「孤高」

辞書で引くと、「 ただひとり、他とかけ離れて高い境地にいること」とある。

約二年振りに、HARRYを観た。前回は、盟友 ZUZU と JAMES を迎えての演奏(@磔磔)だったこともあり、あまり感じなかったが、今回はソロ公演ということもあり、冒頭の言葉が頭に浮かんだ。観ている間も。観終わった後も。一日経った今もそれは変わらない。


恐らくスライダーズ解散直後、そしてしばらくの間は HARRY 自身もファンも「昔」の曲を耳にすることに対して必要以上に構えていた時期があったような気がする。

入場時にもらったフライヤーには、「1983年3月 The Street Sliders でデビュー。結成 20 年デビュー17年目の 2000 年10月29日、日本武道館の公演を最後にその活動にピリオドを打つ」とある。

翌 2001 年よりソロ活動を開始。時は流れ、今は 2016 年。ということは、今回のツアーを機に17年目に突入することになるわけだ。


今更、HARRYがスライダーズ時代の曲を演奏することにとやかく言う人はいないだろう。いや、いるとすれば現在の彼の活動に興味がない人だろう、きっと。スライダーズというバンドは、もはや村越-HARRY-弘明というアーチストのキャリアの一部であり、今の彼が自分のキャリアの総括として当時の曲を歌うことはとても自然なことだと思える。

ストリートスライダーズ→ HARRY という順番ではなくて、HARRY →ストリートスライダーズという感じかな。

余計なものすべてをそぎ落としたステージングと演奏は、昔とあまり変わっていない。でも、音数が少ない分、一音一音の重みが増し、歌詞の一言一言が観ている者に突き刺さる感じ。

「みなさん 楽しんでいますか?」

上機嫌でそう観客に語りかける HARRY。ちょっと意味深な今回のツアータイトルの先には、どんな風景を思い描いているのだろうか?


ちなみに、今回のツアーでは五十嵐”Jimmy”正彦氏がサポートで参加(THE EASY WALKERS)。Jimmy を最後に観たのは、Devils 時代のこと。「IT'S JUST ONLY ROCK'N ROLL」リリース時の渋谷 Egg-man だったような...。


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