�眦通�雄さんは人気のこけし工人。こけし女子たちを魅了する小さなこけしを日々制作する傍らで、伝統こけしへのまなざしも欠かさない。師匠佐藤慶明や今三郎、春二といった先人たちの伝統的な型を守って作り続け、伝統型への愛を語る。
第三次こけしブームと言われているうちに、このブームは終わることなく定着した感がある。たしかにこけし工人達の数は減り続けていて、廃絶する系統や型もある。一方で新たにこけし作りを志す人も絶えることがなく、こけしも間もなく廃絶する、ということはなさそうである。実際にこけしの楽しみ方は変化しており、一緒に出かけるので持ち運びがしやすい、とか、リクエストに応じて何でも描いてみせるとか、そうした楽しみ方に合わせて作る必要が現実のニーズとしてある。最も決定的な要素は縦横比で、長さと幅のバランスが均等に近づいている。こけしの「かたち」が変わってきているのである。
こけしの伝統って何だろうというのは、なかなか難しいし、答えは人それぞれに違う問いだけれども、こけしの伝統を探りつつ新たな伝統とは何かを探索する試みと言うのは古くからおこなわれている。工人それぞれの取組はもちろんのこと、折に触れ様々な試みが行われてきた。その辺りのことはKokeshi Wikiのこけしのアルケオロジーに詳しい。
�眦通�雄さんも伝統と今、伝統と自分、のように伝統と向き合っている工人で、ロクロ線を使うようになる以前の古い弥治郎こけしの復元や、雀菊の模様の考案など、挑戦を続けている。そんな彼の最近の作品に、とても気になる一品があった。ようやく手元に来たので、ちょっと見てみよう。
佐藤今三郎は彼の師匠の佐藤慶明の師匠の佐藤辰雄の師匠にあたる。高田工人が作る今三郎型は特別で、最も彼の本領が発揮される型だと思っている(もちろん他のもいいです。個人の好みですね)。今三郎が残したこけしにはロクロ線模様のものと手書き模様のものがあるが、高田工人が今三郎アレンジと称して世に出したのがこのこけしである。頭頂部のロクロ線は紫、緑、赤で鮮やか、胴はと言えば着物を前で合わせて帯を締めたような手描き模様。紫、緑、赤で描かれ、黄色で覆っている。工人の説明はこうだ「今三郎が第2次こけしブームの時も作っていたとしたら、こう進化したんじゃないかと想像してみたもの。手描きだった頭と帯の部分をロクロ線にして、白胴を黄胴に変えてみました。(2025年10月28日のInstagram投稿)」。行われた作業は、既にある素材の新たな組み合わせ、というだけだったのかもしれない。違和感なく自然な組み合わせになっているのは確かだ。さらにそこには、新しい雰囲気が起ちあがってきたのではないだろうか。その雰囲気を感じ取る愛好家がいて、このこけしは彼の定番になりつつある。雰囲気の正体は何なのか、それは「時間でつながっている感覚」のような気がする。こけし作りが始まった時代からの時間の積み重ねに、ちゃんとつながっている、その意味で伝統こけしであり、それは思い出としてのつながりではなく、今という時代に接続している感じがある。だからこれはもう�眦通�雄本人型と言っていいのではないか。そして肩のところに少しだけ角度をつけてアクセントにしてある、その工夫に気が付いたとき、このこけしを手元に迎えられて良かった、と思ったのである。


第三次こけしブームと言われているうちに、このブームは終わることなく定着した感がある。たしかにこけし工人達の数は減り続けていて、廃絶する系統や型もある。一方で新たにこけし作りを志す人も絶えることがなく、こけしも間もなく廃絶する、ということはなさそうである。実際にこけしの楽しみ方は変化しており、一緒に出かけるので持ち運びがしやすい、とか、リクエストに応じて何でも描いてみせるとか、そうした楽しみ方に合わせて作る必要が現実のニーズとしてある。最も決定的な要素は縦横比で、長さと幅のバランスが均等に近づいている。こけしの「かたち」が変わってきているのである。
こけしの伝統って何だろうというのは、なかなか難しいし、答えは人それぞれに違う問いだけれども、こけしの伝統を探りつつ新たな伝統とは何かを探索する試みと言うのは古くからおこなわれている。工人それぞれの取組はもちろんのこと、折に触れ様々な試みが行われてきた。その辺りのことはKokeshi Wikiのこけしのアルケオロジーに詳しい。
�眦通�雄さんも伝統と今、伝統と自分、のように伝統と向き合っている工人で、ロクロ線を使うようになる以前の古い弥治郎こけしの復元や、雀菊の模様の考案など、挑戦を続けている。そんな彼の最近の作品に、とても気になる一品があった。ようやく手元に来たので、ちょっと見てみよう。
佐藤今三郎は彼の師匠の佐藤慶明の師匠の佐藤辰雄の師匠にあたる。高田工人が作る今三郎型は特別で、最も彼の本領が発揮される型だと思っている(もちろん他のもいいです。個人の好みですね)。今三郎が残したこけしにはロクロ線模様のものと手書き模様のものがあるが、高田工人が今三郎アレンジと称して世に出したのがこのこけしである。頭頂部のロクロ線は紫、緑、赤で鮮やか、胴はと言えば着物を前で合わせて帯を締めたような手描き模様。紫、緑、赤で描かれ、黄色で覆っている。工人の説明はこうだ「今三郎が第2次こけしブームの時も作っていたとしたら、こう進化したんじゃないかと想像してみたもの。手描きだった頭と帯の部分をロクロ線にして、白胴を黄胴に変えてみました。(2025年10月28日のInstagram投稿)」。行われた作業は、既にある素材の新たな組み合わせ、というだけだったのかもしれない。違和感なく自然な組み合わせになっているのは確かだ。さらにそこには、新しい雰囲気が起ちあがってきたのではないだろうか。その雰囲気を感じ取る愛好家がいて、このこけしは彼の定番になりつつある。雰囲気の正体は何なのか、それは「時間でつながっている感覚」のような気がする。こけし作りが始まった時代からの時間の積み重ねに、ちゃんとつながっている、その意味で伝統こけしであり、それは思い出としてのつながりではなく、今という時代に接続している感じがある。だからこれはもう�眦通�雄本人型と言っていいのではないか。そして肩のところに少しだけ角度をつけてアクセントにしてある、その工夫に気が付いたとき、このこけしを手元に迎えられて良かった、と思ったのである。

















