多分、キミはあの大晦日の夜、コタツでみかんを食べながら小林幸子の土派手な衣裳にツッコミを入れることも無く、職場の片隅でじっとその時を待っていたんだろう。
そして
多分、キミは任された仕事の意味を心の中で何度も反芻し、期待に押しつぶされぬようそのプレッシャーと戦っていたんだ。
それから
多分、キミは自分の将来を照らす希望の光を思い浮かべて、ほんの少しだけ高揚感を覚えていたかもしれないね。

わかるよ、その気持。

地方で過ごした新人時代、出世する同僚に焦りを感じながらも「お前らしいやり方で頑張ればいいじゃないか。」と諭してくれた上司の言葉を胸に踏ん張ってきた数年を思い返していたのかもしれない。

或いは

長崎の離島に住む年老いた母親の顔がふと過ぎったかい?
そして…秋に亡くなった父親、もう少し長生きしてくれたらなぁ…なんて?

…うん、そうだろうね。それもわかる。

そう言えば知っていたかい?キミのお母さん、あの日、島の唯一の電気屋…そう、山村電機商会の邦ちゃんだよ、キミの幼馴染の。彼にビデオデッキを借りて録画を頼んだそうだよ。それからキミのおばあちゃんも。キミのお父さんが亡くなってからすっかり身体も弱って寝込んでたって言うのに、あの日は何故か起き上がってきてずっと上機嫌だったって。
親、肉親っていうのは…なんていうか…その素直さがあまりにも照れくさいけど、けど…嬉しいよね。

キミの彼女も、あの日は近くの深夜営業のコーヒーショップでずっと待っててくれていたんだってね。君の晴れ姿を見るために、そして「お疲れ様」を言う為に。携帯をワンセグに買い替えてまで。

家族、友人、同僚、上司、そして恋人…
キミを見守り、そして支えてきた全ての人たちに応えるべく…そして何より自分自身のために…

その大役を果たそうとしたんだ。
その意気込みは誰にも否定されるものじゃない。みんなわかってるよ、大丈夫。

でも。
でもキミは…。
でもキミの第一声は…。
でもキミが発した2008年最初の言葉は…。

「●%&$XX△$…」

おい、こら小松ぅーーーっ!!!
新年一発目で「あけましておめでとうございます」を噛んじゃうって…どうよっ!

以上、動画以外は完全なるフィクションでお送りしました。
某氏によるとこれが「新年一発目の初笑い」だったんだそうで(笑)

●小松宏司(こまつこうじ)
NHKアナウンサー
ちなみに7月8日生まれ。
三谷幸喜や谷原章介、三枝成彰と同じ誕生日らしい。