言葉と文化、音楽を伝える技術翻訳者・音楽ライター、ヒロ ムラタのこれまでとこれから

「ロックがあれば人生をリッチに過ごせる!」。静岡清水で個人翻訳事務所を営む、元ロック少年が海を渡り(トロント)、紆余曲折を経て好きなこと(翻訳、音楽ライター)を仕事にするまでの『これまで』と『これから』を綴ります。海外や国内でのライブ体験記、音楽情報、本業の翻訳や育児などについても。

2016年10月

「孤高」

辞書で引くと、「 ただひとり、他とかけ離れて高い境地にいること」とある。

約二年振りに、HARRYを観た。前回は、盟友 ZUZU と JAMES を迎えての演奏(@磔磔)だったこともあり、あまり感じなかったが、今回はソロ公演ということもあり、冒頭の言葉が頭に浮かんだ。観ている間も。観終わった後も。一日経った今もそれは変わらない。


恐らくスライダーズ解散直後、そしてしばらくの間は HARRY 自身もファンも「昔」の曲を耳にすることに対して必要以上に構えていた時期があったような気がする。

入場時にもらったフライヤーには、「1983年3月 The Street Sliders でデビュー。結成 20 年デビュー17年目の 2000 年10月29日、日本武道館の公演を最後にその活動にピリオドを打つ」とある。

翌 2001 年よりソロ活動を開始。時は流れ、今は 2016 年。ということは、今回のツアーを機に17年目に突入することになるわけだ。


今更、HARRYがスライダーズ時代の曲を演奏することにとやかく言う人はいないだろう。いや、いるとすれば現在の彼の活動に興味がない人だろう、きっと。スライダーズというバンドは、もはや村越-HARRY-弘明というアーチストのキャリアの一部であり、今の彼が自分のキャリアの総括として当時の曲を歌うことはとても自然なことだと思える。

ストリートスライダーズ→ HARRY という順番ではなくて、HARRY →ストリートスライダーズという感じかな。

余計なものすべてをそぎ落としたステージングと演奏は、昔とあまり変わっていない。でも、音数が少ない分、一音一音の重みが増し、歌詞の一言一言が観ている者に突き刺さる感じ。

「みなさん 楽しんでいますか?」

上機嫌でそう観客に語りかける HARRY。ちょっと意味深な今回のツアータイトルの先には、どんな風景を思い描いているのだろうか?


ちなみに、今回のツアーでは五十嵐”Jimmy”正彦氏がサポートで参加(THE EASY WALKERS)。Jimmy を最後に観たのは、Devils 時代のこと。「IT'S JUST ONLY ROCK'N ROLL」リリース時の渋谷 Egg-man だったような...。


HARRY LIVE 情報

 

少し間が空きましたが、今日は前回の記事(「トライアルに受かって仕事が来なかったときの話とトライアルに落ちて仕事が来たときの話」)の最後で予告しました「国内と海外の翻訳会社のトライアルの違い」について書いてみたいと思います。


まず、「この両者の間に違いはありますか?」と聞かれたら、「あるような、ないような・・・」と答えます。では、どの辺が変わらず、どの辺が異なるのか、思いつくままにまとめてみますと・・・・。


【変わらない点】
◇「(採用者側が)あなたの翻訳スキルが仕事として通用するレベルにあるかどうかを見極めるための採用試験」のような場であること
◇合格したら、取引開始という前提で受けるもの
◇英日の場合、原文ベースで400~800ワード程度の課題が送られてくる
◇無償
◇手が空いたときに、課題に取り組み、完了次第提出

等が思い浮かびます。

では、次に「異なる点」を挙げてみますと・・・。

【異なる点】

1.
★ 日本の場合、課題原稿と共にスタイルガイドが送られてくることが多い
☆ 海外の場合、課題原稿と共にスタイルガイドが送られてくることは少ない

2.
★ 日本の場合、トライアルの審査結果に時間がかかる(最短で数週間~最長で数か月)
☆ 海外の場合、トライアルの審査結果に時間がかからない(最短で数日~最長で数週間)

3.
★ 日本の場合、事前に取引開始時の単価を教えてくれない会社もある
☆ 海外の場合、事前に取引開始時の単価を教えてくれる会社が多い

といったところでしょうか。


では、この3つの違いに、どのような意味があるのかといいますと・・・。

まず、1。
日本国内でも海外の翻訳会社でも、翻訳作業を行う上で、この「スタイルガイド」と呼ばれるいわゆる作業指示書が存在します。が、日本ではこの指示を厳守していないと、まずトライアルには合格できないと考えた方がいいでしょう。誤解を恐れずに書いてしまうと、

いくら高品質の訳文を提供できても、作業指示を守れない翻訳者は不要

ということです。


次は、2。
これについても、先の記事で書きましたが、国内では通年採用型、つまり翻訳者を年中募集している会社が多く、この場合、今すぐ翻訳者が必要なわけではないので、審査作業も後回しになります。

反対に海外の翻訳会社の審査結果が出るのが比較的早いのは、実際の案件型、つまり不定期募集ではあるものの、実際に受注が見込まれる案件で、その分野に精通している翻訳者がいない(または不足している)ために、トライアルを実施している現れと言えるかもしれません。


最後に、3。
これは、日本独自の風習(?)として、「お金の話は最後に・・・」てなケースが多いように見受けられます。海外では、トライアル提出前(つまり応募する前)の時点で取引開始時の単価を提示してくれるところが多いという印象を受けます(ちなみに明示されていなければ、必ず尋ねます)。

だって、時間と労力を費やして、ようやく合格したと思ったら、ワード単価が自分の設定している単価と大きくかけ離れていて、「トホホ...」なんて嫌じゃないですか(何度か経験していますけど)。ということで、個人的には単価については何はともあれ「一番最初」に確認します。

以前は、トライアルで合格するまでは自社の単価を開示したがらない翻訳会社もいくつかあったように記憶していますが、最近はどうなんでしょうね。


最後に。

いくら高品質の訳文を提供できても、作業指示を守れない翻訳者は不要

なんてひどい!話が違う!と思う方も中にはいらっしゃるかもしれません。「翻訳者なんだから、翻訳が素晴らしければいいじゃないか!」という声も聞こえてきそうです。確かに私もそう思っていた時期もあったような気がします。これが例えば、サッカー選手であれば、「サッカーが上手ければ、つまり試合で結果を出していればOK!」となるかもしれません。でも、翻訳の世界では、「翻訳のスキル」というのはあくまでも「優秀な翻訳者」を示す1つのバロメータに 過ぎないと言えます。これは、取引先が国内であろうが海外であろうが、関係ありません。次回はその辺りのお話について書いてみたいと思います。

年末恒例イベントとしてすっかり定着した感がある京都磔磔での麗蘭ライブ。今年は、12/25 ~ 12/30 までなんと 5 日間に渡って開催されます! タイトルはズバリ、

「Lay-Run 25th 「Welcome Home 磔磔」


最初の三日間はなんと対バン形式。

25(日)は、「バンバンバザール」
26(月)は、「SAKISHIMA meeting(新良幸人・下地イサム)」

で、27(火)は、「HEATWAVE」

となっています。
念の為、メンバーを書いておきますね。


麗蘭 are... 仲井戸麗市(Vo,G) 土屋公平(Vo,G) 早川岳晴(B) JAH-RAH(Ds)

HEATWAVE:山口洋(Vo,.G) 渡辺圭一(Bass) 細海魚(Key) 池畑潤二 (Dr) 


これは楽しみですね~。チケットは争奪戦になることが予想されます。チャボさん、公平さんのサイトでも先行発売が予定されているようですが、それに先立ち「10/13(木) 18:00〜10/19(水)18:00」の期間中、 HEATWAVE枠で先行発売中です。

「期間内でも予定枚数になり次第受付終了いたします」との文言がありますので、興味を持たれた方は今すぐ、以下のリンクをチェックしてみてください。


麗蘭 25th Special 5DAYS LIVE - 麗蘭×HEATWAVE


ちなみに、先週土曜日(10/15)の時点ではまだ受け付けていましたよ!

 

前回の記事、【トライアルに受かったらすぐに仕事が来るの?~初めてトライアルに挑戦!】で書きましたが、トライアルを受けてから合格通知を受け取るまでに、数か月。さらに最初の案件を正式に受注するまでに数年を要しました。

でも、これには理由があります。当時は東京のゲーム会社でフルタイムで勤務していました。加えて、その傍ら、燃焼炉製造・販売メーカーから既にお仕事(日→英)を不定期でいただいておりました。

つまり、私の方の準備が完全には整っていなかったため、これだけ時間がかかってしまったわけです。実際には登録後、何度か打診をいただいたと思いますが、二足のわらじということもあり、お断りせざるを得ず、正式受注は開業してからでした。

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あれから早10年。数多くのトライアルに応募しました。結果に一喜一憂していた時期もありましたが、今では割と淡々と結果を受け入れるようになりました。もちろん、合格すれば嬉しいですし、不合格になれば落ち込むこともありますよ、今でも。でも、どちらにしても必要以上にその結果には引きずられないように心掛けています。

何故なら、

A:「トライアルに受かっても仕事が来ない」

ケースもあれば、

B:「トライアルに落ちても仕事が来る」

ケースもあるからです。


前者はご経験されたことがある翻訳者さんも多いのではないでしょうか。その理由は簡単です。何故なら、トライアルは大きく分けて以下の二種類に分別されるからです。

A-1.通年採用型。つまり、年中募集中。自社の翻訳者の登録者数を増やすことを主眼としています。これは、会社として大型案件に対応できるように、様々な分野に対応できるようにするためものと言えます。

A-2.実際の案件型。こちらは不定期募集。つまり、実際に受注が見込まれる案件で、その分野に精通している翻訳者がいない(または不足している)ために、新しい人材をいち早く確保したい場合などです。

A-2の場合は、合格するとすぐにお取り引き開始となるケースが多く、A-1の場合はケースバイケースでしょうか。とはいえ、登録のタイミングに左右される場合もあり(同時期に似たような分野を取り扱う翻訳者さんが複数登録していたり)、意外とすぐに仕事が来たり、一概には何とも言えませんね。あくまでもご参考までにと言うことで。 ちなみに、仕事の打診が来ない理由としては、

「対応分野に見合う案件が発生していない」、「合格したけど、ギリギリ合格ライン(つまり補欠扱い)、「単価的に折り合わない」などが考えられます。


で、翻訳者なら興味を持たれるのが(笑)、Bのケース。これ、国内でも海外でも何度か経験していますが、トライアルを受けて

「残念ですが・・・(今回は不合格または採用を見送らせていただきます)」

という通知を受け取ったにも関わらず、その後、お仕事をいただき、良好な取引関係を築くことになった取引先が何社かあります。


以来、トライアルというのはあくまでも「お見合い」の場のようなものに過ぎないと考えるようになりました。実際、相手も自分もヒトですから、「相性」というものが確実に存在します。

翻訳会社などに応募する際には、相手がこちらを品定めするように、こちらも相手の対応を伺い冷静に判断する(つまり自分に合う、合わない)必要があると言えます(もちろん、相性だけでは取引は成立しませんが)。 
*応募する時点で、標準単価を先方に確認することをお勧めします。
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駆け出しの頃は「トライアルって苦手...」という意識がありました。でも、トライアルという場は、翻訳会社にとっても翻訳者にとっても真剣勝負の場です。

中には、課題文に意地悪な内容やひっかけ問題が盛り込まれている場合もありますが(この場合の「意地悪」とは、いわゆる辞書には載っていない、インターネットで検索してもヒットしないものを指します)、やはりそこを突破しないと道は拓けてきません。

課題文では、翻訳学校などで勉強した知識を十分に活かすことが出来ずにヤキモキしたこともあったかもしれませんが、実際の案件では、翻訳学校の教材となるような完成された原文ばかりではありません。

日本の技術者が書いたカタカナや社内用語がオンパレードの和文。英語が第二言語の方が書いた動詞のない英文。その他諸々,,,。翻訳業を営んで行く上で、こうした案件にも対処していく必要があります。

試練を乗り越えた先には、きっと自分の理想のお相手が待っているハズ。でも、不合格または相性(単価)が合わないなどの場合には、またチャレンジすれば済むだけの話です。というわけで、「トライアル、恐れるに足らず」ですね。

ちなみにこれまでの最短発注は、トライアル合格通知と共にお仕事を受注。最長で数年ですね。登録後、音沙汰なしも何社かあります。

【補足】
トライアルに落ちても仕事が来た会社の場合、課題文を提出する前の時点でプロフィール(職務経歴)等を提出していました。


次回は、「国内と海外の翻訳会社のトライアルの違い」について書いてみたいと思います。

フリーになって10年が経過しましたが、初めて翻訳会社の「トライアル」に応募したときのことは今でもよく覚えています。というわけで今日は昔話にお付き合いください。ちなみに、「トライアル」という言葉がピンとこない方のために補足しておきますと、要するに「(採用者側が)あなたの翻訳スキルが仕事として通用するレベルにあるかどうかを見極めるための採用試験」のようなものです。言い換えると、翻訳者として、仕事をもらうための第一歩といったところでしょうか。


時は2004年。当時はまだ社内翻訳者として勤務していましたが、数年後の開業・独立を見据えて日々模索していた頃でした。それまでに、インタースクールに通学したり、フェローアカデミーの通信講座(BETA)を修了していました。そんな折り、当時会員であった Amelia (アメリア) で会員を対象とした「スぺシャル トライアル」と呼ばれるトライアルが開催されることを知りました。

応募要項を見ると、自分の興味のある分野にばっちり当てはまっていました。で、詳細を見ると、「日本初!スポーツを専門とした翻訳会社が誕生!」てな文言があったように記憶しています。実際には、ある翻訳会社内での分社というような形であったと思います。

会員であれば誰でも応募出来たことから、あまり深く考えずに応募したのでした。で、しばらくすると課題文が送られてきました。分量は、7~800ワード程度だったでしょうか。分野はバスケットボール(NBA)とスポーツジムにあるトレーニングマシンの取扱説明書でした。


それまでに、前述の Amelia が毎月開催していた「定例トライアル」と呼ばれるものには何度か応募したことがありましたが、本格的なトライアルはこれが初めてでした。

提出期限まで時間をかけ、ありとあらゆる情報を利用して提出しました。初めての挑戦ということで気合が入っていましたね、きっと。


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で、待つこと数か月。ある日、突然結果が届きました。恐る恐るメールの本文に目を通すと......「ぜひとも弊社の翻訳者としてご登録いただきたく....」てな文言があり、本当に天にも舞い上がる気持ちでした。まったく面識のない方に、こうして翻訳文だけで評価してもらい、それが認められた(つまり、ある一定レベルに達していると分かった)瞬間ですからね。「あー、翻訳の勉強を続けてきて良かった!」と素直に思ったことを覚えています。


合格通知の後、登録関連の書類に記入して、機密保持契約書に署名し、支払等の確認を済ませ、「さあ、これで準備万端!いつでも、仕事よ来い!」と思ったのですが、実際に同社から仕事を受注したのはそれから数年後のことでした....。


その辺りの経緯については、また次回!








 

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