2021年09月05日

個人的に、大学受験で「古文有りの国語」を受験科目にするなら「源氏物語は読んでおくべき」だと思っています。

なぜなら高校生の間に受ける模試、センター試験、各大学の入試のいずれかで、必ずと言って良いほど出題される作品だからです。

実際自分も、模試や、とある大学の入試などで、何度か源氏物語の問題に出会いました。

もちろん、教科書にも取り上げられないようなマイナーな説話集や日記からの出題もそれなりにありますが、確率的なことを考えれば、源氏物語の方がずっと当たる確率は高いのではないかと思います。

そんな中で個人的に「源氏物語を学ぶのに最も役立った」と思っているのが、こちらです。
  ↓
新源氏物語(上) (新潮文庫)
聖子, 田辺
新潮社
1984-05T


あの源氏物語が、現代語の小説として、分かりやすく、かつライト過ぎない品格のある文章で訳されています。
 
現代語訳にあたったのは、「ジョゼと虎と魚たち」の著者でもある、田辺聖子さんです。
 
ジョゼと虎と魚たち (角川文庫)
田辺 聖子
KADOKAWA
1997-03-27

  
(源氏物語の現代語訳は、他にも様々な方がされているのですが、田辺聖子さん版を選んだのは、単純に文章の好みです。訳については、各自、最も“自分好み”なものを選べば良いかと思います。)
 
「ストーリーを学ぶならマンガの方が分かりやすくていいじゃないか」「『○分で学べる源氏物語』みたいなダイジェスト版でいいじゃないか」と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが…
 
それでは大雑把なストーリーを押さえることはできても「点を獲る」役には立たない気がするのです。

(ストーリーを「全く知らない」よりはマシかと思いますが、「1点でも多く点を獲りたい」という方には合わない気がします。)

まずマンガだと、絵がメインになっているため、いざテストの場で問題を解こうとする時、マンガの場面を頭の中で「文章に変換する」作業が必要になってきます。
 
マンガから内容を正確に読み取れているなら問題は無いのでしょうが…もし「誤解」しているなら、ここで「変換ミス」が起きてしまいます。
 
また、文章ならそれなりの文字数を使って描写されているものも、絵にしてしまえば1コマで済んでしまったり、背景として描かれるだけだったりして「目立たず、印象に残らない」ということもあります。
 
ダイジェスト版の場合は、テストに出てくるような細かな描写が「はしょられて」しまっていることがあります。
 
テスト対策には、全体の大まかなストーリーの流れより、各場面の情景や登場人物の動きの方が重要なので(この場面で、この人物は何をしているのか、何を思っているのか、といったことが問われます)、ダイジェストでは「足りない」のです。
 
ダイジェストになっていない「小説」としての源氏物語を、一度通して読んでおけば、テストで出題された時「このシーン、何となく覚えているな…」「確か、この人はこういうことをしてたんじゃなかったかな?」ということになるのです。
 
(何となくでも中身を「覚えて」いなければ駄目なので、ただ「読んだ」だけで終わってしまったら意味が無いかと思いますが…。)
 
それに、言葉もだいぶ現代と違う「原文」に比べ、現代語訳の小説はグッと読みやすいです。
 
しかも単なる「訳」ではなく、小説になっていることで、登場人物の心情や雰囲気を、だいぶ掴みやすくなるのです。
 
ただ、小説という形になっている分、全部を読み通すにはそれなりの時間がかかります
 
読書ペースは人それぞれですが、読むのが速くない方が、受験ギリギリのタイミングで源氏物語を「通しで」読むのは、かなりキツいかと思われます。
 
なので、長期休暇や高校1~2年の間にちょこちょこ時間を見て少しずつ読み進めていくなど、余裕を持って取り組むことをオススメします。
 
自分の場合は小説版で通して読んだ後、定期的にダイジェスト版を読み、内容を「思い出す」「反芻する」ということをやっていました。
  ↓
絵草紙源氏物語 (角川文庫)
岡田 嘉夫
KADOKAWA
2015-12-25

(田辺聖子さんの文章による「ダイジェスト版」です。絵がかなり多めですが、ちょっと怖くてエロティックな感じの絵が多いので、その辺の好みはあるかも知れません。あと、絵が絵だけに、親に中身を見られるとちょっと気まずい感じです。)
 
(「通し」で読むと、それなりに時間がかかるので。ダイジェスト版を「記憶のトリガー」として使い、過去に読んだ内容を頭の中に蘇らせるのです。)

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2021年08月08日

この本のことは、新聞広告で初めて存在を知った時から、気になっていました。
 


タイトルから、広島の原爆に遭遇してしまった家族に関する本だということは分かっていましたが…
 
その表紙に写っているのは、原爆の悲劇とはあまりにもそぐわない、明るい少女の笑顔と、彼女の背負う猫の写真。
 
そこに「消えたかぞく」というタイトルが、あまりに不穏で…気にならずにはいられませんでした。
 
そうして実際、手に取り…その内容に、打ちのめされるような思いがしました。
 
この本の前半を彩っているのは、ごく平凡な家族の思い出です。
 
「お父さん」の撮った家族やペットの「人生の一場面」が、「家族アルバム」そのままに載せられています。
 
昔の時代らしく古めかしくはあるものの、そこには戦争の暗い影は、一見すると、全くと言って良いほど見えません。
 
猫や犬をかわいがったり、花の咲く場所へピクニックに行ったり、海水浴に出かけたり…
 
家族の毎日を、ひとつひとつ、ごくささやかな瞬間まで、大切に記録してきたことが窺えます。
 
そこにあったのは、戦争の悲惨さとは真逆の「ほのぼの」「ほっこり」した日常でした。
 
しかし、この家族はタイトル通り、一人残らず「消えて」しまったのです。
 
「その日」を境に淡々と綴られる、家族それぞれのたどった「その後」は、前半の平穏な毎日からは、とても信じられない「地獄」です。
 
その「地獄」が、挿絵では語られず、ただ文字でのみ綴られているのも、笑顔の写真の「落差」と相まって戦慄させられます。
 
戦争を描いた本と言うと、空襲や原爆投下後の町の様子など、悲惨なものが多いのですが…
 
そういった「悲惨」なものだと、戦争を知らない自分たちのような世代には、かえって「現実味」を感じられず、どこか「他人事の悲劇」のように感じてしまっていたのではないか、と、この本を読んで痛感させられました。
 
この本の「前半」には、まるで悲惨さがありません。
 
ありふれた家族の日常に、自分の人生を重ねて共感できる方も多いのではないかと思います。
 
だからこそ、後半の「悲劇」が身に迫って感じられるのです。
 
特別でも何でもない、最初から悲劇だったわけでも何でもない、ごくありふれた平凡な毎日。
 
それがある日、突然「地獄」に変わる…それが、過去に実際に起きた「事実」なのだと、残酷なまでに突きつけられる一冊です。


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2021年07月12日

最近のシルバニアファミリーが、何だかスゴイことになっているというのは、薄々気づいていたのですが…
 
ちょっと(小説の資料として)調べてみて、びっくりしました。
 
まさか、ネコだけでこんなに種類があるとは…
 

 








 


種類が、ただの「黒猫」や「白猫」ではなく、どことなくメルヘンな名前になっているあたり、夢があります。
 
(でもシマネコさんは、シマネコさんなんですよね…。)
 
個人的には、耳がちょこんと折れたメイプルネコさんがツボです。
 
(なので、小説に登場させているマスコットキャラも、密かにメイプルネコさんがモデルになっています。)
 
…ですが、驚くのはまだ早いのです。
 
ごく最近発売されたシルバニアファミリーの新キャラクターは…
 


  
なんと、ポニーなのです!
 
(最近、ユニコーンが流行っているからでしょうか…?)
 
しかも、長いタテガミをスタイリングできる仕様…。
 
最近のシルバニアファミリーは攻め過ぎです。
 
しかも7月にはアヒルさんも発売されるようです。
 

(ちなみにシルバニアファミリーを“資料”として使っているのは、pixivさんに掲載している乙女ゲーム風小説「選帝のアリス」です。あくまで小説に出すマスコットキャラの“参考”にするはずが、ミイラとりがミイラに…な感じで、うっかりその魅力に取り憑かれつつあるのはナイショです(←特に、ミニチュアな家具や雑貨が、精巧過ぎて…)。ちなみに、「花咲く夜に君の名を呼ぶ」の時にも、うっかり埴輪にハマりかけたり…。)
 
ちなみにシルバニアファミリー、BSでCGアニメ(?)のミニ番組を放送していたのですが…
 
他のドラマやアニメは5倍で録画しているのに(←画質にこだわらないので、容量の軽さ重視)、この番組とPUIPUIモルカーだけは3倍で録画していたのはヒミツです。
  







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2021年06月30日

読書離れ活字離れに対して、既に様々な方々が様々な対策をとっていることと思います。
 
しかし、そこには気づかないうちに陥っている「落とし穴」があるのではないかと思うのです。
 
読書離れ、活字離れ対策の落とし穴…それは「“元から本が好き”な人たちだけで対策をしてしまうこと」です。
 
あるいは「“読書離れ・活字離れに陥ったことのない”人たちだけで対策をしてしまうこと」です。
 
他のあらゆる問題に関しても言えることなのですが…
 
人間は、自分と異なる立場の人間の考えを、容易には理解できません。
 
そして知らず知らずのうちに、「自分自身」をモノサシ(基準)にして、あらゆる物事を「見て」しまいがちです。
 
元々本が好きな人たちは、既に「本の価値」や、「読書がどれだけ素晴らしいものか」を理解しています。
 
そして、そういう人たちは元々「文字を読むこと」が苦ではないのです。
 
しかし、世の中には、マンガでさえ「文字が多くて読むのが嫌だ」という人たちがいます。
 
文字を読むこと自体が苦痛、長文なんて読む気が起きない…そういう人たちもいます。
 
元から「文字を読むことが苦でない」人たちに、「文字を読むこと自体が苦痛」という気持ちは、そうそう理解できないのではないでしょうか?
 
しかし、そんな気持ちを理解して、「どうしたら文章を読むことが嫌いな人が、自ら進んで本を読む気持ちになれるのか」…その方法を見出すことができなければ、読書離れ・活字離れの根本的な対策は難しいのではないかと思います。
 
それは「国語の学力低下をどうするか」という問題にも似ています。
 
文章を「理解」する能力が無ければ、読書を楽しむことはできません。
 
文章になっている部分だけでなく、行間に込められた「言葉になっていない何か」を読み取れなければ、真の意味で読書を楽しむことはできません。
 
また、文章を読むのが苦手な人は、本を読むこと自体に時間がかかってしまいます。
 
そんな風に読書に「時間を取られる」ことが嫌だという人たちもいることでしょう。
 
当たり前に読書ができている人たちの中には、気づいていない人もいるでしょうが…
 
読書を「楽しむ」ためには、一定のスキルや意欲が必要なのです。
 
そして環境的に、あるいは「自分の人生にとって何が必要なスキルなのか」という選択・選別の中で、そんな読書に関するスキルを育ててこなかった人もいるのです。
 
読書を“楽しめない”という人に、読書の価値をどんなに熱く語ったところで、理解してもらうことは難しいでしょう。
 
たとえ、本の中に「とても価値のある知識」「人生にとって必要な情報」があることを理解してもらえたとしても、本を読むこと自体が難しく・楽しくないなら、それは「できればやりたくない」苦行でしかありません。
 
そういった方々に、どうやって「本とのファースト・コンタクト」をとってもらうのか…何をどうすれば「本に触れるきっかけ」になるのか…
 
そして、どうやったら「読書を楽しんでもらえるようになるのか」…
 
そもそも、そこまでして「読書すること」の“意味”や“価値”とは、何なのか…
 
読書離れ対策には、そういった視点も必要だと思うのです。



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2021年06月02日

元々「世界遺産文化遺産)」やヨーロッパの歴史が好きで、その手の本を数多く読んできたのですが…

中でもお気に入りなのが、このシリーズです。
 


文庫本サイズで、持ち運びに非常に便利なのですが、オールカラーで、写真もたっぷり載っています。
 
しかも、各世界遺産の「ガイド」だけではなく、その土地に秘められた歴史過去の偉人伝統工芸お祭りなどの情報が「コラム」という形で合間合間に挟まれています。
 
これが、テレビの世界遺産番組などではあまり紹介されないような「ちょっとマニアック」な知識が多く、知識欲、雑学欲をくすぐりまくるのです。
 
自分は自作サイトと投稿サイト「エブリスタ」さんで「恋愛群像ヒストリカ」という、ヨーロッパの歴史を元にした短編オムニバス小説を書いているのですが…
 
その中には、この本で知った史実を元にした物語もあります。
 
(ちなみに3作目「狂恋の王と骸の王妃」です。ポルトガルの王子(←後に王になります。)と、その妃の侍女だった女性との悲恋を元にしています。)
 
ヨーロッパの文化・歴史の雑学を学ぶために読むのも良いですし、美しい写真で目の保養をするのにも良いです。
 
小説のネタをぼんやり集めるのにも向いていると思います。
 
(ただ、載っている知識がマニアックなだけに、さらに詳細な知識を求めようとすると苦労します…。上記のポルトガル史も、他の国の歴史に比べて文献が少な過ぎて、かなり苦戦しました…。)
 
最初は何の気なしに手に取ったこの本…
 
あまりにお気に入りになり過ぎて、今ではシリーズ全冊コンプリートしてしまっています。

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