先日、ツイッターでも記したように再生可能エネルギー100%地域というドイツ環境省がdeEnetというNGO組織に委託して行なっているプロジェクトの国家会議に出席してきまました。

ここでいうところの「100%地域」とは、単に自治体や広域地域でのエネルギー消費量を100%再生可能エネルギーでまかなっているところではありません。理由はそれぞれの自治体が置かれている前提条件が多様で、単に計算上のエネ収支を統計しても意味がないからです。例えば、人口数千人の山村にたまたま大手電力事業者の都合で大型水力発電所が設置されていると、それだけで輸出地域になりますし、風力の場合でも、投資家や大手資本が大きめのウィンドファームを設置すれば、それだけに100%地域になりますが、それにはあまり意味はないからです。
http://www.100-ee.de/

ということで、各種のインジケーター(各自治体の前提条件を加味した上での目標値の妥当性、コンセプトやビジョンの質、市民参加の度合い、政治的な決議、達成度などなど)を用いて、このような地域、自治体がドイツ全土に広がれば、自ずと、国家的に再生可能エネ100%が達成できるだろうという地域が、すでに74選定され(もちろん希望自治体だけ)、候補地域として39が選ばれています。今後、こうした意欲高い目標を上げ、かつ、実績も十分なところをネットワーク化し、より先進的な取り組みを促進し、技術的、政治的に解決しなければならないポイントの早急な改善を行い、短期間で目標達成するように、同時に、こうした先進的な取り組みが面状に広がることを意図して、このプロジェクトはあり、同時にここまで2年ごとにカッセルで大きな国家会議が行われているわけです。
http://www.100-ee-kongress.de/

さて、前置きはこれぐらいにして、いろいろお伝えしたいポイントを。私は2つの分科会に出席しましたが、その中であった興味深い報告についてです。

1.安定供給について:
ドイツでは2011年の上半期で、再生可能エネからの発電の割合がすでに電力供給の20%を超えました。しかも日本のように大型ダム式水力は地形上ほとんどなく、ライン川などの大河に設置された大型水力の割合は3%ですから、7.5%を供給する風力、3.5%を供給する太陽光の設置出力増加とともに、系統への負荷が増大し、ますます安定供給を続けることが難しくなっています。

ドイツ国内には総出力で160GW程度の発電施設がありますが、風力、太陽光、コージェネなどを除き、かつ各種の発電所の稼働率などを考慮すると、安定供給できるのは90〜100GWと言われており、この総出力と安定供給出力の差は、さらに風力、太陽光を設置すればするほど開いてゆきます(ちなみに平日ピーク時の独の電力消費は夏場で60〜70GW、冬場で70〜80GW程度)。もちろん、全土に分散して設置されている太陽光と風力からの発電量が日中のピーク時に同時にゼロになることはないのですが、それでも2020年に再生可能エネ35〜40%が実施されるロードマップを考慮した時、各種の系統負荷軽減の対策は、素早く実行する必要があります。

ということで、優先順位ごとに、この対策について、分科会の報告を交えて、少し詳しくこれを論じてみましょう。