2006年03月30日

たった五行の青春ドラマ

「髪形変わった?失恋でもしたの?」

「うるさいよ。」

お前が言うな。

でも、鈍感なあいつが髪型の変化に気づくなんて。

今日はちょっぴりハッピーな日。

炎の雪-Frame and Snow-第六話

不肖むぎまろがmixiで管理人をしている「むぎの会」なるものがあるのですが、第一回目の活動としてリレー小説を書くことになりました。

今んとこ参加者はぼくと実咲さんの2人だけなのですが、もし参加したいという方がいらっしゃったら大歓迎ですのでぜひぜひどうぞ。

ルールとしては、

1.交互に話を書いていく
2.キャラやストーリーは自由
3.書いたら連絡する

こんな感じです。

要するに、あんまり細かいことを決めずに好きにやっていこーってことです。

第一話はこちら。

第二話はこちら。

第三話はこちら。

第四話はこちら。

第五話はこちら。

それでは続きからどうぞ。
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2006年02月27日

赤ワイン

「お客様、お飲み物はいかがなさいますか?」

「何かおすすめはあるかい?」

「それでしたら、この赤ワインはいかがでしょうか。この赤ワインは・・・」

「すまない。赤ワインは好みじゃないんだ。ほかので頼むよ。」

「それではこちらのウィスキーはいかがでしょうか。」

ラガヴーリン16年・・・悪くない。

「じゃあそれで頼むよ。ストレートで。あと、スモークチーズをいくつか盛り合わせで。」

「かしこまりました。」

カウンター席には私以外ほかの客はいなかった。平日の深夜1時。いくら中心街とはいえ、人がいないのも不思議ではない。

雨を避けてたまたま入ったバーだったが、店の雰囲気は悪くなく、何よりもマスターの物腰やしぐさが洗練されていて心地よい。

マスターはこちらの心の中を読んだように、必要なときに必要なだけの言葉を発し、決して私を飽きさせることも私の邪魔をすることもなかった。

どれくらい飲んでいただろうか。

「なぜ赤ワインはお好みでないのでしょうか。」

今までのマスターの所作から言えば予想のできない私への問いかけであった。

あるいは、そのときの私でなければ無粋だと思ったかもしれない。

しかし、私は、少なくともそのときは、マスターの突然の問いかけに真摯にとつとつとその理由を語ったのだった。酔っていたせいもあるかもしれない。

「少し長くなるけれどもいいかな?」

「もちろんです。」

私はふーっと一呼吸おいた。

時計のカチカチと言う音が妙に耳についたのを覚えている。

マスターは私をじっと見つめていた。

「もう20年も前になるかな。私は同棲しているある女がいたんだ。よくできた女でね。私にはもったいないくらいだった。実はそのころはよく赤ワインを飲んでいたんだ。一度はまってしまうととことん追求したい性格だから、赤ワインもいろいろな種類のものを飲んだよ。それこそ毎晩飲んでいてね。そんな私を見て彼女は『あなたの血はきっと赤ワインでできてるわね。』なんていたずらっぽく言ってたよ。そんな彼女は酒が全くだめでね。でも、ある時、赤ワインを飲みたいってせがんだんだ。やめとけっていったんだけど、どうしても飲みたいって言うから、私が飲んでいたグラスを渡したんだ。彼女はグラスに口をつけてちょっとなめた程度ですぐに顔を赤くしていた。でも、『おいしい』って言って笑ったんだよ。そのときの笑顔がたまらなくかわいくて。今でも鮮明に記憶に残っているよ。」

雨の音が大きくなったようだった。

マスターの気品あふれる視線はじっと私に向けられていた。

「でも、その笑顔は永遠に失われてしまった。人の命なんてあっけないものだよ。休日に一緒に街を歩いていたときに、車道に飛び出した少年を守ろうとして自分がトラックにはねられてね。結果、その少年はちょっとした擦り傷に終わり、彼女は命を失った。トラックにはねられた彼女の体からは血があふれ出ていた。その血は、どんな赤ワインよりも鮮やかで、どんな赤ワインよりも濃厚で、どんな赤ワインよりも気高いものだとそのとき感じたんだ。あまつさえ、大量の血を流してぐったりしている彼女を見て、美しいとまで思った。それ以来、赤ワインを飲めなくなった。」

カウンターにあるキャンドルの炎がゆらゆらとゆれていた。

「ひょっとして・・・」

ゆっくりと静かにマスターは言った。

「ひょっとして、今日がその女性の命日なのではないですか?」

やはりこのマスターは人の心の中を読めるらしい。

「実は、先ほどお勧め差し上げようとした赤ワインは通称”ma chérie”といい、つまり・・・」

「最愛の人。」

「おっしゃるとおりです。」

私は、彼女との思い出に想いをめぐらせていた。

楽しかった日々、彼女のぬくもり、そして彼女のほんの一瞬見せた無防備な笑顔。

20年経った今もありのまま鮮明に思い出すことができた。たぶんこれから何年経とうとも思い出すことができるだろう。

そして、思い出の中の彼女は赤ワインをちょっとなめては顔を赤らめて笑っているのだ。

私はしばらくの間目を閉じた。何を考えるでもなかったが、何かを考えていないわけでもなかった。

思考の中の思考、空想の中の空想を追いかけるようなそんな感覚・・・

「そのワイン、一杯いただこうか。」

目を開けた次の瞬間、私の口からこぼれ出た言葉だった。

大きめの口のワイングラスに穏やかに注がれたその赤ワインを口にしたとき、私の発したのはただ一言こうであった。

「おいしい。」

マスターは静かな笑顔を浮かべると小さくうなずいた。

いつの間にか雨の音は聞こえなくなっていた。

2006年02月25日

炎の雪-Frame and Snow-第四話

不肖むぎまろがmixiで管理人をしている「むぎの会」なるものがあるのですが、第一回目の活動としてリレー小説を書くことになりました。

今んとこ参加者はぼくと実咲さんの2人だけなのですが、もし参加したいという方がいらっしゃったら大歓迎ですのでぜひぜひどうぞ。

ルールとしては、

1.交互に話を書いていく
2.キャラやストーリーは自由
3.書いたら連絡する

こんな感じです。

要するに、あんまり細かいことを決めずに好きにやっていこーってことです。

第一話はこちら。

第二話はこちら。

第三話はこちら。

それでは続きからどうぞ。

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2006年02月24日

リレー小説(むぎの会)

不肖むぎまろがmixiで管理人をしている「むぎの会」なるものがあるのですが、第一回目の活動としてリレー小説を書くことになりました。

今んとこ参加者はぼくと実咲さんの2人だけなのですが、もし参加したいという方がいらっしゃったら大歓迎ですのでぜひぜひどうぞ。

ルールとしては、

1.交互に話を書いていく
2.キャラやストーリーは自由
3.書いたら連絡する

こんな感じです。

要するに、あんまり細かいことを決めずに好きにやっていこーってことです。

第一話はこちら。

それでは続きからどうぞ。

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2006年02月07日

あわぶく 7

「私の生まれはK国なの。」

ぼくはあまりのことに驚いた。K国といえば独裁者によって政治的にも経済的にもひどい状況であることくらいは誰でも知っている。

「日本語は家庭教師に習ったわ。その家庭教師は日本人だった。私の家はもともと貴族の血筋で、あの国の中ではとても裕福な方だったの。政府ともずっと以前はつながりがあったらしいわ。でも、今では私の家は反政府の象徴的存在になってるわ。そう、あの独裁者があの国のトップについてからは。目障りなんでしょうね。」

恵麻は悲しく微笑んだ。

「私が日本に来たのはちょうど2ヶ月前。私の両親が私を亡命させたの。私は行きたくないって言ったんだけどね。この国のことは忘れて日本で幸せに暮らせって。父も母もそうやって私を送り出したわ。彼らの命と引き換えにね。」

ぼくははっとした。

「もしかして、昨日の夜泣いてたのは・・・。」

「気づいてたのね。そう。昨日、両親が捕まって処刑されたって聞いたわ。国家に対する裏切り者だってね。」

ぼくは昨日の恵麻の震える背中を思い浮かべた。

まだ20歳くらいの若い女が両親の死を異国で知る心境とはどんなものだったのだろう。

「じゃあ、そのことは誰から聞いたんだい?」

「知ってるかしら?今K国で革命を起こそうとする活動が活発になってるのよ。もちろん、彼らはこの国にも潜在しているの。それで、昨日その中の一人にばったり出会ってね。その人から教えてもらったの。ひょっとしたら彼は私が日本にいるって言う情報をキャッチしていて、私を探していたのかもしれないわ。」

「それで、彼らと一緒に活動するために出て行くって言うのかい?」

恵麻は小さくうなずいた。

「君の両親は君に幸せになってもらうために命を懸けて日本へよこしたんじゃないのかい?まして革命なんてそんなに簡単にできるもんじゃない。」

恵麻はきっとぼくを見て言った。

「もちろんわかってる。今の革命の機運だって所詮勢いだけで盛り上がってるだけでちょっとした出来事でしぼんでしまうでしょうね。でも、この世の中に確かなものって何がある?みんなみんな不確かなものばっかり。とてもおっきく見えたものが次の瞬間にはなくなってることなんてざらじゃない。まるであわぶくみたいにね。だったら、あわぶくはあわぶくとしてはじけてなくなるまでやりたいのよ。」

「君の幸せはどうなる?君の両親の思いは。」

「私にとってはこの2ヶ月間が最大の幸せだったわ。あなたと同じ時間を共有し、あなたにこうして抱かれて。もう十分幸せだった。」

ぼくはこれ以上恵麻を説得する言葉を持ち合わせていなかった。それにいかなる言葉も恵麻の決心をゆるがせることはできないように思えた。

ぼくは恵麻をじっと見ていた。この華奢な体もどこか魅力的な笑顔ももう少しで見られなくなってしまうのかと思った。

「そろそろ行かなくっちゃ。」

と恵麻は言った。

時計を見ると、朝の6時をさしていた。

玄関まで足を運んだときぼくは言った。

「結婚しよう。」

恵麻は微笑んで言った。

「ありがとう。」



その日以来、今まで恵麻に会ってはいない。しかし、ある筋の情報によると最近急に力を伸ばしてきた闇組織があり、その組織のトップはなんと女なのだとか。

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2006年01月29日

あわぶく 6

「あら。何も聞かないのね。」

と恵麻は言った。

「君の言いたくないことはどんなに聞いても言ってくれないことはわかっている。」

恵麻は笑った。

「私、あなたのこと好きよ。」

唐突に言った。

「あなたのことが好き。」

今度は少し強い口調で言った。

「ぼくは君のことが好きだと思う。いや、君のことが好きだ。だから、ほんとは出て行ってほしくない。」

「ありがとう。うれしい。」

恵麻はまた笑った。

「じゃあ、今夜は一緒に寝てくれる?」

ぼくは黙ってうなずくと恵麻の布団へと入っていった。

恵麻はとても華奢だった。

手はとても小さかった。

乳房は控えめだった。

唇は少し冷たかった。

足はすらりと長かった。

恵麻はとてもやさしくぼくを迎えてくれた。

とても暖かかった。

そのぬくもりは心地よくやわらかかった。

恵麻は穏やかに泣いた。

その涙は昨日とは違う種類のもののように感じた。

「本当は出て行くって言った後も迷ってたの。」

一瞬の沈黙があった。

「でも、決心がついた。あなたに好きって言ってもらえた。私はそれで満足。」

「ねえ。いつかのあの質問に答えてもらえないかな。君は何者なんだろう?」

恵麻は一呼吸おいた後、静かにでもしっかりとした口調で話し始めた。

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2006年01月23日

あわぶく 5

翌朝起きると、恵麻はすでにキッチンに立っていた。

恵麻はぼくがおきたのを見つけると

「おはよう」

と言った。

「おはよう。」

恵麻の目は少しはれているようだったけれど、いつもの微笑をたたえていた。

ただ、今日の恵麻にはなんとなくいつもと違う様子が見られた。

なにかを決意したようなそれでいてまだ迷っているような。

鍵は昨日の出来事なのだろう。

ぼくは何度も昨日のことについてたずねようと試みた。

しかし、そのたびに言葉がのどにへばりついてでてきてはくれなかった。

やがてぼくは大学へ出かけた。

帰ってきたのはいつものように夕食時。

玄関のドアを開けるとき、昨日のことが頭によぎり、なんとなく躊躇されたが、あけてみるといつものように恵麻は夕食の支度をしていた。

とても素敵な夕食だった。

恵麻も今日の夕食は自信作なんだと言った。

とても素敵な時間だった。

その後はいつものように過ごし、いつものように時間が過ぎ去った。

そして、そろそろ寝ようかと布団に入ったとき、少しの沈黙をおいて恵麻は言った。

「私、この家を出ようと思うの。」

「そうか。」

とぼくは言った。

2006年01月21日

恋愛小説バトン

企画者は実咲さんです。

はじめっから読みたい方はこちら

前回を読みたい方はこちら

ではでは第38話の始まり始まり。

Snow Drop -Love Story- 第38話

一瞬の沈黙があった。

実梨は何かを考えているようであり、何も考えていないようでもあった。

「そうなの。せっかく安心したのに損しちゃったかな。私は今彼氏がいるのよ。有名ブランドのデザイナーでね。」

幸希には実梨の言ってることが上手く飲み込めなかった。

「でね、今日はけじめをつけようと思って。この間いきなり店に幸希が来るからびっくりしちゃった。でも、今日で最後。もうこの先幸希には会う気はないわ。だから店にも金輪際来ないでほしいの。それがお互いのためだと思うし。私は5年前とは変わってしまったわ。じゃあ、私は用事があるから。」

実梨はそう言うと席をたって行った。

幸希は実梨を止めようとしたが、その瞬間体が口がまるで時間が止まってしまったかのように動かなかった。動きにならない動きが、言葉にならない言葉が中空をさまよって消えた。

幸希は実梨の影がなくなってしまうまで目で追っていた。幸希には何がなんだかわからなかった。今でも実梨が自分のことを想ってくれていることについては確信があったのだ。

幸希はしばらく何も考えられず、ただ、空中に視線を漂わせていたが、思いがけず、ふと先ほどの実梨の様子が眼に浮かんだ。

実梨の唇は震え、その華奢な肩は今にも何かに押しつぶされそうに静かな悲鳴を上げていた。

が、今思うと、その目はなんらかの強い意志を持っているように感じられた。

幸希ははっとした。

実梨はなにもかもわかっているのだ。俺がとっさについたうそも何もかも。実梨はいつもそうなのだ。5年前とちっとも変わってないのだ。わがままだけど俺のことを人一倍大切にしてくれて。うそまでついて。

幸希の目からはいつの間にか一筋の涙がこぼれ出ていた。


幸希がそのカフェを後にしたときにはすでに外は夜の街に様変わりしてしまっていた。

幸希はそのまままっすぐに家に向かった。

家についてテレビをつけると、いつものごとくニュースキャスターが口早に原稿を読み上げていた。

「えー、今日夕方、○○市△△町で20歳代前半の男性の遺体が発見されました。男性は刃物でめった刺しにされており、警察は殺人事件と見て犯人の行方を追っています。なお、男性は数十箇所をナイフのようなもので刺されており、金銭その他の貴重品が持ち去られた形跡がないことから、警察は、怨恨の線で捜査をしている模様です。」

                              第38話終わり

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2006年01月20日

あわぶく 4

その日、ぼくは一コマ目から講義があって、朝一番で大学に出かけていた。

帰ってきたのは、もう陽も落ちようかと言う時刻であった。

そのころになると、もはや夕ご飯時に帰って玄関のドアを開けるとキッチンで料理をしている恵麻を見るのが当たり前になっていたので、その日も晩御飯に思いを馳せながら帰った。

しかし、玄関を開けたところ部屋に明かりがなかった。

体調でも崩してベットで寝ているのだろうかと探してみたが見つからず、どうやら部屋にいないようだった。

ぼくは、一抹の不安を感じながら、でも、恵麻のことだし多分大丈夫だろうという根拠ない理由で自分を落ち着けながらしばらくの間待つことにした。

実際、ぼくには待つことしかできなかった。恵麻の行きそうなところに心当たりはなかったし、今のように携帯電話が普及している時代でもなかった。仮にお互いに携帯電話を持っていたとしても恵麻の番号は知らなかっただろう。

そんなわけでじっと待ち続けていたが、ふと気がつくともう8時を回ろうとしていた。

ぼくは少し考えた後、恵麻の帰りを待つのをあきらめて弁当を買いに行った。ひょっとしたら、もう恵麻は帰ってこないかもしれないと思った。そう考えているとこれまで恵麻が家に居続けたのだって何か理由がないようにも思われた。

しかし、すぐに恵麻はなんの手がかりもなくいなくなってしまうような女ではないと思った。自分のことを多くは語らないけれど、この2ヶ月の間にいろんなところできちんとした人間だと言うことは十分にわかっていた。

近くの弁当屋に着くと、自分の分と恵麻の分を買って家に戻った。

相変わらず部屋はしんとしていた。

久々に食べた一人での晩御飯は味気なく、恵麻の存在がいかにぼくの生活に浸透していたかを改めて感じた。

結局恵麻はぼくが寝るまで帰ってこなかった。

恵麻が帰ってきているのに気がついたのは、夜中にふと目が覚めたときであった。

寝ぼけ眼であたりを見渡すと、ベットの上にやわらかく暖かな陰を見つけた。

すぐに恵麻だとわかった。それと同時に、心から安心しそして心からこみ上げるものがあるのを感じた。それははじめての感覚だった。

だが、次の瞬間言いようのない黒い塊のようなものがぼくの心の中に深く重く垂れ込めてきた。

恵麻は寝ていたのではなかったのだ。

小さな体をさらに小さく丸めて、華奢な肩を震わせていたのだった。
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詩・小説をブログで書いているブロガーのつながりを作りたいと思い、「むぎの会」という人の集まりそうもないものをMIXIのコミュニティーで作ってみました。 MIXIに入っていない方でも、このブログにコメントしていただければ、「むぎの会」には参加できますし、場合によっては招待状を贈らせていただきます。 「むぎの会」はなにをするのかと言えば、特に何も考えていはいませんが、もし、参加される方がいらっしゃるようであれば、当ブログのリンクに追加させていただきます。 別に、ブログ上で詩・小説を書いていない方でも参加していただけますので、もし少しでも興味のある方はぜひぜひどうぞ。お待ちしております。

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