ウチの営業所に伝説の尻軽女乗務員がいるんよ。








尾満サセ子(34歳/友近煮)










身の締りのよい回遊魚を髣髴させる風貌と、何処となく床上手を連想させる腰つきが自慢のサセ子なんだけど、男癖っつーか貞操基準が低すぎるっちゅーか何中華ね(笑)

まぁ余程のドブスでもタクシー業界に来ると腸モテモテ&ウハウハになっちまうわけで、尾満サセ子も辛かった青春時代の反動が一気に出ちまった感があるわけだ、ってか知らんけど。


調子に乗ったサセ子、片っ端から男漁りをおっ始めちゃったわけで、やっぱ日頃もてないっつーか、生まれてこのかたもてた試がない盆暗乗務員が次から次へとその毒牙にかかっちまったからさぁ大変、ってかわし的には全然大変じゃないんだけどね クスクス


そんなまったり営業所に異変が起きたのは、オウム逃亡犯の話題でもちきりだった時と同じ入梅前の午後だったよ。




『おぉーい、はだゲソ課長大変だよ大変!トイレにコンなモンが貼ってあったよ!!』



口角泡を飛ばしわしんトコに転がり込んできたのは、当直のご意見番としてお馴染みの "レッドシューズ・アルバチャコフ・豊登(78歳/夜はまだ現役)" なわけで。


その手に握られていたっつーのがA4用紙を1/3ぐらいにした紙切れでね、何やら勉強のできなさそうな、且つ頭の悪そうな文体が踊っていたというね。









曰く、 4126号車の尾満サセ子は誰とでも寝る尻軽女



曰く、 尾満サセ子は性病だからチンチン痛くなるかもねカモネそうかもね



曰く、 セックスしたい人、090-×××-1234(サセ子の携帯電話番号)に今スグ電話!








わしゃ無表情でそのチラシ(笑)を眺めると、やはり無表情でシュレッダーにシュラシュシュシュ。


慌てるレッドシューズ・アルバチャコフ・豊登 (以下豊登)


酸欠の金魚が如く、口をパクパクさせながら何か言いたそうな豊登を無視して、今日の日報チェックをはじめるわし。

その背中目掛けて豊登ったら信じられないセリフを吐いたよ!




『放っとくんでツか!?』









わし、慌てず騒がず、こう切り替えしたよ。




『放っておくとは?』

『尾満サセ子のことですよッ!』

『彼女が何か』

『だから彼女が誰にでもヤラセてくれるっつーことですよッ!』

『豊登さんもお世話になりたいわけ』

『うん、一回ぐらい・じゃなくって、このままじゃ大変なことになるでしょうがぁッ!!』

『豊登さんの大変っつーのがどのような大変なのかは分かんないけど、多分大丈夫だよ』

『何処からくるんですか、その自信は??』






しかし完全自信体のわしが、この後驚愕の事態に巻き込まれるッ!

女郎蜘蛛と化した尾満サセ子が巻き起こす心霊現象とは!?

明日お前らは女の執念とタクシー乗務員のモテなさっぷりに人生観を変えることになゃーる!