総評 ■■■■■□□ 5
シナリオ ■■■■■□□ 5
主人公       ■■■■■■□ 6
ヒロイン ■■■■■■□ 6
CG   ■■■■■■■ 7
音楽 ■■■■□□□ 4
声優 ■■■■■■□ 6
演出 ■■□□□□□ 2
2019-06-01 (32)
『学園モノのHOOKSOFTと純粋な学内恋愛の融合へ』のテーマに恥じない王道的恋愛をその作品から垣間見ることが出来ました。陣内莉佳子√でのお弁当、狭山絵梨奈√での壁ドン、吉村凜√でのバレンタイン、そして全キャラのエンドロール後の会話etc瞬間加速度が高い多くのお気に入りのシーンが存在し、全体的に一枚絵の破壊力がセンスの塊だったような気がします。扱ってるイベント自体は良く言えば王道、悪く言えば平凡と例えざるを得ないものがほとんどですが、一枚絵の構図が今までありそうであまり見られなかった角度から切り出したものが多く斬新でした。

しかしながら後述しますが【ピックアップシステム】【STAND TALK+】【一年を通じた恋愛】等の新規コンセプトは概ね失敗したと言ってもよく【脱がせ方の有無の選択】以外のシステムは利便性をむしろそこなう結果になったと思う。特に最後の【一年を通じた恋愛】のシステムはメリットも存在していたのだが製作上の大きな足枷となり、この作品の会話をやや飽きやすくする原因になったともいえる気がします。

良かったところ
1.陣内莉佳子√

2019-06-01 (19)
この作品一番の集大成のような√でした。作品に触れる前の彼女の見た目からの第一印象は『スポーツ一筋文武両道な冷静沈着な先輩』であり主人公を優しくリードしてくれるのかな?と思いきや、いざ会話してみると『コミュニケーションが苦手だけど好きな陸上のお話になると会話が弾む優しい同級生』で凛とした見た目から想像が出来ない会話が苦手というギャップでまずやられる。

そしてルート中盤に入ると彼女は全然会話が苦手という訳では無くてただ慣れていなかっただけで『マイナスイオンでてるよ…』とボキャブラリーもユーモアも兼ね備えており当初の印象を幾重にしても裏切られるようになる。他の√が吉村凜(メデューサ先輩)を除いて共通と個別の違いをあまり意識できなかったこともあり、このギャップ性は会話するごとに強く意識させられてしまいました。
2019-06-01 (16)
特に本作品の【一年を通じた恋愛】のコンセプトにより普通に数か月の年月をジャンプして作品が進められていくため、その作品中に描かれなかった空白の時間に何が起こったかはわからないが、そんな長くも短い期間ぶりに彼女と出会うと今までなら言わなかった甘えてくれるセリフをすらりと言ったりしますし、彼女の人間的成長も実感できたように思えます。
2019-06-01 (18)
特に彼女のイベントの中で秀逸なのが『お弁当作ってきた会』『陸上競技記録会』の二つなのだが内容自体はこれといった波も波乱もなく順風満帆に進むのだが何故か胸を熱くさせられました。『お弁当作ってきた会』では「あーんしてっ!!」「あーん♪」と食べさせていくうちに食べさせてあげる快楽にのめりこみ声が弾んでいく彼女に「こいつ…かわいいかよ!!」と喜びにやにやを隠せなかったです。尊すぎて床にぐったり突っ伏してた。
2019-06-01 (33)
ちなみに【脱がせ方の有無の選択】機能により全裸でエッチが出来るようになるのだが、屋上セックスで全脱ぎセックスするのは中々に背徳感があってそそられる。主人公の服装も裸になるのでよりいっそうその場にそぐわない場違い感があふれ出て色々なシーンを全裸で行ってみたけど少し笑っちゃうようなものもちらほらありました。

2.狭山恵梨奈√
2019-06-01 (20)
クラスの担当の先生との恋愛と言う題材は現実的には御法度といっても差し支えないお話なのだが、そうした設定から紡がれる重い会話はあまりなく、そうはいっても社会人と学生の間柄なので『一緒に過ごす時間が短い』という問題を自覚はしながらも大きくは気にせずエンジョイする姿勢が見てて元気をくれましたね。

そして『屋上壁ドンキス』の時の一枚絵の構図が乙女心をくすぐるようなもので、主人公の自分の女を掴んでもう彼女に何と言われようとも一生離すまいと言わんばかりの迫力で主人公のイケメン度に拍車がかけられた瞬間でした。その剣幕に押されてか「私は教師だから皆に分け隔てなく、接しなきゃいけないのに、あの子は遼太郎くんと話せるのが……ズルいなって」と主人公の同級生の女の子に露骨に嫉妬心を告白する先生。
2019-06-01 (27)
学生という立場なら主人公と様々なスポットに出かけて放課後はもっと自由に出来たはずなのにと告白当初大きな不安だった種、立場の違いをもう一押しで最後に述べてきました。ちなみにですがこのイベントで勘違いしてほしくないのは、こうしたやや重く感じるお話は最後の締めくくりとして軽く入れるだけで、基本的にいちゃラブな日常に阻害を与えることはありませんので安心しておいてくださいね。で、ここでの主人公の返し方がまた男らしくて単純だけどこういう素直な返しを出来るのは前作同様コミュニケーションが得意な主人公を据えたHOOKSOFTだから出来る所業だと感じました。
2019-06-01 (11)

2019-06-01 (12)

「登下校は無理でも、恵梨奈さんの手料理おいしかったですから、もっと食べたいです。そんな風に『俺と一緒にしたい』って思ってくれたこと、もの凄く、すごーく嬉しいんです。だからしましょう。いや、それ以上に楽しく、一緒に、たくさん、やっていきましょう」


この辺の相手の不安を聞き入れながらもポジティブに前向きな返答をしながら壁ドンする主人公は乙女からしたら頼りがいになり過ぎるし、先生からしたら年下でも力強く引っ張っていってほしいなと思える人物像でしょうね。行動できるときに行動する。また特に大きく変化球なセリフを言ってるわけではないのに何故か好きになれる主人公。素直にカッコいいです。

3.合わない視線と目パチ機能
2019-06-01 (14)
2019-06-01 (15)
2019-06-01 (28)
本作品ヒロインが主人公と目線を合わしてくれずそっぽ向いてる立ち絵が豊富に存在し、恥ずかしがったりするシーンやお互いが気まずいシーンなど随所に渡って使用されていました。この立ち絵の何が良いかってこの立ち絵を作ることによりヒロインが照れるシーンであったりが前作より格段に増えたような気がします。ヒロインが視線をきょろきょろと移動する様子が目パチ機能と合わせてより現実味が増しましたし、何よりもヒロインがそっぽ向いてから急にこちらに視線合わせられるとこちらもドギマギしてしまい思わず感情が揺れてしまうこともしばしば。目線でやられるって陰キャみたいですけどね。

悪かったところ
1.ピックアップシステム

2019-06-01 (21)
本作品まずそもそも共通と言う概念はあるにはあるがほぼ存在しないと言っても良い。それは何故かというとこの【ピックアップシステム】によるところが大きい。このシステムはシステムと言う名称こそはついているが要するに『ヒロイン一人だけに焦点を当てたイベント』をヒロイン七人にバラバラに盛り込もうというもので、七人それぞれのエピソードが脈絡なくただぶつ切りに配置される。このシステムの最大の問題点は一人にしか焦点を当てないので『ヒロイン同士の会話は皆無』といっても差し支えないことである。美里ちゃん&凜さん以外の絡みはあまり散見されませんでした。

Eスクールライフ公式には『クラスメイトや他のクラスの生徒と会話しながら楽しく過ごす学園モノを長年大事にしてきたHOOKSOFT』という文言があるが、あぁ確かにクラスメイトとはお話はするさ。だがヒロイン同士の会話が無いというのは長年大事にしてきた『学園モノ』特有のキャラクターを豊富に登場させ皆でがやがやする集団の楽しさは、なまじこの作品で放棄してしまったように感じてしまいます。

2.STAND TALK +
2019-05-31 (26)
『①クリックできるモブを選択すると噂話を聞くことが出来ます。ヒロインにつながる情報を獲得・収集してみよう』『②情報がある状態で、ヒロインに会うとリアクションが変わります。会話が弾みたのしい時間が増えたり』(公式抜粋)

まず言いたいのは俺は可愛いヒロインたちの顔見ながら会話するのが楽しいんであって、よくわからん顔も見えないモブと会話して楽しめるほどの器量は持ち合わせてねえんだよなぁ…。このシステムのせいでSKIPする際のテンポ感が壊滅的に悪くなってしまった、というのが多分過半数以上の人の意見だと思います。

3.一年を通じた恋愛
2019-06-01 (30)
良い点もあるのでそこから述べさせてもらうと一年を通じた恋愛と言うのであれば基本は「三月」にこのヒロインとの恋愛模様は終わるはずで、それ故どのタイミングで一人一人のルートが終わりを迎えるのがある程度予想がつきやすい。これにより恋愛作品に共通する悩みの一つである終わりが見えずつい話を読むのがダレたりすることは比較的少なかったように思えました。また夏服と冬服の存在は最近なら「らぶこみゅ」が搭載しておりましたが、季節の移り変わりをそこに持たせることでより風情感も増しましたし、何よりも夏服のデザインがヒロインごとに多種多様の色彩でデザインが美しかった。こういう細かい点でありがたいと思うことが多かったです。望愛ちゃんの夏服が一番好き。
2019-06-01 (31)
しかしこの一見優秀に見えるシステム【一年を通じた恋愛】には上手く扱いきれなかったことによる大きなデメリットが存在していました。それは一年を通すためには一月あたりのイベント量は縮小する必要があり連続性のあるイベントが作りにくく単話完結方式を取らざるを得なかったこと。例えば文化祭イベントを実施しようと思えば基本的には文化祭の準備イベントをしないといけませんよね。大きな行事を展開するためには前準備を含めて行わないとどうしても違和感が残りますが、この作品が一月に割けることが出来る会話量はあまりに短かった。それ故当たり障りのないデートであったりが大半を占めてしまい季節感を感じる大きなイベントはほぼ無い。季節感がなくとも動物もふもふ事態は好きなイベントなんですけどね。(動物エロハプニングさえなければ)
2019-06-01 (26)
【一年を通じた恋愛】というコンセプトを取っているのに年月による季節感はないというのはあまりに本末転倒すぎます。夏祭り、海水浴、運動会、ハロウィン、クリスマスなど一年を通じてこれは押さえておくべきというイベントが全然網羅されていない。せいぜい本作品に存在していたのはバレンタイン程度でしょうか。どうしてこんなことになったのかと言えば、やはり海イベントを起こすなら海の背景、ハロウィンを起こすなら仮装した服装など色々準備が必要ですからね。一人のヒロインにそうした一回のイベントを起こすためだけに手間をかけるのは効率が悪いですし致し方ないと言えば致し方ない。I×SHE Tellで出来ていたヒロイン同士の絡みや豊富な行事が損なわれてしまったのはやはり残念に少し思ってしまいますね。