2013年03月18日

C83作品レビュー52 自殺者専門 エンマ様 Vol. 1

■ライブドアお題

 「お父さんの靴下」は他の洗濯物と分けますか?

そういう人は、電車の吊革や階段の手摺を掴むことができない人だと思う。


さて、第3211回は
Vol. 2まで終わってるけど順番にいこう!のC83作品レビュー。
因果堂Type-I.G.さんの 自殺者専門 エンマ様 Vol. 1 の感想です。

自殺者専門 エンマ様 Vol. 1
小さな恋と甘い死の物語(因果堂Type-I.G.)WIN
プレイ時間:1時間程度

■概要

厳格な祖父に育てられ、今時からかけ離れたお嬢様に育った佳友アマカ。
そんな彼女は純真、清らかと信じる同性愛に至ってしまい、
それが祖父にばれてしまう。
理解されない二人が取った道は、氾濫する河に飛び込む心中。
二人だけの世界を夢見て

・・・が目を覚ますと、アマカ一人で、見渡す限り殺風景の死後の世界。
そして、彼女はエンマに裁判かけられるのだが、
当のエンマは彼女と同じぐらいの少女にしか見えない。
そして、自身を - 自殺者専門 - というのであった。

■感想


世界は続くよ〜 ど〜こまでも〜

東横線が副都心線と繋がって、渋谷駅ダンジョンが嫌になりました・・・・
とか言いつつ、死後の世界があるお話で、
そこには、自殺者を専門とするエンマ様がいるお話。
幸せになれると思った、残念、世界の延長でした!という側面もあり、
完全なる無、ましてや理想郷でもなし。
でも、だからこそ悔いることができる・・・

ということで、自殺者が、その専門のエンマにケアされるお話。
主人公は自殺側で、同性愛思いっきり否定されて勢いで心中したアマカさん。
祖父に育てられる学生さんで、その管理の厳しさから、
鬱屈が堪って、唯一許された読書-物語に没入した結果の人格形成。
そんな彼女が、裁判に素直にかけられるかといったらそんなわけはなく、
結構気性荒く、見た目小娘なエンマに突っ掛かります。
やましいと思ってるからこそ、つっかかるし、
絶対と決め付けてるから、なおさら、うーむ救いがたい。
が、エンマ様はもういいやで投げ出すことなく、
口調は固く厳しいけど、ひたすらアマカに自身を振り返るよう手段をつくしていきます。

死後の世界の概念はTWAD(サークル前作参照)っぽいのだけど、
基本的に自殺者が集まる場所が舞台なので、まー地獄といって差し支えない光景。
そんな中で、若さ故のなんちゃら節で、キレまくるアマカさんが
精神的にフルボッコなのが痛い。厨二的な痛さを指摘するイタイもあるのですが、
反論を認めたうえで、そこに『死人の限界』をつきつけるので、
無力!!圧倒的、無力!!!がなんとも。
彼女の能力じゃなしに、死人であることの無力が。
これは死にたくなくなるなーと思う一方で、
視野の固定集中はいけない(戒め)

Posted by muko650 at 23:00│Comments(0)TrackBack(0)

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