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  • 江戸歳時記 21 「夏の商い」
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プロフィール

そらお


2013年12月30日

一緒に居合しませんか?

無涯塾で一緒に居合を楽しみませんか?

同好会名夢想神伝流居合同好会 無涯塾 (ムガイジュク)

練習日程
金曜日午後7時〜9時)
     土曜日(午後3時〜5時)

練習場所金曜日→富山県営富山武道館 

          3階武道場 (富山市牛島町2-10)

      土曜日→婦中町ふれあい館内 婦中体育館 

          3階剣道場(富山市婦中町砂子田1-1)

月    謝:大人=2,000
       学生=1,500

 問合わせ先:無涯塾←まずはこちらにお問い合わせ下さい。

連 絡 先:上記の問合せのフォームが開かない場合、
      
mugaijyuku@livedoor.com
       までご連絡下さい。
       折り返しご連絡いたします。
       ※現在、ウイルスが流行しているため、 件名が日本語でない
                もの、所在不明の添付ファイルが添付されているものにつ
                きましては、申し訳ありませんが、削除させていただいてお
                ります

         メールを出して3日以上連絡がない場合は、
         削除されている可能性もございますので、
         再度、メールを下さいますよう、宜しくお願いします。


また、練習の見学はいつでも歓迎しておりますので、
分からないことがありましたら、お気軽にメール、
直接練習場所にお越し下さい。



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2013年12月29日

ふちゅう稽古場より こんにちは!

ふちゅうから、はじめてのブログです。
7月16日の稽古はいかがでしたか?
塾生のみなさん チェックしましょう


http://blog.goo.ne.jp/mugaijuku-futyu


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無涯塾ブログ記事掲載スケジュールのご案内

(毎週)
日曜日  「脳トレ この漢字書けますか?」 
月曜日  
火曜日  「今週の諺」
水曜日  「脳トレ この漢字読めますか?」
木曜日  「サムライ言葉」
金曜日   
土曜日  「今週の四字熟語」 

なお、廣瀬師範による「居合関連のお話」を不定期に掲載することがあります。

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2013年12月28日

平成23年度居合道行事日程

 12月     4日 大坂大会
       11日 県強化練成会(鵜坂)
       18日 県強化練成会(鵜坂)
       23日 稽古納会(富山武道館)

 1月     3日 砺波市稽古始め
        3日 富山市稽古始め
        4日 高岡市稽古始め
       15日 県強化練成会(鵜坂)
       21日 級位申し込み締め切り
       22日 富山市級位審査(鵜坂)
       22日 県強化練成会(鵜坂)

 2月     4日 県強化練成会(鵜坂)
      4〜5日 富山市講習会:武田・草間両先生(鵜坂)
       12日 県強化練成会(鵜坂)

 3月     4日 県強化練成会(鵜坂)
       25日 県強化練成会(鵜坂)

※ あくまでも予定ですので、必ず確認された上でご参加ください。
   なお、上記以外の毎週金・土曜日は、富山武道館及び婦中ふれあい館で通常稽古があります。


mugai_de_iai at 13:50|PermalinkComments(0)TrackBack(0) スケジュール 

2013年11月07日

第31回富山県居合道大会&昇段審査

H25年10月27日 第31回富山県居合道大会と昇段審査が行われました。

富山県居合道大会に無涯塾からは、 段外の部2名、初段の部1名、

2段の部3名、3段の部3名、7段の部1名

計10名が参加しました。

段外の部でTさんが見事、優勝されました。おめでとうございます👏

初めての大会でも落ち着いて、普段通り堂々と演武しておられました。

 私も久しぶりに決勝戦まで進む事ができましたが、3−0で破れて

しまいました💦


まだまだ修行が足りません

〜午後から昇段審査〜

無涯塾からは初段を2名、2段を1名、4段を1名受審しました。

 結果は・・・全員合格

私も何とか4段になれました

あっという間に次の昇段審査の時期が来ますので塾生の皆さん

普段の稽古頑張りましょう



mugai_de_iai at 00:08|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2013年07月08日

全日本居合道大会選考会&昇級審査

7月7日、富山市鵜坂公民館にて全日本居合道大会選考会と昇級審査が
行われました。

 PM2:00 全日本居合道大会選考会

10月に大分県で行われる 全日本居合道大会の選考会です。

県内を代表するの5段、6段の先生方のすばらしい演武を観ることができました

審査員は7段の先生10名。

5段から4名、6段から2名の選手が参加されました。

3回の演武の採点で代表選手が決まります。

さすがに県を代表する選手の方々10人の先生方の厳しい目に臆する事なく

堂々と演武をしておられました。

10月の大会まで、選手の皆さんと鵜坂公民館で練習できるので技を盗みたいです

PM3:00 昇級審査

昇級審査です

今回の受審者は9名。

9名はかなり多い方です

無涯塾からはTさんが夫婦で受審されました。

Tさんは二人とも1本目前、2本目後、3本目受け流し、4本目柄当て、5本目袈裟切りを

演武されました。

結果は・・・。

2人とも合格

おめでとうございます

前日、特に練習していた神座への礼や刀礼などバッチリできていました

次の目標は10月の昇段審査

私も今年は4段を受審します。

まだまだ力不足休まず練習するぞ〜




mugai_de_iai at 00:25|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2013年07月07日

第37回東北日本居合道大会



6月9日新潟県三条市で第37回東北日本居合道大会が行われました。


今年初めての大会参加です


無涯塾からは廣瀬先生と私塾長の森ほか5名が参加しました。

 

朝の5:00集合〜7:40三条市体育館に到着。すでに体育館では出場者の皆さんが


熱心にウォーミングアップをしておられました。


開会式にて、指定技の発表


指定技は『4本目:柄当て』、『5本目:袈裟切り』、『6本目:諸手突き』


うっ、苦手な袈裟切りが・・・


いよいよ大会が始まりました


私は三段の部のトーナメントで出場しました。


一本目 初発刀、二本目 勢中刀、指定技の3本を抜きました。


結果は1−2で一回戦で負けてしまいました。


自分の演武の後、同じ段の試合を観て抜き付けの鋭さ、残心のとり方など自分でまだまだ


足りない部分があると感じました


日頃の鍛錬と謙虚な気持ちでこれからはがんばります


無涯塾の成績では廣瀬先生が優秀賞を受賞されました。


おめでとうございます。



mugai_de_iai at 03:26|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2013年03月14日

鼬川人情帖 20

「うおっ」

白刃が閃く。

月代の伸びた何者かが自分を狙ってくる。

初太刀を躱した途端、泥濘に足をとられ右踝(くるぶし)を挫いた。

「ぐっ」

身体が言うことをきかない。

目を凝らすと、蝮(まむし)のように眼を吊り上げ、口辺に笑みを湛えた銀二が見えた。

「やはり、おぬしか」

「ふふ。誰でもよい、死ねい」

そう言うと、男は刀を下段に構え、切っ先を揺らし始めた。

北辰一刀流、鶺鴒(せきれい)の構えだ。

振り子のように揺れる剣尖は、異様な光を放ちながら闇に融けてゆく。

晴之進は、己の間合いを詰める糸口が見えなくなった。

坐したまま、その場で軽く目を伏した。

どれだけ時間が経っただろうか。

互いの殺気は消え失せ、茫洋たる無の世界が広がり始めた時、上下に動いていた剣先が突如、静止した。

その瞬間、きゅん・・、刃風が鳴った。

男は、一気に上段から切り下ろしてきた。

「きえいっ」

裂帛の気合いが鳴り響いた。

「南無さん」

斬られた、と思った。

しかし、晴之進は、瞬時に左膝を右踵に引き寄せると、左側から刀を背負うように振りかむり、身体を起こしながら右足を一歩踏み出した。

「ぬりゃ」

正面から斬り下ろした。

剣尖は小さな円を描きながら宙を裂き、男の右腕を掠めた。

「うっ」

男は地べたに膝をついた。

右腕から、鮮血が飛び散る。

だが、傷口は骨に達してはいない。

右足の踏み込みが十分でないため、敵との距離が半身足りなかったのだ。

男は滴る血で袖口を濡らしながら、上体をのけ反らせて一歩退がった。

「見事な棚下だ。腕を上げたな」

男は肩で息を付きながら、腕を庇っていた。

「おぬし、何故、俺を斬るのか?」

晴之進の問いに男は何も答えない。

「この勝負水入りとしよう」

それだけ言うと、刀を鞘に納め、ゆらりと藪に消えた。

銀二は頭に雇われた用心棒なのだろう。

そして、一味の狙いは何なのか。

不可解な謎は深まるばかりだ。

晴之進は、漆黒の闇に包まれながら、おせんのことを思い浮かべていた。



mugai_de_iai at 09:10|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 鼬川人情帖 

2013年03月13日

鼬川人情帖 19

雨は、愈愈(いよいよ)激しくなってきた。

巳の刻(午後2時)をまわったばかりだと言うのに、早くも西の空には漆黒の闇が待ち受けている。晴之進は、その闇へと只管、突き進んでいるような気がしていた。

金森町を過ぎて、川沿いを十里ほど歩くと隣の国府村に入った。

この辺りは、小高い山と宮川に挟まれたうら寂しい場所だ。

鬱蒼とした木立と芦原の間に、川の氾濫を鎮守する渡瀬神社の素朴な鳥居が頭を覗かせている。

参道を横切ると、徐に男たちは、懐から手拭いを取り出して頭を覆い、尻端折って藪の中に分け入っていった。

晴之進もそれに続いた。

遠くで、轟々と川が唸り声を上げている。

脇を流れる川面は、鈍色の蛇と化し塒(とぐろ)を巻き、留め置かれた小舟が艀の横で、迷い子のように右往左往していた。

叢を少し行くと、遠くに1軒の農家が見えてきた。

屋敷林に囲まれた古びた百姓家だ。

戸口の破れた腰高障子の前には、風雪を耐え抜いた大八車の轍が雑然と置かれ、門前は雀羅を張り巡らせるほど寂れてしまっている。

辛うじて、雨に濡れた江戸紫の菖蒲垣だけが、季節の移ろいを現世へと紡いでいる。

男たちはその屋敷に近づくと突然、足を止め、周囲を見渡すと戸口の奥に消えた。

「ほほう、うらぶれた百姓家ではないらしい」

晴之進は、編笠から滴る雫を頬に受けながら、静まり返った裏木戸へ慎重に廻り込んだ。

 朽ち果てた板戸の向こうから、男たちの声が漏れてきた。

「旦那、めっぽう冷えてきましたぜ。迎え梅雨ってのも始末におえねえ。まあ、いっぱいやって温まってくだせい」

「ふむ、お前たちも呑まぬか」

「そいっあ、ありがてえ。おおい、旦那にお注ぎしろ」

旦那と呼ばれた声の主は、銀二ではなかった。

どうやら、思い違いをしていたらしい。

晴之進は、重い腰を上げた。

すでに日没は近い。

辺りは煙霧に包まれ、墨の世界に沈んでゆく。

その時、一陣の突風が吹き抜け、尋常でない殺気を覚えた。

刹那、闇の狭間から人影が躍り出た。

 

 

mugai_de_iai at 09:10|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 鼬川人情帖 

2013年03月10日

鼬川人情帖 18

昨日とはうって変わり、天はどんよりとした厚い雲に覆われている。

晴之進は、編笠を被り着流しのまま、古川の街に歩み出た。

白い海鼠塀に沿って進むと、枡屋の女中が言っていた通り、紫の濃い花弁の並木道が続いている。江戸紫や京紫の色とりどりの菖蒲だ。花は朝露を湛えて、しっとり濡れている。

なるほど美しい。

傍らの瀬戸川には、無数の錦鯉が滔滔たる流れに身を任せ、頤(おとがい)をぱくぱくさせている。頭(かしら)に緋盤が入った紅白、それに墨の加わった「さんしょく」、中には珍しい網目の光りものもいる。水面はまさに百花繚乱、桃源郷に引けを取らない素晴らしさだ。

水際でぐっと腰を落とし蹲踞すると、人影を察知したのか数匹の鯉がするりとやって来て、餌をねだり始めた。

遣る餌がないので其のままにしていると、蜘蛛の子を散らしたように瀞の中に潜っていった。

 

延々と続く土塀を横目に、金森町へと向かった。

しばらく行くと、福全寺が見えてきた。

寺は真言宗の名刹で、その昔、旅僧 快存上人が城主 金森可重の帰依を受けこの地に留まり、旧寺を再興して福全寺と名付けたという。

目抜き通りに面した境内には、大公孫樹の大木がそびえ立っている。

青々とした葉は涼しげで、いくつもの新芽を結んでいる。

寺周辺は、飛騨小間物を扱う店や蠟燭屋などと肩を並べて、沢山の門前蕎麦屋が軒を連ねている。

1軒の店を選ぶと、暖簾を掻き分けた。

「へえ、らっしゃい」

「うむ。一杯もらおう。銚子もつけてくれ」

そう言うと、店の奥にある上がり座敷に腰を下ろした。

中食にはまだ間があるのか、他に客はいない。

「お待ちどうさまです」

女中が、盛蕎麦と銚子を運んできた。

浅黒く、太い蕎麦には野趣味がある。それをたぐり寄せ、付け汁にくぐらせると頬張った。

「ずるっずる」

ぼそぼそとした食感しだが、喉越しに蕎麦独特の甘みがある。

立て続けに盃を2・3杯煽った。

すっきりとした爽やかな吟香、少し酸の膨らみを感じる酒だ。

「店主、この酒は地のものか」

「へえ、蓬莱という酒で、古川の渡辺という酒蔵で仕込んでおりやす」

「ふむ、この地にはよい酒が多い」

「ありがとうごぜえます。古川はご覧の通り痩せた地ですが、酒を仕込むには気候が合っているんでしょうか、お客さんにもなかなか好評を得ておりやす。それより、旦那、極上の香魚(あゆ)のうるかを召し上がりますか?」

「ほう、うるかか。そいっあ珍しい、もらおう。酒も頼むぞ」

「へい、かしこまりました」

運ばれてきたのは、雲母のように艶々とした塩漬けされた卵巣だ。宮川で獲れる香魚である。

一口啄ばむと、滑らかで深く豊潤な味が舌根を刺激した。

清流で藻を食んで育った香魚の清々しい味わいがする。

後から追いかける塩気が、酒の辛味と相まって一層、五臓六腑に染みわたる。

「うまい」

うるかを突ついては酒を酌み、呑んでは突っつくを繰り返しているうちに、銚子が軽くなり、最後の一滴を盃に垂らした頃、客が数人入って来た。

「親父、適当につけてくれ」

「へえ、かしこまりました」

晴之進の位置からは、客の姿は衝立越しに隠れて見ることができない。

田舎じみた伝法調の話し方から、宿場を塒(ねぐら)にする破落戸(ごろつき)どもだろう。

2〜3人の男たちは、入口近くの飯台に席を陣取ると、ひそひそと話し始めた。

「このままじゃ、気が修まらん。・・・・金が・・・・お頭・・」

所々漏れ聞こえる言葉に、晴之進は引っかかるものがあった。

衝立の脇からそーっと覗き見すると、尻を端しょり、胡坐を掻きながら酒を酌み交わす輩の中に見覚えのある男がいた。

それは、晴之進が大坂で放蕩暮らしをしていた頃、堺の鉄火場で知り合った男だった。

名は銀二、北辰一刀流の遣い手だ。似ている。

男たちは話が纏まると、やおら席を立ち出て行った。

晴之進も眼深に笠を被ると、その後を次いで出た。

空はいつの間にか黒雲に覆われている。

「ひと雨きそうだな」

 1羽の燕が、向かいの小間物屋の軒先に滑空した。

 



mugai_de_iai at 09:09|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 鼬川人情帖 

2013年03月05日

鼬川人情帖 17

晴之進は、眠りから覚めると夕餉の膳についた。

目の前に並べられた料理は、どれも山から採取した春草ばかりだ。

蕗(わらび)に薇(ぜんまい)、蕨に樰(たら)の芽その他、名も知らぬ植物がところ狭しと膳を賑わしている。

その隣では、白い湯気が立った鉄鍋の中で、地元の固豆腐がぐつぐつ身を震わせている。

昆布の香しさに思わず、涎が零れる。

腹が減っては戦が出来んとばかり、早速、湯切りした豆腐に生醤油をたらりと落とし、分葱を散らすと口に頬張った。

「はふはふ、旨い」

咀嚼するほど、豆腐の滋味が口内に広がる。大豆の味と昆布の旨味がまことに調和している。何の変哲もない料理だが、飛騨の清水に育ったというだけでこれほど味が違うのか。

晴之進は、恐れ入ったとばかりに、更に鍋に手を伸ばした。

隣近所の部屋からは、賑やかな手拍子や三味線の音が漏れ聞こえる。

小さな旅籠だが、料理には定評のある店なのだろう。

奥から、先ほどの女中が銚子を運んできた。

「お客さん。おひとつどうぞ」

「うむ」

なみなみと注がれた盃を、ひと息で煽った。

「これも旨い酒だ、こたえられぬ」

「あら、いい飲みっぷりですねえ。鬼ころしという地酒です。高山にある老田という酒蔵で仕込んだ酒ですよ」

「越中の酒とはひと味もふた味も違う。もうひとつもらおう。お前も飲まぬか」

そう言うと、晴之進は、朴の葉に盛られた蕗味噌をペロリと嘗めながら、盃を返杯した。

「遠慮なくお流れ頂戴します」

女中は、突然、改まった口調で盃を押し戴くと、白粉の塗られた喉元をごくりと鳴らした。

よくよく見ると、袖の隙間から覗いた白い腕は、絹のようにきめ細かい。

着古した粗末な着物とは不釣り合いなくらい、肩や臀のむっちりとした肉置き(ししおき)が存在感を醸し出している。

23度と盃を酌み交わしていると、いつの間にか、女中が息の掛かるほど近くに擦り寄っていた。

「名は何と申す」

「おこんと言います。紺屋のこんと同じだよお。ここから20里離れた村の生まれただ。お客さんはお侍さんかね?それとも行商のほう?」

「侍でもなく、商人でもない。うらぶれた浪人よ」

「あら、最初見た時は越中の薬売りかと思ったけど、長い刀を差しておいでになったんで、やっぱりお侍さんやったんですねえ。ふふ」

お紺は、酒の勢いに託けて、所作も言葉遣いも次第に馴れ馴れしくなってゆく。

「そう言えば、さっき男の人が来て、お客さんのことを聞いていましたけんど、何ぞお知り合いの方ですかねえ」

お紺は、晴之進にもたれ掛かかると、切なげな眼を向け始めた。

「何、そいつはどんな風体だった?」

「はあ、行商人のような身なりをした40ごろの痩せこけた人でしたよ」

「何か言っておったか?」

「別にい、お客さんがいつまで逗留するのかを聞かれましたけんど、私はそれ以上のことは何も喋っちゃおりませんよ。それより、今夜はどうしますう?」

狡賢い笑みをみせながら、晴之進の首筋に白い指を走らせる。

飯盛女が客を誑し込もうとする、狡猾な術を垣間見たような気がした。

一気に酔いが醒めた。

お紺の手を解くと、一人手酌で酒を煽った。

「今夜はまだ疲れが取れぬゆえ、いずれな。悪く思うなよ」

そう言うと、懐から出した小金を握らせた。

「あらぁ、このようなお気遣いをすみません。お客さん、いつでもお声をかけて下さいましね」

お紺は、小鼻を広げながら静々と部屋を出て行った。

開け放たれた窓から夜の空気が忍び込む。気のせいか、安峰山から吹き下ろす風が生温かった。

 



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2013年03月03日

鼬川人情帖 16

晴之進は只管、険路を突き進んでいた。

破れた鎧合羽と擦り切れた草鞋が、道中の厳しさを物語っている。

7日前に屋敷を出て以来、日の出と共に、雪が未だ残る山合いを羆(ひぐま)のように越え、凍てついた谷を羚羊(かもしか)のように渡渉してきた。そして、山鳥が家路を急ぐ頃、木陰や風穴に枯葉を押し敷いて褥(しとね)とした。

けもの道選んだのは、猪谷の関所を通るための手形がないからである。

それもこれも、人目を避けてこの重たい行李を運ぶため。中身は、勿論、市川駿馬の金蔵に唸っていたざっと2千両の小判だ。

晴之進は、ぐっと肩に食い込んだ振り分け行李を山の斜面に下ろすと、木立の合間から眼下に流るる宮川の流れに目をやった。

新緑が見事だ。

振り仰げば、杉の枯れ枝の向こうに紺碧の空。対岸には、遅咲きの桃の灌木が純白の花びらをたたえている。

「徳にゃ悪りいが、ようやく俺にも麗らかな春が巡ってきたようだぜ」そうひとりごち、晴之進は、熊笹の露を頬に受けながら、重い腰を上げ、街道に合流した。

 

飛騨古川は、東西の切り立った山々に囲まれた、南北に細長く延びた町だ。

そのせいか、空が限りなく近い。

晴之進は大通りから1本入ったところにある、一之町へと歩を進めた。

町の目抜き通りは、出格子の商家や白壁の土蔵が続き、鯉の泳ぐ清らかな瀬戸川のせせらぎが聞こえてくる。

行き交う人々の中には、着飾った町娘たちの艶姿もあり、威勢のよい香具師の掛け声に、屈託のない笑い声が通りに響いている。

こんな山奥に城下町の風情が溢れていることに、風流を感じる。壺中の天とはこのことよ。

それほど、古川は美しい町であった。

一方、晴之進の伸び放題の髭と垢じみた身なりは、うらぶれた農夫と見紛うばかりである。

割羽織から覗き見る脇差が、辛うじて武士の面目を保っているが、重い行李に隠れて見るも無残だ。

早速、1軒の旅籠「枡屋」に荷を下ろすことにした。

「ごめん。誰かおらぬか」

「あいよ。今行きますんで、ちょいとお待ちを」

しばらくすると、女中が桶を携えてやって来た。

「ようこそ、おいでくだせえました」

垢抜けない田舎女中だ。

廊下にちょこんと座ると小さくお辞儀した。

上がり框で晴之進の鞐が破れた脚絆を外すのを手伝うと、丁寧に足を濯いでくれた。

「お客さん、いってえどこから来なすっただ?こんなに足が汚れてるよ。足だけじゃねえな。はは」

ずけずけしい態度だが、笑った顔に愛嬌がある。

歳の頃28〜9の大年増だ。夜になると客の褥の相手もする飯盛女だろう。

晴之進はむすっとしながらもそれには答えず、女中の運んできた茶をすすった。

「道中、桃の花が咲いておった」

「そうですか。このあたりは、桃源郷とも呼ばれておるんです。なんでも昔、この村を訪れた旅人が桃の花の咲き誇る様子を見て、極楽浄土を思い浮かべたとか・・・って聞いておりますよ」

「ふむ、もう少し早ければ芳しい桃の花を愛でることもできたであろう」

「そうですとも。でも、古川の良さは春だけじゃありませんよ。入梅前のこの時期は、瀬戸川の畔のあやめが満開で、紫の小道はそりゃあ見ごろになっておりますよ」

女中は大仰に頷きながら、媚びた眼を送ってくる。

長旅の疲れで今はそれどころではない。

晴之進は、そそくさと部屋に上がった。

窓の外には薄紅の色をした夕闇が迫っている。

それは、飛騨の名物である赤蕪の漬物の色とよく似ていると思った。



mugai_de_iai at 09:07|PermalinkComments(1)TrackBack(0) 鼬川人情帖 

2013年02月28日

鼬川人情帖 15

徳兵衛は、大きな影に導かれ、月見橋の袂から茂みに分け入った。辺りは、むっとするような草いきれに満ちている。

思い切り吸い込むと、生温かく青臭い十薬(どくだみ)の臭いがした。

十薬は繁殖力旺盛な植物で、いくらむしり取っても翌年には地面いっぱいに生えてくる。

まさに、悪人と役人との鼬ごっこの様なものだ。

徳兵衛は、ふとそんな事を思った。

草木の生い茂った原っぱを一瞬、群雲から零れ出た青い光が照らした。

「徳ちゃん、ここなら安心していいのよ」

軟らかな女の声がした。

お小夜の白い項と口の左側にある黒子が映し出された。

「姉さん、俺、取り返えしのできねえことしちまった。もうこの世ともおさらばだ。姉さんに会えたっていうのによぉ。ちくしょう」

「徳ちゃん、よくお聞き。あたしは分かっているつもりだよ。徳ちゃんがどんなに苦労して生きてきたかをね。でも、大丈夫だよ、私がなんとかするから、安心していいよ」

おりんの音色のように甘く優しい声色は、あの懐かしい子供時代と同じだ。

それは、幼い頃、近所のガキ大将に苛められていた時のことだった。

薬種問屋を営む浅野屋十兵衛の倅である徳兵衛は、いつでも近所の童たちの格好の餌食だった。旨い菓子を持ってこい、だとか、小銭を巻き上げられては、泣き寝入りする気の弱い子供だった。
 ある時、店の金を持ってこいと命じられ、思い悩んだ末、裏庭の井戸に身を投げようとしていた時、真っ先に自分を助けてくれたのは、姉のお小夜だった。「徳ちゃんを苛める者は許さないから」と店の算盤を片手に女だてらに啖呵を切る姿は、徳兵衛にとって観音様のような存在に思えた。

あぁ、昔とまったく変わらぬあの優しい姉さんの声だなぁ。

それもつかの間、徳兵衛は現実に引き戻された。

伊佐治への裏切り行為に対して考え始めると、がたがたと身体が震えてきて、頭を抱えてその場にうずくまった。

「姉さん、でも、どうするんだい。俺は頭から命を狙われてんだよ」

「実はね・・・・」

邂逅を果たした姉と弟は、半刻近く話しこむと徐に立ち上がった。

徳兵衛は、白く浮かび上がったお小夜の顔を見て、やっぱり観音様だと思った。

ぴちゃ、鼬川の浅瀬に大きな波紋が出来た。

澱みから浮かび上がった鱒が、水飛沫をあげた。

 

その頃、伊佐治は、屋敷の裏木戸にいっこうに現れない徳兵衛を不審に思い、押し込みを断念したところだった。

「徳の野郎、逃げやがったな。伊之助兄ぃの件で辛酸を嘗めさせられたが、今度はわしの顔まで潰しやがって、このままで済むと思うなよ。ひひ」

伊佐治は怒りで顔をゆがめ、羅宇(らう)に蒔絵を施した煙管を一気に吸い込むと、雁首を煙草盆の火入れに思い切り打ちつけた。

「おめえら、即刻、徳の首を拾ってこい!」

鍵師の三吉をはじめ腕に覚えのある手下どもは、蜘蛛の子散らすようにその場からいなくなった。

 



mugai_de_iai at 09:07|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 鼬川人情帖 

2013年02月26日

鼬川人情帖 14

 子の刻(12時)をまわり、あたりが漆黒の闇に包まれる頃、徳兵衛は煎餅蒲団の中でまんじりともせず、闇の向こうの気配を窺っていた。
 あと数時間もすれば、お頭の伊佐治ほか腕のたつ連中がこの屋敷に忍び込み、一族郎党めった斬り、ざくざくと呻る千両箱はこちとらの物になるって手はずだ。
 なげえ間、世話になった小女(こおんな)のおとせにゃ悪りいが、生かしておいちゃ、この俺様に疑いの目がかかっちまう。口は封じなければならねえ。哀れな女よ。
 そう一人ごちながら徳兵衛は、部屋の闇を凝視していた。
 そして、自分の身に起きた忌まわしい過去を思い出していた。
 あれは、春爛漫とした桜の時期に起こった事件であった。

 徳兵衛は3歳のときに、父親である浅野屋十兵衛が営む薬種問屋のお店に押し込みが入り、自分と姉を除く全ての人々が悉く斬殺された。
 両親は、盗賊が引き込んだ浪人くずれの太刀でめった刺しに合ったが、徳兵衛は、味噌甕の後ろで、その凶行を目の当たりにしていた。
 飛び散る血飛沫は、床に毛氈を広げたように真っ赤に染めあげ、その血だまりの中で、母親のお冬は「かんにんしてください」を繰り返し叫んでいた。
 その声が虫の音程にか弱くなったのを見届けると、盗賊の頭はお冬の着物を切り裂き、恥辱を図った。
 残忍な行為の一部始終を見せつけられて爾来、徳兵衛は、女と所帯を持つことに希望を持てなくなってしまった。
「小女に憐れみをかけたのは、外道にも一分の魂があるってことよ。なんの因果か知らねえが、これも生計(たっき)のためだ、おとせ、許せ」
 徳兵衛は、そんな自分の過去を引き合いにして、世話になった小娘を殺害しなければならないことを正当化しようとしていた。
 もはや、徳兵衛にとっては、金が全てであった。

 どれだけ時間が経っただろうか。
 八つ半にはまだ時間がありそうだ思っていた矢先、表口の板戸から人の気配が感じられた。
 誰かが外にいる。
 徳兵衛は、裏手に回って閉ざされた勝手口に近づいた。
「徳兵衛、開けろ」
 聞き覚えのない声だった。
「誰でえ」
「誰だっていい、早く開けろ」
「お頭の使いですかい?」
「・・・・おめえに会いたい女を連れてきたぜ」
「女?そんな者いねえ。いったい誰なんでぇ」
「ふふ、開けてくれりゃ分かるさ」
「俺様には関係のねえ話しだぜ」
「おい、徳、お小夜って名に覚えがねえのか?」
「なに! お、お小夜だと・・・・・」
 徳兵衛は、先ほどまで思い返していた哀れな身の上話しが、突然に蒸し返され驚いた。
 お小夜は、行き別れになった只一人の姉であった。
 思わず、勝手口の門をがばっと開けた。
 そこには、叢雲の合間から漏れた月光に照らされた、見たこともねえ男と色白で大柄な女が立っていた。
 ままさか、お、お小夜姉さん・・・、いやそんなはずねえ・・・でも昔の面影が・・・大きな黒眼がちの眼と口の左側にある小さな黒子・・・違げえねえ、お小夜姉さんだ・・・。
 でも、何故ここに、ええい、徳兵衛の頭の中は真っ白になり、気が動転して訳が分からなくなってしまっていた。



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2013年02月25日

鼬川人情帖 13

 おせんは、晴之進との逢瀬から早や10日以上も経っていることに気づいた。晴之進は、ちょくちょく店に来て安酒を煽ることはあっても、一向に件の話について進展がない。
 今朝も表通りに出て、小糠雨に袂を滲ませながら通行人を眺めては、晴之進のこと、そして、遠い昔のことに思いを馳せていた。

 父母は優しい方だった。いつも、自分と弟を胸に抱いたまま帳場に座っては、馴染みのお客と雑談をしながら、時には美味しい茶菓子を「お食べ」といって恭しく口に運んでくれたものだ。

また、番頭を始め働く使用人もみな気さくないい人ばかりで、忙しい商いのさ中でも、一緒にお手玉で遊んでくれたり、近くの権現様にお参りに連れて行ってくれた。

あの楽しかった日々はもう帰ってこない・・・。
 でも唯一、血を分けた弟は生きていると信じてる。いったい、弟は何処にいるんだろうか。生きてるんなら一生に一回くらいは顔を見たい。
 おせんの心には、いつも、子供の頃に行き別れたきりの弟の姿が走馬灯のように浮かんでは消えてゆく。もし今、弟と邂逅できたなら、故郷の上方に戻って二人で生きてゆきたいと考えていた。
 そのために、自分は、好きでもない呑み屋の親父と一緒になって店を切り盛りしてきたのだ。
 小金を貯め、客あしらいにも慣れた今は、何処へ行っても自信を持って店をやってゆける。
 おせんは、懐に仕舞ってあるお諏訪さんのお札を握り締めながら、雨に煙る城山の頂を見つめていた。

 その頃、晴之進は屋敷で惰眠を貪っていた。
「先生、いつまで寝てんだよ。とっくにお天道様はあちらを向いておられるよ」
「ふぁあ〜」
 晴之進は、小女に叩き起こされた。
 庭先の松の枝から伸びる影はもう小さくなっている。
 思い切り大きく息を吸い込むと、生温かい空気が鼻から喉を通って胸のあたりで昨夜の酒と混ざり、生臭さが鼻を突いた。
 深酒が過ぎたことを後悔するもの毎度のことだ。
「先生、先ほどから、あの無口な下男の徳兵衛がお探しでしたよ」
「ほほう、無口な徳兵衛がか・・・」
 晴之進の脳裏に閃光が走った。
 やっと、自分にも出番が回ってきたらしい。急いで身支度を整え部屋を出た。

 正門の手前で、庭を掃く徳兵衛の姿があった。 
 晴之進は、ゆったりとした足取りで近づいて行った。
「おめえが『ごろ』の徳なら、こちとら石仏になり下がるってもんだ。お釈迦も大笑いさせてくれるわ。はは。ところで、おめえ、そろそろ鍵師の徳になろうって頃合いかい?」
「うひ、そんなご冗談を。先生にからかわれちゃ、徳兵衛も肩なしでがす、はい。それより、ちょいと小耳に入れたいお話しがありやす」
 徳兵衛は小声で話すと、袂から小さな付文を取り出し、晴之進に手渡した。
 『押し込みは5日後の八つ半刻(午前3時)、徳兵衛が正門を解錠した後、屋敷内にいる中間どもを処分したく候。前金の25両は明日、諏訪神社境内にて』と書かれてあった。
 「承知したと、お頭に伝えろ」
 晴之進は、読み終えると手紙を懐に仕舞いながらそう言った。
 これで無宿の浪人生活ともおさらばできる。
 人並みに生きてゆける条件だけは揃ったのだ。
 後は、おせんと上方へ行けば何とかなるだろう。
 晴之進は、柄頭をぐっと握り締めながら、希望に満ちた眼でお天道様を仰ぎ見た。
 雨はすっかり上がり、山の頂きから真っ直ぐに陽光が零れている。
 晴之進は懐手にしたままつぶやいた。
「酒が飲みたい」

 



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2012年01月31日

今週の諺 40

「水到りて渠成る」
みず いたりて きょ なる

学問をきわめれば、おのずから人格が形成されるということ。
渠は。溝(みぞ)のこと。
水が流れてくれば、そこに自然に溝が出来ることから。


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2012年01月24日

今週の諺 39

「乃公出でずんば蒼生を如何せん」
だいこう いでずんば そうせい を いかんせん

この俺が出てやらなければ、世の人々はどうなることであろうか。
世に出る者の自信のほどをいう。
乃公は、本来は汝の意味で、君主の自称だが、転じて目下の者に対して自分を尊大に言うときに用いる言葉。
蒼生は、人民のこと。


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2012年01月17日

今週の諺 38

「万緑叢中紅一点」
ばんりょくそうちゅう こういってん

男性ばかりの中に、女性が一人だけ混じっていることのたとえ。
万緑は、見渡す限り一面の緑。
叢中は、くさむらの中の意味。
そうしたところに、紅い花がただ一輪、あでやかに咲いている意味から。


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2012年01月10日

今週の諺 37

「万卒は得易く、一将は得難し」
ばんそつは えがたく いっしょうは えがたし

凡庸な人物はいくらでもいるが、傑出した人物に巡り合うのは難しいというたとえ。
普通の兵士を沢山集めるのはたやすいことだが、すぐれた一人の将を得ることは難しい意味から。


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2012年01月03日

今週の諺 36

「忠臣は二君に仕えず」
ちゅうしん は にくん に つかえず

心底から忠義を尽くす臣下は、」その生涯でただ一人の主君にしか仕えないということ。


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2011年12月31日

今週の4字熟語 36 「秉燭夜遊」

 「秉燭夜遊(へいしょく やゆう」
 人生ははかなく短いので、せめて夜も灯りをともして遊び、生涯を楽しもうということ。
 秉は持つということで、灯りをともして夜も遊ぶということ。

 李白の詩です。
 故事は決して、自分を戒めるものだけではありません。
 たまにはのんきに楽しくやりましょう、というものもあるのですね。
 本日は大晦。蕎麦をいただき、酒に酔って酔歩蹣跚となるのもいいのでは?
 ではまた新年にお会いしましょう。


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2011年12月27日

今週の諺 35

「画竜点睛を欠く」
がりょうてんせい を かく

最後の大事な仕上げが不十分だったため、全体が不完全になってしまったり、引き立たなかったりすることのたとえ。

中国の絵の名人が竜の絵を描き、最後に瞳を書き入れたところ、竜が天に昇ったという故事から、大事な仕上げを欠いてはならないということ。


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2011年12月24日

今週の4字熟語 35 「虎渓三笑」

 「虎渓三笑(こけい さんしょう)」
 あることに熱中するあまり、他のことを全て忘れてしまうこと。
 中国東晋の高僧慧遠(えおん)は、寺の下にある虎渓をまだ渡ったことがなかった。
 あるとき、廬山で詩人の淵明(えんめい)と、道士の陸修静(りくしゅうせい)と談論した後、二人を見送っていったが、道中一段と話が弾み、知らぬ間に虎渓を渡ってしまい、虎が吼えるのを聞いてはじめてそれに気付き、三人で大笑いしたという故事から。

 私はこの故事を聞くと、富山の五箇山にある酒蔵の「三笑楽」という地酒を思い出します。
 風光明媚なこの地で、川魚を肴に銘酒を酌み交わす楽しさよ。
 是非、一献あれ


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2011年12月20日

今週の諺 34

「目は毫毛を見るも睫を見ず」
めは ごうもう を みるも まつげ をみず

他人の欠点などは細かい点までわかるが、自分自身のこととなるとなかなか気づかないことのたとえ。
毫毛は、きわめて細い毛。
目は細い毛さえも見ることが出来るのに、自分自身の睫毛は見ることが出来ない意味から。


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2011年12月17日

今週の4字熟語 34 「藍田生玉」

 「藍田生玉(らんでん しょうぎょく)」
 
家柄の良い家から、賢明な子弟のでること。
 藍田は陝西省にある山の名で、美しい宝玉を産する事で有名。

 藍田玉は、深い緑色をした石で、宝飾品につかわれるそうです。


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2011年12月14日

脳トレ この漢字読めますか? 36の解答

1 鏖 (みなごろし)11奇天烈(きてれつ)

2 祠 (ほこら)  12根刮ぎ(ねこそ)

3 籤 (くじ )  13自棄糞(やけくそ)

4 禊 (みそぎ)  14真面目(まじめ)

5脂茶 (やんちゃ) 15破廉恥(はれんち)

6含羞 (がんしゅう)16所以(ゆえん)

7蹲踞 (そんきょ )17従容(しょうよう)

8奢侈 (ごうしゃ )18日和(ひより)

9心算 (つもり)  19剽軽(ひょうきん)

10折角(せっかく)



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2011年12月13日

今週の諺 33

「井蛙は以って海を語るべからず」
せいあ は もって うみを かたるべからず

見聞の狭い者に広い世間のことを話しても、分からないから無駄である。
井戸の中に棲んでいる蛙に、大海のことを言って聞かせても意味がないことから。


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2011年12月11日

脳トレ この漢字書けますか?36の解答

こつこつと堅実に努力を重ねること

 ・・ありゅうりゅう粒粒)辛苦

物事がすべて順調に進んでいること

 ・・う 順風(まんぱん満帆

気が小さくびくびくしている様子

 ・・え 小心(よくよく翼翼

老人を敬い、いたわること

 ・・い 安車(ほりん蒲輪

朝日が勢いよく天にのぼる様子から、勢力が極めて
 盛んなたとえ
 ・・おきょくじつ旭日)昇天



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2011年12月10日

今週の4字熟語 33 「夏炉(驢)冬扇」

 「夏炉(驢)冬扇(かろ とうせん)」
 無用なもの、時期が過ぎて役に立たないことのたとえ。
 夏の炉や冬の扇子ほど役に立たないものはない。

 同意味に、六菖十菊(りくしょうじゅうぎく)があります。
 ひと月遅れは、風流どころかちぐはくになります。
 でも最近は、夏に扇風機を用いて風の通りをよくすることもありますね。


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2011年12月07日

脳トレ この漢字読めますか? 36

今回も、様々な名詞です。挑戦してみてください。 

 

1 鏖 (  )11奇天烈(   )

2 祠 (  )12根刮ぎ(   )

3 籤 (  )13自棄糞(   )

4 禊 (  )14真面目(   )

5脂茶 (  )15破廉恥(   )

6含羞 (  )16所以(  )

7蹲踞 (  )17従容(  )

8奢侈 (  )18日和(  )

9心算 (  )19剽軽(  )

10折角(  )

 

解答は、12月14日です。



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脳トレ この漢字読めますか? 35の解答

1 稿 (したがき)13身嗜み(みだしな)

2 散 (ばら  )14微酔い(ほろよ)

3 誼 (よしみ )15初中後(しょっ
                  ちゅう)

4 酣 (たけなわ)16目論見(もくろみ)

5 疣 (いぼ  )17翻筋斗(もんどり)

6 暢気(のんき )18捌け口(は、ぐち)

7 強請(ゆすり )19目処(めど)

8 無辜(むこ  )20終夜(よもすがら)

9 変梃(へんてこ)21癇癪(かんしゃく)

10肌理(きめ  )22長閑(のどか)

11畢生(ひっせい)23憂鬱(ゆううつ)

12似非(えせ  )



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2011年12月06日

今週の諺 32

「白壁の微瑕」
はくへき の びか

ほぼ完全無欠なものに、ほんのちょっとした欠点があることのたとえ。
白壁は、白い宝玉。
その宝玉にある微かな瑕(きず)の意味から。


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2011年12月04日

脳トレ この漢字書けますか?36

次の1〜5意味に当てはまる四字熟語を下のあ〜おから選び、且つひらがなを漢字に直して下さい


こつこつと堅実に努力を重ねること

物事がすべて順調に進んでいること

気が小さくびくびくしている様子

老人を敬い、いたわること

朝日が勢いよく天にのぼる様子から、勢力が極めて
 盛んなたとえ


りゅうりゅう)辛苦
 安車(ほりん
 順風(まんぱん
 小心(よくよく
きょくじつ)昇天



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脳トレ この漢字書けますか?35の解答

ひっくり返るほど大笑いすること

 ・・い  抱腹(ぜっとう絶倒

仏道のため身も命もささげて惜しまないこと

 ・・え (ふしゃく不惜)身命

話を本筋に戻すときの言葉

 ・・お (かんわ閑話)休題

優れた人が大勢いるようす
 ・・あ (たし多士)済済

仲の悪い者どうしが、同じ場所でいること
 ・・
 (ごえつ呉越)同舟

 



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2011年12月03日

今週の4字熟語 32 「李下瓜田」

 「李下瓜田(りか かでん)」
 人に疑われるようなことはしないほうがよいという意。
 李下は、すももの木の下。瓜田はうりの畑。
 すももの木の下で冠を直すことは、すももを盗むのではないかと間違われる。
 うりの畑で履物を直すことは、うりを盗むのではないかと間違われる。
 つまり、疑わしい行為はするなということ。
 君子は未然に疑いをかけられるようなことは避けなければならないのです。

 よく使う言葉ですね。


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2011年11月30日

脳トレ この漢字読めますか? 34の解答

1 鼾(いびき ) 12腕尽く(うでづ)

2 嗽(うがい ) 13口忠実(くちまめ)

3 跫(あしおと) 14自惚れ(うぬぼ)

4 跣(はだし ) 15食吝坊(くいしん
                   ぼう)

5 躾( しつけ ) 16筆忠実(ふでまめ)

6 諺(ことわざ) 17呂律(ろれつ)

7 胡坐(あぐら) 18身形(みなり)

8 蘊蓄(うんちく)19為体(ていたらく)

9 只管(ひたすら)20可憐(かれん)

10一入(ひとしお)21贔屓(ひいき)

11生業(なりわい)



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脳トレ この漢字読めますか? 35

今回も、様々な名詞です。挑戦してみてください。 

 

1 稿 (  )13身嗜み(   )

2 散 (  )14微酔い(   )

3 誼 (  )15初中後(   )

4 酣 (  )16目論見(   )

5 疣 (  )17翻筋斗(   )

6 暢気(  )18捌け口(   )

7 強請(  )19目処(   )

8 無辜(  )20終夜(   )

9 変梃(  )21癇癪(   )

10肌理(  )22長閑(   )

11畢生(  )23憂鬱(   )

12似非(  )

 

解答は、12月7日です。



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2011年11月29日

今週の諺 31

「忌諱に触れる」
きき に ふれる

相手のいやがる言動をして、ご機嫌を損なう。


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2011年11月27日

脳トレ この漢字書けますか?35

次の1〜5の意味に当てはまる四字熟語を下のあ〜おから選び、且つひらがなを漢字に直して下さい。


ひっくり返るほど大笑いすること

仏道のため身も命もささげて惜しまないこと

話を本筋に戻すときの言葉

優れた人が大勢いるようす

仲の悪い者どうしが、同じ場所でいること


あ (たし)済済
い  抱腹(ぜっとう
う (ごえつ)同舟

え (ふしゃく)身命
お (かんわ)休題



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脳トレ この漢字書けますか?34の解答

意気込みの勢いが非常に盛んなこと

 ・・え意気(しょうてん衝天

役に立たないことのたとえ

 ・・い竹頭(ぼくせつ木屑

周囲の状況を気にせず自分の思い通りの言動をする
 こと

 ・・お当意(そくみょう即妙

けがれのない心を持っていること

 ・・あ純粋(むく無垢

互いにあれこれ主張して議論がまとまらないこと

 ・・
甲論(おつばく乙駁



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2011年11月26日

今週の4字熟語 31 「名詮自性」

 「名詮自性(みょうせん じしょう)」
 名はそのものの本質を表すという意味。
 名称と実態が相応ずること。

 名実一体ということでしょう。
 名に恥じない行動をとるということも、ある意味自称を顧みることになりますものね


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2011年11月23日

脳トレ この漢字読めますか? 33の解答

1 鬣(たてがみ) 11欠片(かけら)

2 秣(まぐさ ) 12瑪瑙(めのう)

3 塒(ねぐら   13馬銜(はみ)

    又は、とぐろ)
4 番(つがい ) 14老舗(しにせ)

5 箆(へら)   15琥珀(こはく)

6 灰砂(せめんと)16埴猪口(へなちょこ)

7 油漆(ぺんき )17木乃伊(みいら)

8 団欒(だんらん)18蛋白石(おぱーる)

9 頓知(とんち) 19打切棒(ぶっきら
                   ぼう)

10不束(ふつつか)20小芥子(こけし)



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脳トレ この漢字読めますか? 34

今回も、様々な名詞です。挑戦してみてください。 

 

1 鼾(   )12腕尽く(   )

2 嗽(   )13口忠実(   )

3 跫(   )14自惚れ(   )

4 跣(   )15食吝坊(   )

5 躾(    )16筆忠実(   )

6 諺(   )17呂律(    )

7 胡坐(  )18身形(    )

8 蘊蓄(  )19為体(    )

9 只管(  )20可憐(    )

10一入(  )21贔屓(    )

11生業(  )

 

解答は、11月30日です。



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2011年11月22日

今週の諺 30

「笈を負う」
きゅう を おう

故郷を離れて遠方の地で勉学することのたとえ。
笈は、本を入れて背負う箱のこと。


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2011年11月20日

脳トレ この漢字書けますか?33の解答

世の中のすべては生まれては滅び変化していること
 ・・え (うい有為)転変          

人の先頭に立って模範を示すこと
 ・・い (そっせん率先)垂範   

包容力の大きいことのたとえ
 ・・
 清濁(へいどん併呑
その物事を行うには、時が早すぎるということ   
 ・・
あ 時期(しょうそう尚早
手がかりなしに色々やってみること

  ・・・・ 暗中(もさく




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脳トレ この漢字書けますか?34

次の1〜5の意味に当てはまる四字熟語を下のあ〜おから選び、且つひらがなを漢字に直して下さい。
 

意気込みの勢いが非常に盛んなこと

役に立たないことのたとえ

周囲の状況を気にせず自分の思い通りの言動をする
 こと

けがれのない心を持っていること

互いにあれこれ主張して議論がまとまらないこと



あ純粋(むく

い竹頭(ぼくせつ
甲論(おつばく

え意気(しょうてん
お当意(そくみょう


 



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2011年11月19日

今週の4字熟語 30 「暴虎憑河」

 「暴虎憑河(ぼうこ ひょうが」
 向う見ずなことのたとえ。血気にまかせた無謀な行動のこと。
 暴虎は、虎を素手で捕まえること。
 憑河は、大河を徒歩でわたる意味。
 どちらも無謀な行動のこと。

 かなりのサイバイバーでなければ、このような無茶は思いつきもしない。
 孔子に諫められた弟子の子路(しろ)という人は、いったいどんな人?


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2011年11月16日

脳トレ この漢字読めますか? 32の解答

1 鞴(ふいご ) 12混擬土(こんくり
                   ーと)

2 烽(とびひ ) 13金剛石(こんごうせき
             又はダイアモンド)


3 榾(ほた  ) 14
案山子(かかし)

4 鐙(あぶみ ) 15微温湯(ぬるまゆ)

5 蹄(ひづめ ) 16手薬煉(てぐすね)

6藁苞(わらづと) 17流鏑馬(やぶさめ)

7行脚(あんぎゃ) 18 気障(きざ)

8鍍金(めっき ) 19 屎尿(しにょう)

9轆轤(ろくろ ) 20 矜持(きょうじ)

10鼎談(ていだん)  21 仮漆(にす)

11狼煙(のろし )  22  護謨(ごむ)



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脳トレ この漢字読めますか? 33

今回も、様々な名詞です。挑戦してみてください。 

 

1 鬣(   )11欠片(   )

2 秣(   )12瑪瑙(   )

3 塒(   )13馬銜(   )

4 番(   )14老舗(   )

5 箆(   )15琥珀(   )

6 灰砂(  )16埴猪口(   )

7 油漆(  )17木乃伊(   )

8 団欒(  )18蛋白石(   )

9 頓知(  )19打切棒(   )

10不束(  )20小芥子(   )

 

解答は、11月23日です。



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2011年11月15日

今週の諺 29

「千丈の堤も螻蟻の穴を以って潰ゆ」
せんじょうの つつみも ろうぎ の あなを もって ついゆ

ほんのわずかな油断や不注意から、大きな失敗や損害が出るたとえ。
千丈は、非常に長いことのたとえ。
螻蟻は、ケラとアリ。
千丈の堤防でも、ケラやアリがあけるごく小さな穴が原因で、崩れてしまう意味から。


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