副題:
変動性再エネ(VPP)には大規模な系統強化と火力のバックアップ、そしてバッテリーが必要と主張する方には、どんな新しい情報が足りないのか?
はい、予定通りとはいえ、今回の気候変動枠組条約締約国会議(COP23)は大きな盛り上がりも見せず終わりました。
で、その後、なんだか知りませんが、いきなり以下のようなニュースが連続してUPされました。
http://www.sankei.com/
http://jp.wsj.com/
どうもこうした文章を読んでみるに、こうした記事を書かれる方々は現在欧州で行われている大々的な電力需給構造の大転換について新しい情報、知識を得られてないように見受けられます。個別のこうした記事への反論についてはSNSなどですでに掲載されていますので、それは譲るとして、今回は「サルでもわかるVPP」と称して、少し新しい状況について取りまとめてみたいと思います。
※参考:http://www.bmwi-energiewende.de/EWD/Redaktion/Newsletter/2017/16/Meldung/direkt-erklaert.html
もし通常の消費者が新鮮な野菜を買い求めたいと思ったら、スーパーマーケットに行きます。ここでの野菜のほとんどは卸市場を通ったものが陳列されますが、JAが大量に農家から買い上げて卸している状況でもあり、基本的に農家はスーパーマーケットの売り方如何にかかわらず、(特殊な事情があって市場価格が大きく変動していない限り)生産した野菜をそのまま販売することになります。この(すべてJAに依存するような)農家は消費者に対しての直接的なマーケティングや小売りのための営業とは切り離されています。
はい、こんな状況がドイツでは長らく再生可能エネルギー電力の分野でも続けられてきました。
※厳密には異なるんですが、大雑把に言えばという意味で
1991年から「電力供給法」、および2000年からの「再エネ推進法」によって、(固定価格)買取制度(FIT)が導入されて以来、2012年に再エネ電力の「直売制度」が導入されるまでは、再エネ発電事業者は、自身で生産した電力を送電網を管理している電力系統事業者(TSO)に法律で定められた金額で、ほぼ全量、自動的に買い上げされてきたわけです。
TSOはその買い上げた電力をそのままスポット市場に卸し、買い上げた金額と販売できた金額の差を賦課金(サーチャージ)として電力消費者に電力消費量あたり均等に徴収するという仕組みであったわけです。
電力の流れ(その1)
再エネ発電事業者→(DNO)TSO→電力取引市場(スポット市場、EPEX)→BRP連携⇔電力小売り事業者→消費者
このFITでは、当時割高な再エネ電力を大量に普及させることによって安価にすることを目的としていましたから、太陽光発電の場合2004〜2014年の10年間、陸上風力発電の場合1998〜2008年の10年間の間で爆発的に価格は低下することになり、同時に技術的な信頼性も上昇し、その他の発電源と遜色ないレベルまで引き上げることができました。ということで、FIT助成の必要性が薄くなったドイツでは、段階的に2012年からFITを卒業してゆきます。つまり、JAによる買い上げと卸市場、そして小売りへといったような流通経路自体も変化することになったわけです。
もちろん野菜の場合、その他の流通経路が存在していることはご存知ですよね。農家自身が市場(マルシェ)や野菜ボックスなど宅配で直売する経路、あるいはレストランやスーパーなどに流通や卸を通さないで直接に販売する方法です。
※また生産者である農家も皆、スーパーマンではありませんから、この場合、いわゆる「産直事業者」が介入するケースも多いですね。
そう、ドイツの再エネは、2012年から段階的に(当初は自発的にインセンティブを与えて)、そして2016年からは一部の例外を除いてすべて義務(!)として直売されるようになっています(FITの卒業とFIPの開始)。
※この際、直接販売に突入する再エネ事業者には電力の安定供給を担うTSOの指示する形での遠隔制御機能を搭載している必要がある
その手法は次の2通りです。
1.再エネを発電する事業者は、その電力を(特別なものとして)販売している電力小売り事業者にそのままダイレクトに販売する。この相対取引においては、再エネ電力を購入した小売事業者は、バランシンググループを自社で設立しているか、あるいは他者との連携で(あるいは誰か胴元の下での)バランシンググループに加盟していることが条件づけられています。つまり、小売事業者はいわゆる「需給責任会社(BRP)」であるか、そこにサービスを委託している必要があります。なぜなら、電力は消費する量と発電する量が一致している必要があり、ほとんどすべての電力小売り事業者は、自身の直接仕入れのみで販売分の同時同量を達成することは困難で、少なくとも電力取引市場で仕入れの余剰分を販売したり、不足分を市場から購入する必要があり、その場合にはBRPを通して、15分同時同量という規定を守らなければならないからです。
電力の流れ(その2)
再エネ発電事業者→小売事業者⇔BRP連携→消費者
※FIPの枠組みからの離脱(少数派)
2.もう一つのルートは、相対での購入者が見つからない場合、あるいはそれよりも高額に販売できることを期待する場合、再エネを発電する事業者は、その電力を電力取引市場に販売することができます(FIPを期待するならスポット市場への全量販売が義務)。ただし、電力取引市場において電力を売り買いするためには、電力取引市場が指定する教育・トレーニングを受けており、パワートレーダーとしての資格を有している自らがBRPであることが求められるため、風車を1基所有している農家のおっさんが自身でその立場になることはほぼ100%不可能です。したがって、通常の場合、この資格を有するBRPに直接販売してもらうか、あるいはあるBRPに加盟しているアグリゲーター(直接販売事業者)に電力取引市場への直接販売を委託することになります。
電力の流れ(その3)
再エネ発電事業者→アグリゲーター⇔BRP連携(あるいは直接BRPに)→電力取引市場→BRP連携⇔電力小売り事業者→消費者
※FIPの枠組みを活用(大勢)
はい、電力の流れが(その1)から(その3)に変わったことによる破壊力が強烈なのにはお気づきしょうか?
でもサルでは気が付かないと思いますので、ここでも詳しく解説しますね。
ドイツでは再エネ電力の中でも、太陽光発電、および風力発電が大々的に推進されてきましたし、今後もこの二つが電力市場を牽引してゆく予定です。これらの再エネは変動性再エネ(VRE)と呼ばれ、特徴は、燃料が無料で、発電原価が安価、温室効果とはほぼ無縁ですが、お天気任せで発電出力が天候によって左右されることです。ですから、もし無能なアグリゲーターに再エネ販売の委託を依頼すると、その他大勢の無能が同じようにするように、芸もなく、そのまま仕入れたものをBRPを通じて市場に全量を販売することになります。
例えばドイツが快晴で太陽光が強い際には、スポット市場には太陽光発電由来の電力が大量に出回り、豊作貧乏、つまり取引価格が下落した状況での販売することとなります。風力についても同じです。
しかし、アグリゲーターの中には次のように考える賢い人(サルではない!)が出現してきました。
もし、ドイツ全国各地の再エネ発電事業者の中から、地域に偏りがないようにバランスよく太陽光発電を買い上げ(全土で天候が同一になることは稀なので)、同時に、「補完効果」のある風力発電の買い上げ量も太陽光とのバランスを重視して、追加でバイオマス発電や水力発電などの調整が利く電源と、産業用の大型冷蔵・冷凍設備などの調整が利く電力消費者をうまくポートフォリオとしてまとめ上げ、それらをあたかも一つの大きな(需要に対応できるような)発電所として販売するなら、何か一つに偏って販売するアグリゲーターよりも、常に高い価格で電力取引市場で売りぬくことはできないか?
※太陽光と風力の補完効果とは、日中は日射があるが風が弱く、夜間は日射がないが風が強く、夏は日射大で風が小、冬は日射小で風が大、荒天時は日射が小で風が大、晴天時は日射が大で風が小などの通常の天候時には多くのケースでお互いに補完し合う関係にあること
はい、でこれらを実現するために、考え抜かれたポートフォリオとリアルタイムでの再エネ電力の情報収集端末・制御機能を整備し(VPPボックスの取り付け)、そして高度な天候予測情報を盛り込んだアルゴリズムを編み出したアグリゲーターのことをドイツでは仮想発電所(VPP)事業者と呼ぶことになります。
現在のドイツでこのVPP事業者は100を数えると言われています。
VREの発電事業者にしてみれば、市場でより高く売り抜いてくれるアグリゲーター(VPP)に直接販売の委託をより一層行うようになります。そうした人気のあるアグリゲーターはさらにポートフォリオの中身が充実し、より利益を稼ぐことができるようになり…
※FIP制度では、再エネ発電事業者が受けられる助成は、以前のFITでの固定買取に該当する価格(現在は入札で規定)から電力取引市場での平均取引価格を差し引いた残りの部分だけをプレミアムとして得ることができます。プレミアムは一定なので、市場で高く売りぬいた分だけより利益を最大化できる
VREが今後も継続的に増加すればするほど、彼らVPP事業者は、あの手、この手で、自身の仮想の発電所を柔軟的に運用する手法を市場原理によって編み出してゆくことでしょう。
そして、もし何らかの時点で、ネガワットを提供してくれたり、出力を上下制御してくれるバイオガス発電などよりも安価になるときが来れば、設備利用率を重視して、ある効果的な規模のバッテリーもVPPのポートフォリオに入れても良いだろう、という感じでの普及は吉です。
ということで、太陽光発電を設置したら、発電しないタイミングがあるので、その分をカバーする火力発電、あるいは太陽光を吸収できるような蓄電池の整備が必要だ、と古い古い考え方だけを一方的に述べる方々は、こんな新しい情報におそらく触れたことがない方です。もし触れているなら、柔軟性という用語や市場、BRP、VPPなどの用語、あるいは蓄電池についても上記のような文脈で登場しない方がおかしいわけですから(あるいは意図的?)
さあ皆さんもサルにならないように注意しましょうね。
ということで、この辺の新しい再エネビジネスについて、ポストFITというテーマで欧州在住の実力者(私だけが否実力者…)による共著を書きました。『100%再生可能!』シリーズの第三弾です。
https://www.amazon.co.jp
現在精力的に校正中で、来年2月には出版できる予定です。お楽しみに!
変動性再エネ(VPP)には大規模な系統強化と火力のバックアップ、そしてバッテリーが必要と主張する方には、どんな新しい情報が足りないのか?
はい、予定通りとはいえ、今回の気候変動枠組条約締約国会議(COP23)は大きな盛り上がりも見せず終わりました。
で、その後、なんだか知りませんが、いきなり以下のようなニュースが連続してUPされました。
http://www.sankei.com/
http://jp.wsj.com/
どうもこうした文章を読んでみるに、こうした記事を書かれる方々は現在欧州で行われている大々的な電力需給構造の大転換について新しい情報、知識を得られてないように見受けられます。個別のこうした記事への反論についてはSNSなどですでに掲載されていますので、それは譲るとして、今回は「サルでもわかるVPP」と称して、少し新しい状況について取りまとめてみたいと思います。
※参考:http://www.bmwi-energiewende.de/EWD/Redaktion/Newsletter/2017/16/Meldung/direkt-erklaert.html
もし通常の消費者が新鮮な野菜を買い求めたいと思ったら、スーパーマーケットに行きます。ここでの野菜のほとんどは卸市場を通ったものが陳列されますが、JAが大量に農家から買い上げて卸している状況でもあり、基本的に農家はスーパーマーケットの売り方如何にかかわらず、(特殊な事情があって市場価格が大きく変動していない限り)生産した野菜をそのまま販売することになります。この(すべてJAに依存するような)農家は消費者に対しての直接的なマーケティングや小売りのための営業とは切り離されています。
はい、こんな状況がドイツでは長らく再生可能エネルギー電力の分野でも続けられてきました。
※厳密には異なるんですが、大雑把に言えばという意味で
1991年から「電力供給法」、および2000年からの「再エネ推進法」によって、(固定価格)買取制度(FIT)が導入されて以来、2012年に再エネ電力の「直売制度」が導入されるまでは、再エネ発電事業者は、自身で生産した電力を送電網を管理している電力系統事業者(TSO)に法律で定められた金額で、ほぼ全量、自動的に買い上げされてきたわけです。
TSOはその買い上げた電力をそのままスポット市場に卸し、買い上げた金額と販売できた金額の差を賦課金(サーチャージ)として電力消費者に電力消費量あたり均等に徴収するという仕組みであったわけです。
電力の流れ(その1)
再エネ発電事業者→(DNO)TSO→電力取引市場(スポット市場、EPEX)→BRP連携⇔電力小売り事業者→消費者
このFITでは、当時割高な再エネ電力を大量に普及させることによって安価にすることを目的としていましたから、太陽光発電の場合2004〜2014年の10年間、陸上風力発電の場合1998〜2008年の10年間の間で爆発的に価格は低下することになり、同時に技術的な信頼性も上昇し、その他の発電源と遜色ないレベルまで引き上げることができました。ということで、FIT助成の必要性が薄くなったドイツでは、段階的に2012年からFITを卒業してゆきます。つまり、JAによる買い上げと卸市場、そして小売りへといったような流通経路自体も変化することになったわけです。
もちろん野菜の場合、その他の流通経路が存在していることはご存知ですよね。農家自身が市場(マルシェ)や野菜ボックスなど宅配で直売する経路、あるいはレストランやスーパーなどに流通や卸を通さないで直接に販売する方法です。
※また生産者である農家も皆、スーパーマンではありませんから、この場合、いわゆる「産直事業者」が介入するケースも多いですね。
そう、ドイツの再エネは、2012年から段階的に(当初は自発的にインセンティブを与えて)、そして2016年からは一部の例外を除いてすべて義務(!)として直売されるようになっています(FITの卒業とFIPの開始)。
※この際、直接販売に突入する再エネ事業者には電力の安定供給を担うTSOの指示する形での遠隔制御機能を搭載している必要がある
その手法は次の2通りです。
1.再エネを発電する事業者は、その電力を(特別なものとして)販売している電力小売り事業者にそのままダイレクトに販売する。この相対取引においては、再エネ電力を購入した小売事業者は、バランシンググループを自社で設立しているか、あるいは他者との連携で(あるいは誰か胴元の下での)バランシンググループに加盟していることが条件づけられています。つまり、小売事業者はいわゆる「需給責任会社(BRP)」であるか、そこにサービスを委託している必要があります。なぜなら、電力は消費する量と発電する量が一致している必要があり、ほとんどすべての電力小売り事業者は、自身の直接仕入れのみで販売分の同時同量を達成することは困難で、少なくとも電力取引市場で仕入れの余剰分を販売したり、不足分を市場から購入する必要があり、その場合にはBRPを通して、15分同時同量という規定を守らなければならないからです。
電力の流れ(その2)
再エネ発電事業者→小売事業者⇔BRP連携→消費者
※FIPの枠組みからの離脱(少数派)
2.もう一つのルートは、相対での購入者が見つからない場合、あるいはそれよりも高額に販売できることを期待する場合、再エネを発電する事業者は、その電力を電力取引市場に販売することができます(FIPを期待するならスポット市場への全量販売が義務)。ただし、電力取引市場において電力を売り買いするためには、電力取引市場が指定する教育・トレーニングを受けており、パワートレーダーとしての資格を有している自らがBRPであることが求められるため、風車を1基所有している農家のおっさんが自身でその立場になることはほぼ100%不可能です。したがって、通常の場合、この資格を有するBRPに直接販売してもらうか、あるいはあるBRPに加盟しているアグリゲーター(直接販売事業者)に電力取引市場への直接販売を委託することになります。
電力の流れ(その3)
再エネ発電事業者→アグリゲーター⇔BRP連携(あるいは直接BRPに)→電力取引市場→BRP連携⇔電力小売り事業者→消費者
※FIPの枠組みを活用(大勢)
はい、電力の流れが(その1)から(その3)に変わったことによる破壊力が強烈なのにはお気づきしょうか?
でもサルでは気が付かないと思いますので、ここでも詳しく解説しますね。
ドイツでは再エネ電力の中でも、太陽光発電、および風力発電が大々的に推進されてきましたし、今後もこの二つが電力市場を牽引してゆく予定です。これらの再エネは変動性再エネ(VRE)と呼ばれ、特徴は、燃料が無料で、発電原価が安価、温室効果とはほぼ無縁ですが、お天気任せで発電出力が天候によって左右されることです。ですから、もし無能なアグリゲーターに再エネ販売の委託を依頼すると、その他大勢の無能が同じようにするように、芸もなく、そのまま仕入れたものをBRPを通じて市場に全量を販売することになります。
例えばドイツが快晴で太陽光が強い際には、スポット市場には太陽光発電由来の電力が大量に出回り、豊作貧乏、つまり取引価格が下落した状況での販売することとなります。風力についても同じです。
しかし、アグリゲーターの中には次のように考える賢い人(サルではない!)が出現してきました。
もし、ドイツ全国各地の再エネ発電事業者の中から、地域に偏りがないようにバランスよく太陽光発電を買い上げ(全土で天候が同一になることは稀なので)、同時に、「補完効果」のある風力発電の買い上げ量も太陽光とのバランスを重視して、追加でバイオマス発電や水力発電などの調整が利く電源と、産業用の大型冷蔵・冷凍設備などの調整が利く電力消費者をうまくポートフォリオとしてまとめ上げ、それらをあたかも一つの大きな(需要に対応できるような)発電所として販売するなら、何か一つに偏って販売するアグリゲーターよりも、常に高い価格で電力取引市場で売りぬくことはできないか?
※太陽光と風力の補完効果とは、日中は日射があるが風が弱く、夜間は日射がないが風が強く、夏は日射大で風が小、冬は日射小で風が大、荒天時は日射が小で風が大、晴天時は日射が大で風が小などの通常の天候時には多くのケースでお互いに補完し合う関係にあること
はい、でこれらを実現するために、考え抜かれたポートフォリオとリアルタイムでの再エネ電力の情報収集端末・制御機能を整備し(VPPボックスの取り付け)、そして高度な天候予測情報を盛り込んだアルゴリズムを編み出したアグリゲーターのことをドイツでは仮想発電所(VPP)事業者と呼ぶことになります。
現在のドイツでこのVPP事業者は100を数えると言われています。
VREの発電事業者にしてみれば、市場でより高く売り抜いてくれるアグリゲーター(VPP)に直接販売の委託をより一層行うようになります。そうした人気のあるアグリゲーターはさらにポートフォリオの中身が充実し、より利益を稼ぐことができるようになり…
※FIP制度では、再エネ発電事業者が受けられる助成は、以前のFITでの固定買取に該当する価格(現在は入札で規定)から電力取引市場での平均取引価格を差し引いた残りの部分だけをプレミアムとして得ることができます。プレミアムは一定なので、市場で高く売りぬいた分だけより利益を最大化できる
VREが今後も継続的に増加すればするほど、彼らVPP事業者は、あの手、この手で、自身の仮想の発電所を柔軟的に運用する手法を市場原理によって編み出してゆくことでしょう。
そして、もし何らかの時点で、ネガワットを提供してくれたり、出力を上下制御してくれるバイオガス発電などよりも安価になるときが来れば、設備利用率を重視して、ある効果的な規模のバッテリーもVPPのポートフォリオに入れても良いだろう、という感じでの普及は吉です。
ということで、太陽光発電を設置したら、発電しないタイミングがあるので、その分をカバーする火力発電、あるいは太陽光を吸収できるような蓄電池の整備が必要だ、と古い古い考え方だけを一方的に述べる方々は、こんな新しい情報におそらく触れたことがない方です。もし触れているなら、柔軟性という用語や市場、BRP、VPPなどの用語、あるいは蓄電池についても上記のような文脈で登場しない方がおかしいわけですから(あるいは意図的?)
さあ皆さんもサルにならないように注意しましょうね。
ということで、この辺の新しい再エネビジネスについて、ポストFITというテーマで欧州在住の実力者(私だけが否実力者…)による共著を書きました。『100%再生可能!』シリーズの第三弾です。
https://www.amazon.co.jp
現在精力的に校正中で、来年2月には出版できる予定です。お楽しみに!