総評 ■■■■■□□ 5
シナリオ ■■■■■■□ 6
主人公  ■■□□□□□ 2
ヒロイン ■■■■■□□ 5
CG   ■■■■■■□ 6
音楽 ■■■■□□□ 4
声優 ■■■■■■□ 6
演出 ■■■□□□□ 3
2019-07-26 (22)
アイドルを続けることは枕営業をすること。トップアイドルを目指すうえで彼女に重くのしかかってくる心理的負担が上手く描写された作品に感じました。アイドル×裏営業のテーマの作品としては個人的には『手垢塗れの天使』が一番に思いつくのですが、これを含む他作品と今作品の大きな相違点としては『ヒロインは枕営業に乗り気』であるのに関わらず『周りに気配りが出来る良い人』という若干矛盾を孕んだ特異な設定にあると思っていてこれがこの作品にいいスパイスを与えているんでうよね。良作です。

良かったところ
1.絵師&声優

2019-07-26 (15)
羽鳥ぴよこさんの絵柄CVそよかぜみらいさんのタッグはやはり強い。お二人ともいちゃラブ純愛な作品で作品を担当している印象の方が強く、その影響でヒロインである天宮涼音ちゃんも同様に『体を売る』という行為をするような女の子には思えなくて、やはり『清純潔白』という言葉がまず浮かんでくるような優しい人柄をしていたと思います。この大人しい性格の女の子がアイドル界を牛耳る権力者のおちんちんに乱れていく様は第一印象とのギャップで背徳感を存分に感じることが出来た。やはりぴよこ絵は神。

2.良台詞のオンパレード

2019-07-26 (13)

『言葉に力があるんじゃないの。力のある人の言葉だから人を動かすの。どんなに素敵な言葉でもね、それを言ったのが、普通の人だったら後世まで残ったりしないよ。すごい人がいうから、すごい言葉だと思っちゃうの。』

2019-07-26 (19)
鬼頭希星ちゃんは涼音ちゃんが新たに所属することになった事務所でトップランカーを走っているアイドルであざとい喋り方とは裏腹に物事の考え方は非常にシビアな登場人物でした。また彼女は使えるものは何でも利用して『上に行くのは当たり前』と言い貼るトップとして君臨するための教訓を教えられる。特に好きな発言が先述した上記の発言で、彼女にとって周囲の人の人間性なんてものには興味は疎くて結局のところ『立場=パワー』という現実主義的な考えが象徴された胸打たれる発言でした。

3.『それでも上へ』
2019-07-26 (21)
この作品が趣深い作品と感じられる要素としては最後の結末に『裏営業=悪』という考え方が清々しいほど見られないところだ。例えば『手垢塗れの天使』とう作品を一つ例にとる。この作品内ではヒロインは枕営業で最初こそはアイドルとしての立場を順調に上げていくも徐々に歯車が嚙み合わなくなり、そして穢れた自分とは全く異なる異質な芯材である『本物』のアイドル存在の出現にて心を折られてしまう。こうして『枕営業に手を出したものはいつか報いを受ける』というのがありありと伝わる結末の作品が経験的に多いように思える。
2019-07-26 (20)
しかしながらこの作品には枕営業に対する後ろめたさはあれど、『枕営業も彼女たちの一つの努力の形』という考え方が根底にある為しっかり彼女はトップアイドルに君臨することが叶うのだ。枕営業は決して間違った道などではないのだ。嫌普通に正気な状態で知らない人と数十人と寝るとか冷静に考えたらしんどいやろう…。しかしながら彼女が不幸な道を歩まずに、アイドルとして大成が出来たのもひとえに彼女の人間性によるところだと思う。アイドルとしてはファンの皆さん、天宮涼音個人としてはマネージャーさんの為に頑張ろうとし彼女の行動原理は全て『他人』のためである。トップアイドルを目指した理由も全ては、彼女が昔起こした事件にて賠償金を払い続けている『マネージャーさん』への贖罪のため。枕営業もそのための過程にしか過ぎなかったのだ。
2019-07-26 (14)
思えばかつての作品群で失敗してきたヒロイン達は自分の成功にしか頭になかったように思える。その為に今作のサブヒロインの鬼頭希星ちゃんのように『上に上がる為にはなんでもする』という考え方にとらわれ過ぎてしまい権力者に好かれることばかり頭に浮かび『ファンを慮る機会が減っていく』のだと思う。その点彼女は『ファンの皆さん』のいう視点は最後まで持ち続けているように思えた。彼女を虐める他のアイドルと比較してしまえばなおさら。
2019-07-26 (4)
そして彼女もは度重なる他アイドルの陰湿ないじめによりアイドルを辞めることが一時期視野に入れられる。『アイドルになったのはマネージャーのため』という一種危険性も孕む考え方をもつ彼女にとって、アイドルを辞めるかどいうかも主人公の選択にゆだねられることになる。その他者依存的な考え方は最後まで変わらずどこまでいっても彼女の行動は『マネージャーさん』のためなのでである。そんな他人の為に頑張れて公私混同もできる彼女なら『ファン』に対しても笑顔を振りまけて成功するのもうなずける。結局のところアイドルとしての成功は枕営業なんてあってもなくても関係なくて、他人の為にどこまで頑張れるか。そういう意思表示を作品から感じ取れました