それはそうだ。俺は今日、莉子を置いて朝早くに学校に訪れたのだ。朝の弱い俺がまさか莉子よりも早く学校行っていることを知ったら、莉子の奴はきっと慌てふためくだろう。
「いったいどうしちゃったの?孝四郎くん?頭になにか悪いものでもできちゃった?」
とか、言ってきそうだ。そう言ったのなら俺は迷わず、莉子のつくる飯の中に頭に悪いモノが入っていたに違いないと返すだろう。
違うって。
莉子には悪いけど、俺は朝早く起きて美凪の作る朝食を交わす約束をしていたのだ。
「じゃあ、今から美味しい朝食を作ります」
「おう」
「腕によりをかけて作っちゃいます」
「軽くで良いぞ」
今のやる気に満ち溢れている美凪に釘を打っておかないと、朝からビーフシチューやら、おせち料理やらを作りそうな気がした。
朝なんだから簡単に食べられるモノにしてほしいものだ。
「…………残念」
シュンとしていた。言わなければ、美凪はなにを作ろうとしていたのだろうか。
「それじゃあ、準備しますね」
「おう」
美凪がゴソゴソと準備に取りかかっていた。
場所は例の仮眠室。
朝早くの部活など開いたことのない料理部(仮)。宿直の先生がいるのだろうと思っていたのだが、そこに先生の姿はどこにもなかった。
先生がサボっているのである。いつか校長先生に告げ口してやろう。
「まぁ、そのおかげでこうして俺たちが朝から部活に励めるんだけどな」
朝からの新鮮な空気での部活動だ。日差しも入りとても気持ちが良い日である。
こんないい日に美凪の作るて料理が食えるなんて、最高の一日を予感させてくれる日であった。
「で、いったい何を食べさせてくれるんだろう、美凪は?」
ちゃぶ台で座っていた俺に美凪が顔を出した。美凪がエプロンをつけて戻ってきたのである。
……エプロン以外は何も身に付けていなかった。
「ブーーーー!!!!」
後ろに倒れ込む俺。「お待たせしました」と、美凪は普段と変わらない声で言った。
「あの……これは、いったい……」
「……。裸エプロン、好き?」
恥ずかしそうに小声で言う美凪。実際恥ずかしい格好をしているんだから仕方がない。こんなところ、誰かに見られたらどうするんだろうか。
「……。好きだよ」
ウソも付けない俺も俺だ。
「じゃあ、この格好で料理を作りますから」
「マジか?」
一回頷いて美凪は料理を作り始めた。
手際良く材料を包丁で切る音が響き、火にかけて野菜を炒める音が聞こえ始める。
そんな小気味良い音を聞きながら、後ろから美凪の裸エプロンを見つめる俺。背中は丸見えであり、後ろで蝶々結びで縛ったエプロンの紐が可愛らしい。美凪が横に移動するときに脇から見える乳房の膨らみが、朝から俺のムスコを悶々とさせる。
と、いうより、朝から美凪の料理をちゃぶ台前で待っているのだ。その姿はまるで新婚したての妻の料理を待つ夫そのものというシチュエーションであった。
「ムフフ……」
いかん、ヘンな声をあげてしまった。美凪にも聞こえてしまったみたいで、俺の方を振り向いていた。
「孝四郎さん……」
甘えた声で非難する美凪。お尻を突き出しているせいか、先程まで見えなかった美凪のおま〇こまで俺にはバッチリ見ることが出来た。
い、イカン……!まったくもってケシカラン――!
飯を食うと言うはずだったのに、今の俺はもう我慢の限界だ。
「待て」と言っても聞かないぞ、美凪。俺は忠犬ではなく、狼だ!
お腹が空いた俺だけど、食欲よりも性欲を満たしてくれ!
「美凪――!」
わるいな、美凪。
俺が食べたいのは、美凪の作る手料理ではなく、美凪そのものだ――。
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