続けて、1933(昭和08)年の『婦女界』から、いろいろな有名人の方たちの「舞姿」などです。古い雑誌、私の手持ちの昭和初頭から30年代くらいの女性誌のお正月号のグラビアは、ほぼこいうった「舞姿特集」がたくさん掲載されています。この記事の画像はすべて、1933(昭和08)年の『婦女界』の1月号から、他に髪形や化粧品のグラビアもあるので、結構なページ数のグラビアですよね。太平洋戦争で荒廃し混乱した時代の復興の合言葉の一つに「昭和八年に帰ろう」というものがあったそうですが…この1933(昭和08)年のグラビアを見ていると、ページ数の多さ・紙質・印刷と全体の落ち着いた雰囲気など終戦後の占領期(初期)に比べ本当に「豊かな戦前」だったのだと痛切に感じます。(ちなみに『婦女界』は発行部数の関係でしょうか、『主婦之友』『婦人倶楽部』よりは全体に地味でグラビアページも少ないと思います。その代りこういった舞台などの芸能関係に強かったともいわれます)
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また個人的な感想ですが、昭和戦前上流階級が主導の上品な文化、対して戦後は庶民階級中心の大衆文化の印象が強いようにも思います。私は占領期(初期)が大好きなのですが、その時期の服飾などに関しては、つくづく「趣味悪い」「可愛くない」「安っぽい」と認めているんです…悲しいことですけど。

『婦女界』の「舞姿」などのグラビアの紹介です。映画や音楽など芸能関係は詳しくないので、画像にある説明文以上のことはよくわかってないので突っ込まないでください…

一番上の画像、リスト曲「愛の夢」花柳宝珠、清元・四季三洋「千歳」市川紅梅、舞踊の忠臣蔵「力彌」水谷八重子こと花柳寿、清元「四君子」故小山内薫氏夫人花柳保輔、「情炎夜曲」九貴麗子、レビュー唄八景「お三輪」天津乙女
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「春の遊び」花柳壽美、浜唄「吉三人形」藤間春枝、長唄舞踊「お七恋しや」南榮子、「道成寺」藤間勧素娥、畑耕一作「劫火」藤蔭静江
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「朝海」花柳たい子、「秋の色種」西崎綾、坪内逍遥作「良寛と子守」尾上菊枝、長唄「英獅子」森赫子、琴曲「黒髪」藤間喜與恵
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「ふるさと」高田せい子、「エスパニア気質」梅園竜子、シリエ・シャミナード曲「韻律に酔ふ」リート・イナキ、ムソルグスキー曲「展覧会の美」石井小浪、スパニッシュダンス「ボレリアス」川上鈴子、チャイコフスキー曲・胡桃割「ダンスアラブ」田澤千代子、松竹歌劇団天草みどり、レビュー「パリ・ニューヨーク」寶塚少女歌劇佐保美代子

…でした。お正月のせいもあるのでしょうが1933(昭和08)年頃は、、まだまだ芸能方面は「洋物」が少なく「和物」が主流だったようです。「洋物」は独特の雰囲気です…

少し和服(着物)の歴史を調べたりもしているのですが、絹などの高価な素材で太い帯を締める和服って座敷で着る場合が多かったので、その場合は「端折り(はしょり)」と呼ばれる帯下の折返し部分がなく裾を引いて着るものだったんですね?(外出時は端折った)…裾引きの豪華な和服の姿はとても美しく、長い袖や太い帯や高く結った日本髪などとのバランスも良いと思います(昭和戦前の日本髪はボリュームがかなりあると思います、参考画像)。「舞姿」の画像でも「裾引き」と「お端折り」の両方があってその違いがよくわかります。また、庶民階級の木綿や麻の着物には別の美しさがあって好きです。