かえりみち

〜美術・自転車・日々のこと〜

なにがあるかわからない

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冬に色づく柑橘系の樹木は好きだ。冷たい空気のなか、常緑の葉に包まれてある丸く黄色い実。弱くなった陽射しを補うために空からおりてきた小さな太陽のようだ。
ピンク色の山茶花は満開。
庭先の木から木へ、または金網にからまるカラスウリ。乾いた実は白っぽくへこりとくぼみ、蔓はしなやかさを失いパリパリと折れ曲がっている。

揺れる電車の沿線に見えるそれらの色へ視線を飛ばして遊ぶ。

何故こんなことになったのか、もやは記憶が遠い。
先へ先へと延びる線路をぼんやりと眺める。
車両の一番前の席を陣取ったが、仕切板があるため、運転士の姿はレバーを握る左手しか見えない。厚みのあるその手は時折レバーに置かれたまま、確認するように前方を指差す形を作る。

電車の揺れは眠気を誘う。
ゆらゆらと心地よい眠りの波に漂いながら、運ばれながら、こんな人生もありかな、と思う。
やわらかさと気の強い感じが同居する響きのいい言葉を宝物のようにつぶやいてみる。

友達に会いに。

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今日から学生時代の友達SさんとUちゃんの2人が参加している日本画のグループ展がはじまる。
私は2人と仲がよいが、SさんとUちゃん同士は同じ教室での講義になったことがないらしく顔も知らず、搬入日の今日が初対面だという。お互い「muirさんのお友達ですよね?」と挨拶したとのこと。

多忙な2人ゆえ、確実に在廊する日は搬入日の今日だという。初日の今日は搬入後の15時からの開廊となるので、日曜日の夕方からの外出は正直億劫なのだが、2人の顔見たさに行く。

オープニング・パーティーがあるので一応少しキレイめな格好にする。といっても、スニーカーでない程度。珍しくヒール靴。足が痛くならずに画廊に着くか少々不安。御祝いに焼き菓子を持参し、メッセージを添える。

画廊まであと少しというところで、バケツを引っくり返したような豪雨に遭遇! 傘はない。仕方がなく店の軒先で雨宿り。遠くの空が明るいので通り雨とわかっていても、すぐやむほどではない。雨の予報なんて出ていなかったのに・・・ 急に気温が下がり、肌寒くなる。
すぐそこなのに行けないもどかしさに友達に電話を入れると、傘を手に満面の笑顔で迎えに来てくれた。
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新しい手帳。

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今日は大荷物のためデイパックにスニーカーでの出勤。修理に出すMacBookにお弁当、麦茶1L、本等を背負い、満員電車に体を押し込む。背丈が縮みそうな重さだ。

日が暮れて退社のチャイムが鳴る。
急ぎヒール靴からスニーカーに履き替え出ようとしたら、ちょうど同じ課のFさんと一緒になった。彼女は運動不足解消のため、よく職場から東京駅まで徒歩で帰っている(そこから先は電車)。彼女曰く、わざわざ運動をするほうが億劫だという。私は体を動かすなら、それ用の服装と最低限の荷物量でするほうがずっといい。Fさんはヒール靴に手提げバッグを2つで恐ろしくはやく歩く。

FさんにAppleStore予約時刻までに到着できるのなら「今日はデイパックにスニーカーだから一緒に歩くんだけどな」というと、「間に合いますよ」と笑う。2人でかなりの早足ですっかり暗くなった道を歩く。歩き慣れているFさんのおかげで道は迷うことなく、まっすぐ銀座へ。
途中にあるビルやホテルはすっかりX'masのイルミネーションに彩られ、キラキラと輝いている。金曜日の晩ということもあり、あちこちで退社したサラリーマンたちが連れ立って飲み屋に入っていく。頭上を走るモノレールを見上げ、浜松町駅構内の階段を上って下りて通り抜け、銀座のイルミネーションが見える頃には2人とも汗だく。ミキモトの前に立つ恒例のX'masツリーには携帯電話を手に撮影をする人人人。そして、約50分かかり見事予約時刻ぴったりに到着!Fさんに感謝!
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過去からの手紙。

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MacBookが不調だ。
パームレストの破損に、バッテリーの膨張。パームレストの破損はまだメーカー保証期間内のため、修理に出せば無償で交換してくれることを確認済み。
バッテリーは有償になるとのこと。ノートPCとはいえ、滅多に机の上から移動することはない。ACアダプタに接続したままの使用で支障はないので、いっそバッテリーを抜いてしまおうかと思ったが、調べて見ると、機種によってはバッテリーを抜くと処理速度が遅くなるらしい。しかもMacBookはACアダプタの接続口がマグネット式になっていて、軽い力で抜けてしまう。これはいいようで悪い。メリットはもしコードに足を引っ掛けてしまっても、PC本体の接続口に変な力がかかることがないため破損しない。デメリットはひょんなことで抜けてしまった場合、電源供給がなくなってしまうためPCが落ちてしまう。
バッテリーは消耗品ということで予定外出費だが、諦めて交換しよう。
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雨上がりの朝:(2011/11/12)

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20111112_水滴

秋の光:(2011/11/10)

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20111110_雑木林2
20111110_雑木林1

日だまり:(2011/11/10)

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20111110_畑の菊

冬珊瑚:(2011/11/10)

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20111110_冬珊瑚

ねじめ正一「荒地の恋」

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荒地の恋
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「荒地派」の詩人たちの小説である。
主人公の北村太郎が親友で同じ荒地派の詩人である田村隆一の妻と恋に落ちたところから、本書ははじまる。

私は詩や俳句は好きだが、詳しくはない。新聞や本のなかで、気になった詩が引用されていると声に出してよみあげる程度だ。「荒地の恋」を読み進めるにつれ、田村隆一がモデルとして新聞広告に出ていた人物だとわかる。コピーは「おじいちゃんにも、セックスを。」。98年の宝島社の新聞広告だ。
あぁ、と急に合点がいく。
この新聞広告は記憶にある。確かにコピーの写真の「おじいちゃん」が詩人であることも覚えている。「おじいちゃん」と呼ぶには、ステッキを手に立つ年輩の男性は照れくさそうだが、だれず縮こまらず、すっと背筋が伸びていて。その口元目元に生きてきた時の長さが粋に刻まれていた。いったい何者だ、と思った。続きを読む

平野啓一郎「決壊」(上)(下)

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決壊〈上〉 (新潮文庫)
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決壊〈下〉 (新潮文庫)
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netでいくつか書評を読んだが、平野啓一郎の文章には合う/合わないがあるようだ。「決壊」は読みやすいほうらしいので、本作しか読んでいない私にはまだ何ともいい難いが、特に読みづらいとは思わなかった。確かに時折癖のあるいいまわしに出くわすが、その飲み込みづらさというか、つっかかりがむしろ読み急ぐ勢いをやわらげているように感じた。

物語の進みは、複数の糸が目の前で1本の紐に編まれていくさまと重なる。派手というか残忍な殺人があり、いじめがあり、家庭内の小さなすれ違いがあり。親子、夫婦、友達、ただ外出先で隣にいあわせた名前も知らない人、さまざまな人のあいだに生じるさまざまな関係が物語の紐の編み目から浮かびあがる。
その紐のなかに1筋強張った糸があり、最後その糸が紐からすーっと抜けてしまう。糸が1筋抜けたくらいでは編まれた紐はほどけない。読後、紐を前にしながら、抜けた糸が気になって仕方がない自分がいる。

表舞台でテロが起ころうが、連続殺人が起ころうが、賑やかになればなるほど、沢野崇という1筋の糸の静けさに意識がいく。上巻より下巻のほうが糸が抜けいく予兆がどんどん強くなり、おもしろかった。
「決壊」は、私にとって紐のなかにいられない「糸」の話だった。

MAGIC HOUR

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「ヨコハマ トリエンナーレ 2011」にHさんとKさんと3人で行った。

ひと通り、会場を巡り、横浜美術館内のカフェでお茶をして外に出ると、もう夕暮れ時。Hさんが空を見上げ、「magic hour」だという。
今回のヨコトリの副題が「OUR MAGIC HOUR」。私は深く考えずにそのまま「魔法の時間」ととらえていたが、実際に写真や映画の用語に「magic hour」というのがあるのだと説明してくれる。

magic hour とは、日が沈んで完全に真っ暗になる前の数十分の時間帯のことで、このときの明かりのなかで撮影した写真や映画は独特で魅力的な映像に撮れるため「魔法の時間」と呼ばれているとのこと。三谷幸喜監督の映画「ザ・マジックアワー」はまさにその用語から発想した映画だという。

みなとみらいの空は高層ビルもあるもの、都心と違って迫りくる感じはなく、空が広い。その空は今、天頂から地平線に向かってやわらかな色の層を成しており、まさにチケットやポスターに使われている色に重なる。確かにこの時刻の空だ。太陽がないのにまだ充分明るく、暗くなく。呼び名に戸惑う不思議な時間帯。この時間帯の映像が何故キレイに撮れるのだろう。光の色合いなのか、それとも陰影のでかただろうか。

20111105_0.0
ただフラッシュ無しのオートで撮影。実際より明る過ぎて、夕刻の雰囲気なし。

20111104_-1.3
Kさんのアドバイスにより、露出補正-1.3。グッと夕刻らしくなり、空の色がまさに「magic hour」!

ヨコトリ_ポスターこのポスターの背景上部の色合いとそっくり。

「知る/知らない」。
美術に限らず物を見る際に、知識や歴史的背景を把握していることは重要だと思う。ただそれらはバランスであり、知識が先入観となり、素直に物を見られなくなる場合もある。だが、知っていることで深みが出、愛着が増すこともある。そのバランスを上手に取れるようになりたいと常々思う。
「magic hour」は、今日獲得した深みの1つ。

「ヨコハマ トリエンナーレ 2011」記録

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閉会間際の11/4に「ヨコハマトリエンナーレ2011 OUR MAGIC HOUR 世界はどこまで知ることができるか?」に行く。

全会場はさすがに難しく、日本郵船海岸通倉庫と横浜美術館の2会場を巡る。

まずは、日本郵船海岸通倉庫から。3フロアあり、1Fから順に階段をのぼっていく。
1Fの天井から木の根っこがにょっきりとはえている。ヘンリック・ホーカンソン(Henrik HAKANSSON)の作品「根の付いた木」。根っこだな、と見上げていたが、実はこれが1Fから3Fまでつながる木となっていた。階を上るにつれ、つながっていることに気付く。気付くと急におもしろくなる。

山下麻衣+小林直人の「大地からスプーンを生み出す」は、映像と頂点にスプーンが1本突き刺さった砂山の作品。映像を見ると、砂浜の砂から磁石で砂鉄を集め、溶かし、スプーンを鋳造したことがわかる。あの砂山のてっぺんに誇らしげに立っているスプーンがそれらしい。その気の遠くなる労力に思わず笑ってしまう。続きを読む

満開のコスモス:(2011/10/29)

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20111029_コスモス満開

神田アイランド ナイトクルーズ:(2011/10/28)

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20111028_ナイトクルーズ1

20111028_ナイトクルーズ2

20111028_ナイトクルーズ3

20111028_ナイトクルーズ4

20111028_ナイトクルーズ5

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両国橋を渡る。

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阪本トクロウ展 交差点:GALLERY MoMo Ryogoku
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両国にある GALLERY MoMo へ行く。

浅草橋駅から隅田川にかかる両国橋を渡って、ギャラリーへ向かう。
時刻はまだ18時前だが、日はすっかり暮れている。川面に屋形船が二艘。ほんのり黄色み帯びたあたたかい光に包まれた船とピンクにブルー、ライトグリーンと強い光を放つ船。祭りの、そうだ、水に浮かぶスーパーボールすくいの夜店の照明に似ている。金魚すくいでも風船すくいでもなく、スーパーボールだ。もしくはLED内蔵の光る魚や蟹、蛸の形をしたおもちゃをすくう夜店。異なる二艘の光がちらちらと小さな波に揺れている。
対岸にひっそりそびえるスカイツリー。
風はかすかに潮の香りを含んでる。手元にカメラがなくて残念。

GALLERY MoMo は、同ギャラリーのRoppongiより広い。大作が映える。阪本トクロウさんの作品を観るのは、昨年の銀座での個展以来だ。今回は鉛筆画もあり。
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【お知らせ】
ぽちぽち更新再開です。
いつのまにか年が明けてしまいました。
昨年12月から時間が急に加速! なにがなにやら、です。
どうかいい年になりますように。
そして、皆様にとってもスバラシイ年になりますように。

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muir(みゅあ)
関東在住。
2010年春にようやく美大卒業。
働きながら、制作に取り組む日々。

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