中継ぎ哀歌 〜ナカツギエレジー〜

俳優・高杉征司のブログ

「演フェス」発「純粋パレス」経由「前髪を揺らす風」行

5kg太った。
なんだかシルエットがムティムティしている。そんな自分に出会うのは5歳の時以来なので、お久しぶりです! 正確には昨年もこの時期5kg太ったのだが(もてぃろん正月太り)、「悪童日記」の激しい稽古でみるみる元に戻っていった。ずっと「ムキムキ」と言われていたのに、ここにきて「ムチムチ」。ゴロは似ているのに何と差異のあることよ! これが40代か、と実感している。某高校の柔道部でレンジャー部隊のような稽古をし、人殺しの技を磨いていたので体力には自信があった。打倒ヒクソン・グレイシーを標榜して、腕立て・腹筋・背筋各100回を10セットこなし、今では考えられない昭和の風景なのだが、見たこともないような図太いタイヤを腰に結わえ付けてグラウンドを煙が出るほど走っていた。そうやって獲得した筋肉質な身体は代謝が良いのかどうか知らないけれど、特にコントロールしなくてもグラム単位でしか体重の増減はなかった。そしてついに40代の壁。食えば太る。歩けば息が上がる。頭髪は抜け落ち、残尿感がほとばしる。今にうんこ漏らしたりするのかな。そう思うと泣けてくる。でもその涙、拭ったりしない。俺の手はそんなことのためについているんじゃない。漏らしたうんこをバレないように片付けるためについているんだ。涙は乾く、が、うんこは乾かない。いや正確には、乾いたとて「乾いたうんこ」がそこにある。違う。俺はそんな話がしたかったんじゃない。なんだ? 公演情報をお知らせしたかったのだ。クソまみれの手でキーボードを打つ俺は、年齢に抗うべくランニングを始めた。こればっかりは本当のことだ。

純粋パレスイメージ

Kyoto演劇フェスティバル実行委員会プロデュース企画
「純粋パレス」
脚本・演出:田辺剛
日時:2018年2月17日(土) 15:20 開演
   上演時間40分
会場:京都府立文化芸術会館 ホール
出演:西村貴治
   高杉征司
   大熊ねこ
   藤原大介
詳細はこちら→
ご予約はこちら→


そしてもう一つ!


高槻シニア劇団 恍惚一座(うっとりいちざ)
「前髪を揺らす風」
脚本・演出:高杉征司
日時:2018年2月18日(日) 12:30 開演
   上演時間40分
会場:京都府立文化芸術会館 和室
詳細・ご予約はこちら→


短期間に「出演」と「脚本・演出」が覆いかぶさってのっぴきならない状態です。
どうぞ応援しに来てやってください。
みなさんのご来場をお待ちしております!

合同会社stampをこしらえた

先日、2017年10月24日のことになりますが、「合同会社stamp(すたんぷ)」を設立しました。
演出家の山口茜氏と二人で立ち上げました。彼女と私が一緒にやっている劇団「サファリ・P」と彼女がずっと作品を作り続けてきた場である「トリコ・A」、この二つのカンパニーの公演企画・製作が主な事業になります。その他、公共ホールと組んでワークショップを開催したり、作品を創ったり、またはレパートリー作品を買い取ってもらい公演したり、と自主興行以外にも精を出しています。以後お見知りおきを。

さてそんな合同会社stampの事業であるトリコ・Aの新作公演が一ヶ月後に迫ってきました。
自分が出演しているわけでもない公演を「うちの事業が」なんて言って紹介するのは2013年のAAFリージョナルシアター以来だ。昭和の芸人さんが「うちのカミさんが」なんて照れながら話している感じに近い。なんとも気恥ずかしい。「トリコ・A」とは山口さんそのものであり、それは絶対に私の所有物ではない、ということなんだろう。この三年、山口さんとは相当密にコミュニケーションを取りながら作品を一緒に創ってきた。やいやい言う私にヒステリーを起こした山口さんが私の髪の毛を引きちぎったり、休憩時間に私が楽しみにしている「ソルティライチ」をチビチビ舐めていると下剤が入っていたり、ということもなく、我ながらいいコンビだなと感心してしまう。一緒に会社も作るほどなのでそりゃあ仕事の相棒として頼りにもしているのだけど、「トリコ・A」にはほとんど触れずに来た、ここまで。本番を観に行って感想を伝えるくらい。もちろん作品は好きだし、大いに羽ばたいて欲しいと応援しながら少し距離を取っていた。近づきたくないわけじゃなく、あたり前のことだし、まあ少しの遠慮とかケジメだったんだと思う。「安心して! そこまで図々しくないですよ、私!」っていう。ちょっと仲良くなった友達が、俺が帰宅したら部屋にいてラザニアかなんかを温めて喰ってやがったらビックリする、的な。「おかえり」じゃねーよ! 的な。
でもここからは「うちの事業」として積極的に関わっていくことになる。なのでこのブログでも宣伝するのだけれど、いい距離感は持っていたいなと思う。それはもうセンスなんだろうけど、無関心ではいられないし、干渉しすぎるとサファリとの住み分けも分からなくなる。山口さんが創作しやすいように、そして今まで通り誰にも気を遣わず羽ばたけるように、私が少し関わることが刺激になるように、彼女の客観性に訴えかけるように、そして事務仕事を引き受けていく。まあ「良い商品」ができるよう全力で支えるということなのだけど。
というわけで、トリコ・A 演劇公演2018「私の家族」@シアター風姿花伝(東京)みなさんのご来場をお待ちしております!

私の家族

トリコ・A 演劇公演2018「私の家族」
作・演出:山口茜

一人の女が助けを求めてやってくる
家の床下に死体があるという
あなたは半信半疑で女に同行する
床下のハッチを開ける

あなたは胸を撫で下ろす
目を凝らしながら言う
何もないじゃないか
あなたはハッチを閉めて
ふと身震いする
あなたの身体は気がついている
その闇に
あなたがすでに踏み込んでいることに


出演:藤野節子、中田春介、藤原大介、吉岡あきこ、長尾純子、昇良樹

日程:2018年1月18日(木)〜21日(日) 全六ステージ
   1月18日(木) 19:30〜
      19日(金) 15:30〜 / 19:30〜
      20日(土) 12:30〜 / 16:30〜
      21日(日) 12:30〜
   ※受付開始は開演の40分前、開場は開演の20分前

会場:シアター風姿花伝
   東京都新宿区中落合2-1-10

チケット:当日精算予約 3,000円 当日券 3,500円
     初日割(18日の回限定) 2,000円(要予約)
     U25(25歳以下) 1,500円(要証明書)
     公演詳細・ご予約はこちら→


高槻シニア劇団WakuWaku 第二回公演「遠くに街がみえる」

 私が脚本・演出をしているシニア劇団の本公演が迫ってきた。

 今年で二年目。半年かけて演技の基礎トレーニングをして、残り半年で公演稽古をするというサイクルで活動している。昨日より今日、去年より今年、と上達すべく取り組んでいるのだが、そこは人間の面白いところで、そんな簡単にデジタルに情報が蓄積されていかない。一進一退の毎日だ。
 では上達していないかというと、勿論そんなことはなく、むしろ去年の公演映像を観てみると「ああ、格段にうまくなったな、みなさん」とため息が出る。じゃあ手放しで喜べるかというと、それはそれで勿論そんなことはなく、それぞれが抱えている演技上の問題の根本はそんなに変わっていなかったりする。変わったと言えば変わったし、変わってないと言えば変わってない。
 若かりし私は、ツンツンの感性とゴリゴリの自意識とヘロヘロの思想を武器に社会と闘っている、つもりでいた。それは勿論強烈な承認欲求に苦しんでいただけで、社会と闘うどころかとんだ一人相撲なんであって、思い出すだに赤面する。しかし、今の自分の思考の軌跡や行動原理をつまびらかにしてみると案外変わっていないことに愕然とする。いやいや、でもあの頃よりは格段に生きやすくなっているし、アウトプットの形も変わっている。そう、私自身、変わっていると言えば変わっているし、変わってないと言えば変わってない。そんなお話を書いてみた。

 シニア世代が話しているのを聞くと「若者のエネルギーはすごい」的な言葉をあらゆる文脈で耳にする。私に言わせれば「あんたらの方がよほどエネルギッシュだよ! よほどね!」と思うのだが、まあ彼ら自身はそうは思っていないようだ。得てして自分のことは分からないものだ。加齢で随分エネルギーを失ってそれでなおあのエネルギーならば、若い時は睨んだだけでガラスが割れるほどのエネルギーでないと辻褄が合わない。勿論体力も落ちれば、関節も痛み、可動域は狭くなり、すぐに息が上がる。これ以上言うと怒られるのでこの辺にしておくが、そんな体感が若さへの憧憬やら失った何かやらを彼らに意識させるのだろうが、私から見れば「彼らは歳を取って何を手に入れ、何を失ったのか」とんと分からない。
 当然「質」の変化は確実にあるし、物理的には陰りもある。一方で精神性や癖、面影などすこし突っ込んだ部分に着目すると案外変わっていない。そう、やっぱり変わっていると言えば変わっているし、変わってないと言えば変わってない。まあそんな差異は着眼点が変わると随分と違ったものになるのであって、そうやって過去の自分と今の自分を客観的に見つめようという試み自体に一つ価値があるように思う。そして、過去がどうであれ、今がどうであれ、我々はこの先も生きていくという現実。
 還暦同窓会で、42年ぶりに思い出の学生寮にやって来た四人が、過去と現在が錯綜する中、自分を見つめていく物語。皆さんのご来場をお待ちしております。

以下、公演詳細。
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高槻シニア劇団 WakuWaku 第二回公演
「遠くに街がみえる」脚本・演出:高杉征司(サファリ・P)

「遠くに街がみえる」チラシ表


還暦同窓会で思い出の学生寮に集まった四人。

この寮も間もなく取り壊されるようだ。あの頃と何も変わらない佇まい。何も変わらない「私たち」。けれど確かに何かが変わっている。そこで一夜を明かすうち、蓋をしていた記憶が、感情が少しずつ甦る。若さの放つエネルギー、それゆえの過ち。

「我々は何を失い、何を手に入れたのか?」


18歳の当時と60歳の今が交錯するシニア世代による青春群像劇。


【日時】
2017年11月2日(木) 11:00〜 / 15:30〜
                   3日(金・祝) 13:00〜
※開場は開演の30分前

【会場】
高槻現代劇場 305号室

【料金】
1,500円
25歳以下及び50歳以上は1,000円

【チケット受付】
高槻現代劇場チケット受付
TEL:072-671-9999(受付時間10:00〜17:00)
http://www.city.takatsuki.osaka.jp/bunka/theater/calender/1222.html

【主催】
公益財団法人高槻市文化振興事業団

【企画協力】
特定非営利活動法人劇研
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