン空)、UA(=ユナイテッド航空)、CO(=コンチネンタル航空)は多少の出発時間の調整はあるものの、また羽田発があるところは欠航となったものがあるものの成田発はほぼ正常でした。AC(=エアーカナダは)乗務員交代とガソリン補給のために成田より関空経由とはなったものの、それ以外の変更はありませんでした。

2.北米線に対し欧州路線は航空会社により様々な対応がなされました。ポイントは2点。(1)福島原発事故に敏感に反応し、距離的に近い成田からの運行を当面中止したところ(2)乗務員の交代と燃料の補給の意味でソウル(仁川)や香港経由とした点です。

(1)AF(=エールフランス)とOS(=オーストリア航空)は乗務員交代と給油の目的で、成田→ソウル(インチョン)を経由し目的地へ。また、AY(=フィンランド航空)とVS(バージン航空)も同様の目的で成田→名古屋経由にて。KLMも同様で成田→関空経由にて。BA(=英国航空)とスイスインターナショナル航空(LX)は成田→香港経由で。SK(=スカンジナビア航空)は北京経由でこれを行いました。

(2)今ひとつ納得が行かないのが、AZ(=アリタリア)とLH(ルフトハンザドイツ航空)の2社でした。前者は成田発を当面なくし関空発着便のみとし、後者のLH行は成田発のフランクフルト行は名古屋発に、ミュンヘン行きは関空発に変えるとともに関空発も含めて乗務員入れ替えと給油でインチョン経由に。両者とも一定程度の名古屋または関空までの交通費支給とあるが、それならなぜAY,VS,KLのように成田から名古屋または関空経由としないのか疑問。

AZに関してはこの間直接の取り扱いがなかったので事情を精査した上でコメントしたいが、LHに関しては正直相当振り回されました

実際に17日成田発フランクフルト経由ウイーンのLH/LHの乗継ぎで出発されるお客様を担当したので報告します。LHは15日午前「当面15,16,17日の3日間は成田からのフランクフルト行直行便をインチョン経由とする。乗り継ぎのある方は各論で用意するのでお客様に徹底下さい」の要請があり、ようやくお客様のご理解を得たのがその日の午後。

にもかかわらず同日の夜9時のホームページでは「成田発をすべて名古屋または関空発に変える。しかも名古屋、関空までは各自で出かける事。いやならキャンセルしても良い。金は返す」あまりに一方的な通達です。16日連絡をくれた担当LH代理店も、当方よりの様々な質問に対し「LHと全く連絡が取れないので、HPに記載以上のことがわからないため、何とも申し上げられないとの事」LHの電話番号を複数チェックし直接連絡を取るも一向につながらない。火山が突然爆発した訳ではないのだ!日本政府の対応のまずさにも責任はあるが、あまりにも顧客不在の対応だ。LHの日本人責任者、長年日本マーケットを担当している在日ドイツ人責任者は全く日本のマーケットを理解していないようだ。この間LHに係わった旅客と旅行関係者はこのLHの対応に皆怒り、あきれ返っている。恐らく、長い事忘れないでしょう。

最後に上記の17日発のお客様は、ぎりぎりで手配できたエコノミーセイバーのチケットで無事出かけられた事をお伝え致します。


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2011年01月02日

2011に発進!  文責: 松村 貞章  

新年おめでとうございます。旧年中は格別のお引き立てを賜りまして誠に有難うございます。本年も倍旧のご愛顧の程何卒よろしくお願い申し上げます。

さて、ここ数年来旅行業界は真冬の中にあります。リーマンショック以来続く不況による企業や公的機関の出張の取りやめ、そして日本中が大パニックになりました新型インフルエンザ、昨年もアイスランドの火山噴火や尖閣問題を発端とする日中の関係悪化などどれをとっても海外旅行に敏感に悪影響をもたらします。

また航空業界による0コミッション制度の定着(私見ですが以前にもこのコーナーで触れました通り、この制度は日本の旅行慣習に全く合わないと断言させてもらいます。時間はかかるかもしれませんが、景気の回復とともに、「座席を売ってやる」という航空会社は遅かれ早かれ淘汰されて行くと思います。)も私どもにとりましては大変厳しいものとなっております。

更には格安旅行会社、ローコストキャリア、インターネット割引により旅行者が旅行会社経由よりも安く確実に席やホテルが取れる時代になっておりまして、「旅行会社」の存在意義そのものがここ数年問われております。

景気に関しては皆様ご存知の通り循環します。昨年後半より景気も少しずつですが上向きになり私どももこの雪解け現象に大きな期待を致しております。

それとは別に「旅行会社は必要か?」という本質的テーマに旅行業に携わる者として正面から向き合って皆様に私どもの考えをお伝え致したく存知ます。

1.インターネットで情報を得て、それを元に旅行の計画、予約手配をされておられる方も少なからずおられると思いますが、「はたしてそれで十分満足しだろうか?」という疑問を私は常々持っております。私も情報取得のためにインターネットを良く利用致しますが、一つのテーマにはネットで答えてもらうことが出来ますが、旅行は当然複数のエレメンツからなりますので、それらを有機的に繋ぐ事をインターネットに求めるのは酷です。ここに私ども旅行会社の存在意義があるのではないでしょうか?

一般の方々の認識は大変薄いものとなっておりますが、「旅行業法」では「相談業務」がそれ単独で立派な業務として公に認められております。弁護士みたいですね(笑)。それほど格調高いものではありませんが、そこはこれで生業を立てさせて頂いておりますので、個人では限界のある「複数のエレメンツを有機的に繋ぐ」という仕事をさせて頂いております。もちろん大変に手間のかかる仕事ですので、「相談業務」が一般的に認知されていない分、手配手数料として皆様から頂いている次第です。私どもはこの原点に立ち返って「そうだエムズに相談しよう」が多くの皆様の合言葉となる様、今後とも精進して参ります。

2.格安旅行会社、ローコストキャリアについて一言

どんなものにも必ず相場というものがあります。どう考えてもこれだけの人手、ガソリン代、宿泊費、食事代金を考えるとあり得ないような料金設定を力ずくでしているようなところは「安くて良心的」なのではなく、自らを含めた業界を貶めているのえはないかと考えております。「安ければ良い」の時代はすでに終わりました。

ローコストキャリアについては色々な意見がありますが、私はそれはそれで余分なサービスを一切省いてかつそれらサービスを有料化している訳で、存在意義はあると思います。ただし、近場は良いけれどロングポーションは辛いですね。

3.最後に2011年に7年目を迎えるエムズのキーワードをいくつかあげます

(1)お気軽に相談下さい
皆様からたくさんお相談を頂き、それに的確に応えられるように社員一同精進して参ります。内容的にも海外、国内の旅行手配を問わず、そして海外への渡航業務のみならず外国からの招待客の手配(インバウンド)、海外での会議開催、国内での会議運営業務と幅広くお手伝いをさせて頂きます。まずは相談下さい。

(2)現場主義
徹底した現場主義を貫きます。実際に海外出張される方々と同じ目線で物事を考え、イマジネーションを働かせ、手配をさせて頂きます。個々の出張目的を十分掌握し、それに見合ったご提案をさせて頂きます。

(3)お客様が納得の手数料を頂く

皆様が十分に納得され気持ちよくお支払頂ける様な手数料を頂く形とします。逆に重要ですが大した手間がかからず、ご自身でも時間があれば比較的簡単に出来るESTA(米国)やE−TAS(オーストラリア)は、旅行をご用命頂いた方々には実費のみでお手伝いをさせて頂きます。

(4)本年も「10の約束」を堅持します

前記と内容的にかぶる部分もございますが、エムズの基本方針でもあります皆様との「10の約束」(TOPページ参照)を本年も一同肝に銘じ業務を行って参ります。

本年もエムズを何卒よろしくお願い申し上げます。
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2010年12月05日

行って来ました。羽田国際空港。 そのメリットとデメリット 文責: 松村 貞章

羽田空港はD滑走路の開設に伴い、10月21日よりアジア路線より順次新ターミナルで国際線が運航を始めました。10月31日よりはJALの直行便がサンフランシスコへ、ANAの直行便がロスアンゼルスに就航するのをはじめ、2011年1月よりはAA(=アメリカン航空)とAC(=エアーカナダ)が、2月よりは米国最大路線を持つDL(=デルタ)航空が就航予定です。欧州路線ではBA(=英国航空)が1月より予定しています。

色々と新聞、テレビ等のメディアやコマーシャルででメリットばかりが案内されていますが、実際に見学をして関係者の話を聞く限りでは、必ずしも良いことばかりでは無く、これからの課題が山積されている事がわかります。

メリットの再確認ですが、確かにモノレールや京急のアクセスが良く、モノレールの改札を出たらすぐに空港の1階エントランスとなります。これは少なくともメリットと言えるでしょう。2階は到着ロビー、3階は出発ロビー、4階が出発ラウンジとなっており、4階と5階はEDOMARKET PLACEと呼ばれ、4階は江戸をテーマとしたレストランや土産屋が立ち並び、5回はキャラクターグッズや雑貨の販売と、売りであるプラネタリウムの映像をバックに食事とお酒が楽しめるSTARRY CAFEがあります。このCAFEの営業時間は朝8時から夜11時となっていますが、注意すべきはプラネタリウムの放映時間は非常に限られたもので、しかも15分の入れ替え制と多くの人が知らずに行ってがっかりされると思います。レストランは全体的に狭いスペースなので、ちゃんとした店には混雑のためなかなか入れません。しかもその大半が利用客ではなく、見学客。地方から団体で羽田空港を見学に来たツアーとの出くわしました。駐車場の利用者も、そのほとんどがドライブで見学。若者の安上がりののデートスポットとなっています。

さて、肝心の3Fチェックインカウンターは向かって右からA,B,C,D−−−Jまでとなっており、AからEまでがANAをはじめとするスターアライアンス系航空会社が、FからJまでがJALをはじめワンワールド系航空会社が現在の所入っています。今後左側が開発されK,L,M(オランダ航空が入るでしょうか?)とチェックインカウンターが拡がって行くとの予定との事です。尚、Aの右奥(極右ー笑)とJの左奥(極左)はそれぞれANA系、JAL系の団体地チェックインカウンターとなっています。

デメリットですが、これは明らかに発着の時間が悪すぎる事で利用時間が現在のところ深夜に限定されてしまっている事です。コマーシャルで、仕事をこなしてから出張にとか、金曜の夜から観光旅行に出かけてと、本来のデメリットをあたかもメリットのように見せかけていますが、これはその時間帯にしか飛べないからで、米国西海岸の場合には夜中に出発して到着は前日の夕方のため前の日の1泊が必要となってきてしまいます。企業の人事・総務部の方々はこの勤務時間を終えてからの海外出張は歓迎かと思いきや、「日当を一日分余分に支払わなくてはならないので」とあまり好評では無いらしいです。さらに問題なのが到着時間。夜の23時−24時にかけての到着では、よほど近くにお住まいの方々以外は同日中に帰れません。各地から羽田乗継でと強調して成田に差をつけたいところですが往路はともかく、復路はどこにも乗り継ぐことが出来ません。

以上案内申し上げます。羽田が成田以上のハブ空港となるための最大の問題はこの離発着の問題、すなわち滑走路使用可能な時間帯をいかに確保して行けるかにあるかと思います。



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2010年09月21日

バルセロナ紀行(その2)  文責:小野寺 義徳

見どころも多く、ショッピングも楽しめ、食事も美味しく交通の便も良く、天候にも恵まれている魅力満載のバルセロナを前回ご案内しましたが、問題が無いわけではありません。
バルセロナオリンピックの直前に「バルセロナはカタルーニャです」といった内容の新聞の1面広告をご覧になった方もいらっしゃると思いますが、過去の歴史から「カタルーニャ」は、スペイン中央政府からの自治権に関しては何ものにも替え難いもののようです。 空港内や道路標識等の案内は、カタルーニャの「カタラン語」次に「スペイン語」「英語」と3つの言語で記載されている事でも分かるのではないでしょうか。
実は学会直前の7/10(土)に「新カタルーニャ自治憲章案」に関して大規模なデモがバルセロナ市内で行われ参加者なんと110万人という事ですから、「カタルーニャ」への思いがいかに強いかが分かると思います。 
そしてその翌日7/11(日)にはサッカーワールドカップ南アフリカ大会の決勝で、スペインがオランダに勝ち初優勝を遂げました。 翌7/12(月)に凱旋帰国した代表チームは、街を埋め尽くす大群衆に迎えられパレードの様子や祝勝会のイベントをテレビでご覧になった方もいると思いますが、そんな時バルセロナでは・・・・  もちろんサッカー好きな国民なのでスペイン代表チームを応援はしましたがそれは地元のクラブチーム「バルセロナFC」の選手が出てるからという理由が大半とか! 更に言えば、それでも「スペイン」が嫌なので「オランダ」代表を応援していた人たちもいたとの事
これ程までに根深い「スペイン中央政府憎し」のカタルーニャですが、中央政府に対しての過激なテロ行為はありませんし、事件・事故といった面での治安は、良好といえるのではないでしょうか。
但し、在バルセロナ日本国総領事館のホームページにも記載がありますが、
引ったくり、スリ、置き引きといった犯罪は非常に多く、1年間に日本人だけで300人ほどの人が被害に遭っています。 もちろん被害に遭うのは日本人だけではなく、世界中から来る観光客や地元のスペイン人も含まれています。 
 観光客の集まる旧市街や、サグラダ・ファミリアは、要注意の観光ポイントです。 また、人通りの多いランブラス通りや市場なども注意が必要な場所です。 そして地下鉄。車両内はもちろんエスカレーターや階段も注意が必要です。  
 注意が必要な所だらけですが、スリ、引ったくりの他にも首絞め強盗(最近は減ってきているとの事)等と乱暴な犯罪もあるので、注意をしているだけでも少なからず予防する事はでき、犯罪被害を未然に防ぐ事は出来ます。 
 とは言え、今回の学会期間中は、多くの参加者が被害に遭っていました。 参加された方で、お気付きになられた方も多かったと思いますが、会場向かいのショッピングモールDIAGONAL MARにも警官が巡回を始めたのは学会2日目辺りからでした。 また、トラムで4駅のところにあるショッピングモールGLORIESにも巡回警官が出ていましたが、それでも犯罪は起こっていたようです。 財布をスられて泣き叫んでいた人の話、パスポートまで取られてマドリッドまで行かなければならなくなった韓国人の話、食事中に足元のカバンを取られてしまった話、スーツに鳥のフンのような物をかけられてスリに遭った話など多くの事例を聞きました。 
 今回の様に世界中から多くの人が集まるイベントは、格好の標的だった事でしょう。
その為、出発前の案内などでご参加の方々に、注意喚起を繰り返し、何とか被害を最小限に食い止められればと願っておりました。
 その結果、弊社でお手伝いをさせて頂いた120余名の方々、誰一人として犯罪被害の報告が無かったのは本当に嬉しい事でした。 但し、エスカレーターで、ポケットに手を入れられたとか、地下鉄車内でバッグに手が伸びてきたと言う未遂事件は4件伺いましたが、犯罪を防止できたのはご参加いただいた方一人ひとりが、注意をされていた結果だと思います。
 渡航先の情報を入手し注意するポイントを、確認しておく事が、いかに大事か、それによっていかに旅行を楽しめるかを痛感したバルセロナでした。

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2010年08月08日

バルセロナ紀行 (その1)  文責:小野寺 義徳

7月14日から17日の期間、歯科関連では最大規模の国際歯科研究学会(IADR)が、スペイン・バルセロナにて開催され、ご利用頂いた方々へのご便宜をお図りする為、同行致しましたので、見て、聞いて、感じた事・気付いた事を、報告致します。

バルセロナは、スペイン北東部、北はピレネー山脈を挟みアンドラやフランスに接し東南は地中海に囲まれたカタルーニャ州の州都。人口は160万人、都市圏全体では300万人のスペイン第二の都市です。 1992年にはオリンピックが開催され水泳やマラソンでの日本選手の活躍が記憶にある方も多いと思います。 

そのバルセロナの魅力は、何といってもサグラダ・ファミリア(聖家族教会)を代表とするアントニ・ガウディの作品群をはじめモデルニスモ(アールヌーヴォー)期の数々の建築物です。 世界遺産登録されているこれらの作品の中でもサグラダ・ファミリアは、(世界一有名な工事現場とも現地のガイドさんは言ってましたが)一見の価値有りです。 旧市街ではローマ時代の城壁や、カテドラルなどの歴史的な見どころがあり、多くの観光客とスリ達(次回掲載)で賑わっています。
前述のオリンピックのメイン会場となったモンジュイックにはカタルーニャ美術館やミロ美術館、スペイン村などがあり、また高台からはバルセロナの街が一望でき観光ポイントの一つです。
ショッピングも、街の魅力の一つです。 スペイン王室御用達のロエベをはじめ高級ブランド店が並ぶグラシア通り、お土産や雑貨などのお店が立ち並び市場もあるランブラス通りは、やはり観光客とスリ達で、賑わっています。 日本と同様に、大型ショッピングモールも街の中心から少しはずれた所にありますが、今回は学会場が街外れであり、道を挟んでショッピングモールがあった為、皆さん非常に便利だったのではないでしょうか?
街の魅力として重要なのは、何といっても食事です。 目の前が地中海なので日本でもおなじみの「パエジャ(パエリャ)」の他、「ガリシア風タコ煮」などシーフードは、抜群です。 また、イベリコ豚で有名な「生ハム」や、スペイン風オムレツ「トルティージャ」などは美味しくかつ手軽に街のそこここにあるバル(カフェ兼居酒屋兼レストランといった感じのお店)で、楽しむ事が出来ます。 
交通機関の便利さも大事なポイントですが、地下鉄網が発達し、更に環境に優しい路面電車も走っており会場が街の中心でなくても、さほど不便さを感じず、タクシーも初乗りが円換算で¥250程度なので非常に便利な環境です。 また、徒歩で散策する場合でも街路樹や公園が多く日影もあり歩きやすく、また、街全体が海に向かって下り坂になっているので、高い位置から下って歩くのがお勧めです。

見どころも多く、ショッピングも楽しめ、食事も美味しく交通の便も良いと良い事尽くしで、観光客が多い事も納得できます。 更に言えば殆ど雨が降らないと言うのも、ポイントが高いのではないでしょうか?

さて、今回、渡航された多くの方々から、「また、行ってみたい」との声を聞いております。 過去に行った事のある方は、もう一度、まだ行った事がない方であれば、是非機会があれば、魅力的なバルセロナへ行かれる事を、お勧め致します。

今回の添乗で入手した情報を活用し、ご提案させて申し上げますのでご渡航の際に役立てて頂ければ幸いです。 
とは言え、そんなバルセロナもやはり難点はありましたが、それはまた次の機会に・・

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2010年07月01日

旅行も時代と共に柔軟に・・・   文責 川野 眞二

久しぶりの、このコーナーへの投稿失礼いたします.ワールドカップで盛り上がっていたこの2週間、何か目に見えない一体感をこの日本に見た思いです.スポーツ特にサッカーって不思議な存在に思いました.

さて、このような日本において、旅行といった点で思う事なのですが、国内・海外を問わず景気の上向き傾向に伴い、旅行需要は伸びている言われますが「高額商品」と「廉価商品」の2極化が続いているのも事実かと思います.旅行会社の目線で内容的にも・料金的にも妥当と思い作成された旅行商品が意外に販売伸び悩みの傾向があるんですね.やはりそのような商品はお客様目線からは価格的にも・内容的にもインパクトが薄いからこそ売れないということなんでしょう.

私共のような日頃、学会・国際会議・業務渡航等の旅行を取扱いする者にとっては、あまり扱う機会が無いのですが、最近の日本では体験・参加型、テーマを持った旅行に人気があり、ツアー自体も増えているみたいですね.
「日食」「はやぶさ」等の天体・天文関係、「東京スカイツリー」、「各種工場訪問」やエコ・趣味をテーマにしたツアーも増えており価格的にもリーズナブルで短期間で参加出来る商品から、自分一人では中々ノウハウも無く、手間もかかるような事も簡単に体験出来るユニークなツアーも増えているように思います.
それに伴い、新聞・雑誌やテレビでの露出も増え相乗効果で人気が出ているんです.うーん結構面白い、ユニークだ、こういうツアーもあるんだなと同業者としても勉強させられる事もあります.
確かに、旅行とはいっても様々な形態の旅行があり国内・海外の違い、業務か個人の旅行かの違いはありますが、旅行会社の目指す事は、個々のお客様がその旅行に満足頂けるか、目的を達して頂けるかです.

その為には旅行会社としては日常の業務に流されがちな中でも、日頃から、国内外の様々な分野の事に「お客様目線」で関心を持ち、固定観念を持たず柔軟な発想を心がけなくてはいけませんね.

そうして、世の中の様々な分野の商品が時代と共に様変わりしている様に、旅行の内容が時代と共に様変わりする事も自然な流れかもしれません.

日常の旅行業務で単調になりつつある時こそ、気分転換と共に発想の転換が求められるのでしょうか・・・.

さあ、これから夏本番、バテずに頑張りましょう!独りごと、失礼しました.
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2010年05月15日

そうだ! エムズに相談してみよう  文責: 松村 貞章

このコーナーの更新の約束が守れず間隔が大幅に空いてしまいましたことを責任者として深くお詫び申し上げます。 出来るだけ早く正常化したいと思いますので今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。

さて、お気づきになられた方々もお多いかと存じますが、弊社ホームページのトップページのキャッチコピーを上記の通り4月後半より変えております。

これは一重に皆様にとって気軽にご旅行(海外、国内問わず)や各種会議、イベント開催などを相談して頂きたいという願いからです。 私の以前からの持論ですが、格安航空券、ホテルなどの手配がいとも簡単にかつ安全・正確にインターネット等で出来てしまったら我々の「旅行業」という業種は存在するのだろうかと自問自答しているのですが、もし仮にそうなってしまっても「相談業務」というのだけは残るのではないかと考えております。 

意外かもしれませんが、この「相談業務」は旅行業法でも認められており、弁護士のように「相談料」というのを頂くことが法律的に認められております。 しかしながら、日本の慣習にはこの「相談料」と言うのは馴染まず、結局は旅行相談と旅行の手配依頼とが同時に行われております。 我々にとって言えるのは「まずはお客様よりの相談から始まる。」ということではないでしょうか。 従って従来のお得意様だけではなく、全く初めてたまたまこのコピーを見かけた人でも電話あるいはメールで相談したくなるようなそんな旅行会社を目指しております。

これは先に発表した「エムズツアー10の約束」とも連動しております。 即ち、相談を受けると言っても我々はオールマイティーではありません。私を含め4人のスタッフの中でも得意な分野、不得意な分野があります。旅行と言うものは広く、そして歴史・文化などを考慮するととても深いものです。 しかしながら強調できるのは、私共は世界の全地域のエキスパートの手配会社と優良な関係を築いており、彼らが持つ情報力、手配力と我々がこれまで培ってきた経験、知識を融合させ、お客様のTPOに応じて的確に旅行をコーディネートすることが我々本来の仕事と考えております。

こうした事で、会社としての限界、個人としての限界を超えて皆様がご納得でき、ご帰国後良かったと思えるようなご提案が可能となります。

「そうだ! エムズに相談してみよう」として、実際下記のようなお話を頂いております。

◎教授や担当医局長、ボスの急な出張、限られた時間でよいプランを組まなければーどうしよう (東京 YSさん、HOさん、神戸 GHさんなど秘書の方々です)
◎海外からの招待演者の召集を限られた予算内で何とかしなければ (東京K社TK様、山梨 YO先生)
◎20名ほどの社員旅行をどうやって手配したら良いだろう (最近あったW社の方。その後のご連絡をお待ち致しております)
◎うちの会社、決まった旅行会社があるのだが、基本手配(フライト、ホテル)しかやってくれない。実際には現地での会議開催や食事会など、それ以外のところが大事なのだが。。。(東京C社 OA様)
◎家族まとまって休みが比較的長期間取れた。 米国での会議出席、病院訪問、欧州での病院視察と共に各地で家族も観光で楽しめるような多目的で有意義なプラン。費用はかなりかかると思うが出来るだけ効率的にお願いしたい。
   (名古屋 SM先生)
◎アフリカや南米に家族3人で行きたい。その地で学会もある。似たようなプランが既成のものであるが、もっと事由に動きたい。
    (埼玉 SA先生)

上記はほんの一例です。 弊社を既にご存知の方、名前だけは知っているがご利用経験がまだの方、初めて名前を知ったと言う方々と皆様色々かと存じますが、まずは「エムズに相談してみよう」を合言葉に、お気軽にご連絡をお願い致します。

社員一同皆様からのご照会を心よりお待ち申し上げております。
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2010年01月23日

JALへの会社更生法適用と再建について  文責: 松村 貞章

1月19日についに会社更生法が適用され西松社長以下経営陣がそっくり入れ替わり、京セラの稲盛会長をヘッドとする新経営陣が再生を担う事となった。株価は1円まで下がり紙くず同然となっている。2兆3000億円を超える負債を抱え15,000人ものリストラが急務といわれるJAL. いくら大手といっも民間企業である限り、これだけの負債をかかえたら倒産やむなしである。今では影も形も無くなった、かつての興銀、山一を彷彿させる。前原大臣は「飛ばしながら再建させる」と意気込んでいるが、果たして可能なのか?」恐らく業界関係者も、お客様もそして一般の国民も一番の関心事はそこにつきると思う。

結論から言えば、私の見解は「出来る」である。JALに資金提供を申し出ているデルタ航空をはじめ、ユナイテッド、ノースウエスト,コンチネンタルなど米国の主要航空会社はこの政府管轄下による会社更生法により息を吹き返している。日本政府が国を挙げてこのナショナルフラッグキャリアの再生に尽力すれば、それほどは難しい事ではないと思う。 ぜひJAL内部の努力により再生して欲しい。

このためには当然のことであるが、まず悪い慣習や一切のしがらみを絶つ必要がある。23日付日刊ゲンダイの記事にあるようなJALを食い物にしてきたとのそしりを免れない歴代の天下り役員、長年破格の高給をとり続けリタイア後も高額の年金を取り、会社が無くなろうとしている時期にも年金の減額に応じない一部のOB(何を考えているのかと腹が立つ。会社がつぶれ仕事がなく、無論年金もまともに貰えず年末年始を派遣村で過ごした人たちの事に少しは思いをはせるべきである。)恐らく自分たちは人種が違う位にしか思っていないのだろう。そして政治屋との癒着である。山崎豊子原作の「沈まぬ太陽」にも出てくるような政治屋との負の関係を根底から一層してほしい。政権与党である民主党には、過去の保守党先輩議員達を「他山の石」として欲しい。

JALに同情するのは、ナショナルフラッグキャリアとして不採算の国内路線も飛ばして来たことなど国策に協力をせざるを得なかった立場上の問題にある。不採算路線をやめたら生活に大きな支障を来たす人々がたくさん出てくるのも事実である。美味しいところばかりを飛ばし、近年特に態度不遜なもう一つの日系航空会社とは根本的に違う。JRにも共通するような話だが、こういった点こそ政府が航空行政としてちゃんと整理をしてゆくべきである。

誰かが「JALは人を乗せてやるという姿勢」、「ANAは乗って頂くという姿勢」この違いが業績の差に現れている」と指摘したが、私はその意見に違和感がある。昔はともかく今はJALもANAも乗って頂くという姿勢に変わりは無い。私はむしろ今のANAのあり方に疑問をいだく。それは旅行会社に対する姿勢である。
日本には多くの旅行会社があり、特に日本は航空会社と旅行会社がタイアップして旅行業を育ててきた。旅行会社の大切なお客様は航空会社にとっても大切なお客様のはずである。0コミッション(のみならず発券手数料が必要)という現状は「大切なお客様を送客して頂いているという姿勢から「旅行会社が勝手に集めた客を乗せてやる。席を分け与えてあげる。」という発想に他ならない? 0コミッションはJALもANAも同じであるが、旅行会社への具合的な対応は圧倒的にJALのほうが良いと感じているのは私だけでは無いであろう。(ごく一部の大手旅行会社は別の見解を持つであろうが。。。)

話が少しそれたように感ずる方も多いと思うが、JALの再建には1にしがらみを絶ち当面政府主導の下に利権は一切認めない形で、安全とサービスの向上に努め、そして社内に渦巻く無駄を思い切り排除し、合理化を追及する中で利益を確保し、不要な支出をなくすこと。それとぜひ強調したいのは、ごく一握りの超大手のみを優遇するのではなく、しっかりとした客層とノウハウを持つ多くの旅行会社とのこれまで以上の共存、共栄の良好な関係を持ち、協力を得て集客力を一段とアップすること。ぜひとも良い形で一日も早く再生して欲しいと心から願っている。

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2009年11月29日

南アフリカ紀行 文責: 松村 貞章

更新が3ヶ月ぶりとなってしまい誠に申し訳けありません。深く反省を致しております。さて、2009年も後残すところ一月となりました。新型インフルエンザ、長期に渡る不況、旅行業界においては航空会社の0コミッションなどなど業界全体にとって多難の年でありました。今後もまだまだこの傾向は続きそうです。世界平和と人類共存の象徴とも言えるこの旅行業を護る大志のある団体トップや政治家の出現を待望致します。

話は変わりますが、このような状況の中で本年の最も楽しかった思い出といえば3月にケープタウンで開催されました国際労働衛生学会(ICOH2009)で参加者の皆様に添乗させて頂いたことです。ケープタウンはもちろんの事、念願のビクトリアの滝(ジンバブエ、これでナイアガラ、イグアスと世界3大滝制覇)、チョべ国立公園(ボツアナ)を訪れました。以下深く印象に残った諸点をお伝え致します。

1.ビクトリアの滝は残念ながらこの時期水量が異常に多く、水蒸気でその景観を堪能できませんでした。ならば空からと試みたM先生から頂いたCDに写っていたのも水蒸気にほとんど隠れた滝の姿でした。滝見学のベストシーズンは9月との事。

2.チョべ国立公園を流れるチョべ川は4つの国に囲まれています。(ボツアナ、ザンビア、ナミビア、ジンバブエ)このチョべ川で我々を待っていてくれたのがカバのファミリー。そのユーモラスな光景をもっと近くで見たかったので船を近付ける様頼んだところ「大変危険だ。カバは危険な動物!」

チョべ国立公園で出会った動物たちは次のとおりです。BIG5といわれる動物のうちライオンとサイには会えなかったが他の3動物には感激の対面を果たす。

(1)怒涛の進撃バッファロー
夜皆さんとレストランに行く途中公園を車で走っていると、突然前を群れが横切って行きました。良く見るとバッファローでした。ガイドの説明によると、このバッファローによる死者の方がライオンによるものよりも多いとの事。

(2)気弱なアフリカ豹
別の日ですが、日中ドライブ中(観光専門用語でゲーム中)にガイドが「木の上を見て!」と叫ぶ。見ると木陰にアフリカ豹(レオパルトと呼んでいました)が!アフリカ豹は体に似合わず大変臆病な動物だとの事。何をそんなに恐れているか?ライオン?いまだ疑問です。貴重なこの映像を送って頂いた皆様に感謝。

(3)平和主義者アフリカ象

アフリカ象は気が荒いと聞いていただけにこれは以外でした。これもドライブ中の話ですが、眼前に象が現れ道を横切ろうとしていました。ドライバーは私の「おい。やめとけ」という執拗な制止の要請にも「NO PROBLEM」と前に進むと、何と象が後ずさりして道を譲るではないですか!これは意外でした!

以上が最も印象深かったチョべ国立公園についてです。

3.最後にケープタウンの印象につき

(1)思っているよりずっと安全です。特にWaterfront地区は夜間も安全で快適。政府の見解は大ウソといっても良いほど。特にあぶないと言われているところにわざわざ行かなければ大丈夫。それよりも4人に1人がエイズとガイドが言ってましたので男性の方々は特にご注意を!

(2)ナイトライフをチェックするのも添乗員の仕事。意外と知られていないのが空港に比較的近いカジノ。まさに不夜城といった感じで、別世界がそこにありました。浅田次郎先生の本に感銘を受けて世界のカジノを体験することをライフワークの一つとしている松村にとってそれは驚きです。もちろん大きな宿泊施設もあり、規模はソウルのWalkerhill, ゴールドコーストのConrad以上です。

以上、3月のICOH添乗旅行で体験したことの報告です。また機会があればお話をさせて頂きます。ご参加を頂きました皆様。CDや写真を送って頂きました皆様に改めて心より御礼を申し上げます。




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