総評 ■■■■□□□ 4
シナリオ ■■■■■□□ 5
主人公  ■■■■□□□ 4
ヒロイン ■■□□□□□ 2
CG   ■■■■□□□ 4
音楽 ■■■□□□□ 3
声優 ■■■■■□□ 5
演出 ■■■□□□□ 3
2019-06-30 (25)
『祝い子』として生まれてしまったが故に人の生を喰うことでしか生き永らえることが出来ない乙部すぴか、そして乙部家専属の医者である父親をすぴかに殺されてしまい自身もすぴかの贄として従者としての役割を果たす隅方有馬。この二人の心情の移ろいを舞台で繰り広げられる劇のように視点を変えながら適格に追った作品とはいえるが、正直に言ってしまえば「面倒くさい」性格をお互いにしているので中々にお話は進まないし平行線を辿るお互いの主張にやや辟易としてしまうものを感じてしまいました。
2019-06-30 (20)
互いに相手の人生を歪めてしまったことによる引け目を抱えてしまっているので、自分は相手に殺されて欲しい、でも相手には生きていて欲しいと常人には理解しがたい思考回路をしているこの二人。確かにすぴかは有馬の父親含めて複数名殺してしまい『自身の生への罪悪感』に縛られて生きていくことは必至ですし有馬の生を『食い物』にすることで生きているので、ある意味『撃っていいのは撃たれる覚悟のある奴だけだ!』という具合に主人公に害を及ぼしている自身が主人公に殺害されることに何の躊躇も持っていない複雑奇異な性格が印象的でした。

後小さいことではあるけれどもタイトルの『黄昏のフォルクローレ』がどう作品内容と結びついてるかが今一判断しにくい。最初は『昼』と『夜』のすぴかが存在したけども首を絞められ命を脅かされた結果『昼』のすぴかは『夜』のすぴかを思い出すけど、この混ざり合う様子を見て『黄昏』としたのかな…?と思ったけどあんまり関係なさそう。最後のすぴかと主人公が対峙する場所が黄昏だから…?というのも実に底が浅いし…うむむ。

良かったところ
1.弓張月子(CV花園めい

2019-06-30 (26)
主人公に銃で肩を撃ち抜かれたのに関わらず遺恨を残さず主人公を助けたりする捉えどころのない面やすぴかを見張る為とは言い平気でお屋敷のイスで睡眠を決める野蛮人な部分。メインストーリー終了後に付け加えられた『黄昏逸話』で散見された勇猛果敢さ。そして「~~ですわ」というお上品そうに見えて少し煽りが含んでるような笑いかた。多くの面で脳裏に刻まれたサブヒロインでした。

2.五年間の月日が見せる信頼関係
2019-06-30 (24)
この作品で好きなシーン?はそれは何といっても最後の有馬がすぴかに銃口を向け問答する場面ではあるけれども、好きな発言は?と聞かれると中盤ぐらいに日常会話としてさらりと出たすぴかの『進んで“成る“気は無いけれど、悲劇の主役になるつもりはないの。それならそれで自分なりの生き方を探さないと』の発言が地味に好きです。
2019-06-30 (23)
この発言から幾何後に付き合いの深い友人である酒飲み仲間である烏丸志乃を空腹が故に殺害してしまい、どうあがいても人を食らう化け物でしかないと実感してしまったすぴか。そんな彼女も『手の追えない化け物になってしまったら殺して』という主人公との約束を思い出し、あえて開き直り気がふれたかのように立ち回り主人公が彼女を殺すに相応しい舞台を設定せしめる。が、そんな『悪役の真似事』をした彼女のことなんて主人公はお見通しな訳ですよ。
2019-06-30 (21)
それは主人公は主人公ですぴかの『進んで“成る“気は無いけれど、悲劇の主役になるつもりはないの。それならそれで自分なりの生き方を探さないと』という日常の中で漏らした発言を心に留めてた結果、彼女のわざとらしい『嘘』の部分があるのを見極められたのかなと思っております。五年の月日を経て構築された信頼関係、しかし恋人に発展できなかったせいで拗れも起きてしまった歪な関係、その移り変わりが楽しめた作品だったと思います。