かつて、夜、家にいると退屈で物足りなくて不安に苛まれたその男は、今、夜に家を出ることが億劫で仕方がない。冬は寒いので尚更だ。守りに入ったな、とか、攻撃は最大の防御だぞ、とか耳元で囁く黒い影もすっかり鳴りを潜めている。なんだ、そもそも攻撃って。刺激を求めることなのか? 刺激は差し替え続けないと刺激たり得ない、つまり相当タチの悪い麻薬のようなもので、行き着く先には仄かに不幸の匂いがする。エネルギーが有り余っていた時分はその不幸の匂いに惹かれていた。退廃と絶望の淵で「幸せになりたい!」と切望した瞬間に幸福が全身を駆け抜けた。ほんの一刹那の快楽のためにあとの全てを犠牲にして生きてきた。刹那主義という麻薬。
セーラー服を着て電車に乗ったのは、刺激を求めたからではない。本当の自分に出会いたいわけでもない。ただ、そうすることが自然だからだ。髭もすね毛も剃らず、メイクもしない。ありのままのおっさんの様相にセーラー服がぴたりとへばりつく。どこの駅で降りるかは決めていない。人の目も気にしない。車窓から見える景色はいつものままだ。快晴の空の力を借りて、行けるところまで行ってみる。ただ、そうすることが自然だから。
1月10日(月)、20/100『路線図作曲』というイベントにサファリ・Pみんなで出演します。京都芸術センターのCo-program2021 カテゴリーC「共同実験」採択企画です。
京都芸術センターのフリースペースに張り巡らされたビニールテープをたどりながら紡がれる物語。即興の要素が強いので、何ができるかは明日になってみないと分かりません。ヒトとヒトの人生が交錯する路線図ドキュメンタリーを目撃しに来てください!


セーラー服を着て電車に乗ったのは、刺激を求めたからではない。本当の自分に出会いたいわけでもない。ただ、そうすることが自然だからだ。髭もすね毛も剃らず、メイクもしない。ありのままのおっさんの様相にセーラー服がぴたりとへばりつく。どこの駅で降りるかは決めていない。人の目も気にしない。車窓から見える景色はいつものままだ。快晴の空の力を借りて、行けるところまで行ってみる。ただ、そうすることが自然だから。
1月10日(月)、20/100『路線図作曲』というイベントにサファリ・Pみんなで出演します。京都芸術センターのCo-program2021 カテゴリーC「共同実験」採択企画です。
京都芸術センターのフリースペースに張り巡らされたビニールテープをたどりながら紡がれる物語。即興の要素が強いので、何ができるかは明日になってみないと分かりません。ヒトとヒトの人生が交錯する路線図ドキュメンタリーを目撃しに来てください!


コメント