少年マンガ

2018年02月11日

今月ご紹介するのはこのマンガです。
  ↓

 
 作者は以前、週間少年ジャンプで「SKET DANCE(※)」という学園コメディを連載し、小学館漫画賞も獲った篠原健太さん。
 
「SKET DANCE」は現代の学園モノ(←ときどき現実ではありえないようなメカや薬が出て来たりはしましたが。)でしたが、今作は打って変わってSFファンタジーです。
 
しかも10代の男女9人が突然宇宙に放り出され、彼らだけで宇宙船を操り、危険な惑星で食糧を探し、地球まで帰還しなければならないというサバイバルものなのです。
 
状況的には現在も、そして9人それぞれの抱える過去もかなり“シリアス”なのですが、「SKET DANCE」の頃からあった絶妙な「ゆるさ」がストーリーを重いだけのものにせず、ほっこりするような笑いをくれます。
 
そして「SKET DANCE」の頃から(少なくとも管理人の中では)定評のある、構成力と緻密な伏線が物語りを思わぬ方向へ導いていくのです。
 
1巻ではただ「ゆるくて熱いサバイバルもの(ちょっと謎あり?)」というイメージだけだったストーリーが、キャラクターたちの過去が1人1人明かされていくにつれ徐々に深みを増していき、4巻で9人全員に共通している“ある秘密”が明かされてからは一気に印象を変えます。
 
そして5巻では世界の秘密も含め、全ての謎が明かされていくわけですが…
 
この作者さんのストーリー構成(シリーズ全体を通してのタテ軸の流れ)と伏線の散りばめ方・そしてその回収の仕方には「SKET DANCE」の頃から毎度驚かされ、敬服します。
 
(実は自分もオリジナル小説の構成などで、かなり影響を受けていたりします。)
 
しかしそれ以上にスゴイと思うのが、熱さユルさ絶妙に同居する独特な作風です。
 
この作者さんのマンガには、しばしば、現実世界の残酷さ、冷酷さ、絶望が独特のリアリティーで描かれます。
それはもう、マンガならよくある「でも実は、こんな“救い”がありました」というささやかな希望すらも無いレベルで…。
 
少年マンガだからとフワッと誤魔化さず、ほぼ直球で世界や運命の理不尽さ、残酷さを描き、それに真っ向からぶつかっていくキャラクター達を描く――そこにこそ、このマンガの“熱さ”はあるのだと思います。
 
そして、そんな世界や運命の理不尽なまでの残酷さを突きつけられ、時に悩み苦しみ、でも明るくユルく笑いながら生きていくキャラクターたちの姿に、元気をもらったり、親近感を覚えたり、応援したくなったりするのです。
 

それと、この作者さん、ファンサービスが結構スゴイです。
 
おまけの4コマ漫画はもちろん、カバー下にもネタが仕込まれていますし、未知の惑星で見つかる動植物の名前などに、前作「SKET DANCE」ファンなら読んでいて「おっ」と思うような小ネタが散りばめられていたりします。
 
(特に大爆笑したのは5巻のカバー下(裏表紙下)ネタでした…。)
 
表紙自体も、1巻から5巻まで連続して見ていくと、ストーリー性が感じられてウルッと来てしまいますし…。
 
……ただこのマンガ、ジャンプ+というアプリでの連載だったせいか、不人気ジャンルだという宇宙冒険SFモノだからか、認知度が低い気がするのがちょっともどかしいところです。
 
(新刊も週間少年ジャンプの新刊売り場とは違うちょっと離れたところに置いてあって、危うく見つからずに書店を去るところでしたし…。)
 

 

 

 

  ↑
(全5巻、完結済&発売中です。) 
 

(※)「SKET DANCE」とは週間少年ジャンプで連載されていた、
 だいたいいつもはギャグ、時に熱いシリアスありの学園マンガです。
 ギャグとシリアスの振り幅のデカさと緻密な構成は秀逸過ぎ(だと個人的に思っています)。
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