1932(S07)-1934(S09)年頃の髪飾りや、帯留・指輪・首飾りなど装身具、和装向けの履物などです。
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髪飾りは左から。1934(S09)年1月の『婦女界』付録から日本髪用の髪飾り、お正月向けのもの?などです。真ん中が洋髪向けの髪飾り、洋髪といっても右画像の和服の女性の髪型のように、和装向けにはウェーブした髪を下の方でまとめたタイプが主流でした(洋装の場合はやや短い断髪から長めのウェーブのあるものへと変化していた頃、前から見るとまとめたタイプも長めの断髪もわりと雰囲気が似ているような…)。髪飾りは、左の1933(S08)年5月の『婦人倶楽部』の画像のように下の方でまとめた部分に挿すことが多かったようです。大正後半頃の七三などに挿した大きく飛び出たピン(スペインピンと呼ばれた)に比べ、ボリュームが少なく和の雰囲気にも合わせられるような髪飾りに変化したようです。若い女性向けには花を挿したり、プラチナに真珠やダイヤの付いたもの、年齢が上がると落ち着いたべっこうなど、他に垂れ下がるタイプのものもあったようです。追記 洋髪に差す簪は束髪簪と呼ぶそうです、あと画像左上段中央の土筆が二本あり金具で向きが変えられる仕用のものを花月差しと呼ぶそうです、和服や装身具は詳しくなくって…古い装身具はこちら、戦前日本のアンティーク~銀器・ジュエリー・高級磁器~さんが詳細ですし素敵です♪
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1933(S08)年5月の『婦人倶楽部』付録から、流行の帯留帯紐です。左は指輪「指輪に用いる宝石は、まるいものや、ありふれた形が飽きられ変形の多少大きめのものが流行です」天然のものは高価なので合成宝石も多かったようです。写真のものは、10-20円くらいで、どれも松屋や白木屋といった百貨店のもの。
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1932年1月『婦人画報』からです。大勝堂のダイヤと各種宝石の指輪の広告と、小林時計店の100円前後の帯留です。首飾り腕輪はデザイン重視の合成宝石、腕時計はプラチナやクロームが35円以上で宝石が入ると50円以上、モーリス、ロンジン、バルカン、モパードが全盛だそうです。下は指輪、ダイヤとオニックスなどの宝石で、時計共に大西錦綾堂。雑誌によって扱う商品が違っているのも今と同じ、婦人画報は欧米の高級品も多く上流階級向けです。
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1933(S08)年5月の『婦人倶楽部』の履物。新型のヒール付草履??通称?靴・シューズ草履が面白かったので切り抜いてみた…左の緑単色の方にはヒール下駄まであります。そういえば、この頃の女性・婦人誌でよく見る足袋の中に入れる(専用足袋もあった)ゴムやコルクの上げ底用ヒールラッキーヒールとかファインゴムや右画像のキルクヒールとか、和装でも背の高いことが美しい条件になってきているようです。別人のように背を高くするキルクヒール「キルクヒールは、あなたの背を二寸(約6cm)は確実に高くいたします…ゴム製のものと違って、べとつかず軽いのが何より…片足三匁(11.25g)位ですから非常に軽快で、重苦しい感じが絶対にありません…用い方も足袋に入れて履くだけの簡単さです。音が全然しませんから、使用を他人に気づかれる心配がありません」だ、そうで、3-4円くらい。

最後に当時の価格ですが、服飾品は2000-3000倍位で現在の感覚といわれますけど(昭和8年頃1円→現在2000-3000円)?どうなんでしょう…髪飾りは数千円から、ダイヤの帯留だと20万以上???