総評 ■■■■□□□ 4
シナリオ ■■□□□□□ 2
主人公       ■■□□□□□ 2
ヒロイン ■■■■□□□ 4
CG   ■■■■■■□ 6
音楽 ■■■■■■□ 6
声優 ■■■□□□□ 3
演出 ■■■■■□□ 5
2019-12-08 (13)
共通・個別共に2時間程度で終えられてしまう尺の短さと致命的な描写不足により駄作となり果ててしまった印象が拭えません。しかしながら買って後悔してしまう作品と言われればそうでもなく、茉莉花√では流石“アミューズクラフト”というべきか『絆きらめく恋いろは-椿恋歌-』の盛り上がりに匹敵する戦闘場面が繰り広げられ、演出も意匠に凝っていました。
2019-12-08 (23)
如何せん茉莉花√最終決戦間近を除いては、敵である化妖側に意志を感じさせるような記載が無く『意志を持たぬ敵をただ狩り続ける描写』が大半を占めてしまったのが本作の戦闘を没個性にしてしまった要因だったと思います。前作までの刀道に打ち込むヒロイン達が互いに悩みや思惑を抱えて交錯する青春はこの作品ではすっかり失われている

2019-12-08 (10)
また製作期間が短いこともあり背景の使いまわしは多く散見された。『ナツイロココロログFD』『あなたに恋する恋愛ルセット』の背景はちらほらゲスト出演していました。では本作はそうした過去作からの流用を多用した手抜き作品と言われれば答えは否である。最終決戦だけは少なくともアミューズクラフトの技術力を存分に散りばめていると思われる。

2019-12-08 (11)
まず『UN:knowNE-Against all odds』は今年随一の挿入歌と言っても差し支えないほどに盛り上がりを演出してくれました。そして銃弾の軌道がどのようになっているのかわかるように時折映し出したりと視覚的な訴えも十分発揮されていました。その戦闘はかつての『ソーサレス*アライヴ!』を彷彿とさせ、多少お話の展開がおざなりであろうと何かすごい!!!と思わされてしまうのが憎いところです。

2019-12-08 (19)
ただし『紅葉伝説』が人々が噂として語られる中で語り口が変異してしまい、捻じ曲がった存在となり果ててしまった呉葉・若葉丸を倒すことが物語の最終決戦なのではあるが、つまるところ二人の過去描写が小粒ほどしか用意されておらずその心情を推し量ることが出来なかったのは残念であった。精々彼らから伝わる怨念も『人々を滅ぼしたい』程度の物でしたし、より複雑化した動機を提供してほしくはあった。

2019-12-08 (21)
ここまで事務的な方面で指摘を行ったが、より個別√の内容に対して主張を行うと姫芽・瑠璃・茉莉花各三名の『守る』の形が違った形で顕現していくのが面白く感じた。

2019-12-08 (18)
瑠璃の場合は主人公の弱い人たちを守る姿を理想とするあまり、自分の『どんな相手でも切れる』という長所を見失ってしまう。だがそこから絢人から助言を貰い吹っ切れるように敵を薙ぎ倒していき、守るために敵を殲滅しせんと暴力的なまでの個の力で圧倒していく姿が頼もしかった。

2019-12-08 (12)
姫芽の場合は『守る』という形に本編での直接的な言及は少ない。それどころかミカの神様の力と引き換えにミカを失ってしまい、むしろ姫芽は『守れなかった』存在がいる点で他ヒロインと一線を画している。しかしながらミカという自分自身に近しい存在を犠牲にしてまで絢人を守るという自己犠牲的なまでの『守る』の考え方は中々に到達できない境地だと感ずる。
2019-12-08 (22)
最後に茉莉花の場合はお互いにお互いの身を『守り』助け合うという何とも王道的な形に至った。しかしここまで到達する過程が中々しみじみと感じさせるものがあり、戦闘経験の未熟さから『自分だけを守る』という手段しか取ることを茉莉花は許されず、その歯がゆさがありありと伝わってくる。
2019-12-08 (14)
また敵側の呪いに惑わされ自分は『人を真に愛することが出来ない』と錯覚し、そもそも絢人と共に道を歩むことが許される存在なのかとか思い悩んでしまったりと前途は多難でした。

2019-12-08 (20)
この茉莉花√の自分を心情を分析しようとし自罰的に苦しむ展開はかつての朱雀院椿√を彷彿とさせる。しかしやはり前述した描写不足が相まって立ち直りがあまりにも早く臨場感に欠ける展開にてしまったのが残念であった。

2019-12-08 (16)
追記すれば個人的に主人公の事を大きく好感度下げてしまう事件が一つあって瑠璃とのデート中に『そんな瑠璃だから、俺も好きになったんだ』ってまず言うねんな。で、この瑠璃ちゃん√まともな告白が無いタイプで主人公が性行為中に告白するぐらいだから、今回主人公が『好き』言うたのとても珍しいことで驚かれてしまうねん。『そういえばまだ、“好きって”ちゃんと言われたことない』って瑠璃ちゃんに指摘された後の主人公の対応が情けなくて情けなくて。

(言いたくないわけではなかった。しかし改めて言うとなると、恥ずかしくて……)『あっ、そうだ!他に行きたい場所はないか?まだ少し時間があるし、今から行こう!』って発言するんだよ、綾人。なんで誤魔化してもう一回『好き』言えへんねん。こういう『好き』っていう発言すらろくに言えないのにヒロインだけの好感度は最初から高い主人公本当に苛立つねんな。なんで好かれたねん。