昔の洗髪、あまり洗ってなかったみたいです。昭和30年代でも週に1回とか…それと洗髪料のこと。

とりわけ明治(以前)の洗髪事情は想像以上です。当時は日本髪を結っていたのですが「結うのは5日おき、洗髪はせめて6週間に一度は洗え」とか、という記述などもあります。結うときに梳き油で「梳く」ということはしたのでそのときにそれなりに清潔にはなったと思いますが。すごく臭ったとか、髪をきつく結い上げるので禿げちゃったとか、そんな話が書いてあって日本髪を結うことの、ハードな?環境が忍ばれます。もっともそれが、日本髪が衛生・健康に良くないと洋髪を勧める理由になってもいて微妙ですけれど。

明治以降次第に、夏1ヶ月に3度、春秋1ヶ月に2度は洗いましょう、とかになります、本では。興味があったので拾い書きしてみました。

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・明治
「美容術(1906)」少なくとも六週間に一度。冬になれば其れよりも度々洗ふべしである。
「新化粧(1907)」少なくとも六週間に一度。冬になれば度々、同上
「欧米最新美容術(1908)」乾きの良い日を選び一週間に一回くらい洗ふが宜しい餘りしばしば洗ふと髪の質を弱らせ…
「化粧のをしへ(1908)」女の髪の不潔になったのを嗅ぐと小便と同じ臭気がある、小便以上の悪臭である
「美容術(1909)」洗髪は月一回又は二回を持って適度とし、
「新式化粧法(1910)」先ず三週間に一度づつは毛髪を洗うことにせねばならぬ。
「あはせ鏡(1911)」少なくとも月一回くらいは洗浄して
・大正
「実用美容術指針(1914)」男子は一週間に一二回婦人は月に一二回洗髪して
「上品でいきな化粧の秘訣(1918)」洗髪の回数は人によってまちまちで、或る人は年に数回しか髪を洗わぬかと思へば、中には数日に一回ずつ洗ふ人もあります。二週間に一回ぐらいづつは洗っていただきたいものです
「お化粧と髪の結ひ方(1923)」冬は月に二回、春から夏にかけては月に三回洗髪はなければいけません。
・昭和
「生活改善処世経済家庭百科全書(1920)」関西で40年も50年も髪を洗ったことがない人までが月に一度くらいは洗うようになった
「化粧秘訣美人になるまで(1926)」冬は少なくとも月に二回はするようにし春から夏へかけては月に三四回は
「正しい化粧と着付(1926)」夏ならば一週に一度、冬は一ヶ月に二度位お洗ひになると…

さすがに美容・理容関係者は早い時期から、比較的頻繁な洗髪を勧めているように思います。昔は、シャワーなんてないですから、お湯を沸かさなくてはなりませんし、それ以前に水を汲む、ことから始めることだって多かったはず、今では考えられない労力を使って髪を洗っていたのだと思います(お風呂での洗髪もあったと?思いますけどその辺、謎です)。そして、戦後。1950年代でも月2回とか夏は5日~10日に1回とか、そんな感じの記述が多いように思います。1960年代でも、2週間に3回、1970年間近で1週間に1度とかの場合も、美容の本での推奨です、もちろんもっと頻繁な場合も多いですし5日~1週間に1度くらいが平均的なのですが、悪い例?であげておきました。その辺は美容家さんによって個人差があってメイ牛山さんや山野愛子さんなどはわりと頻繁に洗うことを推奨されています。

1939(S14)年です↓(クリック拡大) 冬は1ヶ月に1回か2ヶ月に3回、夏は十日に一回…洗面器を使って

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洗うために使ったものは、大正期までだと布海苔(ふのり)、小麦粉油粕洗粉石鹸、そして1930年頃から「シャンプー」という名称が現れて(モダン髪洗粉・葛原工業、タマゴ・美香園、花王、資生堂など)ましたが、シャンプーといっても?基本は石けん系(石鹸、硼砂、セスキ炭酸ソーダ、白土など)でした。カリウム石けん(今の石けんシャンプー的、液状で使う)は理容室などで使われていました(美容術講習録 新婦人協会 1926年など)。

現在の「シャンプー」的な合成界面活性剤が主体のものが現れたのは、基本的に戦後、です(たぶん)。花王フェザーシャンプー(1955年10月発売)が有名で他に、三共ヨウモトシャンプー(1952年発売)なども早かったみたいです。

参考にした本、ほぼ国会図書館デジタルライブラリーにありますー