支離滅裂 の巻

9fe919df.jpg 机の上に左の肘をついて、上を向けて開いた手の平には顎を乗せている。
 頬杖をついているのだ。
 右手は何をしているかというと、パソコンのマウスを掴んでいる。
 では、私が何をしているかというと、実はただボーっとしている。
 パソコンの前に座ってはいるがディスプレイを見ているわけでもない。
 何かを考えているというのでもない。
 眠りに落ちそうな状態で椅子に座っている。
 目をつぶれば一瞬にして眠りの世界に入れそうだが、なかなかそうはならない。
 うまく行けば椅子に座ったまましばらく夢が見られる。
 眠り込んでしまえば今やっている作業が遅れてしまうとか、目が覚めたらどうしなければいけないとか、そんなことは考えていない。
 このところ、晩酌後の私はいつもこんな調子だ。

 携帯電話のこと。
 私はまだガラケーを使っている。
 ガラケーって何だと思った頃が懐かしい。
 ガラパゴス携帯なんてどんな人が考えた言葉か知らないがなかなかの発想だと思う。
 今では私もガラケーがどうのこうのと普通に言っている。
 ところで、今使っているガラケーが壊れたら私は次の携帯をスマホにするのだろうか。
 ガラケーが売られていなければスマホにするしかないが、ガラケーがあれば次もガラケーになるはずである。
 ガラケーの何がいいかと聞かれればちょっと困るが、利用料がスマホより安いというのが大きな理由。
 スマホに魅力がないということではない。
 家族に無駄遣いのチャンピオンと囁かれているほど無駄遣いをしていつも大した小遣いを持っていない老人なので利用料の高いスマホへ移行できないのだ。
 例えスマホに変えたとしても、私は目が悪いからゲームはできないだろう。
 多用するのはたぶんカメラとインターネット。
 手の平に乗る道具で簡単にネットサーフィンができるというのは魅力的である。

 無駄遣いと言えば、思い当たることだらけ。
 昔風に言えば骨董屋みたいな、今風に言えばリサイクルショップみたいな、格好つけて言えばアンティーク屋みたいな、そんな店を覗くのが好きで安物を何だかんだ買ってしまう癖がある。
 もちろん、古本屋も好きである。
 川柳を始める前、村に住む骨董の好きな人としょっちゅう酒を呑み骨董のことをいろいろ教えてもらったことが今のそんなところにつながっている。
 骨董と言えば古美術品みたいで恰好いいが、私の場合美術品と名の付くものを買うようなパワーがどこにもないので買うのは単なる古物である。
 古物を売ったり買ったりするには古物商許可証というものが必要で、私に骨董のことを教えてくれたひとも古物商ではなかったがそれを持っていた。
 その許可証というのは、警察署を経由して都道府県の公安委員会へ書類を提出すればたいていもらえるらしい。
 試験はないはず。
 古本屋をやるにもその資格が必要なのだそうだ。
 話が脇にそれた。
 古物は普通の商品と違うところがある。
 何が違うかと言えば、普通の商品は店に現物がなくても注文すれば大抵手に入れることができるが、古物は目の前にあるものを誰かに買われてしまえば次にいつお目にかかれるか全く分からない。
 いつどんな品物が入荷するかも不明である。
 だから、古物を置いている店はしょっちゅう顔を出してチェックしなければならない。
 そうしないと、自分の欲しい物が入荷しても誰かに買われてしまったりする。
 全く油断ならないのがそんな店で、買わなかったり買えなかったりして後で「あの時無理をしてでも買えばよかった」と悔やむことも多い。
 その辺のスリルがまたおもしろいところ。
 例えばリサイクルショップと普通の文房具屋に同じ万年筆があるとする。普通の店では未使用のものが定価で売られているが、リサイクルショップでは同じ未使用の物でも定価よりずっと安く買える。
 だから、何本も持っている万年筆でもついつい手が出てしまう。
 それが私の無駄遣いの実態である。
 古物でも特殊な物は逆に新品より遥かに高いこともある。
 私が買えるのは鉛筆とかコップとか本などで、せいぜい頑張ってもパイプ椅子とかである。
 ということで、プレミアムのついたものは買わない、買えない。
 古物を置いている店では廃盤になった物を見つけることもある。
 そんな楽しいところだが、買おうとするものは注意深く見なければいけない。
 壊れた物を壊れた物として平然と売っているのがそんな店であり、レジに品物を持って行くと「状態を確認しましたか」「品物は交換できませんので」とよく言われる。
 自分の責任で物を買わなければいけないのだ。
 古いものは妙に人間を惹きつける力を持っている場合があって、そんな物に出会う楽しみもある。
 あ、M舎のあの古い額縁まだあるだろうか…。

 と、ここで目が覚めた。
 パソコンに向かったまま眠り込んであれこれ夢を見るのは楽しい。
 ではあるが、首が疲れる。


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Posted by musan8 at 2017年11月15日 14:10│Comments(0)