月曜日 晴れ

8月になって、日中はそれなりに気温も上がるけれど、朝晩の涼しさ(肌寒さ)に早くも秋の気配を感じている。
北国の夏は短い。あまりいそがず、もう少し夏の光を感じていたい。


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8月1日にぼくの句集 『 無 量 』 (書肆アルス)が刊行となった。
過去に、「生涯句集は持たない」と言い切った前科があり、どこか罪悪感もありながらの出版である。
ずいぶん多くの人の力を借りて、ようやくこうして出来上がってみると、さすがにぼくにも感慨深いものがあった。

序文は藍生主宰の黒田杏子先生に、跋文は雪華主宰の深谷雄大先生にお願いした。
長年お世話になっている両師に文を寄せていただきたいと思ったあたり、ぼくもやはり結社人なのだなぁ・・・、とあらためて気づくのだった。

そして帯文が、酒場詩人の吉田類さん。(いつも類さんと呼ばせてもらっているので、あえて先生とは言わない)
類さんにとって、おそらく初の句集帯文であっただろうと思う。
二ヶ月に一回程度はお会いしているので、ある日、帯文をお願いしたところ、二つ返事で応じてくださった。

表紙絵は、ぼくの次女で漫画家・イラストレータの田島ハル氏。
「ちょっと北方風の感じにして」と言ったら、直球の雪景色を描いてくれた。

装幀が、この世界で第一人者であり、またご自身も俳句をお作りになる間村俊一さんによるもので、文字の配置や帯のデザインなど実に切れがある。

そして、フランス装の造本を強くすすめてくれたのが、版元・書肆アルスの山口亜希子さん。
山口さんは俳句総合誌「俳句界」の元編集長で、もうずいぶん前のことだが、当時面識の無かったぼくに「山本健吉論」を書けと突然言ってきた人で、それがきっかけとなり、ぼくは「山本健吉と中上健次論」「梁塵秘抄論」「一遍上人論」と立て続けに<ウタの源流三部作>を書くことになったのである。

そんなわけで、幾人もの恩人・そして家族に支えられ、ぼくの拙い俳句群を文字通り両脇から支えるようにしてくれて、こうして一冊の句集ができた。

黒田先生は「第一句集」と書いてくださったが、ぼくにとっては第一も第二もなく、この一冊しか出さないつもりでいる。
それがこの一冊であれば、不満は無い。
そんな思いだ。

評価は人のすることだからお任せして、ただただナルシスティックに表紙を撫でているのであった。

できるだけ多くの人に読んでもらおうとは思いながら、そんなに沢山は作っていないので、お配りする先も十分に配慮できるだけの余裕も無く、失礼してしまうかもしれないが、残数をにらみながら第一波、第二波・・・と考えてはいる。
また、版元の書肆アルスさんが市販をするとのことなので、今週中には全国の大型書店に若干出回るのと、そのうちアマゾンからも購入できそうなので、もし金を払ってもいいぞという奇特な方には、なにとぞ、と甘えたい思いでいる。

先達、また友人のみなさんの叱咤激励で、句集を出さないはずだったぼくの句集がこうしてなんとか産声をあげました。

どうぞみなさま、よろしくお願いいたします。



 胴太くつめたくをりし白蛾かな    秀彦 「無量」より



先月、仕事で東京に行ったとき、高校〜予備校時代に入り浸っていた札幌のジャズ喫茶「アイラー」の女主人と35年ぶりに再会した。
彼女は今は国分寺駅そばで「上海リル」という骨董店を経営している。
その店内は、気のせいかもしれないが、ぼくがジャズ喫茶にはまっていた70年代前半の匂いがした。

思えば再会できたことは奇跡に近いのかもしれない。
ネットがあったから手がかりがつかめたのだった。

当時を思い出してエリック・ドルフィーを聴いてみよう。


Eric Dolphy in Europe - '' Left alone ''