ラストの追い込みです。フラッシュバージョンで行きますが、案外このほうが読みやすいかも。
まだまだ逸材はいますが、まあ年に1回の更新にするつもりもないんで、また今後付け足していくとして、今回は適当なところで打ち止めようとは思ってます。
ひとまず今回を除き、もう1回だけ5人分取り上げようかな。

熊谷徹也 20歳 伊勢ノ海部屋 初土俵:平成18年3月 出身地:岩手県 身長:185センチ 体重:132キロ
<プロフィール>
平成生まれの逸材が急速に番付と地力を向上させてきた。派手さはないが2年余りで三段目、4年足らずで幕下へと順調に出世を重ね、37枚目で6勝をあげた去る九州場所の活躍で新年は初の15枚目以内、西14枚目からのスタート。いよいよ上位定着、更にはその先の関取を目指しての土俵が続いていく。

<取り口>
体は硬いし、相撲も決して器用な方ではないがいわゆる「小力」があり、見た目以上の地力を土俵上で発揮する。土俵際での粘りも秀逸で、土俵での動きに体が自然と付いてくるような感は十分な稽古量がもたらした産物なのだろう。
いい意味での泥臭さを感じる力士で、まだ確立された型がないながら押しても組んでも粘り強く食い下がり、勝機を見て前へ攻められるというのが現状での大きな長所と言えるか。部屋の甲山親方によれば、四つもなまくらのようだが生半可な地力では幕下中位で6つもの白星を重ねることはできない。
とは言え、初の15枚目以内となる初場所は試金石となるし、ここで更に上を目指すために必要な様々を痛感しながらどれだけ早くキッカケを掴めるのか。
まだ焦る必要はないが、既に同い年の高安が幕内を目指す地位にいることは大いに刺激材料となっているだろう。同じくらいの地位にも千代の国など同世代のライバルは多いだけに大いなる負けん気を発揮し、彼らとの出世競争を勝ち抜いていって欲しいところ。


徳勝龍誠 24歳 北の湖部屋 初土俵:平成21年1月 出身地:奈良県 身長:181センチ 体重:161キロ
<プロフィール>
十両・宝富士は近大時代の同期で初土俵も同じ。出世は順調そのもので初土俵からずっとライバルを先行し、1年そこそこで幕下5枚目以内へ進出するが、そこから予想以上に苦しんだ。西4枚目の22年春場所は1点の負け越し。夏も負け越すが、名古屋、秋と連続5勝で九州は最高位の2枚目まで登り、今度こそと思われたところでまさかの1勝6敗。初場所は15枚目圏外からの再挑戦となる。
その間に宝富士には追い抜かれ、今や彼は幕内を目指す地位にいるし、同期の早大出身・直江にも初場所ではじめて先行を許した。勝つ相撲では既に関取レベルの実力を発揮しているだけに先場所の不振は意外としかいいようがなかったが、それだけ地力の高さは証明しているからこそ今年こそは関取を目指し、全精力を傾けて欲しいし、それをノルマとできるだけの能力がある。
青木から徳勝龍と改名し、迎える初場所は優勝するくらいの気持ちで行って欲しい。奈良県出身の関取は大真鶴以来いないだけにその面からの期待も大きい存在だ。

<取り口>
押し相撲向きの丸い体から腰の据わった重い突き押しで、前への推進力も高い。腰が重く、投げ技も強烈で四つからも大いに挽回していける力士だが、やはり確固たる押し相撲の型があるだけに徹頭徹尾貫いて欲しい。
ただ、いずれにせよ消極的な内容には走らない力士ゆえ、見ていて気持ちはいい。いずれ関取へ上がる器であることは間違いないし、十両〜幕下、三段目の実力者が多い部屋の特性を生かしガンガン稽古を重ねた成果は近い将来必ず身を結ぶはずだ。

持丸貴信 26歳 立浪部屋 初土俵:平成12年3月 出身地:福岡県 身長:188センチ 体重:151キロ
<プロフィール>
26歳にして、今年こそ関取の座を集手中にしたい遅咲き力士。四股名の変遷にも持丸→桃持丸→豊丸→持丸と試行錯誤の後を感じ、中でも桃持丸という1場所限りの四股名には、挑持丸という翌場所以降の四股名で改名を提出しながら受領する側の手違いで「挑」を「桃」と誤記、そのままで1場所を通したという何ともアナログチックなエピソードがあるが、その場所から合わせてもちょうど10年が経過。
幕下昇進は4年そこそこの16年7月と中卒叩き上げ力士としては順調だったが、なかなか上位に定着できず20年後半から漸く15枚目以内を定位置とするようになった。
ただ、もう一歩の到達には至らず21年5月、22年9月には5枚目以内も経験したが、いずれも2勝5敗だった。しかし、先場所は5勝をあげ新年は3度目の5枚目以内、東4枚目からの始動。地味ながら着実に実力を向上させているだけにこの地位で叩かれ続けた成果がそろそろ出てもいい頃合だ。

<取り口>
派手さはないが、変化などを使うこともない実直な取り口で、左四つで右上手を取ると地力を発揮する。とにかくそこまでの速さを磨くことに尽きるが、現状の腰の重さを活かし悪い態勢からも挽回できるし、突き起こす相手にも粘り強く反撃しながら勝機を伺う取り口にも敢闘精神を感じる好漢だ。
とは言え、やはり能動的な迫力があってこその十両昇進。十分すぎるスケールがあるのだから重い体でガツンとぶつかり流れるような攻めで相手を寄せ付けない強さも見たい。そういう勝ちパターンの「キッカケ」を掴めば遅咲きながらも幕内で活躍できる現若者頭・花ノ国のようないぶし銀になれるやもしれない。

直江俊司 24歳 尾車部屋 初土俵:平成21年1月 出身地:東京都 身長:182センチ 体重:132キロ
<プロフィール>
早大出身力士として、双葉山時代に活躍した「名参謀」関脇・笠置山以来となる関取昇進を目指し、急速に勢いを増してきた期待株。初土俵には現十両の宝富士などがいるが、彼には及ばずも順調に出世を重ね2年間で負け越しは1度だけ。
特に昨年後半は学生時代から苦しんできた故障の状態も上向き、内容的にも飛躍的な向上がみられた。秋5勝、九州は自己最高位で優勝決定戦へ進む6勝をマーク。新年はいよいよ十両が見える西7枚目まで浮上し「早稲田」の名前を相撲界にも轟かせる1年となるか。

<取り口>
とにかく学生相撲出身力士だけに幕下まで来れるのは当然としても、数場所前までは立ち合い変化ばかりしている印象で、まるで相撲に若さがなかったのがここ2場所で激変。それが故障の状態によるものだとすれば、もう全力で土下座ですよね(笑)
立ち合いの当たりからして低く鋭さを増し、手数に踏み込みが伴う二の矢からの圧力も段違い。そうなれば相手との間のとり方や引き、いなしのタイミングは元来秀逸だけに上に近い位置でも結果を出せることも納得だ。
いよいよ十両が望める位置でどこまでここ2場所の内容を取りきれるかだが、稽古を重ねもう一回り体を厚くしていけばまだまだ伸び代と言えるだけのものも感じる力士だ。

魁猛 24歳 放駒部屋 初土俵:平成15年5月 出身地:モンゴルウランバートル 身長:179センチ 体重:146キロ
<プロフィール>
モンゴル出身で最初の四股名は若虎。20年1月に魁に改名するも番付は一進一退を続け、初土俵から約6年と着実に力をつけながら21年3月に新幕下入り。
その後も幕下と三段目を往復する地味な印象が否めなかったが、昨年下半期以降一気に開花した。秋場所三段目筆頭で6勝をあげ、これまでの最高位幕下53枚目を大きく更新すると去る九州場所でも5勝と大勝ち。内容的にも見違える力強さをみせただけに、幕下17枚目と更に番付を上げて迎える新年の活躍が注目される。

<取り口>
モンゴル出身力士が突然強くなり(結果を残し)、幕下中~下位から一気に関取へと登るケースはこれまでも見てきただけにこう言うこともあるかなあという気はするが、この力士は典型的。
投げが多く、四つに組んでからの決め手にも欠ける勝ち味の遅い印象が、特に先場所は廻しを掴んでの力強さが一気に増し、勝ち身の速さが急速に向上したし、貴ノ岩戦などは立ち合い素早く良い位置の上手を掴み瞬間の豪快な投げだった。あっと思わせるような迫力が付いてきて、表情にも自信がこもってきただけに本当に今年の活躍がたのしみだ。