総評 ■■■■□□□ 4
シナリオ ■■■■□□□ 4
主人公  ■■■□□□□ 3
ヒロイン ■■■□□□□ 3
CG   ■■■■□□□ 4
音楽 ■■■■■□□ 5
声優 ■■■■□□□ 4
演出 ■■■■■□□ 5
2020-01-08 (15)

『水商売っていうのはね、自己満足だけじゃダメなの。その自己満足を他の人に伝えて、理解してもらわなくちゃいけない。だからね、その時代に合わせた営業を心掛けなくちゃいけない。それだけは覚えておいて』

2020-01-08 (12)
父親や母親の営業を表面上だけ真似していたナツメが主人公たちの出会いによって、仲間達の力を借りることを覚え、店内に自分達らしさを漸く演出することが叶った際に、彼女らの喫茶店営業を遂に認めた大家さんが発した至言である。水商売とは本編では勿論喫茶店営業の事を差すが、勘ぐればエロゲ業界のことを示唆しているのではないかと思えなくもない。

エロゲ界の王であるゆずソフトが盛衰の激しいこの業界の生き方を提唱するのはなるほど説得力があるじゃないか…と一時は納得した。が、この発言完全にブーメラン刺さりまくりでこの作品を一言で言うのであれば『ライターの自己満足シナリオオンパレード』であった。ヒロイン失踪・死亡未遂がてんこもりな危なっかしい作品がこのいちゃラブロープラが台頭しつつあるこのご時世に発売されるなんて思わんだろう、普通。

2020-01-08 (13)
でも相変わらず『裸立ち絵鑑賞モード』は神の所業やと思った。サガプラのような裸立ち絵すら用意されてないことがあるメーカーと比べて明らかに優位に立っているシステムで毎回ワクワクしながら弄ってるからこれからも実装して欲しい。HCG・エロ特典・裸立ち絵…この三点がそろう限り俺たちは新作を追い求めるしかねえんだよ。

【明月栞那√】
2020-01-08 (7)
栞那が死神としての任を終え生まれ変わり、消えてしまった彼女に主人公が何とか再会を果たそうと画策するお話である。主人公が彼女と歩んできた日々を否定してまで過去に戻り栞那と邂逅しようとする様子はかつての『月の彼方で逢いましょう~うぐいす√~』を彷彿とさせた。心の中でずっと最愛の人が生きているだなんて台詞は綺麗ごとで、どんな汚い手を使っても好きな人に会いたいというのは非人道的な側面はあるが人間としてあるはずの生臭い感情だとは思うので理解はできる。

2020-01-08
しかしながらこの作品においてそうした過去のタイムトリップが滑稽なものに感じてしまうのは主人公の心理描写の稚拙さにあると思う。主人公がミカドさんから今までをやり直すことに関して注意喚起を受けた際の台詞は『それは、わかってる……わかってるけどっ。会いたいんだ……。会いたいんだよっ』とまるで子供の癇癪みたいで、彼女を失った悲壮感がまるで感じなかった。

2020-01-08 (1)
そしてこの主人公の頼りなさに拍車をかけるのがまさかの過去にワープした結果、『見て見ぬふりをしますか?蝶の影響で、どうなろうとも』という栞那の発言に全く言い返せずまさか論破されたまま大泣きしてしまうという一連の下りである。お前何がしたかったん???と言わざるを得ない。『彼女と一緒に幸せになりたい』意志の弱さが彼に対する不快感を強く抱いてしまった。禁忌の力使ってまで彼女に会ったのに何も出来ないだなんて『お前の好きはその程度か』

2020-01-08 (6)
しかしながらやや肯定的な解釈ではあるがこの『精神的に未熟な主人公』を描くことによって『親父の馴れ初め話』が際立ったのだと思う。このお話の面白い部分として、先述した『ヒロイン達と仲良くした過去を捨ててまでタイムトリップした』というあまりに自己中心的な主人公の動きと『主人公との付き合い方がわからなかっただけで助けになろうとした』主人公を愛して過ごしてきた親父の動きが『アンマッチ』してしまうところだろうか。親父からこういう話を聞かされて初めて自分は支えられて生きているんだなと主人公は感じるようになり、多分物語序盤で見せた『無謀な行動』はなりを潜めていき大人になっていくんだろうなと思いました。愛されているという実感がエピローグでも良い方向に働き、親父と積極的に交流しようとしている様子に彼の成長していく過程を垣間見ました。

【四季ナツメ√】
2020-01-08 (3)

『結局は嗜好品なんだからさ。好きか嫌いか、合うか合わないかでいいんだよ』

2020-01-08 (8)
共通範囲の台詞だが確かにその台詞には首肯できるところがある。長々解釈を加えてもそれは結局のところ後付けなのだから当時感じた印象だけを述べるくらいが丁度いいのかもしれない。ということで四季ナツメちゃん√はどうだったのかというと個人的には『合いません』でした。

2020-01-08 (4)
いや本当にこれは『個人的』になので納得してもらえなくても全然構いませんし、冴えないオタクの独り言だと聞いて欲しいのですが、この√『オタク君こういう些細なことで恥ずかしがってる女の子あざとくて大好きでしょうぉwwwほら可愛いよね、ぶひぶひしろよぉww』と語りかけてくるような露骨すぎるあざとさが気持ち悪かった。間接キスからタコパ下りまで一度そういう目で見てしまったら、もう四枚エロゲCGRTで晒してくれる為だけにこんなあざとくしたんじゃないかと疑心が浮かぶくらい邪推してしまいました。コーヒーのくだりとかも『これがオタク君の大好きなギャップ萌えだよぉww』みたいな声が聞こえてきたわ。

【墨染希√】
2020-01-08 (9)
CV上原あおいさんの喚くような甲高い声と瀬尾順さんの軽快なテンポ感が絶妙にマッチし、中盤までならゆずソフト個別の中でもトップクラスに楽しむことが出来た。本作に関して言えば瀬尾さんの要素が色濃く出ており『ずき屋の牛丼』(サツコイ)等の登場や『YO!』等のラップ調、『生き別れの兄』みたいなフレーズが突然出たりといかにも瀬尾さんらしい内容で思い出に浸りながら読めた。『う゛ええええええええええええええ─んっ!』みたいな台詞無限に聞いていられる。

2020-01-08 (10)
ただ個別の最後の台詞が『あの優しい母親のところまで──。』なのだが、このことからもわかるように終盤にかけての赤磐様(前世の母親)プッシュが凄い。前世の母親であそこまで大泣きして気持ち引っ張られていたら、希ちゃんの実の親を亡くした暁にはどのような次第になること思って不安に埋め尽くされた。

【火打谷愛衣√】
2020-01-08 (5)
ここまで栞那√で『現世から消失』、ナツメ√で『突然倒れて死にかける』、希√で『主人公が突然呼吸困難になる』と危なっかしい展開だらけであったので比較的そういう意味では落ち着いていた愛衣√は総合的には満足感が高かった。愛衣ちゃんは心情的に共感されやすいヒロインで『気にしちゃうところがあるんですよねぇ…』と交友関係の綻び関してずっと悩んでいたりとうなずける場面が数多く存在した。チョコレート一つ手渡すのにも大きく回りくどくなっちゃいましたし、それだけで成功させよう!みたいな感情がこちら側にも強く伝わってきましたし、その渡す際の慌てふためく様子は王道ではありますがいじらしく堪らなかったです。

2020-01-08 (11)
またこの√の主人公は『愛衣ちゃんと二人で歩んでいくぞ』という気持ちが随所に感じられ頼りがいがあったと思う。左目の力が暴走した際に心がくじけそうになった時も『しっかりしろよ、愛衣。こんなの、違うだろ。できないって、すぐ諦めるのは、お前らしくないだろ』という具合に主人公一人で解決策を見出すのでは無くて、激励もしながら一緒に解決しようとする姿が好印象だった。