楽しい夏休み。海や山で遊んだり、旅行に出かけたりして、子供が寝るのも、朝起きるのも遅くなりがちになる。しかし、夜更かしは睡眠不足を招き、食事が取れなくなるなど日常生活に問題が生じることも。専門家は「夏休みもきちんと睡眠をとってほしい」と呼びかけている。(岸本佳子)

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 ≪グラフで傾向把握≫

 子供の睡眠障害の問題に取り組んでいる、兵庫県立総合リハビリテーションセンター中央病院子どもの睡眠と発達医療センター(神戸市)では、睡眠障害の予防を目的に、福井、京都、青森の学校で、子供たちの睡眠調査を行っている。

 子供たちは2週間、「睡眠表」と呼ばれる、1マス30分、計48マスの細いグラフに、実際に睡眠を取った時間帯を黒く塗りつぶしていく。すると、睡眠の傾向が表れてくる。週末は朝遅くまで寝ていたり、平日の夕方に1時間程度寝ている時間があったりすると、黒い帯がでこぼこになる。

 センター長の三池輝久(てるひさ)さんは「土日に長く寝てしまうということは、普段の睡眠が足りていない、ということ。睡眠不足が続くと、そのうちに過眠状態を引き起こす。これが一番困るのです」。朝起きられなくなり、食事、運動、外出など日常生活に問題が起き、不登校につながることもある。

 ≪「2学期に悪影響」≫

 もっとも、必要な睡眠時間は個人差がある。そこで、睡眠表を利用すると、必要な睡眠時間の目安が分かる。2週間、連続して睡眠表をつけた後、夜間の睡眠や昼寝なども含めて2週間分すべての睡眠時間を足し、14で割る。計算の結果、9時間であれば、起きる時間から逆算して、寝る時間を設定すればよい。

 「早寝早起きとは何時のことですか、とよく聞かれますが、まずは子供にどれぐらいの睡眠時間が必要かを保護者が把握し、その時間を確保できるようにすることです」と三池さん。

 ただ、最近は「日本全体が夜型」。子供たちも小学校高学年になると塾通いなどで帰宅が夜遅くなる。また、小さな子供を居酒屋に連れていくこともあり、「大人が子供の睡眠に対して無頓着です」。

 眠りは肉体の疲労を取るためだけのものではない。脳の働きを守り、維持するためにもあり、「生命維持装置と同じ」と三池さんは強調する。睡眠の乱れは、子供の場合、発達に影響が出ることもある。

 夏休みの夜更かしは「2学期にてきめんに悪影響が出ます」。やむを得ない事情があったとしても、「少なくとも中学生なら、日付の変わらないうちに寝る、朝は自分で7時から8時までには起きる生活を」とアドバイス。また、2学期になって朝起きられないようであれば早めに専門家に相談してほしい、という。

 ≪仏より1時間短く≫

 OECD(経済協力開発機構)が昨年発表した報告書「図表でみる社会2009」によると、18カ国中、最も1日当たりの睡眠時間が長いのは、フランスで530分。日本は、韓国に次いで2番目に短く、470分だった。また、ベネッセ教育研究開発センターが昨年行った「子ども生活実態基本調査」によると、小学生(4〜6年)では「22時ごろ、22時半ごろ」に寝る子供が最も多く、全体の42・3%を占めた。「23時ごろ、23時半ごろ」も16・7%に上った。