「今、ここ、私」の感奮ブログ~ムラーノがいく~

名南経営コンサルティング 村野文洋 公式ブログ

セミナーや研修で、「あなたの会社は何屋さん(何業)ですか?」とよく問いかけます。「何屋」「何業」と問われて返ってくる答えは、「パン屋」「スーパー」「製造業」と、いわゆる業種、業態が大半です。これはこれで正しいのでしょうが、他社との違いや、その会社の存在価値、存在理由などが伝わってきません。そこで、「事業分野規定」「事業領域(ドメイン)」を決めて、自社の存在理由や提供価値などを落とし込みながら、「わが社は何屋(何業)なのか」を明文化するお手伝いをしています。この事業ドメインを、幹部研修や合宿などを通じて作りこむと、自社が何者なのかが明らかになり、何をなすべきなのかも明白になり、行動が変わってきます。

スティーブジョブズの生涯を記した著書「スティーブ・ジョブズ」の中で、アップルが経営危機に陥った際に、ジョブズが社員さんの前で語ったスピーチが紹介されています。

「アップルは、世界のトップブランドの一つだ。しかし、このところ世の中から無視されている。我々はアップルを再び偉大なブランドにしなければならない。そのために大事なことは、こまごまとした機能やCPUの速度ではない。いかにウィンドウズより優れているかでもない・・・。(中略)
 それに比べて我々は、多額の広告を使っているが、アップルが何者であるのかを誰も知らない・・・。我々の顧客は、アップルというブランドが、何のために存在するのかを知りたがっている。
 我々は、人々が仕事のために使う(コンピューターという)箱を作るだけの会社ではない・・・。我々の価値はそのことを超えている。
 我々のコア・バリューは“情熱を持つ人こそが、世界をより良くすることができる”と信じることだ。“自分が世界を変えられると本気で信じるクレイジーな人たちこそが、本当に世界を変えている”。そのことを信じることだ・・・。」

このように、わが社は何のために存在し、顧客に対してどのような価値を提供する会社であるのか、ということを問いかけ、それを求めていく必要性を訴えかけているのです。

ものが溢れ、製品の寿命がますます短くなる中で、自社のあり方、存在価値を示すことは、改めて重要になってきています。ぜひ、自社は「何屋」「何業」を言葉にまとめてみてください。

_20160604_221143あまりテレビドラマをオンタイムでみる機会はありませんが、最近は、オンデマンドでも見ることができるので、たまに、通勤の移動時間などを使ってみることがありますが、今回のクールでは「重版出来」というドラマを、途中から何度か見ていました。

黒木華さん主演で、コミックの出版社の担当者と漫画家とのやり取りをはじめ、さまざまな人が毎回主役となり、仕事と家庭、仕事と人生などを描いたドラマで、所々で、うるっと来るドラマでした。

その中で、高田純次が演じる出版社社長が、日頃から善行を通じて、「ここ」というときのために「運を貯めている」という件があり、その社長を尊敬するオダギリジョーもまた、良い人になるためにではなく、「ここ」というときのために「運を貯めている」というシーンが、何ともいえなく、心に残りました。

昨今では、ワークライフバランスだとか、ブラック企業などに象徴されるように、仕事とプライベートの両立、バランスを保ちながら、労働法規を遵守した上で、効率の良い仕事の仕方を求められています。時代の変化とともに、働き方も変化していきます。その変化に企業も個人も対応していかなければなりません。ただ、いつの時代でも、仕事でもプライベートでも、何かに夢中になっているときこそが、人生にとっては「幸せ」を感じる瞬間であることには違いなく、形式的な面にとらわれて、没頭して、徹底することで得られる達成感や充実感、人の役に立っているという喜び、自分自身が成長できているという成長実感などを失ってしまいたくはないものです。

「省」というのは、振り返って反省するという意味だけではなく、良いところは残し、悪いところは省くということが大切であると、月刊致知の7月号の巻頭の言葉で、伊與田先生が述べています。
その中には、役所に「省」という字がついているのも、「省く」という意味合いがこめられていると書かれており、本来の役割を現在の省庁や役所が果たしているのか?という疑問も提起しているのかも知れません。

会社も大きくなるに従い、いろいろなルールや管理が増えてきます。ルールが出来た背景には、善意だけでは行動しない、不平等が生じるなどさまざまな理由があるのでしょうが、いつの間にかルールに縛られて、ルールを守るためにさらにルールが生まれる、管理をするために管理をするという呪縛にはまっていきます。そうなると、外向き(お客様や未来)な思考から内向き(社内や上司の顔をうかがう)思考になっていき、組織としての成長を止めてしまうことにもつながります。

だからといって、勝手に無駄だと決め付けてルールを守らないことは、さらに組織を弱体化してしまいます。決めたルールを守るとともに、定期的に省くことが必要になります。そのためにも、常に自らを、組織を省みて、客観的に見つめなおすことが必要だといえます。

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