東京の仕事場はこれまで描いてきたポスターが至る所に貼ってある。作業机の目の前にも。CD用に描いたモノでもいつも目にしているのは、新聞紙広げたくらいのポスターなんで、細かいところまで目が行っちゃう。CDサイズだと全然気にならないんだけどね。

以前SUNSETの『PLATINUM COMPILATION』のジャケやらせてもらった時、渋谷あたりを空から見下ろす構図だったんだけど、「街どこまで描こかな〜」と悩みつつ、結局画面おもクソ拡大して“109らしき建物”とかまで描いて、クライアントであるSUNSETのBAM BAMとキャッキャキャッキャ盛り上がってた。けどいざ出来上がってみたら、CDではもちろん、ポスターでも「109?はぁ?」、リリースパーティの時に作った10畳分くらいのデカいフラッグになってやっと「あ〜言われてみれば...」な感じ。
0801023_10801023_2

ま、これは特殊な例(?)だけど、最近ではMIGHTY JAM ROCKの『BIG TIMERS』も背景の人混みを2回描き直している。最初の描き直しで一応の締め切りはクリアしたけど、どーも人混みの中の数人がシックリいってなくて、まずはそこ直したら、次々と他も気になり出し、結局ほぼ全直して最終入稿に突っ込んだ感じ。

『BIG TIMERS』のジャケは、ペントハウスでパーティーやってる様子を描いたんだけど、直す前は、な〜んか乾杯している人が老けてるというかヤニ濃いというか、怪しい不動産屋の立食パーティーみたいなメンツやったから、直して正解。
080624_30801023_3

STBでも、過去2回ともやたら背景に人を描いている。ダンスホールの現場を表現するという命題があるので、ま、当然なんすけどね。で、今回もワッサワサと描きました。前にも触れたけどいつもよりも“非人間的”にデフォルメしてるんだけど、その度合いにバラつきがあったり、線がムダに多かったりしたのが気になってた。

時間も迫っていたし、「まずは未完成のところを優先で...」と仕上げに向けて作業開始。これは絵に限ったことじゃないんだけど、何か作ったりする時の“止め時”というのが実に難しい。“時間の許す限り描く”っていうが基本で、“止め時”も結局は締め切りの期日だったりするんだけど、各部分ごとに進める場合は時間の配分を上手くやらないと、後が大変。そうならないように、今回はまず全体を整えてから、「よし!背景人混みガッチリやろー!」と決めたのが締め切り3日前。

アメリカには時差があるので、プラス1日あったんだけど、翌日に大阪で撮影予定が入っていたので、リミットは前日の新幹線の終電まで。焦る焦る。とにかく、目が覚めた30分後にはMacに向かい、夜は座り寝してしまうまでひたすらモーレツに過ごした3日間。ほぼ座りっぱなしだと、足ってめちゃムクむんすね。ビックリっすよ。赤ちゃんの足みたくムッチムチ。スネ毛ボーボで“赤ちゃんみたい”は無いやろ!って感じですが、コレってエコノミー症候群だっけ、アレに要注意なんかな?なんしか、体調には良ろしくないな。

そんなこんなで遂に完成の時を迎えた訳ですが、作ってる途中では完成した時の開放感とか想像して「いや、もう、そりゃ風呂でにもゆっくりつかって、キンキンに冷えたビールでもカーッと飲んでさ...」なんて思ってたけど、実際は「で、できたっ!よし八幡さんに送ろう!」で、受け取ったとの電話頂いた時も「イケました?よかった...じゃ、今から大阪なんで、後お願いしますっ!」って急いで荷造りして品川へダッシュ。風呂は?キンキンのビールは?....世の中甘くは無いね。
0801023_5

やっと落ち着いたのは、大阪に向かう新幹線が横浜を過ぎたくらい。車内販売のビールにやっとありつけて、テキトーな乾きモンつまみながら、窓の外を眺めてタメ息ひとつ。暗くて何も見えやしなかったけどさ。「あ〜、出来たな〜。バタバタやったけど、イケるもんやねんな〜。」それが率直な感想。

“納得できるものを期日までに納める”結局はまずそこなんです。その絵がどう評価されるか、そりゃあ良いに越した事はないけど、そこはまた別の話。ジャケにしてもポスターにしても、服もそうなんだけど、それぞれ役割分担のある中で、自分が担当しているのが絵の部分という素材の1つ。完成形になるには、ディレクターやデザイナー、プレス、色んな人が絡むチームとして進んで行くから、その中での責任をまず完璧に果たす事が重要。これって昭和生まれの日本人気質なのか?けど、この仕事はじめてから、その意識は常に持ち続けいるし、これかもキープしていきたいな。


なんやかんやで、長く続いてしまったRoad to STBの連載もやっと着地点が見つかってヤレヤレ。とか言うてる間に、リリースまで後1ヶ月っすわ。日が迫るとドキドキ、ワクワクだね。めでたく世に出て、なんかおもろいリアクションなんかあったら、「STBのその後」って感じで、気が向いたらまたレポートでもしようかね。

ながながとお付き合いくださり、ありがとーございました〜。



テキトーな内容の「ダラダラDIARY」は引き続きアップしていきま〜す。