音楽・CDレビュー

2018年12月19日

花火というものには何となく、物悲しいイメージがつきまとっている気がします。
 
線香花火はもちろん、打ち上げ花火にしても、一瞬咲く光の華は派手できらびやかでも、次の瞬間にはもう消えてなくなってしまっている――そんな儚さが、花火をどこか切なく、刹那的なものに感じさせるのかも知れません。

今回ご紹介するのは、そんな花火をタイトルにした、こちらの一曲です。
 
 
HANABI
Mr.Children
TOY'S FACTORY Inc.(VAP)(M)
2008-09-03

 
ドラマコード・ブルー」の主題歌でもあり有名な曲ですので、既に御存知の方も多いかも知れませんが…。
 
元々Mr.Childrenさん(←グループ名に「さん」付けするのもナンだとは思うのですが、何も付けないのも何だか落ち着かないので…。)の書かれる曲は、歌詞が日常のさりげない一場面を切り取りながらも、その向こうにある哲学的な何か人生の機微のようなものを捉えていて、とても奥深く勉強になるのですが、この曲は、よりその印象が強い気がします。
 
それは医療ドラマの主題歌ということで、一瞬で開いて消えてしまう花火の儚さに、人の命の儚さ人生の儚さのイメージが重ね合わされているからかも知れません。
 
美しく輝いても、一瞬で消えて、この手の中に形として留めておくことができないもの――思えば花火や人の一生のみならず、この世界自体がそんな風に“限りある儚いもの”なのかも知れません。
 
そんな風にいつかは消えてしまうものたちに、価値や意味はあるのか、時々空しく感じることがある――そんな感覚は、自分もふとした拍子に考えてしまうことです。
 
この曲はそんな空しさ、そしてその“空しさ”さえ“日常の忙しなさ”の中に紛れていってしまうという感覚を、さらりと描いてくれていて、とても共感できます。
 
さらには、ただ空しく物悲しいだけで終わるのではなく、それでもそこから何かを掴みたいというひたむきさ切ない希望のようなものを感じさせて、とても胸に刺さるのです。

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mtsugomori at 06:30

2018年09月27日

今回ご紹介するのは、この一曲です。
    ↓ 
恋つぼみ
奥華子
ポニーキャニオン
2006-02-15

 
 
この歌を最初に知ったのは、確か「みんなのうた」だったと思います。
 
奥華子さんは劇場版アニメの「時をかける少女」の主題歌(&挿入歌)(※)や、CMソング(お部屋さがしマスト等々)で有名な女性シンガーさんです。
 
とにかく可愛らしくピュアな歌声で、歌の中身もいつも優しく・あたたかく癒されるのですが、「みんなのうた」で流れたこの曲には、それにふさわしく、可愛らしい女の子とシロクマのアニメが絵本のような柔らかいタッチで添えられていました。
 
内容は、旅立つ女性を見送り、遠くから見守る(たぶん男性の)心情を歌ったもので、「みんなのうた」でも少女を見送るシロクマの様子が描かれていました。
 
歌声はどこまでも可愛らしく、透明感のあるものなのですが、歌われている内容が、遠く離れ離れになってしまって、今は会えない、けれど忘れずに相手を想っている――そんな心情なので、余計に切なさが募ります。
 
そして、タイトルの「恋つぼみ」。
 
今はまだ「つぼみ」のの花が、いつか咲く日を待っている――まだ恋になっていない想いが、やがて恋として実を結ぶ日を、遠く相手を想いながら待っている……そんな、何とも言えない切なくも甘いイメージが、曲全体を包み込んでいます。
 
シングル盤にはノーマル・バージョンと、ピアノ弾き語りバージョンが収録されているのですが、個人的にはピアノ弾き語り版の方が好きです。
 
曲の持つ切なさが、より一層、際立つ気がして、個人的にオススメです。
  
 

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mtsugomori at 06:30

2018年09月25日

今回ご紹介するのは、この一曲です。
    ↓
 
 
坂本真綾さんの「Lucy」というCDに収録されている「紅茶」という歌です。
   ↓
Lucy
坂本真綾
flying DOG
2010-03-24


 
この曲、元々は「紅茶花伝」のCMソングとして作曲された曲に、新たに詞をつけたものらしいのですが(だからタイトルが「紅茶」だったり、紅茶を飲むシーンが印象的に登場したりするんでしょうね。)、まずイントロが素晴らしいです。
 
ハープらしき楽器が時計の秒針が刻まれるように、あるいは途中でベルが鳴るようにポロロンポロロンと奏でられているところから始まるのですが、自分はここで一気にこの曲に引き込まれてしまいました。
 
そしてスローに、切なげに始まる歌い出しが、この曲が「ある恋の終わり」の物語であることを告げてきます。
 
ひとつの恋が終わり、それぞれの新しい生活へと歩み出す、その一場面を、切なく、でも暗くなり過ぎることなく絶妙に歌い上げているのです。
 
しかもここで終わる恋とは“人生最初の恋人との別れ”なのです。
 
歌の中では、ふたりがまだ恋人だった頃の情景が様々に描かれていきます。
 
ふたりで流星を眺めたり、寒い日に道端で(たぶん自販機の)紅茶を飲んだり…。
 
そして、その頃にはこの恋がずっと続くと思っていた――そんな想いが描かれています。
 
けれど、結局その恋は終わり、今の自分に残されたものはたったひとつだけ――その“たったひとつ”として描かれているものが、聴いていて何とも切なく、どこか甘い余韻となって胸をふるわせるのです。
 
 

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mtsugomori at 07:02

2018年06月17日

大学で音楽系サークルに入り、独学でフルートを始めた際、大学図書館にあったフルートのCDを片っ端から聴きまくっていた時期がありました。
 
そんな頃に出会ったのが、フルート奏者ジェームズ・ゴールウェイ(James Galway)さんです。
 
初心者で、フルートの音色や技巧の違いもよく分からない自分でも、この人のフルートには「これは他と違う!」と感じたのを覚えています。
 
技術的なことは正直よく分からないのですが、この人のフルートには何というか、人間味があふれている気がするのです。
 
あくまで個人的な感覚ではありますが、ツルっと滑らかな音と言うよりは、どこか布や木肌のようで、ざらっとした手触りがあるような、自然で、あたたかみのある柔らかな音色に感じました。
 
後で調べてみると、このジェームズ・ゴールウェイさん「黄金のフルートを持つ男」という二つ名を持ち(※)、2001年にはエリザベス女王から「ナイト(騎士)」の称号まで授与されているような有名なフルーティストでした。
 
(なので現在の正式な呼び名はサー・ジェームズ・ゴールウェイ(Sir James Galway)なのです。)
 
そんなジェームズ・ゴールウェイさんのCDの中でも特に気に入ったのが、このCDです。
   ↓
 
In Ireland
James Galway
RCA Victor
1990-10-25

 
 
(CDの曲すべてにジェームズ・ゴールウェイさんが参加されているわけではないのですが、それでも自分の中でのジェームズ・ゴールウェイさんのベストCDはこのアルバムだったりします。)
 
元々アイリッシュ音楽アイルランド音楽)の、どこか切なく哀愁の漂う感じは好きなのですが、そこにさらにジェームズ・ゴールウェイさんのフルートの音色が加わって、あたたかな郷愁に満ちた、とても癒されるアルバムになっています。
 
このCDは、メジャーなクラシックのように華麗で洗練された音楽というよりは、まさに民俗音楽郷土音楽という感じで、素朴で自然体で、どこかノスタルジックな曲にあふれています。
 
中でも特にお気に入りなのが「Down by the Sally Gardens(思い出の庭)」と「Danny Boy(ロンドンデリーの歌)」の2曲なのですが、目を閉じて聴いていると、アイルランドの平原で夕風に吹かれながら、流れてくる笛の音に耳を澄ませているような、そんな感覚に浸れます。
 
 

  
 
    ↑
(上の画像リンクから商品詳細ページへ飛んでいただくと、一部分だけ試聴可能です。←端末によっては聴けない場合もあります。)
 
ちなみに管理人・津籠が別ブログで書いている恋愛SS(Short Story)に「あなたの声は、フルートの吐息。」というものがありますが、主人公が恋する相手のフルートの音色には、このジェームズ・ゴールウェイさんの笛の音色をイメージして書いています。
 
(人物像についてはほとんど存じ上げないので、モデルにしたのは、あくまでフルートの音色だけですが…。)
 
 


(※)ジェームズ・ゴールウェイさんが近年愛用しているというフルートには金が使われています(ボディが24金、キィが14金)
 
 
黄金のフルートをもつ男 (名演奏家シリーズ 11)
ジェームズ ゴールウェイ
時事通信出版局
2011-09

(楽器メーカーの「ナガハラフルート」さんでは、彼の使用するフルートとほぼ同じ仕様の「サー・ジェームズ・ゴールウェイ・モデル」なるものも販売しています。)
 
もっとも、フルートの音色は材質となる金属には左右されないというデータもあるようなので(←専門家ではないので、真偽のほどはよく分かりませんが…。)、ゴールド・フルートだから銀のフルートより良いのかどうはか分かりませんが…。
 
(そもそもジェームズ・ゴールウェイさんご本人が「フルートについて特定の金属を推奨したことはない」「フルートの材質を(耳だけで)言い当てることはできない」というようなことを語っているようです。←ネット調べ情報。)

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mtsugomori at 16:17

2018年04月08日

今回ご紹介するのは、こちらのCDです。
  ↓ 
ブラバン!甲子園 U18-WEST
大阪桐蔭高等学校吹奏楽部
ユニバーサルミュージック
2014-06-18

 
自分は元々金管楽器が好きで、高校時代も吹奏楽部に入ろうかと部活見学に行ったくらいでした。
 
(しかし成績順にクラス分けされた学校の1組だったせいで「うちの部は忙しいから勉強との両立は無理だと思うよ」とやんわり断られ(?)諦めたという…。)
 
なので家族が甲子園中継を見ていても、自分は試合よりその背後に流れるブラスバンド演奏が気になっていたりしました。
 
甲子園などの試合で流れる演奏って、普通のブラスバンドの曲とはまた違い、皆もよく知っているようなメジャーな曲を1人1人の打席の間にループできるようアレンジしてあるんですよね。
 
しかも一番気分の盛り上がるサビの部分がブラスバンド特有のあの音でカッコ良く演奏されるので、ただTVを見ているだけのこちらも気分がアガるような気がするのです。
 
そんな自分が「気分を上げたい時」「元気が欲しい時」に聴く用に買ったのが、このアルバムです。
 
甲子園でもおなじみの大阪桐蔭高校の吹奏楽部による甲子園アレンジの楽曲が収められたCDです。
 
この「ブラバン甲子園」シリーズは売れているらしく、他にもいろいろ出ているのですが、その中でもコレを選んだのはズバリ、収められている曲が自分好みだったからです。
 
Amazonの商品詳細ページへジャンプしていただければ(←上のCDジャケット画像から飛べます。)どんな曲が収録されているかご覧いただけますが…
 
自分のこのCDでの最大のお目当ては「進撃の巨人」1期前半のオープニング・テーマだった「紅蓮の弓矢」です。
 
元々勢いのある曲ですが、ブラスバンドとの相性がとても良く、聴いていると気分が高揚します。
 
他にも「千本桜」や「恋するフォーチュンクッキー」「ウィーアー!(ワンピース初期のOP)」「あまちゃんオープニングテーマ」「半沢直樹のテーマ」と最近のメジャーどころから「ルパン三世」「必殺仕事人」「狙いうち」などオーソドックスなものまでバリエーションが豊かで楽しめます。
 
甲子園アレンジですので、まるまる一曲通して聴けるわけでなく、中には本当に「サビのみ」なものもありますし、応援の掛け声や試合のサイレンなどが入っていますので「ただ純粋にブラスバンド・アレンジの曲を楽しみたい」という方には向かないかも知れません。
 
ただ、野球の試合での吹奏楽演奏のお好きな方は楽しんでいただけるかと思いますし、聴いていると、何だか自分が応援されているような気分になって元気が出ますので、個人的にオススメです。

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mtsugomori at 12:00
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