IMG_2776

  2月に開幕した2018年のJ1リーグもいよいよ最終節。前節の時点でACL出場圏の3位と、条件付きでACL出場の可能性がある4位以内の可能性が消滅してしまった浦和。最終節でホームに迎えたのは、浦和同様前節で4位以内の可能性がなくなり来季ACL出場が消滅したFC東京。勝ったチームが5位という上位直接対決となりましたが果たして。では早速。

IMG_2771

  浦和は中3日で天皇杯準決勝を戦う関係で、前節湘南戦からスタメンを7人変更。2トップは李忠成とアンドリュー・ナバウトの組み合わせとなり、出場停止明けの柏木陽介と中盤でコンビを組むのは、これがJ1初スタメンとなる柴戸海。同じくJ1初スタメンの荻原拓也が左WBに入り、負傷明けの青木拓矢と槙野智章が復帰。
  そしてこの試合(と天皇杯)を最後に現役を引退する平川忠亮がサブに入りました。

IMG_2772

  対する東京。こちらはこの試合が2018シーズン最終戦という事もあり、ベストメンバーと言える陣容をチョイス。5位死守を目指して、03年から勝てていない鬼門埼スタに乗り込みました。

IMG_2773

  浦和は初先発の選手や久々にスタメンといった選手が多く、連携が全くおぼつかなくパスが繋がりません。一方の東京も攻め急ぐ場面が目立ちこれまたパスが繋がらないという、双方共にミスがやたら多い質の低い立ち上がりとなってしまいました。
  そんな中最初のチャンスで得点が決まります。9分、荻原が左サイドから突破を図りCKを得ると、柏木が蹴ったボールに李が頭で合わせ先制。李のマークには橋本拳人がついていましたが、何故か橋本は李のマークを外しボールに触りに行きましたが、高い軌道を描いたボールに触れず李がフリーの状態から見事にゴールへ流し込みました。
  先制はしましたが流れは悪くなる一方。1番の要因は東京オフェンスの要にして、唯一の起点であるディエゴ・オリヴェイラを自由にしてしまっていた点。ディエゴを監視していたのは主に阿部勇樹でしたが、フィジカル面でなかなか優位に立てずに苦戦を強いられてしまい、中央で幾度も起点を作られてしまいます。また柴戸が高萩洋次郎に競り負ける事が多く、パスの出し手と受け手を時間を与えてしまい、その結果浦和は劣勢を強いられますが、19分に東慶悟の折り返しをフリーで押し込むだけだったディエゴのシュートは枠外。ディエゴのパスに抜け出した東のシュートは西川周作が左足で防ぎ得点は許さず。
  浦和も22分に高い位置でボールを奪ったナバウトが強烈な右足ミドルを放ちますが、これはGK林彰洋に阻まれゴールは奪えず。結局前半は浦和が耐える形になりましたが1-0のスコアで折り返します。

IMG_2765

  後半に入ると僅か20秒で得点が生まれます。東京のキックオフで後半が始まると、室屋成の縦パスをPA内で東がキープし中へ折り返すと、フリーになっていたディエゴが右足を振り抜き同点。東と対峙した槙野は前を向かせない守備で対応。これは良かったのですが、ディエゴを見ていた阿部が走り込んだ永井に釣られてしまい、ポジションを下げたディエゴをフリーにしてしまいシュートを許してしまいます。
  前半に耐えてリスタートに成功しながら、後半開始すぐにプランが崩れてしまった浦和。しかしこれまた僅か2分で状況が変わります。48分、PA近くでナバウトがファウルを受けると、柏木が素早いリスタートからPA内にクロスを上げると、走り込んだ柴戸がダイビングヘッドでネットを揺らし勝ち越し。ナバウトがファウルを受けた時点でPA内に居たのは、浦和の柴戸と東京の太田宏介のみ。柏木が蹴る瞬間素早く動き出した柴戸に対し太田も反応はしましたが、最初のポジションで勝負ありの状態。一瞬の隙を上手く突いた柴戸のプロ初ゴールで再びリードを奪います。
  
IMG_2781

  浦和がリードしてからも東京が攻勢という展開自体は変わりませんでしたが、東京が比重を前に置いた事でカウンターからチャンスを作る事に成功。しかしここでも連携の拙さが露呈し、チャンスは作れどシュートシーンはなかなか作れませんでした。
  ところが追加点を取ったのは浦和でした。68分、西川のキックをナバウトがヘディングで反らすと、自らそれを拾い右サイドから折り返すと、待ち構えていた李がGK不在のゴールに左足アウトサイドで流し込み3点目。この場面は東京の対応が全て後手に回った結果生まれました。まず西川のキックはこの試合では全て橋岡大樹に合わせていましたが、この場面では橋岡ではなくやや中寄りのナバウトに合わせると、ナバウトの1番近くにいた森重真人は自分の所にボールが来ると思わなかったのか、ナバウトと競る事すら出来ませんでした。次にナバウトがヘディングでボールを反らしましたが、その先に浦和の選手はいませんでした。そこで太田はゆっくり対応しようとしましたが、瞬時に切り替えたナバウトが先に触りボールをキープ。さらに右サイドから中に入ったナバウトに対し、GK林はシュートコースを消すべく前に出ましたが、シュートを撃つにはあまりに角度がない上にゴールからも遠い位置だった為、林が前に出た結果ゴールがガラ空きに。そして東京DF全員がナバウトとボールに注視してしまい、バイタルエリアの李がどフリーとなりゴールへパスを送り得点。ナバウトの粘りと李の嗅覚は見事でしたが、それ以上に東京の守備はお粗末極まりないものでした。

IMG_2774

  3-1となってからは東京の攻撃に勢いがなくなり、攻勢ではありましたがシュートの本数自体は減っていきます。浦和は試合を締めるべく足をつった荻原→宇賀神友弥、負傷明けの青木→長澤和輝と交代枠を使います。そして87分に最後の交代に平川を準備しますが、会場の雰囲気がガラッと変わるとこれに集中が切れたか、ディエゴ→室屋と繋がれると室屋のクロスに前田遼一がフリーで合わせ1点差。カウンターというのもありますが、室屋がクロスを上げた時点でPAのラインはバラバラ。さらに大外から中に入ってきた前田を誰も見ておらず、手前にいた岩波拓也も目測を誤りボールに触れず。
  こちらもお粗末な失点を喫してしまいましたが、最後はキャプテンマークを託されながらピッチに入った平川を含めしっかり守り抜き、4分のATを経て今季リーグ戦終了の笛。最終スコア3-2で逃げ切った浦和は東京を最後に捲って5位で2018J1リーグを締めくくりました。

IMG_2779

  柴戸、荻原を始め李やナバウトなど、今季リーグ戦でスタメンの機会がほとんどなかった選手達が多く先発した今節は、連携がおぼつかない状態でパスミスを連発。さらに守備でも相手のキーマン2人、ディエゴと高萩に自由を与えてしまい中央が全く締まらない状態。通常ここまで状況が悪ければ、勝つのは非常に困難なはずなのですが、東京も攻守共にちぐはぐなのは同じでこれが試合全体のクオリティを下げる要因に。
  とは言えその主力に代わって先発起用された選手達が奮闘。柴戸と李は得点を挙げ、ナバウトはアシストを記録し荻原はサイド突破で見せ場を作り勝利に貢献。湘南戦では主力不在の穴を埋められず敗れてしまいましたが、今節は逆に主力の不在を辛うじてカバーし勝ち点3という結果を手にしました。連携面や個々の球際で課題は散見されましたが、来季に向けて彼らの活躍により勝利を得られた事は大きな収穫と見て良いと思います。

IMG_2782

  リーグ戦は今節を以って終了。目標としていたリーグ優勝はおろか、優勝争いにすら絡めないシーズンとはなってしまいましたが、開幕5試合で2分3敗となり監督解任の憂き目を見た事を考えれば、残留争いに巻き込まれる事なくリーグトップ5という位置で終われた事は、プラスに捉えて良いと私は思います。
  シーズン半ば、しかも連戦の真っ只中に就任したオリヴェイラ監督のサッカーは、時間の経過と共に完成に近付きある程度の勝ち点を計算出来る所までは来ました。来季はこのサッカーをさらに成熟させると共に、より戦力を充実させて目標であるリーグ優勝を目指したい所です。
  2018シーズンは天皇杯を残すのみ。最後のタイトルであり、17年苦楽を共にした平川と戦える最後の時間となります。ヒラを笑顔で送り出すために、来季に繋げるために、そして3年連続となるタイトル獲得のためにも総力を挙げて天皇杯を獲り、2018シーズンを最高の形で締めくくりましょう!





【試合概要】

浦和 3-2F東京

得点者
浦和
  9分  20.李忠成(1-0)
48分  29.柴戸海(2-1)
68分  20.李忠成(3-1)

F東京
46分    9.ディエゴ・オリヴェイラ(1-1)
87分  20.前田遼一(3-2)

交代
浦和
72分  26.荻原拓也→  3.宇賀神友弥
81分  16.青木拓矢→15.長澤和輝
89分  10.柏木陽介→14.平川忠亮

F東京
68分  11.永井謙佑→20.前田遼一
78分    6.太田宏介→25.小川諒也
78分  39.大森晃太郎→13.リンス

警告
浦和= なし
F東京=チャン・ヒョンス(27分)

NEXT GAME→天皇杯準決勝鹿島アントラーズ(C)県立カシマサッカースタジアム(12/5(水)19時KO)