雪景色を見ると
 心が透明になる
 気がする


 慢性的な病気を抱えながら生きていくためには、健康管理は特に重要である。これは当たり前と言えば当たり前なことだが、脊髄小脳変性症という難病に付き合いながら生きるようになって、そのことを強く実感している。
 ちょっとでも体に合わないことをしてしまうと、途端に具合が悪くなってしまうからだ。

 たとえば、食べ物や飲み物についてだが・・・
 ある食べ物や飲み物が体に悪いか悪くないかは、普通、食べたり飲んだりを繰り返してから分かることが多い。劇薬や麻薬を除けば、何が体に悪いかは経験から学ぶ。客観的に体に悪いとされているものでも、習慣上慣れていて、特に健康状態を悪化させるのでなければ、食べたり飲んだりを繰り返してしまうのが普通である。それが好物であれば、尚更そうだ。
 とは言え、食べたときに「美味しい」と思っても、何度か食べてみて、そのたびに体が重くなったり気分が悪くなったりすれば、その食品は体に合っていないことが分かり、その後は食べようとはしなくなる。

 私はビールが好きで、夕食の時には必ずビールを飲んでいた。食事もビールに合うメニューが多かった。うちの家系は、酒豪揃いの家系である。私も家系の血を引いてかアルコールには強かった。
 しかし、50歳を過ぎた頃から急にアルコールに弱くなり、ビールを2本位も飲めばそのうち寝こんでしまうようになった。さらに数年経つと、ビールそのものが余り美味しく感じられなくなってしまった。美味しいと思えるのは、本当の意味でせいぜい「最初の一杯」だけになってしまった。
 脊髄小脳変性症が発症したと推測されるのは、丁度その頃である。
 病状が進み、ふらつきが可成りひどくなっている今は、ビールを1杯も飲もうものなら、もう大変なことになる。すぐに腰が抜けたようになり、立ち上がることもやっと、気分が悪くなり横になる他に何もできなくなってしまうのだ。
 ビールの味がどうこうと言うのではない。もはやアルコールがよくないのである。脊髄小脳変性症の「私の」健康管理にはアルコールはご法度だ。

 食事でもスィーツでも食べた後にひどく気持ち悪くなるものがある。そうなる食べ物は、以後は口にしないようにしている。ある意味、体に悪いものはすぐに分かるようになった。

 睡眠についても、制約が大きくなっている。
 夜更かしや徹夜をすると、次の日1日、下手をするとその次の日まで体調の悪い状態が続いてしまう。私の健康管理にとって、日付が変わる前に就寝することは(できれば10時頃)、翌日を有意義に過ごしたいのであれば「絶対条件」である。

 「健康管理」というのは、実は、やさしいことではない。「健康管理をしっかりしなければ」と囚われてしまい、却ってそのことがストレスとなって体調を崩してしまうなどという事も起こり得るからだ。案外「健康管理」など全く気にしない人の方が、よっぽど健康であったりする。

 ここで問われるのは「中道」を行けるかどうかということである。つまり、「健康管理」にとらわれずに健康管理ができるかという問いだ。私たち難病を抱えながら人生を生きなければならない者には、その問いが投げかけられている。



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