メキシカン

食用では普通クロスズメバチを指すが、
五倍近く大きいオオスズメバチは串焼きがオススメ。

老熟幼虫、前蛹、蛹、羽化直後の成虫の四段階を一本の串に刺し、
食感の違いを楽しもう。

香ばしい焼きたてを頬ばる。虫の旨味が口中に広がる。
シンプルだが贅を尽くした一品である。

幼虫は肛門がないので調理にはフン抜き作業がかかせない。


蛹はフン抜きの必要がない。繭を作った段階で肛門が開通し脱糞する。
この段階を前蛹といい、食感はクリーミーでやわらかく、味はほのかに甘く、
どこか懐かしい香りにほっと安らぐ味わいがある。

オオスズメバチ食文化をいまに伝える宮崎県高千穂地方では
前蛹を「フグの白子より美味」と絶賛する。

 やがて数日で目鼻立ちがしっかりしてきて、食感も違いやや歯ごたえが出てくる。
日を追うごとにキチン質が固まってシコシコした歯ごたえがしてくる。

白い繭を取ると羽化直後の成虫が巣から這い出してくる。
体はまだ固まっていないが、歯ごたえは十分あり、噛み締めると旨味が口中にひろがる。

 メキシコ風タコス料理にもよくあう。カリッと揚げてサルサとともにトルティーヤ
に包んでほおばろう。南米の陽気なリズムが聞こえてきそうだ。

虫男