多方面要素複合系。ブログ

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大相撲

12九州 全関取レビュー 十両編(2)

そろそろ幕下以下有望力士のリストアップも進めつつという現状。更新のほうは新ブログの方で行います。

磋牙司 9−6
今場所の十両はこんなことばっかり書いてる気がしますが、この力士は3勝5敗から6連勝と勝ち込み9勝。去年の技量場所で優勝したときのようなキレキレの動きで、押し出し、突き落とし、とったりといろいろ決まりました。なかなか常時体調十分とは行かず波はありますが、この人や隆の山が幕にいると面白い。もう1度上へ・・・

双大竜 8−7
一進一退でしたが、千秋楽に勝ち越し。全勝の栃乃若に敢然と立ち向かった12日目の相撲は敗れたものの天晴の一番でしたし、勝っても負けても目一杯やっています。もう一回りの体力アップを目指しているとのことで、実現するなら来年こそ入幕の目標に近づけるでしょう。

丹蔵 7−8
両膝のサポーターに加え、場所途中に痛めたのか後半戦は太ももにも多くなテーピング。6勝3敗としたときは前に出る持ち味に加え、逆四つの型から体をうまく開いての上手投げなど身体もよく反応していましたし、 負けた3つのうち2つは栃乃若、佐田の富士でしたから、勝ち越しは堅いに思えましたが、終盤は故障の影響か星が上がらず無念の5連敗。それでも楽日は大きな天鎧鵬を終始一貫攻め立てる渾身の寄りで一年の終わりを飾りました。
怪我との戦いは続くでしょうけど、ひたむきな取り口で上を目指すはず。ファンを呼べる「目」をしたいい力士ですよね。

高見盛 6−9
1勝5敗となったときは覚悟しましたが、よく立て直した。残留確定の5勝をあげた翌日の6勝目は天鎧鵬を(彼ばっかり引き立て役で申し訳ありませんがw)相手にすばやく左前廻しを取って右を深くしながら前へ。力強い取り口でまだまだというところを見せてくれました。
圧力のある相手を止め切れない負けパターンが定まってきていますから、勝負の来場所、なんとか改善して勝ち越してもらいたいというところですが、そのために安易に動くような相撲を取る力士じゃないし、そこのポリシーを絶対に絶やさない姿勢には心から頭が下がる思いです。

大岩戸 8−7
はじめて1年をすべて十両で取った2012年、東京で負け越し、地方で勝ち越しの流れが交互に来ての今場所は5勝3敗から4連敗で連続での負け越しに足がかかったところから3連勝、場所前右ヒジ手術を行い稽古不足の否めない苦しいコンディションの中で勝ち越しに手が届けたのは立派でした。
春場所二桁勝って優勝争いにも絡んだ時は、漸くブレイクのときが来たかと思われましたが、その後はコンディションをなかなか持続できずにコンスタントさに欠けた印象。ただ、最近の力士は体が若いですから、取り口自体にはなんら30を過ぎた力士の印象乏しく、激しい突き押しの相撲に徹しています。今の十両、似た境遇の力士も多いですし、刺激を受けながら、悲願の入幕へ突き進んでもらいたいもの。
また、初場所後の「福祉大相撲」では甚句を歌う姿も見れるでしょうか。ヒトカラで鍛えた美声、期待しています(笑)

北磻磨 4−11
成績ほど中身が伴わなかった印象はないのですが、肩の怪我が長引いているのか、わずか4勝どまり。来場所は関取の地位を明け渡すことになってしまいます。
とはいえ、前向きな力士なので、この悔しさをバネに地元の春場所には十両力士として帰ってきてくれることでしょう。課題等も幾度か書いてきましたから、繰り返しませんし、取り口や気持ちは決してブレていないように見えますから、真っ向勝負で初場所も元気いっぱい取ってくれるはず。

旭秀鵬 8−7
肘が痛い影響もあって、突き放しの相撲中心。早々に勝ち越すも、最後は5連敗と急失速し、8勝どまりは残念でした。ただ、まだ15日間取りきれるコンディションではないという印象に尽きましたし、荒削りさはありますが、前に出て苦境を打開する気迫は大いに見えた場所でした。
来年は状態が良くなり次第、幕内復帰も見えてくると思いますが、素質が良いだけに、もどかしさが残るのもたしか。25歳までには幕内定着および上位進出実績を残しておきたいところですが・・・

里山 11−4
秋は勝ち越した相撲で負傷、容態が心配されて挑んだ場所でしたが、まったくの杞憂でした。巧さに加え、新鋭の竜電を低い体勢でグイと押しこむ2日目の相撲をはじめ、力強さも随所に見られて圧巻の11番。幕内復帰も見えるところまで帰って来ました。
怪我や体調面の不安で長く幕下に停滞した時期を乗り越え、小さな体を目一杯酷使して、よくぞここまで戻って来ました。しかし、もうひと踏ん張りもふた踏ん張りもしてもらわねば。多くのファンがもう一度幕内で相撲をとる姿を待っています。

鳰の湖 5−10
良い相撲は本当に良いだけに、これだけ負けているのが不思議ですが、詰めや自分の流れで取れているときにもう一腰下りれば・・・という相撲が多かったのも確か。
そう思って「相撲」を読むと、場所前に坐骨神経痛を発症したそうで、まさしくというところでした。ただ、下に3枚の10敗でもどうやら来場所の十両残留には手が届いたよう。チャンスを貰いましたし、本来の力を出しきれば、十分に目を出せるはず。快進撃を演じ、意気揚々と地元場所へ戻りたいところでしょう。

貴ノ岩 7−8
本当に良い時期の相撲からすると、少し雑なのかなという内容も見られましたが、概ね健闘して2場所連続の千秋楽負け越し。楽日も相手は格上の宝富士。最後は率直な地力負けでしたが、よく攻めて主導権はとりました。あまり、というかまったく気に病む必要はなくて、続けていることを信じてやれば結果は自ずと出るでしょう。
一気に幕下上位まで来た頃の相撲とは見違えますし、怪我の怖さもだいぶなくなった。身体もだいぶ分厚くなって、あとは場所を重ねることで経験、実績を蓄えれば、来年中にもパッと花開くときが来るでしょう。

竜電 4−5−6
期待の新十両場所、随所に力強い内容で資質の片鱗を示し健闘していましたが、8日目の相撲で右股関節を痛め、無念の休場に。
師匠の高田川親方は「俺なら当たり前に出ている程度」と厳しいですが、まあ、この人の「当たり前」が通用するほど体の強い現役力士はたぶん稀勢の里くらいのもんでしょうから(汗)
ただ、彼はその稀勢の里にも付いていた力士ですから、連続出場を今なお継続する大関の体の強さ、休まない精神力を見習い、しっかり体調を取り戻して来場所に挑んでほしいものです。5枚目以内に残れるかどうかですが、5番、6番は勝ってもらわないと。

明瀬山 8−7
久々の十両復帰、4勝7敗まで追い込まれましたが、幕下力士との入れ替え戦を連破するなど、意地を見せつけ、見事勝ち越し!彼は、まあいつも気持ちの入った相撲をとりますが、とりわけ今場所終盤は「絶対に落ちない」という気迫と経験豊富な力士らしい冷静な取り口がうまく合わさり、場内を沸かせました。
時間がかかる相撲も少なくないですが、その中から器用さも生かして自分の流れに持ち込むのもこの人のペース。一方で、3日目の里山戦のように体を生かした早い決着もありでだいぶ体調は戻ってきてるのかなと見えます。怪我さえなければ、今は幕内で取っていなければいけない力士です。来年は飛躍の年に!

真鵬 8−7
後ろに1枚の番付で2勝5敗まで行きましたが、そこから4連勝。7勝7敗が非常に多い力士だけに、13日目に関取残留を決めたあとの14日目に栃乃若戦が組まれたときは、「またなのか・・・」ともよぎりましたが、見事全勝の相手を打ち破り、14日目での勝ち越しを決めています。
この一番を自信、キッカケにしない手はない。どうしても抱えてしまう相撲が多いですが、重い突き放しや上手をとっての圧力には魅力あり、200キロ級のパワーでいかにそういう相撲を増やせるかが長らくの課題となっています。

誉富士 10−5
やっと力通りのものを出せたというのが自他共に感じる率直な思いでしょう。終始白星先行で十両初の勝ち越しが二桁。正攻法の馬力がよく生きていましたし、それ以外の勝ち方でも自然に体が反応していましたから、やっと十両でも安定して自分の力を出せるようになって来ましたね。
ある程度年は食ってますが、年齢じゃないし、本人がそういう気なら、これからいくらでも全盛期を作れます。部屋の横綱も一目置く力強さで新年は幕内昇進を最低ノルマに。引退するまで、二度と今場所の番付に戻ることがないように願っています。

政風 2−12−1
はじめて地元に関取として戻った苦労人。初日は真鵬の猛攻をしのぎ、逆襲。館内の大喝采を浴び、2日目も明瀬山を得意の右四つ速攻で圧倒しましたが、場所前痛めた右ヒザの状態は日に日に体を蝕み、結局このそこから1つも勝てず、14日目に途中休場となってしまいました。
体を生かした馬力と速攻で遅咲きの昇進を果たしたガッツマンだけに、ヒザの怪我は深刻ですが、気持ちを切らさずに戦う姿に感じるものはあった。幕下二桁近くまで落ちちゃいそうですが、もう一度前を向いて欲しい。


幕下
東龍 6−1
流れの中で引きや投げに行くケースも依然散見されはしますが、全般に190センチ級のリーチを生かして前に出る相撲が多くなり、モンゴル出身の大器がようやく関取の座を掴みます。明徳義塾−九州情報大(3年で中退)を経ていますから、年齢はやはりそこそこ重ねていますが、秘めるポテンシャルの引き出しはまだまだ多いですから、来年以降が楽しみな一人であることに変わりはない。
新十両場所、相手も強いだけに、どうしても投げや引きに頼りたくなると思いますが、親方の指導通り腰を割って寄り立てる正攻法の勝ち身を増やし、結果云々ではない糧を作って欲しいところ。

城ノ龍 4−3
膝の怪我で幕下に低迷していましたが、コツコツ体調と地力を回復させながら1年ぶりの返り咲きを決めています。もちろん依然ヒザの状態は不十分、あっけなく土俵を割る内容がすぐには減って行かないところを考えても、今後も劇的な快復は望めないでしょうけど、巧さは健在、前傾で食い下がるいやらしさもだいぶ戻ってきていますから、やれる範囲の調整で場所を迎え、もう一度上を目指して欲しい。

鏡桜 4−3
西4枚目の4番ですから通常なら昇進は微妙ですが、上がる力士の数が少なく、余裕を持っての新十両を決めました。苦節10年、外国出身力士としては史上6位のスロー出世の経歴を見ても、決して頭抜けた才能を持つ力士ではなく、幕下まで、あるいは上位進出までのスピードも早い方ではありませんでしたが、少しずつ身体も大きくしながら、取り口も投げに頼りすぎず、右四つ左上手の寄り、前に出る力を伸ばし、悲願を掴みました。

元横綱柏戸が興した名門鏡山部屋を元多賀竜の現師匠が平成8年に継いで以降は初の関取。所属力士2人の小部屋から誕生した関取として話題を呼びましたが、そんな中でもコツコツと目を出し、ここまで上がってきたのは立派。ある程度のベースは出来ていますから、より深めて、まずは十両定着を。師匠のような渋くしぶとい四つ身の型が身につけば、長く幕内で活躍できる余地も十分あるでしょう。


以上、年に1度の関取全70人(+初場所十両昇進力士)レビューでした。

12九州 全関取レビュー 十両編(1)

急ぎすぎてたいして面白いことも書けず、中身もないまま突っ走ってますが、続いて十両編です。来場所の十両昇進が決まっている力士も含め計30余名をダダダッと紹介。


天鎧鵬 5−10
中日の千代鳳戦で怖い崩れ方をしたあと、わずか1勝ですから、その影響はあったと思いますが、地元場所で大負けは悔しい限りでしょう。
取り口に関しても、大型力士ながら右を差してこそ腰の重さが生きるタイプだけに、意外な器用さで巻き替え、二本差しなどもハマると前にも出られるし力強いのですが、そのあたりが覚えられてきたのもたしか。いかに立合いからの流れで体を生かして攻められるか。初日の宝富士戦のような相撲が理想です。

宝富士 9−6
同部屋の新横綱が誕生した場所に幕内力士として在位できず、土俵入りに付けなかったことを屈辱に是が非でも初場所での入幕をと意気込んだ場所、中日までは黒星先行も、不戦勝を挟み、9日目以降は6勝1敗。終盤は幕内力士との入れ替え戦も力強い内容で制して、返り入幕を決めました。
幕内の土俵でも露呈しているとおり、立合いで受ける形が課題、自分の四つに組めば力を出せますが、旭天鵬、隠岐の海当たりには地力負けするケースもあっただけに、彼もやはり先に自分の体勢を作って、かつ彼らのような力のある相手には、形を作られせない相撲が理想。突き放しやおっつけて崩すような取り口にも一定の力はあり、どう生かしていくか。

木村山 6−9
こちらは逆に9日目以降5連敗と崩れ、幕内復帰ならず。明確に「自分の間合い」を持つ力士だけに、それを作れないと脆い負け方で終わってしまうことも多く、幕内定着していた時期のような粘り腰もなくなってきたのは残念。

玉飛鳥 8−7
場所の中で人が変わってしまう極端なツラ傾向は相変わらずも総じては一進一退。千秋楽鳰の湖をどうにか土俵に沈め、2場所連続千秋楽での勝ち越しとしています。返り入幕なるかは発表待ちですが(本人は知ってるでしょうけど)、型にはまった時の強さは夏の十両優勝でも証明している。体調面の問題でなかなか好調を持続できないのは可哀想ですが、来年こそは幕内定着を果たして欲しい一人です。

琴勇輝 9−6
相手の反則による勝利の1勝のみで、7日目を終えて1勝6敗。今回も目前で幕内に届かないのか・・・と思われましたが、そこから怒涛の快進撃。前に出る自分の相撲がとれての8連勝で新入幕を決めました。
別人のような後半の内容でしたが、彼の中で一貫した「攻め」の意志が貫徹されているからこそ、負けてもブレずに取ってますし、もう十両上位クラスの力はありますから、押し相撲の特権として、いざハマれば、こういう形に持っていける。来場所、どれくらいやれるか、まだ粗さは残り、簡単ではないかもしれませんが、平成3年生まれ初の入幕力士として、最年少の気風良さを見せてくれるでしょう。

勝龍 6−9
新入幕が期待された場所でしたが、2日目から6連敗。初場所、6枚目でわずか2勝に終わり幕下落ちの憂き目にあった記憶も浮かびましたが、さすがに二の轍は踏まず、そこから4連勝。ただ、最後は6−7からの連敗でチャンスを逸しました。相撲勘の良さや受けでの粘り腰、また思い切りよく技を仕掛ける意識がハマって、この地位まで来ていますが、まだ取り口を固めるには至っていないのが率直な感想。博多人形のような体つきを前傾させ、前へ出ていく勝ち身をどれだけ増やせるか。左四つの力強さも捨てがたいですが・・・

隆の山 7−8
遂に十両通算4場所目にして初の負け越し。3度目の返り入幕ならず、初場所は正念場です。
相撲も覚えられてきましたから、「もっと立合いに速さと低さを、押し込むくらいでないと・・・」というコメント通りの内容をいかに増やせるかに尽きるでしょう。

佐田の富士 14−1
6場所務めた幕内から十両へ陥落しての今場所でしたが、いや〜強かった。蜂窩織炎や7月に行った遊離軟骨除去手術の影響も漸く薄れ、状態も日毎良くなったようで、200キロ近い馬力を生かした強烈な突き押しで「格の違い」さえ感じる14勝、楽日、栃乃若との相星決戦も根負けせず、前へ圧力を加え長い相撲を制しました。

体調面の問題があったとはいえ、幕内でなかなか目の出ない場所が続いていましたから、「地位や体調面が違えば、これだけやれる」と良い自信にもなったのではないでしょうか。
もちろん、十両優勝でどうこうのポテンシャルじゃないですから、来年は幕内定着を飛び越え、同時期に入幕した妙義龍や松鳳山を追い、上位へ進出してもらわねば。どうしても幕内のスピードや圧力を逃がす巧さにやられていますが、課題は決して自分からゴリゴリ進んでいくわけではない立合いからの流れ。ただ、それも二の矢さえ出ていくなら大きな問題にはならないと今場所が証明してると思いますし、とりあえずは体調面でうまく持ってこれることを期待した上で、来場所、どこまでやれるか見てみたいというところですね。今場所の内容なら二桁に乗って特に不思議ではないくらいに見ています。

大喜鵬 9−6
前半はすごく良かったんですけど、中盤以降は内容まで含めて失速。それでも14〜千秋楽と大事なところで勝ちきれるのは地力ですよね。入幕目前ですが、大横綱の胸をいつでも借りられる大きな特権を生かし、弾丸体型をドンドン前への推進力として活かす押し相撲のさらなる強化に期待、四つになっても、廻し切ったりする上手さもあり、悪くはないんですが、後ろに下がって膝が怖いような相撲も多いので、基本はやはりいかに前へ出て勝つか。残念ながら(?)小さいながらも髷を結えるようになったようで、「ザンバラ露払い」のレアケースを拝むことはできなくなりましたが(そもそもOKなのかという話題は放送でも話題になってましたね)、早く土俵入りで横綱と「共演」する姿も見てみたいものです。

琴禮 4−7−4
折角苦労してこの地位まで上がり、なおかつ地元で迎えた場所だったのですが、場所前から抱えていた足の怪我の影響で無念の途中休場。一時は白星先行まで行ったのですが、そこが限界でした。
ただ、地元場所、このまま引き下がれるかという強い決意で14日目から再出場を果たすと、なんとその相撲で対戦相手が休場。珍しい「再出場の不戦勝」で貴重な白星。来場所の番付を考えても、大きな1勝になったなと。
年齢的にも楽ではないと思いますが、十両復帰へと至る数場所とはじめて十両で勝ち越した先場所の前へ出る力強さは見事でした。琴国とともに、古参として黙々と稽古する姿勢が絶賛を受けていますが、それが結果に現れ、若い力士の多い部屋に新たな活力を呼んだはず。怪我に負けず、十両定着に留まらないインパクトを!

千代鳳 7−2ー6
先場所悪化させた膝の状態芳しからず、場所前はまともに稽古ができなかったながらも、それが嘘のように会心の押し相撲炸裂で連日の快進撃、関取昇進後初となる地元場所の力と決してブレない自らの相撲観の賜物と絶賛するつもりでしたが、8日目の相撲で伸びるような倒れ方をして負傷箇所が悪化、全治1ヶ月の診断を受け、無念の休場となってしまいました。

本当に怪我に泣き続けた1年、どうにかコンディションを崩さず挑めた場所はしっかり勝ち越して場所を終えており、今場所も大勝ちしていけそうな星の並びだっただけに、ただただ残念の一言と回復を祈りますということに尽きます。地力的にも相撲内容的にも十両クラスからは抜け出しつつ有るだけに、来年こそはそのままの地力を発揮し、ぜひとも幕内へと昇進できる1年としてほしい。

寶智山 5−10
芳東、隆の山、玉飛鳥らと同じく幕内で叩かれては十両で失地回復の1年でしたが、今場所は今ひとつ相手に圧力が伝わりきらないような相撲も多く、2度の4連敗で二桁負け、十両の土俵では実に技量場所以来、1年半ぶりに負け越しの悔しさを味わうことになってしまいました。
病気や怪我で幕下に低迷した時期を考えれば、休場もなく、関取としてよく土俵を務めているとも言えますが、まだまだこんなものではないという思いは自他共に捨てていないはず。30歳を超えてもなお恵まれた体つきに大きな衰えは見られません。苦労した分これからもっともっと力を発揮してもらわねば。

栃乃若 13−2
場所前の別ブログ記事(ちなみに、アメーバでやっていた各種予想記事も改めて考えると変な話なので、新ブログ以降は予想、結果記事ともライブドアの方で行うこととします)で期待した通りの手先でなく、下半身からグイグイ前へ攻めていく文句なしの相撲で連勝街道。把瑠都以来の全勝優勝も見えたかと思われましたが、 1差で追い続ける佐田の富士の影や全勝への重圧もあったか14日目巨体の徳真鵬を攻めあぐねて遂に1敗を喫すると、楽日の相星決戦も、序盤こそ押しこむものの、最後は二度、三度と相手を引く動き、地元での優勝へ、辛抱強く前へ出た相手とのコントラストが結果にも内容にもクッキリと現れてしまいました。
とはいえ、95%までは良い所ばかりが出ての13勝2敗。幕内復帰となりましたし、これをいいキッカケに来年こそは前頭筆頭まで進んだ実績を取り戻し、さらに上を目指さねばなりません。この地位であれだけ足を出して攻め込めば相手はどうにもならないということを証明した場所でしたし、幕内下位であってもそれは大差ない。来場所に期待します。


では、次回がラスト。月曜付で21世紀枠記事、それ以降は今年の新十両力士をおさらいする記事へと軸足を移していきます。

12九州全関取レビュー(5)

今回で幕内は終わり。次回から十両に入っていきます。


旭日松 6−9
どうしても引き・叩きの決着が多かった部分も、だいぶ改善されて前に出て勝つ相撲が多かったですし、立合いもしっかり当たれている上、懐に入りに行ったり相手によっても考えて取れていました。終盤4連敗で新入幕からの連続勝ち越しはなりませんでしたが、12〜13日目は格上相手にしっかり向かっていっての負け、負け越した14日目の相撲も髷に相手の指が入ったものの、 不可抗力および結果への支障なしと見做されたか(説明は「髷を引っ張っていない」でしたが、んなことはない) 勝ちにはならない惜しい結果でしたし、気にすることはない。
もちろん、守りの局面になるとどうしても軽さを露呈してしまうし、以前から書いている通り、「いなし」ではなく、引きで相手を呼び込んでしまうだけに、13日目の豊響、千秋楽の富士東のような馬力で上を行く相手にはなかなか通じなかったりするところは顕著なので徐々に直していければ良いとは思いますが、なんといっても2年前は幕下中位、1年前が新十両の力士です。その頃と較べると、結果だけでなく内容面でも長足の進歩を遂げながら番付を上げてきている。それだけで立派だと思います。
ここから、一朝一夕とは行かず、十両からやり直す場所があるかもしれませんが、まだまだ若い力士。そこは目先の勝ち星どうこうよりも、内容面、取り口の安定に精力を傾けてほしいところ。さすればそう遠くない時期に上位進出も見えてくるのではないでしょうか。

これは余談ですが、去年のこれくらいの時期に、「今年の新十両力士」という記事で彼を取り上げた時以下のような文章を書きました。

ちなみに、彼に関してはそれこそ(取り口や体つき、性格的な類似点を感じるとその前の文章で触れた)朝乃若の現役時代前半のように、独特のインパクトを観衆に与えるような「何か」をやってもいいのではないかなんてことも、ごく個人的な意見としては持っています。その為にも(?)まずは幕内へ!ですね。



今年の彼がこの期待どおりに幕内まで上がって、その上で独特の「目立ち方」をしてくれたことはすごく嬉しかったです。来年も取り口で所作で場内をドンドン沸かせる力士で在り続けて欲しいもの。


雅山 5−10
14日目、新入幕常幸龍をデビュー以来初の負け越しへと追い込んだ一番はどうやら自身の幕内残留を有力にしたと思われる大きな大きな勝利。立合いからの流れでペースを握れず、なかなか自分の間合いを作れない中、苦しい星取りを強いられましたが、執念で1つ1つの勝ち星をつかみとり、来場所も現役での土俵が見られます。
両膝はじめ満身創痍の身体で、もはや多くは望めませんが、少しでも上向いた状態で場所へ入れるならば、幕尻が予想される来場所をもう一花咲かせる舞台と出来るはず。かつて琴錦や貴闘力が演じた神がかり的な底力がどうか、彼のもとにも宿りますよう。。1番1番に魂を込めて挑む姿をただまっすぐに見届けたい。

北太樹 8−7
取的時代からという以外には具体的な時期を思い出せないほどに長き間膝にあったサポーターが遂にとれ、「さあ、これから」というタイミングで今度は肩を負傷。不運の一言ですが、食いしばって前に出ていく相撲をとり続け、後半戦以降挽回。7−7で迎えた楽日、臥牙丸を真っ向から寄り切って、見事勝ち越しを決めました。
今年は中位以下での土俵が続き、本人が目標としているであろう上位定着は楽じゃないですが、本人の気力みなぎる限りは大丈夫。ホントに何も言うことはありません。ただただ頭が下がります。

若の里 8−7
頭が下がるのはこの人も同じ。出足一気の攻めを凌げず苦杯を喫す取り口は免れず、往年の内容は望むべくも無いですが、自分の形を作った時の力強さと真摯な土俵態度はいつまで経っても変わらない。通算記録では今場所高見山を抜き、単独9位に。初土俵同期の旭天鵬を追い、届く限り上へと・・・そう願っています。

富士東 8−7
先場所に続き、7敗から粘りを発揮。内容も本来の丸い体を生かした魅力的な突き押し相撲に徹しての3連勝で見事返り入幕以降2場所連続での勝ち越しです。一度幕内の壁に跳ね返されての復帰、それ以降地道でも着実に結果を出して、幕内定着の兆しが見えてきた。
師匠が言うとおり、この身体でとにかく突き押しを磨いて欲しいですし、左四つの型も悪いとはいいませんが、止まった形で寄り進んでも腰が伸び上がるようになってしまう相撲が多い。その形で勝てている時は、やはり踏み込みで勝り、そこから流れでの四つに持ち込んでの圧力ということだし、それを崩しちゃ魅力は半減にも3分の1にもなっちゃう力士です。

若荒雄 5−10
どこか悪かったのは間違いないと思いますが、まったく精彩なく、3−3からまさかの5連敗で負け越し、結局わずか4勝に終わり、来場所は久々の十両陥落となります。
もろ手から機先を制し、引いて決着という王道パターンがだいぶ研究されて通じなくなっているのは本人も強く自覚するところで、富士東戦のように二本差しを狙いに行ったり取り口への模索も見えるだけに、何よりまずは悪い部分のケアを。1場所でも早く幕へ戻り、新三役を掴んだ1年前の輝きを取り戻してもらいたい。

常幸龍 6−9
想像してた以上に良くなかったですね。ただ、頭のいい力士ですから、悪いところは本人が1番よく分かっているのでしょうし、1場所ダメなくらいで何がどうなることもないわけですから、負け越し寸前で盛り返した3連勝よりも、前に出て負けた残り2日に満足しているという本人のコメントどおり、その姿勢が来場所へ生きることを期待いたしましょう。来場所ギリギリで幕に残れたかどうかは、結構重要なポイントなのですが、どうなったか。。

千代の国 5−10
序盤好調も、中盤以降大失速。腰に故障を抱えていたようで、動きに精彩なく、突きにせよ、四つの流れにせよ、彼本来の元気いっぱい躍動する若武者らしい取り口をまったく発揮できなかった。一方的に持っていかれるような相撲も多かったですし、そのことに関しては何より本人が歯がゆい思いでいるでしょう。
もちろん、故障の多さは現状きわめて重大な課題となっており、「怪我だから仕方がない」とも言ってられないところはあるのですが、それも本人が一番良く分かってるでしょうし、改善するための努力もしてますから、あまりどうこう言いたくはない。まだまだ22歳、目先の結果に自分自身囚われすぎる必要もないし、周りがどう言おうが流されすぎる必要もありません。

以前は取り口についてもああだこうだ書いてみたりしましたが、それも今は思い切り精一杯やることが一番じゃないかなという意見に変わってきています。もちろん、肩のことがあって、無理な投げより、前に出て勝つというのは当然のことではありますが、その形をどう固め、深めていくか、そこに関しては、いずれ目に見えるようにハッキリした形で取り口に現れる時期が来るはず。そのときがいよいよこの力士の見せ所となってくるでしょう。
そんな時期も楽しみにしつつ、まずは十両から出直しとなる来場所、新年をぜひともいい形でスタートさせて欲しいと願っています。


芳東 3−12
3度目の幕内復帰、はじめて地元に幕内力士として帰ってきただけに意気込みは強かったとおもいますが、今回もわずか3勝に終わった。贔屓力士として見ても、十両であれだけ勝てるわけですから、極端に相手も変わらない中で、これだけ勝てないというのは率直に力不足というほかないですが、天鎧鵬戦、大道戦のように形を作ってから前に出られない流れではいかんともしがたい。

・・・正直なことを言うと、年齢的なことを考えても本当によくやってるし、「十両1場所で終わるのかな・・・」と感じていた09〜10年あたりのことを思うと、コレ以上上を・・・とあまり考えないようにはしているのですが、この地位とはいえ、十両での相撲を見ているともっとやれるとも思うわけで、そのあたり非常に複雑な心境なわけです。

まあ、いいや(笑)ともかく来年も1年関取として頑張ってくれるとすれば素晴らしいことですし、ある程度下の方まで落ちちゃう初場所は正念場ですが、きっと何食わぬ顔で勝ち越してくれるでしょう。 

千代大龍 10−5
糖尿の診断で体調管理ままならず。一回りしぼんだ体の影響も否めずに終盤疲れて負け越した先場所から一転、自らを厳しく律して見違える体格を取り戻した今場所は見事幕内初の二桁勝利。

まして、3日目にはついに番付で追いつかれた学生時代からのライバル常幸龍と角界で初対戦、闘争心あふれる内容で出足速攻の快勝、これで大いに気を良くしましたし、上位常連の豊ノ島を下した相撲では大いに今後への自信を掴んだことでしょう。
悪くとも一桁まで浮上し、あまり下をみる必要がなくなる来場所、関取昇進以降、なかなか2場所続けてコンディション良く場所を迎えられていないだけに、しっかり整えて場所へ入れるかがポイントです。全般には立合いの圧力で勝負する持ち味を一層磨き、幕内上位で大暴れする1年としてほしい。

玉鷲 9−6
良い相撲と悪い相撲がハッキリしてはいましたが、中盤以降は好調に勝ち星を並べ、返り入幕場所で9勝としました。内容的にも出足良し、片男波伝統の喉輪&おっつけの型が綺麗にハマる往時の迫力に近かった。
ただ、これが続かないのがここ1〜2年。来場所が大事ですし、本来的にはこの成績をもう2〜3場所続けて何ら不思議ではない力の持ち主ですから、スランプを脱し、コンスタントに中位以上を張ってほしいところ。 


では、次回十両分とします。

12九州全関取レビュー(4)

言ってる内に新番付出ちゃいますね。連日更新でなんとかそれ迄には・・・と目論んでいます。

旭天鵬 10−5
9連勝スタートの先場所に続き、今場所も2勝2敗からの大活躍で白鵬独走を最後まで追いかけた。好成績の豊ノ島、栃煌山を悠然と料理するあたり地力に陰りなく、楽日も敗れたとはいえ、低い妙義龍を腕を返してグイと起こし、巻き替えに乗じて土俵際まで持っていく積極性と若々しさある取り口もまさに元気いっぱい。

大活躍の今年でしたが、取り口等に大きな変化があったわけではなく、個別には馬力型の突き押し力士のみは、さすがに一気に持っていかれるケースが見られるようになって来ましたが、それも張り差し、カチ上げなどを併用しながら止めてしまえば力が違いますし、格下クラスの四つ相撲相手にはなまくら四つと懐の深さを生かしての四つに持ち込めば、依然圧倒的な強さを発揮します。肩透かしを引くタイミングなんかもこんなに上手かったっけ?というような相撲が多く見られたし、豊ノ島戦は身体を開きながら、うまく右を巻き替え、相手得意の左差しを封じると、時間がかかるとしぶとくなるだけに、すかさず右を返し、体を利して煽り出る快勝でした。このあたり、率直に身体が動いているということであり、形を作ってドンドン前へ出ていく姿勢がこの年になって際立つことへの凄さには感服の一言です(若いころにこの相撲が云々は、まあ言わない約束ですw)。
この若々しさの源は、やはり目をかけてきた旭日松や旭秀鵬の成長がそうさせるのだろうし、友綱部屋への転籍により環境が変わったことも大きかったのでしょうね。名コンビと化している(笑)弟弟子旭日松にそう簡単と追いぬかせないぞと意気込む一方、同世代の若の里や雅山とは1場所でも長く・・・と励まし合う。3月場所後、大島部屋の閉鎖時には部屋継承のため引退との噂も出ましたが(実際打診はあったよう)、断って現役に拘った決断が正解であったことを結果で示した2012年でございました。

史上最年長優勝が燦然と輝く各種記録に関しても今年だけでも数えきれないほど多く更新して行きましたが、他には秋に高見山を抜いて外国出身力士史上1位を更新した通算勝ち星も九州では安芸乃島を抜き史上単独7位に踊り出ました。現在7位の寺尾とは36勝差。この「年間6勝」という微妙な遠さがまた来年への一つの目標、頑張る力になるのだろうし、その少し先には大横綱大鵬の記録が待っている。
そのあたりは本人が「結果はあくまで相対的なもの」でありつつ、「目指すものがあるから頑張れるのもたしか」と話す通りなのでしょう。目下38歳、「夢の40代関取」へ色褪せぬ輝きを放ち続ける2013年となることでしょう。敬礼!(笑)


豊ノ島 11−4
旭天鵬関に文を割きすぎたので、11勝した豊ノ島への扱いがちっちゃくなってしまうのは気が引けますが、まあこの地位ですから・・・ということに尽きます。
もちろん、腰の大きなテープが終始気になり、本調子にあったとは言えないコンディションでしたから、 その中でも上手さやこの地位では際立つ力強さできっちり大勝ちしてくるのは流石と評すべきなのですが、やはりこの人は常時上位で取ってこそ。早いもので半年もすると三十路に突入しますが、だからこその「渋さ」も放ちながら、まずは三役復帰を目指し、上位返り咲きの初場所を戦って欲しい。

臥牙丸 8−7
上位で取れる地力はすっかり身に着けているだけに中位の8勝は物足りないですが、取り口に様々修正を施し始めているような模索も随所に見えましたから、そこまで悪い印象はありませんでした。この地位で勝ち星に汲々とする姿はもう想像できませんし、見る方としても、視点はいかに上位で勝ち込めるかだけ。

突き放していくときには二の矢でどこまで腕が伸びるかですが、速さと上手さを見せつけられ、なかなか上位では通じないだけに、何度か書いてきた通り、踏み込んで左前廻し狙い、起こされずに一気に推進していくような相撲のほうが怖さを出せるのかもしれません(もちろん、一歩押しこむ立合いの強さと低さはどの場合においても重要ですが)。来年こそ上位で通用する力士になってほしいし、幕下時代から応援してる分、見る目はだいぶ甘いですが、できれば体重もうまくコントロールしながら(笑)頑張って欲しいですね。

阿覧 8−7
1回も立ち合いで変わらなかったとドヤ顔してましたが(汗)新進勢力の台頭に押されまくった1年でしたから、危機感の中で食らいついていく姿勢の現れだとすれば大器開花へ大きな期待となりますし、もう一度上位で大暴れしてもらわねばならない力士ですから、13年が「再チャレンジ」の1年となれば。この地位で8勝はお世辞にもいい結果ではないですが、臥牙丸同様、過渡期の模索と思えば・・・

時天空 5−10
5連敗スタートは内容的にも淡白でしたが、いつの間にか6勝6敗になってるんだから不思議な力士です(笑)
実際にやればあまりいい顔をされない割には、NHKアナがやたらとタイミングをはかって繰り出すのを待ち構えている気がしてならない蹴手繰りは今年1年でより強く「18番」の印象を強めた一方、外掛け、内掛け、掛け投げ等組み合った流れでの足技は減ってきて、捕まえれば割りとまともに寄り切っていく相撲が増えた感も。
波はありますが、まだまだ幕内を守る力は十二分に持っていますし、硬軟相交えた取り口で若手の壁になってほしい。

大道 5−10
序盤、まずまずの調子でしたが、6日目千代の国戦で古傷である左膝から足首にかけての状態を悪化させ、苦しい土俵に。しばらくは踏ん張りが効かないような負け方が続きましたが、休めば十両陥落の可能性が強まるだけに懸命に土俵を務めましたし、13日目熱戦を制して3日目以来の白星を上げると、14、楽日も勝って5勝までこぎつけました。
地味ながらも、年間幕内の座を守り、名古屋では二桁の勝ち星もあげました。右四つ左上手からの豪快な投げは健在。状態のいい場所は廻しに構わず前へ出ていくいい内容の相撲も多くあっただけに、怪我が恨めしいですが、年齢的にも劇的な快復は見込めず、それゆえ上手く付き合っていくためにも目指す方向・取り口は一つでしょう。

翔天狼 5−10
相性のいい九州のはずでしたが、虫垂炎で全休の昨年に続き、今年も5勝6敗からの4連敗で大負けと悔しい結果に。彼もまた膝に古傷を抱える力士ですから、その状態が良くなければやむを得ないことなのですが、負け方もあっけないものが多く、もどかしい場所でした。
とはいえ、彼も豊響らと同じく年間皆勤を通せたのは明るい材料ですし、春には返り入幕で快進撃、久々にインパクトも残しました。昨年は「濡れ衣」騒動もあり気の毒なことも多くありましたから、何より相撲に集中できる環境で1年間通せたことは良かったなと。来年こそは上位進出で、もう一度白鵬との対戦を見たい。

朝赤龍 0−3−12
連敗スタートのあと休場で来場所は3場所ぶりの十両陥落。満身創痍の中で取っていますから、多くを望むのは酷ではありますが、技術、相撲勘の良さは錆びていない。「落ちたなり」では寂しいですから、なんとかもう一花を!

勢 9−6
3度目の入幕で見事勝ち越し!番付運もあってだいぶ上の方まで来ましたから、下を見ずにリラックして取れたこともあるかもしれませんが、十両のときのような躍動感有る取り口で序盤から順調に白星を並べていった。肘をもろに極められる相撲もあり、中盤3連敗したときはツラっ気の強さも心配しましたが、終始身体は動いていましたし、悪い時は伸びきってしまう下半身も一転、よく前傾しながら前へ前へと出ていました。実力者の旭天鵬、豊ノ島に対しても前へ出ての負けでしたから、自信となったでしょう。
「若手」と評されることが多く殆ど事実ではあるのですが、年齢的には、同じタイミングで上がってきた千代の国や千代大龍、常幸龍などよりも「それなりに上」、実は稀勢の里、豪栄道、妙義龍、栃煌山らと同じ「61組」です。妙義龍を世代「最後の」大物とは書かなかったことに関しても、彼の存在があったからこそなのですが、自分より上にまだまだこれだけ同学年の実力者がひしめいているわけですから、一気に5枚目前後まで躍進しそうな来場所はこの地位でもいきなり目を出していくくらいの気持ちでなければ。そして、今年妙義龍の存在が大きな刺激を与えたライバルたちに「もう一段」のエネルギーを注入するためにも、一場所でも早く上位挑戦を!
独特の関節の柔らかさと整った風貌で「益荒雄二世」とも評されますが、とにかく受けずにスケールを生かして前へ!に尽きますし、さすればかつての「白いウルフ旋風」に匹敵する大活躍の日も訪れるはず。

嘉風 8−7
地元場所で連日目いっぱいの土俵。6勝2敗と好調でしたが、そこからまさかの大失速で連日悲鳴の中7敗まで追い込まれた。しかし、惜しくも1点の負け越しに終わった去年の悔しさを晴らすべく残り2日を勝ち切って、見事勝ち越しとしています。
上位挑戦は2大関を下した春のみ。中位で停滞した1年ではありましたが、多彩な取り口、自在な決まり手で成績以上のインパクトは常にありました。苦手とする上位陣も多いだけに、なんどか目の前に転がりそうになりながら届いていない初金星を目指し、来年はまた上位へ戻って欲しい。「まだまだ31歳」です。


今日はここまで。毎日更新を続けられているので、まあこのペースなら何とかなるでしょう(笑)

12九州 全関取レビュー(3)

ここ2〜3日で部屋の再編等に関し、気になっていた情報、あるいは全く予想していなかった情報が複数飛び込んできていますね。そのあたりについても余裕があれば触れたいのですが、とりあえずは未了分の記事を慌てて書いていきます。


隠岐の海 2−8−5
2日目、新横綱の連勝を32で止める初金星が光った場所。かつて朝青龍の35連勝を止めたのも同じ八角の北勝力でしたから、あの場所、一気に決定戦まで進出した兄弟子の再現なるかと期待されましたが、その後は琴欧洲を下したものの、星が上がらず。9日目、安美錦を寄り切ったかに思われた相撲を勇み足で落とすと、右足中指を骨折する泣きっ面に蜂で翌日から休場となってしまった。
すでに7敗とはいえ、関脇以上との対戦は終えている状況だっただけに、状態さえ良ければ新三役への可能性は残っていたのですが・・・

全体としても、上位に対して全く目が出ないわけではないですし、色々考えて取り口に反映させようという部分も見えるのですが、やはりまずは立合い、そしていかに自分の流れ、自分の形で相撲が取れるかがコンスタントに勝っていくために求められる要素だということを痛感した1年だったのではないでしょうか。
体もあって、組み合えばなまくら四つでどっちでも力を出せますから、下位の四つ力士なんかが相手だと、慌てずに自信を持っての力勝ちがハマるわけですが、上位ではどうしても先に自分の形になって(相手に形を作らせず)、そこから先に先にと仕掛けていく積極性とスピードがなければ厳しい。横綱からの勝ち星はまさにそれを現す内容でしたが、その後はそれなりの形になっても、相手に合わせて止まってしまう相撲に逆戻り。右でカチ上げて左四つ、あるいは相手の腕を抱えての強烈な小手投げで崩して・・・という相撲も幾つかありましたが、そこからの流れでなかなか先に自分の形になれませんし、上位とやって最初の頃は懐の深さを生かしての逆転ということもありましたが、そうそう食ってくれるものではありません。

理想としては細かいことは考えず踏み込みに集中、最近はどちらかと言えば左四つが多いですから、そちらに狙いを固めて、深く差し込み、前へ出ながら右上手の流れ。もちろん、言うは易しですが、来年こそ手を届かせたい三役の座を手中にするにおいて、上位で1番でも多くそういう相撲が取れるかが大きなキーとなってきます。
新年はおそらく二桁まで番付を下げての土俵。怪我の状態次第ですが、優勝争いに絡む活躍が期待されます。土俵際の詰めなど勿体ない星を落とすことも多いだけに、いかにこの地位で取りこぼしなく勝ち込めるかに注目したい。


栃煌山 10−5
指摘されることの多かった「受け」の局面においての淡白さもだいぶ薄れ、正攻法かつ技能的な取り口をコンスタントに発揮。本人が話す通り、至上命令ともなる来年の「三役定着」へ向け、大きな期待を抱かせる内容・結果両立の二桁場所でした。
これまで寒さで腰痛など体調不調に陥ることも多く相性の悪い九州でしたが、十分なケアで不安なく取れたのも大きかった。自分の流れにない場面でも落ち着いて対応、身体もよく動いていたのがその証拠でしょう。

三役返り咲きの来場所、その重要性は本人が誰より強く噛み締めているはず。落ち着いて粘っこく今場所のような相撲を取れれば、二桁を続けていくことは可能、勝負の1年へ良いスタートを切ってほしいものです。

松鳳山 10−5 
地元場所で躍動、敢闘賞を受賞し、白鵬独走の場所を盛り上げる大きな要因となりました。
この力士も今年の成長株として双璧とも言える妙義龍と同じく正攻法の取り口が潔いですし、かつ上位陣との対戦を経験するごとに、自らの取り口を修正し、「勝てるイメージ」を高められるところが才能。そして上位との対戦でも臆せず、先に先に身体が動いていくのが素晴らしいところですね。把瑠都、琴欧洲は懐に飛び込んでの投げで連破。稀勢の里には大関が右上手を取って捕まえにかかるところを常に動きながら左で牽制、捕まえ切れないと強引に攻めてきたところをクルリとかわし、巨体を土俵に沈めました。

上位初対戦の頃は「とにかく思い切って行く」とのコメントどおり、もろ手突きで真っ向勝負。琴欧洲に対して伸び上がるように突っ張って捕まった玉砕的な相撲をよく覚えていますが、「もろ手はそろそろ限界」と場所前から中に入って崩す取り口を鍛錬、投げの強さも持っている力士ですが、どうしても上手からの強引な投げが多く、身体が大きくない分、無謀に見えることも多かったところを、サイズに合った取り口へピンポイントで修正していけるのは繰り返すながらいろんな意味での「才能」所以。相撲巧者の豪栄道の攻めを余裕さえ感じるような対応で残し、最後は肩透かしで屠った相撲は衝撃的ですらありました。

もちろん、新三役となる来場所、そんなに簡単ではないでしょうし、今場所も両横綱に対してはスピード、上手さ、反応の速さ、どれをとってもひと味違う内容で完敗を喫するなど三役定着に向け課題は多い。
ただ、28歳にしてまだまだ伸び盛りの時期を謳歌していますし、より上を志す向上心も満々。中に入る取り口を植えつけたところで、本来の気風いい突き放しがどこまで生きるかなど、来場所も内容・結果ともに大いに注目して見ていきたい。この1年での成長ぶりと知名度アップは今年の大相撲界全体においても「屈指」のインパクトでした。


魁聖 7−8
上位にはまったく歯が立たず7連敗スタートも、その後立てなおして2場所連続上位で7勝をあげています。ただ、総当りの番付のはずが、5連敗以降上位戦は組まれず(稀勢の里・琴欧洲・ついでに豪栄道とも未対戦)、後半は下位力士との割も多かったですから、そのあたり協会が柔軟に割を組むようになった証左とも言える反面、上位陣には「ノー感じ」だと見限られたと悔しさを持てるかどうか。腰高が祟って力勝負の展開でもあまり怖さを与えられていないのが実情だけに、どう打開していくかですね。

ただ、負けがこんでも気持ちを切らさず取れた部分と14日目妙義龍を力強く攻めきるなど後半は内容的にも良かったですから、長らくの腰痛に悩み、十両陥落の憂き目にもあったのがそんなに前のことではないことを考えても収穫は多いここ数場所の土俵ではありますし、腰痛の前は肩を怪我したりの時期もあったり、とにかく怪我に泣き続けた力士ですから、上位で15日間十分に取り切っているのは立派です。右四つ左上手と突き放しの重厚な取り口をより深めながら、来年はブラジル出身初の三役へ!

栃ノ心 5−10
初日の妙義龍以外は地位が下の力士からの勝ち星。肘を痛めて以降なかなか自分本来の右四つ左上手の力強い寄り身を発揮できないのは気の毒ですが、最近は立合い変化で拾う星も何番かあり、力強い取り口がすっかり鳴りを潜めているのは残念です。上位に来た頃は日馬富士を右四つで圧倒したり、当時まだ大関ではなかった琴奨菊、稀勢の里、鶴竜などとも五分近くに渡り合っていただけに、何よりもどかしいのは本人のはず。
25歳とまだまだ上を目指して欲しいし、目指すことの出来る年齢なのですが・・・

豪風 4−11
初日から高安、舛ノ山と連破、千秋楽には新入幕常幸龍の攻めをしのぎ反撃と上位で4勝にとどまるも、ベテラン健在は随所に示した場所でした。
さすがに上位圏内で勝ち越すことは難しくなってきつつありますが、ここ2年は下位に番付を落とすこともなく、幕内中位以上で堅実に取り続けています。早くも33歳となりますが、衰えらしい衰えは見られず、長らく怪我での休場もありません。来年は横綱も増えたことですし、実現すれば史上最年長となる「初金星」獲得も貪欲に狙って欲しい。

高安 5−10
終盤まで優勝争いに絡んだ先場所の姿はなく、終始精彩を欠いての二桁黒星に。体調に不安があったというようなことも聞いたので、やむを得ないかとも思いますが、魁聖戦のように徹頭徹尾突き切る良い内容もあっただけに、定位置近くで頭を下げて引き落とされる相撲や落日の玉鷲戦のような受ける相撲で、あっけなく土俵を割る姿が少なからずあったこととのギャップが大きい。
上がってきた頃は、内容云々よりもっといやらしさ、簡単に落ちたり、土俵を割ったりしない粘り強さがあっただけに、復調を待ちたいところですし、来年は初場所の番付よりも下の地位に落ちないように安定した成績・取り口を築けるか。

舛ノ山 5−10
5−5からの5連敗で力尽きましたが、初日の碧山戦で肩を痛め、満身創痍の中でも目一杯の土俵に連日館内は大いに沸きました。休場者続出の場所、他の力士がどうこうではないですが、あのコンディションで出場にこだわり、半端な相撲も取らず、痛い左肩もフル稼働、大関も倒し、星の上では崩れた終盤も物言い取り直しの熱戦を演じた根性にはただただ頭が下がります。

肺のこともありますし、それに加え、幕下〜十両時代は足首の故障にも苦しみ、幕内昇進後も怪我で十両転落を味わうなどしてきましたが、下の頃には散見された立合いの変化や覆いかぶさるような引き技(「つっぱり大相撲」の引き技みたいな感じ・・・といっても誰も解らないかw)も殆どなくなり、「幕内で通用するため」の速い積極的な取り口に徹している点も天晴れ。とにかく、少しでも良いコンディションの中で場所を迎えられることを期待していますし、少し余裕が出てくれば、取り口に関してももう少し細かいところを修正していく段階に入っていけるのだろうと思います。

碧山 6−3−6
新三役で叩かれての今場所、序盤から馬力を生かした突き押しが冴え、6勝2敗としましたが、6勝目をあげた勢戦で土俵に落ちた際なのか膝を痛め、翌日から無念の休場となってしまいました。
全治10日の診断だったので、重くなければ良いなと思いますが、中位で迎える来場所も今場所の相撲を出せれば大勝ちできるはず。ただ、今場所敗れた豊ノ島戦あたりは相手の巧さを警戒したか、まったく踏み込めず、結局二本入られる相撲でした。上位と対する場合でも同様ですが、その馬力を生かさずして通用する道はないですから、次に上位戦、あるいは豊ノ島のような実力者とやる時、どういう風に変わっていくか。
まだまだ粗さは多く、引き癖も残りますが、突いても右四つの型でも前へ出る形がハマれば、その馬力は脅威。まずは上位定着がノルマとなるところで、早く母国の偉大な先駆者琴欧洲に「銀星」(もはや死語だけど・・・)という名の恩返しを果たしたい。

豊響 9−6
主に馬力を生かした突き押し、もしくは左四つからの寄り身で順調に星を伸ばし、来場所は上位対戦圏内での土俵となりそうです。怪我や病気、体調面の不安などで上位進出の兆しを掴んでは下位や十両で停滞する時期も長かったのですが、今年は概ね中位以上で休場もなく取り切れました。
夏場所の初金星がなんといっても印象的ですが、少なからず自信と糧を手にしたはずで、来年は悲願の新三役を目指す一年となってきます。その破壊力は上位でも十分に芽を出せる代物だけに、やはり推進力を生かしての早い決着が理想。ただ、左四つの型も安定感を増してきており、ワキの甘さが致命傷となる上位戦はともかく、同格、あるいはそれ以下の小さい相手を捕まえる意味での採用はアリかもしれない。もちろん、その場合も立合いしっかり当たり、相手を起こした上でなら尚良しだ。



・・・というわけで、今日はこの辺まで。明日も黙々と続きをば・・・ということにいたします。ちなみに、21世紀枠最終予想は週末更新予定としていますので今しばらくお待ちください。
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