2014年03月18日

もっと評価されるべき孤高の監督、実相寺昭雄

実相寺1


知人に貸していた実相寺昭雄BOXが3年ぶりくらいに却ってきました。
実相寺昭雄という監督はあまり映画ファンの話題にのぼらない監督のように思えます。大島渚、篠田正浩、吉田喜重らの松竹ヌーヴェルヴァーグ作家と同等に評価されるべきシネアストだと思いますが、前衛的なまでに歪んだ構図、陰鬱にデフォルメされた出演者、偏執狂的なカメラワーク等、なかなか一般的に理解を得られにくい作風ではあります。しかし、ひとたびその作風にハマればクセになるというドラッギーな作品達です。特にATGで撮った「無常」「曼荼羅」「哥」は日本映画史上に巨大な足跡を遺した傑作だと思います。



  
Posted by musicareservata at 00:58Comments(0)TrackBack(0)映画 (邦画)

何が何だかわからないけど、スゴい映画

フルスタリョフ


98年に制作され、リアルタイムで映画館で観た時、「何や、これは?? さっぱり、わからん!!」が正直な感想でした。それからずっと頭の中に映像の断片が焼き付けられ、フラッシュバックしてしまうという事はかなりのインパクトを僕に与えてくれたのでしょう。長年DVD化されず、最近ようやくDVD化されたロシア映画、アレクセイ・ゲルマン監督「フルスタリョフ、車を!」が問題の作品です。
ストーリーはスターリン政権下のロシア、主人公の脳外科医で軍人のユーリーがユダヤ人医師の粛正に巻き込まれて収容所送りとなるが、スターリンの死によって解放。とまあ、単純極まりないのですが、映画はそんな単純にすすんでくれず、本筋に関係ないような登場人物が多数登場し、台詞の密度も濃くて、ずっとそれを追っていくと頭がパニックになり、自分の脳みその許容量、情報分析能力を疑いたくなること必至です。
かつて、ポーランド映画の「銀の惑星 シルバーグローブ」やマケドニア映画の「グッバイ20世紀」を観た時も同様な感想を持ちました。東欧にはこういった一筋縄ではいかない作品が多々あります。しかし、いつまでも頭からシーンの数々が離れなく、また観たくなるという衝動にかられる不思議な魅力があります。
「フルスタリョフ 車を!」もそんな魅力に満ちた作品です。この映画を観たマーチン・スコセッシが「何だかわからないけど、すごい」と言ったそうです。確かにその通りです。



  
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2013年07月24日

カッコよすぎるジャズロック from USA

FLIGHT●FLIGHT/Incredible Journey (USA/CD)
20年くらい前に西新宿の今はなき入手困難盤専門店と銘打ったアーバンレコードというショップで見つけたアメリカのFLIGHTというグループのアルバム。ロックとしては珍しくトランペット奏者がいて、しかも全曲を書いているのでリーダーと思われる。テンションの高いジャズロックでディキシー・ドレッグスや初期のシャドーファックスにも匹敵する内容でした。長年唯一の作品だと思っていたら、2ndが最近CD化されてリリース。
いやあ、驚きました!! 凄すぎます!! 冒頭の3曲のたたみかけ方は尋常ではありません。ジャズロックのスリリングさが好きという方にはアドレナリン分泌必至!!
手数の多くてせわしないドラム、テクニカルなシンセのセンスの良さ、もうカッコよすぎます!!

冒頭3曲です







  
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2013年07月07日

久々の大当たりは元J-POP系シンガーソングライターが放つ一大シンフォニック

●YUKA & CHRONOSHIP/Dino Rocket Oxygen
元々はJ-POP系のシンガーソングライター、船越由佳と作詞家の田口俊が中心によるインスト指向のグループ。CD1枚に3曲という大作指向。日本ではリリースしてくれる器の大きいメジャーレコード会社がなかったらしく、フランスのMUSEAレーベルからの発売。
輸入盤ながらもライナーに難波弘之と高嶋政宏(芸能界きってのプログレマニア!!)が一文を寄せ手います。
インスト指向でCD1枚に組曲が3曲収録。まず、曲がいい!! きらびやかなキーボードワークを中心に飽きさせる事なく曲が進行し、時折入る船越由佳の歌がオアシスのような安堵感を覚える。このヴォーカルがまたよくて、それを生かした歌ものプログレ(J-POPでないよ)にも挑戦してもらいところ。
Yuka



Yuka & Chronoshipのブレインでもあり、プロデューサーで、ベーシストの田口俊が80年代にやっていたローレライというアイドルロックグループ(?)の音源も発見したけど、例えばブラジルの14 Bisのようなソフトプログレ的テイストを感じるのは僕だけでしょうか? イントロの重厚なシンセがイエスの「And You And I」のフレーズを思わせますが、これは確信犯でしょう。



  
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2013年04月10日

まさに幻の作品、遂にCD化!!

稲田
●稲田保雄&ベミ・ファミリー/感覚思考
このアルバムの存在を知ったのが、1988年だったと思うが、その頃のマーキー誌の日本のプログレッシブロックカタログでだった。フードブレイン、柳田ヒロ、フライド・エッグ、ストロベリー・パス、玉木宏樹&SMT等70年代の未知のプログレも掲載され、それらは次々とCD化されていったが、この稲田保雄&ベミ・ファミリーはなかなかCD化されず、現物も一度もお目にかかった事のないというシロモノ。どういう音なのか頭の中で想像が膨らんでいくが、さっぱり見当もつかない。
そして、2013年に遂にCD化!! 加えて、シングルや他人に提供した曲も含めてCD2枚のヴォリューム!!

やはり、LPで3曲という大作を貫いた「感覚思考」が素晴らしい!! キーボード、ギター、ドラムという編成でそこにクラシックピアニストらしきゲストのピアノが加わるというもの。ELPのような音を想像していたけど、全然違っていて、オルガン、ムーグ、メロトロンが唸りイタリアンロックを彷彿させる演奏は見事という他ない。


  
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2013年03月04日

まさかの新譜、しかも最高!!

●ALPHATAURUS/Attosecondo
1973年に唯一のアルバムをリリースし、80年代に日本でも発売され、僕の感受性がレッドゾーンまで振り切ってしまったイタリアのアルファタウラスという謎のバンド。
長年、謎のバンドと思っていたら昨年あたりからまさかの再結成!! ライブ盤を手始めにこの最新スタジオ盤が届けられました。この緊張感に満ちたハードな音の中に時折みせる叙情性、メンバーは70年代初期から活動してただけあってかなりのお年だけど、この音の素晴らしさはどうだろう。彼らの本気度がビンビンに伝わってくる好アルバムでした。






  
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2013年02月25日

あのスプラッターの帝王がBlu Ray Boxで!!

60年代にスプラッター映画というジャンルを開拓したハーシェル・ゴードン・ルイスの主な作品がまとめてBlu RayでBOX化とは!!

「血の祝祭日」「2000人の狂人」「カラー・ミー・ブラッド・レッド」「ゴアゴアガールズ」「血の魔術師」それにルイスのドキュメンタリー。その前のいブルーレイプレーヤーが必要だな。


  
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2013年02月17日

非常階段と出会って、あれから30年・・・

●非常階段 A Story of King of Noise

非常階段のヒストリー本を行きつけのCDショップで購入。

思えば、1982年に非常階段の存在を知り、444枚限定と銘打っていたLP「蔵六の奇病」を購入し、かなり衝撃を覚えました。というのも、僕自身もノイズ的な音響作品を全くの自己流で製作してもので、似たような事をやっている同士を発見したようで嬉しく思いました。

そして、はじめて非常階段のライブに接してこれまた衝撃的でした。なんて過激な・・僕が観た時には伝説の女性メンバー蝉丸嬢の姿はすでにありませんでしたが。

そして、リーダーのJOJO広重さんがアルケミーレコードを立ち上げ、非常階段だけでなくソルマニア、インキャパシタンツ等のノイズや赤痢といったガールズバンドを続々とリリースしてき、アルケミーを追い続けると金も続かずファン泣かせでもありました。

この本で興味深いのは非常階段結成前夜くらいの関西アンダーグランドシーンのくだりでしょう。ウルトラビデの項目は非常に興味深いですね。

付録のDVDも家宝ものです!!


  
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2013年02月12日

異端のアイドルムービー

●NINIFUNI (監督/麻利子哲也)

ももいろクローバーが出演している作品で、それ目当てで観た人は確実に面食らっただろう。
とにかく、これといったストーリー展開があるワケでもなく、何気なく過ぎていく日常を単にカメラが捉えているといった様相。日常といっても強盗犯の逃亡であったり、アイドルのPV撮影であったり特殊であったりするけど。
不思議な存在感のある作品でした。






  
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2013年02月11日

北欧シンフォの雄 カイパの原点回帰か?

KAIPA/Vittjar

北欧スウェーデンのベテラングループ、KAIPAのもう何枚目のアルバムかわからない「Vittjar」を購入。このグループは70年代にリリースした1〜3枚目がファンの間では甲乙付け難い名作として語られています。北欧トラッドのメロディーを彷彿させるハートウォームな曲調に僕もお気に入りのグループです。特に2ndの「Inget Nytt Under Solen」のLP盤では片面全てを費やした組曲「Skenet Bedrar」は僕の生涯の愛聴曲といっても過言ではありません。

一旦解散して、2002年に再結成され精力的にアルバムをリリースしています。しかし、歌詞がインターナショナルな方向を目指してか英語なのが残念。スウェーデン語の語感が人懐っこいメロディーにのっかるのがKAIPAの魅力だったのに・・・。そして、好みの問題だけど再結成KAIPAのヴォーカルがイマイチ気に入りませんねえ。リーダーでキーボード奏者ハンス・ルンディンの甘いヴォーカルがKAIPAの持ち味だったのに・・・。また、女性ヴォーカリストもメンバーにいるけど、大の女性ヴォーカルファンだけど不要だと思います。とまあ、ネガティヴな事ばかり書いてますが、今回のKAIPAはいいですねえ。タイトルもスウェーデン語で期待が膨らみました。男女ヴォーカリストは相変わらず好きになれないのですが、それを差し引いてもいい出来です。出来れば再びハンスさんがメインで歌ってくれれば、それもスウェーデン語で。

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この曲はトラッド調のメロディーが盛り込まれて好感が持てます



因みにKAIPAの最高傑作ともいえる「Inget Nytt Under Solen」の組曲「Skenet Bedrar」はこれです





  
Posted by musicareservata at 20:40Comments(0)TrackBack(0)音楽 スウェーデン

2013年02月10日

絶海の孤島といった本でかつての離島滞在を感慨深く思ふ

離島某書店で「絶海の孤島」という本を見つけ、離島マニアだった僕の血が騒ぎ出し、つい買ってしまった。取り上げられている島も小笠原の父島、母島というメジャーなところもあるけど、山形県の飛島、石川県の舳倉島、東京都の青ヶ島、山口県の見島、高知県の鵜来島、鹿児島県の悪石島、硫黄島、沖縄の北と東の大東島というニクいセレクション。この中で行った事のあるのは飛島と青ヶ島だけだな・・・。
 この本はこれらの島での滞在記であり、人口の少ない共同体でのヒューマンなエピソードが満載で興味深く読めました。僕も昔、色々な離島を旅してた事があり中でも鹿児島のトカラ列島の宝島では黒糖焼酎をたくさん飲まされ酔い潰れたり、屋久島では森林鉄道のトロッコに便乗させてもらったり、岡山県の犬島では巨大な遺跡のような製錬所跡に震えるほど感動したり、他にも鹿児島の新島、北海道の天売島、焼尻島、奥尻島、琵琶湖の中の沖ノ島、沖縄の西表島、パナリ島等々、本当に楽しかったですね。
 また時間を作って離島巡りをしたいものです。



  
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2012年11月20日

プログレの巨匠 フォーカスにロジャー・ディーンとは此れ如何に?

先日の東京出張で聖地でもある新宿のディスクユニオン プログレッシブロック館に出向き、いつものように漁っていると、店頭で流れていたハードエッジなギターとハートウォームなフルートが交互にリフレインされる曲がやたら良くて、その曲は再結成されたオランダのあのフォーカスの10枚目のアルバム。早速買い求めたのは言うまでもありません。
まあ、良かったと思える曲は数曲で、このグループは昔から割とイージーリスニングと紙一重のような感じの曲をやったりして、今回とて例外ではありません。しかし、よかった数曲が何度も何度も聴いてしまいますね。
因みにジャケットはプログレファンにお馴染みのロジャー・ディーン画伯。フォーカスの音世界とマッチしているとはちょっと思えないのですが。






  
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2012年11月07日

リアルな恐怖に鬱になること必定の禁断の書

最近、尼崎事件の全貌が解明されてきてるようですが、2002年におこった北九州監禁事件のような様相を呈してきてますね。

この事件はあまりに残虐ゆえにメディアもソフトな報道でお茶を濁していたようで、今でも記憶している人は少ないのではないでしょうか?

詳しく伝えた本が新潮文庫からの「消された一家」。こちらはドキュメンタリーながら人間の闇に潜む残酷性、冷徹さを浮き彫りにした、リアルホラーともいうべき内容で、不快指数200%オーバーな禁断な書です。また、尼崎事件との類似点も多く見出せます。

Wikiによる北九州監禁殺人事件はこちらです。さらに詳しく知りたい方は「消された一家」を一読の程を。ジャック・ケッチャムも真っ青な驚愕な内容です。



  
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2012年11月06日

何とも不思議なトーンだが、終末とはこういうものなのかも

●生きているものはいないのか  (2012年/日本/石井岳龍)

監督の石井岳龍って、あの石井聰互の改名。しかし、どっちにせよパソコンで変換しにくいぞ!!

大学のキャンパス、喫茶店、病院などといった舞台で知り合いの結婚式に何をするだの、結婚前に浮気相手に出来た子供をどうするだのといったシチュエーションがとりとめもなく続き結構辛い。ところが、そういったとりとめもない会話の一翼を担うメンバーが急に苦しみ出し、死に至る。それから、登場人物がバタバタと謎の死を遂げていく。原因は? わからない。 何故こうなったのか? わからない。 と意味不明な事だらけながら、世界が終わりを告げる時とはこういったものだろうか?

とにかく、シリアスともギャグともとれない不思議なトーンでした。

  
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2012年11月05日

冒頭35分ワンカットの長い長いひととき ギリギリの女たち

小林政弘監督の「ギリギリの女たち」を観る。

東北大震災をモチーフにした作品で、震災後の家に三人姉妹が集い、それぞれの思いが爆発していく。

冒頭の35分にも及ぶワンカット、しかもカメラが殆ど動かずフィックス。まるで演劇でも観ているかのよう。しかも、芝居も演劇のそれを意識したかのよう。正直、辛いですわ!!

しかも、映画全体で28カット。例によってカメラがほぼフィックスだから辛い!!試みとしては面白いのだろうけど、???って気分。

折角の三人の女性の情念のぶつかりあいが冷めた感じに思えてしまうのは僕だけ?



  
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2012年11月04日

ネムリユスリカ 再生

「ネムリユスリカ」という映画を観る。監督の坂口香津美という人を全く知らなかった。「ネムリユスリカ」というのはアフリカに生息する昆虫らしい。
そういった不思議なネーミングの作品だが、かつて男に犯され子供を出産し、その子も17歳。子供、介護の必要な父親と3世代が車上生活を送り、自分を犯した男を探す日々。生活の糧を得るために出張マッサージを施し、時には体を売る事もあるようだ。そういった事を17歳の少女の視点で描いてく。
そして、やっと見つけた母を犯した男であり、自分の父親である男が末期ガンであることがわかる。

性的暴力を受け、心に大きな傷を持つ女とその子供、その再生だが、青山真治の「ユリイカ」を観た時と似たような印象を覚えた。



  
Posted by musicareservata at 22:02Comments(0)TrackBack(0)映画雑記

荻野目慶子という女優との出会い

今から30年以上も昔に公開された「海潮音」という映画で当時中学生だった僕は能登の日本海沿岸の寒々とした風景で繰り広げられるドロドロとした情念と適度にATG映画ならではの観念的な描写にすっかりと魅了されてしまい、中でも主役を演じた荻野目慶子といおう同世代の女優と出会いました。地味な雰囲気から醸し出されるものに内に秘めた何かを感じました。それから、しばらくしてNHKの知的バラエティー「YOU」に糸井重里とともにパーソナリティーを努めて、知的好奇心に溢れるサブカル少女と僕の目には写り、あの時に僕の感じた何かは間違ってなかったんだなあとしきりに自己肯定感が募りました。また、深町純によるシンセサイザーを駆使した音楽も寒々とした風景描写に拍車をかけ、サントラ盤も出ていたはずながら、廃盤で入手困難となり当時入手しなかった事を幾度も悔いました。
その後の荻野目慶子は魔性の女ぶりを世間に知らしめ、イザベル・アジャーニのような存在になったと一人思っています。中学生の時に感じた内に秘めた何かとはこういった事だったのでしょうか?

  
Posted by musicareservata at 14:40Comments(0)TrackBack(0)ゲットしたもの(映画)

2012年05月26日

イタリア最後の輝きといわれた至宝 ふたたび

●LOCANDA DELLE FATE/The Missing Fireflies (イタリア)
80年代の茹だるような暑い夏の日、高校生だった僕は自宅から3キロ程はなれたレコードショップまで自転車を走らせていました。その前夜にFM放送から流れてイタリアの極上の美ともいえるロックを買い求めるために。その名前はロカンダ・デッレ・ファーテ、舌を噛みそうな名前も日本語にすると「妖精の宿」、なんてファンタステックなんだ!!
自宅へ帰り、クーラーが壊れて暑い中の部屋で汗ダクになりながら聴いた1曲目の「A Volte Un Istante Di Quiete(ひとときの静寂)」の暑さなど忘れてしまう美の極地はどうだろう。名手ミケーレ・コンタのスリリングなピアノに導かれて、的確で心地よいドラミングの上でややハードに展開され、その後の幻想を絵に書いたような展開はまさにジャケット通りの湖に佇む妖精が幻視できるかのようです。ドリーミーという点ではカナダのマネイジュ、アルモニウムあたりが互角に勝負できそうですが、生涯で聴いてきたロックのフィールドの中でもこれほど幻想的で夢見心地な曲はなかなか見当たらないですね。
1970年代後期にアルバム1枚を残してシーンから蛍の灯火のように消えてしまった儚いグループですが、99年に歌ものを中心とした新作が発表され、またも沈黙してしまいますが、今年2012年に新作が発表され、買いました!!本来はその話題なのですが、あまりにも1stが素晴らしいので、つい語ってしまいました。全盛期を彷彿させるロックファンタジーを繰り広げた音ですが、演奏に余裕を感じるのはメンバーの年齢のせい? 相当なオッサンになったメンバーを見ると少々切ないですが、また素晴らしい音楽を提供してくれるのは嬉しい限りです。










  
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2012年05月03日

2012年4月に観た映画

●監督失格 (2011年/日本/監督 平野勝之)★★★
林由美香が死んで久しいが、今だに林由美香の面影を引き摺った作品かと思って観た。最初は以前の作品「由美香」のシーン(未公開シーンもあるかも)を中心とした構成で、監督平野勝之の未練がたっぷりと提示される。シーンが進むにつれ、平野勝之が林由美香の死体発見者だったという事がわかり、発見現場の生々しいシーンは心が痛む。そのショックからか5年のブランクを経て撮られた本作はリハビリのようなものだろう。深夜の道路を「行っちまえ!!」と絶叫しながら、由美香からの呪縛を振り切ろうという下りは深く印象的。


●ホステル3 (2011年/アメリカ/監督 スコット・スピーゲル)★★
「ホステル」シリーズも3作目。だいたい、こういったホラーのシリーズは回を重ねるにつれて次第に薄味となっていくのが常だが、この「ホステル」もそう。まず、舞台がアメリカのラスヴェガス!! 以前は東ヨーロッパのスロヴァキアであり、東欧の持つダークな雰囲気が映画をより一層陰鬱なものとしていた。しかし、どうだろうこの明るさは。顔の皮を剥がしたり、中華包丁での腕切断といった描写はあるものの、どこかカラッとしている。
●ムカデ人間 (2009年/オランダ、イギリス/監督 トム・シックス)★★★
話題(?)の「ムカデ人間」に話題(?)の日本人俳優、北村明博、どれもお初だ。マッドサイエンティストもので、その狂気の実験に一般人が巻き込まれていくパターン。映画がすすむにつれて、監督=マッドサイエンティストでは? と思える狂った才能を感じる作品。
●インシディアス (2009年/アメリカ/監督 オーレン・ペリ)
「SAW」のジェームズ・ワン&リー・ワネルが製作、脚本で「パラノーマル・アクティビティー」のオーレン・ベリが監督といった触込みで話題のホラー。しかし、フォロワーを多く産んだ「パラーノーマル・アクティビティー」ってそんなに怖かったか? あれを観て、怖いと思えなかった人にはこの作品は無効だろう。まず、ストーリーが半端なくツマラン!! 後半の悪夢のような展開にはこんな作品に少しでも期待した自分を恨んだよ。
●ドリームホーム (2010年/香港/監督 パン・チョーホン)★★★★
香港はかつて「八仙飯店之人肉饅頭」という名作があったが、しばらくそっち方面は鳴りを潜めていたけど、久々の香港の改心のスラッシャームービー。しかもサイコキラーは女性!! 女性ならでは工夫を凝らし、絞め殺すシーンではコードなんかをまとめる結束バンドというにはちょっとした驚き、他にもビニールを顔に被せて結束バンドで密閉して掃除機で真空状態にして殺すなど創意工夫に満ちて、なかなか飽きのこない傑作!!


  
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2012年04月07日

2012年3月に観た映画

●窯焚 KAMATAKI (2008年/日本/監督 クロード・ガニオン)★★★
心に傷を抱えた日系カナダ人青年が、叔父である日本人陶芸家の奔放で繊細な精神に触れて再生するまでを静ひつにつむぐ、これが大まかなストーリー。このカナダ人で日本滞在歴の長い監督、クロード・ガニオンは「Keiko」という僕の心に大きな刻印を残した作品を撮った人で、今回も非常にゆったりと詩情豊かに映像を紡いでいく。

●ラビット・ホラー (2011年/日本/監督 清水崇)★★★
「呪怨」シリーズでキャッチーな恐怖を見せつけて世界のシミズと呼ばれる存在になった感のある清水崇はひとたび「呪怨」から外れると奇妙な世界へと行ってしまうようだ。今回も多層的に入り組んだ難解な様相を呈した作風。


●大鹿村騒動記 (2011年/日本/監督 阪本順治)★★★
原田芳雄の遺作となった本作はなかなか感慨深い。思えば原田芳雄の出演作って、数えきれないくらい観たけど、遺作であり、死ぬ間際の痩せ細った原田芳雄が衝撃的であった。しかし、本作にはそういった面を微塵も見せずにまだまだ現役であると感じさせる作品。

●ザ・ウォード 監禁病棟 (2011年/アメリカ/監督 ジョン・カーペンター)★★★
10年ぶりの監督作らしい。放火の罪で精神病院に送られ、そこに収容された少女が殺されていく。まあ、この作品は絶対に結末を喋ってはならないが、なるほど精神領域でのサスペンスというこういった表現方法もあるのかと思った。ストーリー自体は「ああ、またこのパターン」かと思うけど。


●ドリルマーダーズ 美少女猟奇殺人事件 (2010年/ノルウェー/監督 マチュー・プトゥル、セザール・デュカス)★★★
ドリルを凶器としたスラッシャーものかと思いきや、ドリルの餌食となった被害者達は死ぬ事なくゾンビ化してしまうという少し発想に特異性を持たせた内容。ノルウェーの風景と特異な作風とが奇妙にマッチ。

●マザー・ウォーター (2010年/日本/監督 松本佳奈)★★★
個性的な家とともにライフスタイルを紹介する雑誌を見ているかのような作品。古民家をリノベーションしたウィスキーしかないバー、喫茶店、軒先でイートイン可能な豆腐屋、銭湯といった舞台で失われつつあるライフスタイルを提案しているかのよう。


  
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2012年03月03日

2012年2月に観た映画

●デビル (2010年/アメリカ/監督 ジョン・エリック・ドゥードル)★★★
M・ナイト・シャマランの企画を若手監督が作品化するというプロジェクトの一つの作品。M・ナイト・シャマランの初期の作品のミステリアスな部分は何故か円谷プロの匂いがしていたのだが、気のせいだろうか? この作品は初期のシャマラン映画に酷似している。
●アンダーグラウンド(2011年/日本/監督 渋谷正一)★★
ヤクザものとソリッドシチュエーションスリラーをドッキングさせたかのような怪作かなとは思ったんだよ、最初は!! パッケージには爪剥がし、バットでの殴打の拷問云々とあり、期待してしまったんだよ!! まあ、期待をそんなに裏切ってきうれたワケではないが、ミステリアスな展開は皆無でストレートなヤクザものに多少残酷な描写を加味したってものかな。いい題材だっただけに、SUSHIタイフーンあたりのクリエーターだったら、ワールドワイドのドサグレ映画フリークにアピール出来た作品に仕上がっただろうに、惜しい。
●東京公園 (2011年/日本/監督 青山真治)★★★
青山真治がスタイリッシュだと思い込んでいる感覚って、80年代の宝島フリークをくすぐるものを感じさせるのだが、どうだろうか? こういう部分を前に出していけば、ストーリーが希薄でもOKよってところか? しかししかし、瓢箪から駒というか、当初の狙いだったのか知らないが、主役のモデルっぽいイケメンなあんちゃん(あんまり興味ないんで名前を忘れてしまった!!)と血の繋がらない姉役の小西真奈美が姉弟の一線を越えてしまうノーダイアローグの数分間、コイツが観れただけでも収穫ですわ!!そして、劇中劇でゾンビ映画が出てきたり、台詞にロメロだの、ゾンゲリアだのが登場して、青山真治はホラーが好きなのか? 撮ってみたいのか? 知性が邪魔して撮れないのか? 

●ゾンビ処刑人 (2009年/アメリカ/監督 ケリー・プリオー)★★★
ゾンビものは色々あるけど、ゾンビとなっても生前と変わらず行動、違うのは体が腐ってたり、生き血を飲まないと死んでしまうといった点か。それで、世の中のクズどもを殺して、血を吸うという夜回りゾンビとなって徘徊。基本はコメディーなようで、軽いノリながら後半の重苦しくシリアスな展開に戸惑ってしまう。何故にこんなにトーンの違うものにしてしまうのだろうか?

  
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2012年02月09日

2012年1月に観た映画

●私の教え子 (2007年/フィンランド/監督 オーリ・サーレラ)★★
てんかんを患い他人と距離を置いて生活している女子大生のサリと、妻に突然離婚を言い渡された教授のミッコ。互いの孤独感に強く共感し、惹かれ合ったふたりは徐々に心の穴を埋め合っていく。以上がWikipediaによるあらすじ。
フィンランド語の響きが他の北欧のスウェーデン、デンマーク、ノルウェー(ドイツ語みたいだったな)3言語(アイスランド語、グリーンランド語、フェロー語もあるぞ!! なんてツッコミはやめようね)よりも心地よい(←もっとも、フィンランドもスウェーデン語も話され、北極圏近くの奥地ではサーミ語なんてのもある)というのがキッカケでフィンランドという国に非常に興味が出てきて、これもフィンランド映画という事で鑑賞。サリとミッコは同棲をはじめてるワケだが、それがただのルームメートであると言うが、実際に最初はそうなんだが当然誰もそうは受け止めない。「ああ、何ちゅう真面目なヤツなんや。俺やったら、すぐにでも手を出してまうがな」ともどかしい思いで観ていた。周囲からも冷たい視線に耐えきれず開き直ったのか、二人は結ばれる。そんな他愛もないような話ながら、映像はやたらとキレイ。

●極道兵器 (2011年/日本/監督 山口雄大、坂口拓)★★
あの「フルメタル極道」を彷彿させるが、実際は同じスシタイフーン仲間、井口昇の「片腕マシンガール」の変形パターン。このパターンなら際限なくバリエーションが広がりそうやね。石川賢のコミックが原作らしいが、コミック史上に残る怪作「地上最強の男竜」の映画化を熱望する。



●デッドボール (2011年/日本/監督 山口雄大)★★
「アストロ球団」、ナチス女収容所ものの要素をぶち込んだ青春スプラッターアクション。明らかにイルザ所長(ダイアン・ソーンへのオマージュ!!)を意識したキャラ等、スプラッターでコミカルな特殊映画と呼ぶに相応しい。

●みづうみ (2007年/日本/監督 安達正軌)★★
クレジットが一挙にオープニングに出てきて、やたらと使用曲のクレジットの多さに閉口、しかもこんだけの曲がこれでもかと劇中にブチ込まれるのかと思うと憂鬱と思ったら、どういうワケが何曲もフェードインしてはフェードアウトするという繰り返しで、この愚行に怒りが込み上げてくる。
●ADULT 24歳の恋 (2011年/日本/監督 中町サク)★★
性格ブスでふてくされたような表情の女優、あんり(よくわからんが元中野腐女子シスターズとか)が気に入るかどうかでかなり印象が違ってしまうと思う。元アイドルが脱いだ云々でも、元々知らないワケだから有り難みが全く感じられなかった。しかし、ふてくされて脱力感満載なところ、かつての桃井かおりといったら言い過ぎか?
●ドクターズ・ハイ (2008年/アメリカ/監督 マーク・ショーラーマン)★★★★
医者や科学者は自分が特別な存在であるという自覚のもとに非人道的な行為に及んでしまう・・・というのは本当かどうかはわからないが、映画的なモチーフとしては一般的である。その一般的なモチーフを使った極めて良質なサスペンスであると思う。ヒューマンドラマとしても、サイコサスペンスとしても両方の側面から楽しめた。
  
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2012年02月02日

スラブ&テクノ魂の強烈な一枚は家宝なり!!

Reni Jusis●RENI JUSIS/Trans Misja(CD/ポーランド)
ポーランドでは結構人気歌手らしいレニ・ユシスは1974年生まれの女性シンガーで初期の作品「zakrecona」を買ったら、R&Bで面食らった覚えがあるが、2003年の4枚目「Trans Misja」全編にわたってポーランド版テクノ歌謡が展開されている。シンセ類(ミニムーグがあるぞ!!)を前にした彼女のジャケットが素晴らしいじゃないの!! この印象的なジャケに憧れて、どれほど探した事か!! ようやく、入手できた、めでたしめでたし。
 例によって、メロディーはスラブの哀愁を携えたメランコリックなもので、そこにエレクトリック魂全開なアレンジで迫ってくるのでもうたまらん!! テクノファン、フィメール・ヴォーカル・ファン、プログレ・ファンにはおすすめ!!

テクノな心意気「W Zwolnionym Tempie」
  これを聞いて心が熱くならない奴に明日はない!!


「Osatani Raz」スラブ魂全開のメランコリックさがたまらん!!
  歌詞が英訳されてて、なるほどこういう内容だったのか!!

  
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2012年01月27日

フィリピンにもあったドリームシアターズ・チルドレンには驚異の才媛がいた!!

DSC_0081-1●FUSE BOXX/Animated(CD/フィリピン)
世界各地にフォロワーを産んだドリームシアターだが、フィリピンにも彼らから間違いなく影響を受けたと思われるFUSEBOXXというグループがいる。Abby Cultarioという女性ヴォーカルを中心とした典型的なドリームシアター・タイプの音を聴かせてくれるが、問題はこのAbbyなる女性。彼女はなんとスティックを駆使しながら歌うのである。スティックを弾きながらリードヴォーカルを取るのは初めて聴いた。YouTube上に色々とアップされたライブ映像ではスティックを左手で弾き、右手はキーボードを弾いて歌うというRUSHのゲディー・リーもビックリな離れ技をやってくれる。非常にテクニカルな曲構成で、細かいフレージングのスティックによるベースラインを構築しているのには脱帽。トルコの歌姫、Sebnem FerahバンドのBuket Doranと並ぶ女性ベーシストいえよう、どちらも辺境系だな・・。
今回入手したアルバムは2ndで、YouTubeで1st収録の「Outlet」を聴いたら何とかして1stを入手したい!!




まだ入手できてない彼らの1stからの「Outlet1」、なかなかかっこいいぞ!!

  
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2012年01月25日

かっこええぞ、中華プログレッシブ・フュージョン!!

DSC_0077-2●SIU2/Open Door (CD/中国)
香港で活動するプログレッシブなフュージョングループ、SIU2のアルバム。中華トラッドと西洋音楽との融合、とにかくユニークでかっこいい!! 下の画像の中盤でみられる笙(日本の雅楽でも使われるあれね)を駆使したアドリブプレイが素晴らしい。まさに衝撃的といえよう!!
メンバーはリーダーで全ての作曲を行い、笙、キーボードをプレイする伍卓賢、劉瑞中(琴)、紅一点の林天惠(三弦)、陳學明(ベース)、樊國雄 (ピアノ)、徐協倫(ドラムス)の6人組でライブでは弦楽四重奏も加わる事があるようだ。

  
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2012年01月24日

プログレハードの雄、11作目はいかに

ドリーム●DREAM THEATER/A Dramatic Turn Of Events (CD/アメリカ)
89年にアルバム「When Dreams And Day Unite」で衝撃のデビューを果たし、当時からずっと追いかけていたドリームシアターも11作目。キーボードのジョーダン・ルデスが加入してから10年以上も不動のラインナップで活動していたが、ギタリストのジョン・ペトルーシと共に音楽的主導権を握っていたドラマーのマーク・ポートノイが脱退。後任にはドラム世界最速記録を持つマイク・マンジーニが加入。バンドの主導権を持つ2人のうち、1人が消えてどうだろうか? 興味はそこにある。
好きなバンドながら、1st「When Dreams And Day Unite」、2nd「Images And Words」以降の作品は買った当初以外は殆ど積極的に聴く事もなくなっていった。確かにテクニカルな演奏に磨きがかかっているが、何かひっかるものが少ない、というか印象的なメロディーがない。どんなに複雑な曲でもメロディーが印象的でなければならないというのが僕の持論。ドリームシアターのアルバムはいつしか惰性や義務感で買うようになっていったので、今回も期待など全くしていなかったのが本音である。だが、メタル色が薄れ、プログレ色の増大、しかもメロディーラインのキャッチーさが初期の2作品の頃を彷彿させるように思える。特に10分以上の大作が4曲収録され、それらにその傾向が顕著にみられる。彼らのどのアルバムにもそういった大作が収録され、アクロバチックでトリッキーな演奏が披露されているが、いたずらにテクニカルに走り演奏のために演奏という印象を否めなかったのも事実だが、今回はあの名作「Images And Words」のテクニカルなプレイを披露した「Take The Time」「Metropolis Part1」「Unde A Glass Moon」を初めて聴いた時のような興奮を覚えた。



  
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2012年01月22日

やっぱり歌がなきゃ!! それも日本語で!!

ジェラルド●GERARD/Visionary Dream (CD/日本)
もう30年近い活動歴になる元ノヴェラの永川敏郎率いるジェラルドの新作は過去の日本語ヴォーカルのあった時代の曲のリメイク。以前にも「Meridian」というアルバムで過去の曲のリメイクをやったが、そちらは歌詞を英語に変えてのリメイク。「Meridian」とは曲がダブらないよう意識しているのだろうか? 「夢幻」「心の壁」「希望なき蒼い星」なんぞは学生時代に死ぬ程聴きまくったので感慨深い。もっとお気に入りだった「Last Night Forever」「伝説の聖夜」「Midnight dreamer」が入ってのは残念。しかし、オリジナル歌詞の日本語でリメイクは正解!! 一時期、リーダーの永川敏郎は日本語のヴォーカルは嫌い云々とか言っていたが、ジェラルドはやはり日本語が断然いい!!   
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2011年12月31日

2011年12月に観た映画


●スペイン一家監禁事件 (2010年/スペイン/監督 ミゲル・アンヘラ・ヴィヴァス)★★★
もう12月、巷ではヘドが出るようなクリスマスソングが流れる中、こんなゴキゲンなタイトルの作品ですが何か? さぞや、強烈で悲惨な内容だろうかと思いきや・・確かに悲惨な内容で、特にラストの救いのなさはあの「ファニーゲーム」を凌ぐような後味の悪さ。しかし、しかし、それ以上に長廻しを多用したカメラワークのトリッキーさに目を奪われた。自主映画か何かでカメラを扱った事のある人なら一体、どうやって撮影したのか?と腰を抜かさんばかりに驚くショットの数々。かつて、ゴダールとトリュフォーが溝口健二の「新平家物語」のロングショットを観て、慌てて映写室でプリントを確かめたというエピソードを思い出す。役者やカメラの動き方等、本当に面倒で緻密な計算だったのだろうと苦労の後が偲ばれる。ラスト近くの画面が2分割のスプリットで同時進行で起こるシチュエーションを見せ、さらに両シーンが合体という離れ技にはマイッタ!! というワケでバカテク過ぎて、内容にまで目が行き届きにくかった。
●ヘル・ドライバー (2011年/日本/監督 西村喜廣)★★
景気よく血がドバドバながら、過剰になるとコミカルになる。それは20年近く前にピーター・ジャクソンの「ブレイン・デッド」で学んだハズ。まあ、海外マーケットを意識したジャパニーズ・スプラッター・シリーズのSUSHIタイフーンはそんなんばっかですな。まあ、アメリカの市場を特に睨んだのなら大正解かも。
●永遠の子供たち (2008年/スペイン/監督 J・A・バヨナ)★★★
スパニッシュ・ホラーはレベルが高いという山口雄大の言葉を信じて鑑賞した一本。孤児院で育った女ラウラは大人になり夫とともに自ら育った現在は廃墟となった孤児院を買い取り、再開させようとする。そこに現れる子供たちの霊に導かれていくラウラの子供シモン。一見、純粋なオカルト作品に見えるが、そうだろうか?  自分の育った孤児院を再建させようとするラウラの心象風景が当時の孤児院メイトをつくりあげてしまったのではないだろうか? そう思うとオカルトものがサイコサスペンスへと早変わり。結局は謎のまま幕は閉じるが、リバーシブルな一本でしたなあ。
●微熱 愛と革命の日 (2006年/ノルウェー/監督 ハンス・ペーター・モランド)★★★★
最近はレンタルDVDのエロティックもののコーナーに意外と掘り出し物があることに気付いた。ジャケットには映画中の裸の出てくるシーンのスチールを大々的に掲載して、それらしい邦題という何ともピンク映画的な手法で、エロを期待する人には詐欺としか思えないようなものも多々あるが、北欧、東欧の未公開作品の宝庫であった。かつてのノルウェーで共産主義に傾倒した男が同志の医師でもある女性に惹かれていく。最初は相思相愛のようであったが、女の方が共産主義に重度に傾倒していき男と恋愛関係にあったことを自己批判する始末。しかし、その思想自体が幻想であった事に気付き、周囲の人間が次々と離脱していき、ゲシュタルト崩壊によりコミュニスト女も自決。
流れとしてはノルウェー国内の共産主義に傾倒した若者の群像劇であり、結局は若気の至りでそんなものに傾倒したが、後になってそれは幻想だったと気付くというよくあるパターン。まあ、今でも左がかった思想で活動をしてる人もいるようだが、もはや共産主義は一種の哲学のようなものだろう。昨今の反原発系のイベント(こういったイベントを客観的に見た事がある人ならわかると思うが、反原発をダシにしたアイデンティティー確認の場であるんだよな)が彼らの絶好のプロパガンダの場になっていて、それに巻き込まれて自分を見失い、狭い了見を露呈した知人もチラホラ。
最初にも触れたが、エロを期待した人は御愁傷様という他ない。
●アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ (2010年/アメリカ/監督 スティーヴン・R・モンロー)★★
「お前の墓に唾をかけてやる!!」という挑発的なタイトルのこの作品はかつて洋ポルノ枠で公開された「発情アニマル」のリメイク。80年代のレンタルビデオの黎明期に「悪魔のえじき」というタイトルでビデオリリースされた「鮮血の美学」と並ぶ70年代裏サスペンスホラーの傑作としてマニアに語り継がれた作品。レイプされ陵辱の限りを尽くされた女が男どもに血なまぐさい復讐をしていくというもので、血みどろ度はオリジナルを凌駕。しかし、どうもテンポが悪く、復讐の下りがどうしてこんなに都合よく展開するの?というくらいのご都合主義。  
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2011年12月21日

28年間夢中だった天才音楽家、僕の青春そのものの東欧ロックを想う

SBB
●SBB/Iron Curtain (CD/ポーランド)
●SBB/Blue Trance (CD/ポーランド)

僕が天才だと思う音楽家にエディ・ジョブソン、ヴァンゲリス、パット・メセニー、ヤン・ハマー、マイク・オールドフィールド、そして今回取り上げるポーランドのSBBのリーダー、ユセフ・スクシェクがいる。
僕のユセフとの出会いは高校1年の頃、ミュージック・マガジンの輸入盤店の広告でポーランド、チェコ盤が続々入荷とあり、コレギウム・ムジカム、フェルマータ、Mエフェクト、SBBといった名前だけを知った。しかし、既に旧ソ連のロックには関心はあったものの共産圏の得体の知れない音に高校生にとっては結構な金額でなかなか冒険できなかった。それから、2年ほどして大学受験で大阪へ出てきて、帰りにブラリと寄った清水さんというプログレ好きの担当者がいた頃の新星堂ディスクインなんばの共産圏のコーナーでみかけたSBBの「Memento Z Banalnym Tryptykiem」、裸電球に4人のメンバー(このアルバムは異色的にギタリスト2人のカルテット)写真。ちょうど、その頃の僕はアンジェイ・ワイダというポーランド人監督の「灰とダイヤモンド」という映画を観たばかりで、そのイメージとジャケットが見事にだぶってしまった。そして、もう1枚チェコからの「SBB」というタイトルの作品。迷わずに買ってしまい、ヴォーカル、キーボード、ベース、ハーモニカをマルチにこなすユセフの技量にすっかりとまいってしまった。特に「SBB」のA面ラストにおけるムーグシンセサイザーの怒濤のようなソロにどれだけしびれた事か!!もしかして、ユセフはムーグの使い手としては世界一ではないだろうか!! こう思ったりした。 そして、ユセフの影響でキーボードをやっていた僕もベースギターにもプレイするようになっていった、しかしヴォーカルだけはちょっと・・。そして、ユセフの「Ojciec Chrzestny Dominika」というソロを手に入れ、全ての多彩な楽器を一人でこなした絶句もので、一人多重録音ものではこの作品を越えるものは今だにないと信じている。僕もいつか一人多重録音ものにトライしたいとずっと思っていて、やってはみたものの・・・ダメですな。
また、ずるずると東欧ロックにのめりこみ、東京神田にあったロシアのレコードの輸入元だった新世界レコードにもお世話になったり、ご無理を聞いてもらったり、そこを通じて僕の東欧ロックの師匠ともいえる北田裕幸さんにも知らないミュージシャンや現地の事情や色々と教えていただいたりと随分と見聞も広がりました。北田さんがポーランドやチェコのレコード店を巡ってきたと聞いた時は本当に羨ましかったなあ、行きたかったなあ。その北田さんの東欧ロックへの傾倒が詳細に書かれたサイトがあり、驚くほど僕のパターンと似ていて強い自己肯定へとなりました。
よかったらみて下さい。
http://sound.jp/grouptherapy/touou.htm
そのギタリストとしても素晴らしかった北田さんも物故者となり、ロシアンミュージックのシンボルのような新世界レコードも今は存在していないというのが、非常に悲しい限りです。
クサイ言葉を使わせてもらうと、東欧ロックは僕の青春そのものだっと言えるのは確かです。
閑話休題
それから、ずっとユセフを追い続け、SBBは一時的に解散したけど、現在こうやって元気に活動しているのは嬉しい限り。近年の2枚をまとめて入手したけど、かつての若々しさはなく円熟という言葉が似合う音楽である。確かに再結成直後あたりのスタジオ盤には少々辛いものがあったが、この2作はかつてのSBBの素晴らしさとは互角とは言わないが、その領域に接近していると言ってもいいだろう。しかし、決して安易にアンプラグドやフォーク、トラッドに走ることがなく、昔からのブレのない音楽観は流石である。また、ムーグシンセを今も愛用していて、ムーグが泣いている!! こんなに素晴らしくムーグを歌わせる事の出来るプレーヤーはユセフの他にはヤン・ハマー、マンフレッド・マンくらいだろう。




  
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2011年12月11日

悶絶もののクサさと叙情、凄過ぎる!!

OPUS ATLANTICA●OPUS ATLANTICA/Same (スウェーデン/CD)
この間から以前のCDを整理していて、スウェーデンのヴォーカリストPete Sandbergを再評価するに至った。といっても、MIDNIGHT SUNの3rd、SILVER SERAPHの2枚しか持ってない事にも気付いた。このPete Sandbergというヴォーカリスト、声が自分の好みにピッタリ。まさに甘い歌声で声質だけで叙情性を演出出来るのではないのだろうか? こんなヴォーカリストは他にはあのJohn Wetton、カナダのHarmoniumにいたSerge Fiori、日本ではSurgery(←もっと評価されていいと思うグループ)の堀沢俊樹、Moon Dancerの沢村拓(←ヴォーカルは厚見玲衣が多かったが、少々暑苦しい)だと個人的には思っている。
話は逸れてしまったが、そんなPete Sandbergの歌がもっと聴いてみたくなって、入手したのがこのOPUS ATLANTICA。あのMIDNIGHT SUNの名作「Nemesis」とギタリスト以外が共通している。しかしまあ、ベースのJonas Rheingoldって、ハードロックとプログレを行き来して幾つのバンドを掛け持ちしてるんだ一体? それはそうと、絵に書いたような北欧ネオクラシカル路線が始まり、2曲目の「Judas Call」で早くも見せ場全開!! Aメロ部分はAlcatrazzの「Too Young To Die, Too Drunk to Live」を思わせるのネオクラシカルで悪くはないと思っていたら、4小節ほどAメロの流れを汲むBメロで僕好みの展開と思いきや、その直後にリズムチェンジで女性コーラスによる怒濤のサビは考えられる限りのクサいメロディーの最大公約数を結集させたかのようなメロディーで神々しいまでの眩さを伴って襲いかかり、僕の感性を力技でもって揺さぶりにかかる。 しかし、それだけではなかった!! 2分20秒あたりから変拍子のリズム隊によるパッセージでプログレ的展開を期待させて、2分55秒あたりで早弾きキーボードソロに導かれて、またも怒濤の悶絶の女性コーラスパート!! いやあ、僕の理想のハードロックがここに集約されていると言っても過言ではない!! この1曲が素晴らし過ぎるが、他にもネオクラシカル魂全開のインスト「Anthem」、またも神々しい女性コーラス隊が活躍するスピードチューン「Endless Slaughter」など捨て曲なし!! と言いたいところだが、ラストのアコースティックギターに導かれるバラード「Upside Down」はどうもいただけない。そういや、僕のiPodにはハードロック系でバラードはもちろん、ミディアムテンポの曲すらあんまり入ってなかったような気がする。 

問題の「Judas Call」、この曲に心酔せよ!!




  
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2011年12月10日

2011年11月に観た映画

●ヒア・アフター (2010年/アメリカ/監督 クリント・イーストウッド)★★★
公開時にあの震災が起こり、冒頭の津波シーンによって公開中断となった曰く付きの作品。製作をスピルバーグが行ってるせいか、人の死と死後をテーマにしているのに観終わった後に「ミリオンダラーズ・ベイビー」のようなどん底へ叩き込まれるような重たさがない。実はイーストウッド特有の変態的な重たさを期待していたが・・・少々残念。タイプは違うが同じ俳優出身監督ロバート・レッドフォードの「普通の人々」を何故か思い出した。
●極悪レミー (2010年/アメリカ/監督 グレッグ・オリバー、ウェス・オーショスキー)★★★★
「世界最低のバンド」の称号を得たモーターヘッドのフロントマンにしてハードロック界のカリスマ、レミー・キルミスターの半生を追う音楽ドキュメンタリー。レミーの意外な一面が色々と観れて驚き、父親としてのレミー、ミリタリーマニアのレミー、あんなスターなのに家賃900ドルのアパートに住むレミー、糖尿病を患うレミー、何よりも衝撃的なのがホークウィンド以前のモッズ系バンドに在籍していた頃のレミーの写真!! ヒゲがないのはもちろん、襟なしジャケットにマッシュルームヘアーのすっかりアイドル!!
モーターヘッド結成当初から何十年もブレのない音楽人生、ヤッた女は1000人だって?? ホークウィンドをクビになった時にメンバーの女を寝取ったり(←レミーさん、シビれるぜ!!)、部屋の壁一面には軍用の剣のコレクションがずらり・・・男の理想的な生き方ですな。誰しもこういう生き方に憧れるんではないだろうか? 日本のロックミュージシャンでこんな人いるか? まあ、内田裕也が近いといや、近いだろうか?
●チェイサー (2009年/韓国/監督 ナ・ホンジン)★★★
韓国って「悪魔を見た」といい、どうしてスター級の俳優が出てて予算も潤沢な作品でエグい描写が可能なのだろうか? 韓流とかヘドが出る情報操作や韓国ホラーのお涙頂戴なメロドラメ的展開(メロホラと勝手に命名させてもらったよ)には本当にウンザリだが、こういったダークな部分をレイティングの事を無視するかのような真正面から捉えた姿勢は評価したい。 
●心中天使 (2010年/日本/監督 一尾直樹)★★★★★
ピアニストのユウ、サラリーマンのアイ、女子高生のケイという全く接点のない3人が意識を失って倒れ、その瞬間から「奇妙な何か」にとりつかれていく。実際、非常に難解な作品で、かつてのATG映画を今のイディオムで製作したらこうなるのだろうかと思わせる。また映画ならではの醍醐味に溢れていて、文字では伝わりにくい作品でもある。感覚的な映像も多く、「ああ、僕も昔は自主映画を撮ってたけど、こういうのを撮ってみたかったよなあ」と思った。また、音楽を極力を排する事により緊張感が高まり、ここぞというところ美メロディーが流れて緊張の糸がほぐれるという仕掛けでクローズアップさせたいシーンを強調してくれる。確かにクライマックスみたいな演出が施されているけど、何でこうなるの?? しかし、そういった理屈を無効にしてしまう程の力のある映像(←言葉を超越したものであるという意味であって、キレイなシーンとかロケ地がいいとかの類いではない)と3人の主要登場人物が映画と一体化したかのような存在感(←安易な情緒による俗な芝居や表情が見つからない)のは見事。
監督の前作「溺れる女」ではさほど気にならなかったが、一挙に気になる監督となってしまった!!
●メタルヘッド (2010年/アメリカ/監督 スペンサー・サッサー)★★★
心に問題を抱えた家庭に異者が入り込み迷惑な行動を繰り広げ、その家庭をとりあえず再生させるというハナシ・・ん? ん?? これって、三池崇史の「ビジターQ」とそっくりじゃないの?? オマージュかと思ったよ!! 但し、三池ヴァージョン(もう完全に「メタルヘッド」が「ビジターQ」のカバーだと捉えているなあ・・)の方が規格を大きく外れて精神的ロック度が高く、それ故にポップなキッズの許容範囲を超越し孤高の域にしてしまってるが。しかしまあ、ヘヴィメタルってやっぱりこういったイメージがあるんですかねえ?? また、SF映画かと思うような邦題って、やっぱりそういう意図??
  
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2011年11月05日

2011年10月に観た映画

●ビー・デビル (2010年/韓国/監督 チャン・チョルス)★★★★
おなじみの井口昇&山口雄大のバタリアンズの副音声付き。日本公開前から一部のマニアで話題になっていた作品で、肉体的、精神的の双方から容赦ない暴力が満ちている好作品。「丑三の村」の韓国ヴァージョンとでも言おうか。ラストはスラッシャームービーの如くフルスロットル!!
●農家の嫁 (2010年/日本/監督 いまおかしんじ)★★
何かATG映画の「遠雷」を思い出してしまったが、意識してるのではないだろうか? ヒロインの小鳥遊恋(たかなしれんと読むらしい)の垢抜けない癒し系ぶりが農家の嫁というものにリアリティーを感じさせる。いまおかしんじお得意の切ない展開もみせてくれる。
●富江 アンリミテッド (2011年/日本/監督 井口昇)★★
富江って一体何作目になるのか? 富江を演じた女優は何人いるのか? しかし、菅野美穂を越える富江にはお目にかかった事がない。だが、今回の仲村みう、原作のイメージにかなり近い気がする。
そして、活躍の目ざましい井口昇が今回の監督。いつもの井口監督にしてはギャグの要素は控え目のように思えるし、ギャグをやられても困る。本人も原作のイメージを再現したかったと語っているのだから、そうなんだろう。伊藤潤二原作の富江は地味に怖いホラーであり、だからこそ怖さの引き立つ作品だと思うので、派手な見せ方の演出は控えて欲しかった気がする。
●吸血蛾 (1956年/日本/監督 中川信夫)★★
中国経由で入手した昔の金田一耕助もの。池辺良演じる金田一耕助、僕らが古谷一行や石坂浩二で見慣れた袴に下駄というスタイルから大きく離れ、まるでイギリスのミステリーに登場する探偵のようなダンディーでキザな男。その前の片岡千恵蔵にしたって、多良尾伴内と変わらないようなキャラだし、「悪魔の手毬唄」の高倉健のような爽やかな金田一耕助というのもある。
塩沢ときが「塩沢登代路」の名前でかなり重要な役で出演しているが、あまりの美人ぶりに気付かないだろう。その辺は岡本麗のロマンポルノ時代を観たらビックリするのと同じようなもんか。
●幽霊男 (1954年/日本/監督 小田基義)★★
こちらは河津清三郎という地味な顔立ちの役者が演じる金田一耕助。まず、河津清三郎という役者、無声映画時代から活躍し、僕らの馴染みのあるところでは東宝特撮ものの「妖星ゴラス」「電送人間」「モスラ」「宇宙大怪獣ドゴラ」「透明人間」と決行出てるんですなあ、まあ地味な顔立ちなんで記憶に残りにくいか。
これは原作を読んだ事がないが、「猟奇」というキーワードが非常に危険且つ魅力的な響きを持っていた当時の雰囲気がよく伝わってくる。昭和初期には「月刊変態」とか「変態資料」とかいう雑誌が堂々と刊行されていたワケで、たまに古書専門店で恐ろしく高い値段で売られていて読んだ事がないけど。
●虹男 (1949年/日本/監督 牛山虚彦)★★
角田喜久雄原作の映画化。メスカリンの幻覚により虹のような光景を見せるというのが当時としては斬新だったのだろう。今でもそういうトリックは斬新だと思うけど。幻覚映像を当時は珍しかったカラーフィルムで見せているあたりに大映製作陣の気合を感じる。
●狂気の行方 (2010年/アメリカ、ドイツ/監督 ヴェルナー・ヘルツォーク)★★★
なんと、デヴィッド・リンチ製作、ヴェルナー・ヘルツォーク監督の作品。80年代からこの両名をチェックしていたので感慨深い。ロバート・フリップとクリス・スクワイアが組むようなもんか。
母親を殺害し、立てこもった男vs警察の異色サスペンス仕立て。男の婚約者や友人を交えて、何故このような犯行に至ったかを回想ドラマで綴っていくシーンが大半。ウド・キアといったニヤリとするキャスティングにはみ出し映画野郎に対する気遣いにも抜かりがない。断然、回想シーンが面白い。ダチョウ農場なんて・・・奇妙すぎる。  
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2011年10月20日

極甘コテコテのシンフォニックロックにお腹イッパイ!!

CAST●CAST/Legend (CD/メキシコ)
メキシコのシンフォニックロックグループの2000年の11作目。ライブ盤やベストを含めると20枚近くリリースしているのではないだろうか。しかも、プログレッシブロックという範疇から外れる事なくリリースし続けているのには頭が下がる思いだ。
90年代初頭に台頭してきた頃は平均的なポンプロックという印象で一生懸命追いかける程のものでもないと判断した。まあ、メキシコもので80年代にメディアで大絶賛のイコノクラスタに大いに外されたのもあって、メキシコはこまめにチェックしてなかった。CASTもリリースされていたが、手を出す事がなかった。しかし、最近本作を格安でゲットして聴いてみたら、格段に進歩した音となり聴き狂っている。一言で言ったら、巷によくあるジェネシスクローンだが、反論もあるだろうがピーガブ時代のジェネシスよりも聴く頻度が高い。僕はフォロワーがオリジナルを凌駕するというのはよくある事で、ピンクフロイドよりも四人囃子、ピュルサーの方が、ジェントル・ジャイアントよりもイエツダ・ウルファの方が間違いなくよく聴いたと断言できる。コテコテの絵に書いたようなシンフォニックロックで、録音が悪くてiPodで聴くと音の悪さが顕著にわかるのが難点。  
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2011年10月12日

2011年9月に観た映画

●悪魔を見た (2010年/韓国/監督 キム・ジウン)★★★
婚約者を殺人鬼にバラバラにされて殺された刑事の復讐劇。一旦捉えて発信器を内蔵したカプセルを飲ませ、GPSで常に居場所を確認し、暴行を加えては陰湿に復讐を遂行していく。しかし、相手の殺人鬼もなかなか負けてなくて、殺人鬼サイドのセコンドの乱入等のギミックもあるが名勝負の様相を呈してくる。主人公の婚約者がバラバラに殺されるくだりがもっと描かれててたら、より一層問題作になったのに・・・あ、そういうの狙ってないか?
●コリン (2010年/イギリス/監督 マーク・プライス)★★★
 今まで低予算映画と銘打った作品は数あれど、この「コリン」はちょっと信じ難い低予算ぶり。なんと5800円!! 僕も自主映画を撮ってたけど、5800円なんてアンタ、どう考えても無理やで、ホンマ。実際に観ても、ホンマに5800円で出来たのか? と思わせる。FACEBOOK等でキャストを集めたらしい。そう思ってもう一度観たが、ホントに?
 まあ、腐るほどあるゾンビ映画としてはかなりアイデアで勝負に出ましたなあ。ゾンビ化した主人公をメインに据えてという、これは結構斬新かも。
●愛するとき 愛されるとき (2010年/日本/監督 瀬々敬久)★★★
 瀬々敬久という監督は器用な監督だと思う。「感染列島」という商業映画を撮る一方で、こういったピンク映画的なものも撮る。
 主役の江澤翠、こりゃええわあ。何とも地味な顔立ち、これがテレビドラマなんかで主役を演じるようなタレント女優だったら、この作品の魅力は半減するだろう。すべてはこの江澤翠に尽きるだろう。
●アンチ・クライスト (2009年/デンマーク、ドイツ、フランス、イタリア、スウェーデン、ポーランド/監督 ラース・フォン・トリアー)★★★
「奇跡の海」を観た時にラース・フォン・トリアーってアンチ・クライストだと思った。熱心なクリスチャンを心の底から馬鹿にするかのような悪意がヒシヒシと感じとれたが、世間では感動的な作品として通ってしまったが、それも計算の上だと思うし、こんな表面的なものにコロリと感動してしまうなんてなんて馬鹿な奴らだと笑っているだろう。そして、その似非感動作ぶりの悪意は「ダンサー・イン・ザ・ダーク」で頂点に達した。日本では園子温の「愛のむきだし」の似非感動作ぶりってのもあったけど。そして、「イデオッツ」「ドッグヴィル」ではその本性を露にした。神経を逆撫でするかのような嫌悪感いっぱいの展開と映像で鬱な登場人物と同じ気分をお前らも体験してみろや!!というイカれた巨匠ラースのありがたいメッセージでしょうかねえ。
しかし、シャルロット・ゲーンスブールの老けぶりに驚き、メイクか?  
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2011年09月16日

本当に歌手のアルバムか? ってくらい演奏がスゴイ!!

BOOZ●EMMANUEL BOOZ/Dans Quel État J’err (CD/フランス)
 このアルバム、存在自体は専門誌「Marquee Moon」で10代の頃から知っていたけど、色々なレコードを入手するのに必死で、ヴォーカリストのアルバムといったものに魅力を感じる余裕などなかった。もちろん、当時はアナログ盤が高くて、手が出なかったってのもあるけど。その頃はフレンチロックではアトール、エルドン、アンジュ、マグマ、シャイロック、パルサー、モナリザ等のレコードを手に入れるだけで精一杯だったと思う。でも、狂気の女性ヴォーカリスト、ママ・ベアのレコードは比較的に安かった事もあって買った事があるけど。
 それから、月日は流れ、Emmanuel Boozの事などすっかり忘れていた頃、名古屋の大須にあったPOOR HOUSEというプログレ、サイケ、ハードロックのアナログ盤専門店でこのアルバムを聴かせてもらって本当に驚いた。LP盤を通じて全部で3曲の大作揃い。全てがテンション上がりっぱなしのハードな内容で、1万数千円くらいしたと思うけど、即買ってしまった。歌手のアルバムなのに、ヴォーカルを置き去りにしてギターやキーボードが暴れるというプログレハード然とした演奏の比重が高く、バンドのアルバムだと言って聴かされた間違いなく信用してしまうだろう。その日から愛聴盤になり、毎日のように聴き狂ったし、今でもイントロのギターが聞こえてくると拳に力が入る。
 このアルバムがなかなかCD化されず、レコードジャケットをスキャンして自作の紙ジャケを作って、レコードから落とした音からCD-Rを作成してずっと聴いていた。やがて、ブートでCDが出回り、それを買った。
 そして、遂に正式にCD化、もちろん紙ジャケ。オマケに10分にも及ぶ既存の3曲にも負けないテンションの高い曲がボートラとして収録。キーボードがなく、ハードなギターリフがかっこいいこの曲を毎日のように聴いている、このアルバムを初めて手に入れた時のように。  
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2011年09月04日

2011年8月に観た映画


●いわく憑き (2005年/日本/監督 橋口卓明)★★★
葉月蛍出演のホラーポルノ。何の期待もせずに観てたけど、意外やホラーとしてもワリとしっかりとした作りに感心。
●新怪談残虐非道 女刑事と裸体解剖鬼 (2004年/日本/監督 山田誠二)★★★
このタイトル、どうしても気になるよね!! 低予算のせいか異常なもでにチープな作りながら、後半のダルマ女のくだりは結構面白い。まあ、今まで都市伝説では有名ながら、それをモチーフとした映像作品というのがなかったのが不思議なくらい。
●新怪談裸女大虐殺 化け猫魔界少女拳 (2005年/日本/監督 山田誠二)★★
こちらはダメ。チープさが祟って、どっかのそこそこスキルのある映研の自主映画のよう。素人にしてはスキルがあると変に商業映画に接近したがるもので、それは映画ごっこさながらの様相で内輪なら大ウケだろうがとても観ちゃいられない作品を生み出すというのがよくある事。僕もそんな素人作品を何度観たことか!! 別にこの監督の山田誠二を素人と言ってるワケではないが、この作品を観てるとそういう気になった。あの「発狂する唇」とスタンス的には近いところにあるような気がするが、予算の違いといわれればそれまでながら、出来は雲泥の差を感じる。
●冷たい熱帯魚 (2010年/日本/監督 園子温)★★★★★
園子温という監督はそれほど好きな監督ではない。ある8ミリ映画のコンテストでも同期であり、彼の8ミリ作品も何度も観ているし、16ミリの「自転車吐息」も観てるし、「部屋」「桂子ですけど」はDVDまで買ってしまった。だが、「愛のむきだし」「自殺サークル」「エクステ」「奇妙なサーカス」「紀子の食卓」とイマイチ好きになれないが、無視出来ずについ観てしまった。この「冷たい熱帯魚」もそんな感覚で観た。そもそも過激なスプラッター描写のある作品であるという事すら知らなかった。その先入観のなさがよかったのか、非常に気に入ってしまった。世界レベル的にみても素晴らしい作品ではなかろうか。
そして、殺人鬼役のでんでんの魅力全開と新しいタイプのシリアルキラーがキラーものの新境地を切り開いたようにも思える。前々から気になる女優だった黒沢あすかの魅力も再認識した。但し、園子温の演出でよく見られる感情の爆発の描写の恥ずかしさは遺憾ともし難い。黒沢清や佐藤寿保のような低体温的感覚ではなく冷静さという均衡が失われたかのような危ういバランスで成立したかのように思える。まあ、好きな人からすればそこが魅力なんだろう。結局のところ、ホン(台本のこと)と役者が良かったのであってこのホンと役者で三池崇史なんかが撮ったらとてつもないものが出来ただろう。
それでも評価は最高点で、DVDを買ってしまったが。
●レイキャビック ホエール・ウォッチング・マサカー (2009年/アイスランド/監督 ジュリアス・ケンプ)★★★
捕鯨禁止で失業した一家が鯨ウォッチャーを虐殺!! とまあ、ゴキゲンなプロット。更に裕木奈江が出演し、更に更にあのレザーフェイスを演じたガンナー・ハンセンが出演!!
まあ、内容としては可もなく不可もないスラッシャーものという感じだが、監督は間違いなく裕木奈江を気に入ったとみた。続編で殺人鬼となった裕木奈江を主役に据えたヤツが観たいぞ!!  
Posted by musicareservata at 20:40Comments(0)TrackBack(0)月間映画記録

2011年08月25日

裕木奈江×レザーフェイス=アイスランディック・スラッシャームービー

我らが裕木奈江がアイスランドのホラーに出演するという情報を得て久しいが、「レイキャヴィク・ホエール・ウォッチング・マサカー」というタイトルで日本上陸!! 既にDVDにもなっていて、レンタルで借りる事もできる!!

アイスイランド映画でフリドリック・トール・フリドリクソンという監督くらいしか浮かばんが、実のところ結構あるらしい。たかだか人口30万くらいの国なのにすごい事ですなあ。

アイスランド、グリーンランドって僕の永遠の憧れの地で死ぬまでに行ってみたいところの一つ。

そんな国があろう事か、スラッシャムービーを!! しかも出演者に裕木奈江が!! それだけでなく、あのホラークラシック殿堂入りの「悪魔のいけにえ」のレザーフェイスを演じたガンナー・ハンセンも出演!!

物語としては捕鯨禁止で失業した捕鯨一家が観光鯨ウォッチャーを虐殺するというもの。また、虐殺されるウォッチャーもイヤなヤツが多い。鯨見物も鯨の安息を邪魔してるのではないかという議論を盛り込む等、社会派作品としての側面もみせる事に抜かりはない、

そして、問題の裕木奈江が日本人(どう見ても日系の片言日本語をしゃべる胡散臭い役者)の金持ちの秘書という設定で、殺人一家の虐殺劇に巻き込まれていくのだが、その後の展開が素晴らしい。

監督は裕木奈江のことを相当、気に入ったとみたぞ!!

ネタばれになるので、詳しくは書けないが、続編を作るとしたら主役は間違いなく裕木奈江やね!!

捕鯨禁止により失業した漁師軍団vsシーシェパードのような過激な団体の血みどろな抗争といった図式も見てみたっかたぞ!!

  
Posted by musicareservata at 21:38Comments(0)TrackBack(0)映画雑記

2011年08月18日

ポップなのに超絶技巧!!

MOE TAR●MOE TAR/From These Small Seeds (アメリカ/CD)
 メタルにしろ、プログレにしろテクニカルな音は結構好きだが、Henry Cow、フレッド・フリス周辺なんかはちょっと苦手ですなあ。どうも演奏のための演奏のような気がして・・・。どんなにテクニカルな演奏でも曲自体はキャッチーである・・これが僕の理想。だから、ジェントル・ジャイアントよりもそのフォロワーであるアメリカのイエツダ・ウルファの方が聴く回数が遥かに多いのもそういうとこだろうか?
 今回のモエ・タールなる女性ヴォーカルを中心とした5人組はまさにそんな感じ。メチャメチャ、ポップなメロディーにフランク・ザッパ張りの変拍子が絡む、それがキワモノ的でなく実にナチュラル。時折、ジェントル・ジャイアントみたいな屈折したヴォーカルラインもあるが、ヴォーカルのポップさとの対比が絶妙。



  
Posted by musicareservata at 14:18Comments(0)TrackBack(0)音楽 アメリカ

2011年08月16日

32年前の熱きスピリット

野獣●野獣/地獄の叫び (CD/日本)
1979年にリリースされたハードロックグループ。32年も前の音ながら、今聴いても全然カッコいい。タイトルチューンの「地獄の叫び」を当時中学生だった僕がFMラジオで聴いて、カッコいいといかいいようのないギターリフの応酬や緩急付けた曲構成に新鮮な衝撃を覚えた。その当時、日本のハードロックはBOW WOW や紫くらいしか思い浮かばず、ラウドネスの高崎晃もまだレイジーでアイドルしてた頃で、ハードロックといえばかなりマニアックな存在だったと思う。そして、YMOのブレイク前夜で時代はニューウェーブへと流れていった頃でもあり、タイミングが悪いといえばそうだろう。
 その後、レイジーが解散しラウドネスが誕生し、雨後の筍のように次々とヘヴィメタバンドがメジャーデビューした。そんな時期に野獣がデビューしてたらどうだっただろう?

 野獣解散後、ギタリストのローラこと中野重夫氏はヴァイオリンをフューチャーした中野ブラザースを結成し、偶然テレビで目撃してプログレッシブなテイストを感じたら、その次にはインストグループ、ダイナゴンでハードロック寄りのフュージョン的な音をプレイし、プログレファン完全対応だったが、残念ながら音源はデモテープのみでそちらのCD化の望みたいところ。さらにその後はシゲオ・ロール・オーバーでジミヘンの完コピを実践して、その筋の人では知られた存在となっていく。

 余談ながら、このCDを買った店でジョー山中の訃報を知り驚きました。フラワー・トラベリン・バンドの「SATORI」を聴きならが冥福を祈りました。



  
Posted by musicareservata at 09:40Comments(4)TrackBack(0)音楽 日本

2011年08月05日

メロディーの力は偉大なり!!

エイジア●ASIA/Omega (CD/イギリス)
 去年もブログでエイジアのオリジナルメンバーによる復帰作「Phoenix」を褒めちぎったが、そのメンバーによる次作「Omega」は去年のリリース。「Phoenix」の興奮が醒めやらぬうちに買っておくべきだったと深く反省。
 先日のイエスでも強力なメロディーメーカーぶりをみせつけたジェフ・ダウンズのホームグラウンド、エイジアではメロディーの力の偉大さというものをまざまざと痛感させられる。僕はプログレでどんなにテクニカルであっても基本のメロディーに力がないとダメなんですわ。イエスの「危機」なんてアナログ片面を費やした組曲の中でもその要素を満たしていると思う。そして、名曲といわれているジェネシスの「Supper's Ready」や3rd以降のドリームシアターが何度聴いても愛聴曲にならないのもメロディーの力の欠如だろうか? (まあ、これは個人的嗜好も多分にあるだろうが)。
 ハナシを「Omega」に戻すと個人的なキラーチューンは3曲目の「Holy War」、7曲目の「Light The Way」、8曲目の「I'm Still The Same」ですな。ポップな中にドラマチックな要素を盛り込む得意なパターンが見事に開花。8曲目などは開き直ったかのようにポップさ全開ながら、何という人懐っこいメロディーだろう。まるでPILOTのようだ。やはり、ジェフ・ダウンズのメロディーセンスは一流ですな。同じジェフ・ダウンズが参加したイエスのドラマー、アラン・ホワイトがリーダーのWHITEの作品も同時期に入手し、同じようにポップなプログレ作品ながらジェフが作曲面で参加していないせいか、ジェフの作曲力の偉大さを思い知らされるような印象の薄い出来だった。



  
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2011年08月04日

2011年7月に観た映画


●黒く濁る村 (2010年/韓国/監督 カン・ウソク)★★★
20年も音信不通の父親が死に山奥の村へとやってきた青年、その村に何とも不穏な空気を感じる。そして父の死に不審を抱き、独自に調査をはじめていく。当然のように村人たちは一癖も二癖もあるようなキャラばかり。
う〜ん、全体的に覆うこのミステリアスな空気感、30年くらい前に邦画のオールスターキャストと銘打って封切られる作品の空気感に似てやしないか? 例えば金田一耕助シリーズのような。何とも懐かしい雰囲気に浸りながら、楽しく観賞しましたよ。
●23年の沈黙 (2010年/ドイツ/監督 ハラン・ボー・オーダー)★★★
こちらはドイツの新進監督によるミステリーで本国ではベストセラー小説が原作だそうだ。23年前に起こった少女殺人事件を傍観していた男が忘れるために名前を変えて、建築家として成功し裕福な生活を送っていたが、23年前の事件を彷彿させる事件が再び起こる。この何ともミステリーに包まれた導入から、いかにもヨーロピアンなゆったりとした映像が流れていき、ミステリードラマであり、屈折した良質なヒューマンドラマでもあった。
●愛人のいる生活 (2010年/クロアチア、セルビア、スロヴェニア/監督 ライコ・グゥルリッチ)★★
裕福な家庭を築きあげながら妻と愛人を行き来し、オマケに女癖の悪さで大学教授の職を追われた弟の教え子とまで出来てしまうという、ええ年してギンギンで衰え知らずの羨ましく、男の永遠の夢を実現したオッサンのストーリー。これを観て、ああ俺もこんな風に年をとっていきたいな・・と遠い目で思った人、少なくないハズ。  
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2011年07月06日

43年という驚異のキャリア!!

YES●YES/Fly From Here (CD/イギリス)
11年ぶりのイエスの新譜。看板ヴォーカリスト、ジョン・アンダーソンの名前がなく、カナダ人のニューシンガー、ベノワ・デヴィッドが加入、さらにキーボードにはエイジアのジェフ・ダウンズ。1980年の隠れた名作「DRAMA」でもキーボード奏者として参加している。そして、プロデュースにはトレバー・ホーンときたら、イヤでも「DRAMA」を思わせる。この当時にオクラとなった楽曲をベースに20分を超える大作となり、この曲が素晴らしい。ヴィンテージ感溢れる音で、非常に暖かみがあるし、何よりキャッチーなメロディーがいい!!どうも、「90125」以降のイエスはどれを聴いても、イマイチ傑作と呼べるに値するものがなかったと思うが、本作は傑作であると思う。「90125」以降のアルバムで何度も繰り返して聴き込んだ経験は皆無だが、本作は何度も何度もくりかえして聴いている。ただ、「The Man You Always Wanted Me To Be」というクリス・スクワイアとセント・エティエンヌのジェラルド・ジョンソンとの共作曲はいただけないな。セント・エティエンヌ自体は好きなグループだが、やはり場違いな感は拭えない。
 イエスの好きなアルバムといえば「Close to the Edge」「Fragile」の2作は外せないが、「Relayer」「Drama」も好きで本作を入れてベスト5という事になるだろう。
  
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2011年07月02日

2011年6月に観た映画


●火星のわが家 (2000年/日本/監督 大嶋拓)★★★
等身大の日常生活に似せたものを描いても美男美女の俳優が演じて、ガラスケースの中に入れられた現実から距離を置いたドラマを見せられる事になる。しかし、時として生々しいまでの日常を切り取ったかのようなドラマに遭遇する時がある。この大嶋拓監督の「カナカナ」という作品がまさにそうであった。その大嶋監督の第二弾がこの「火星のわが家」。これまた生々しい日常のようなドラマ。NYで活動するジャズシンガー、鈴木重子を主役に据え、その姉役をミュージシャンのちわきまゆみという非役者的存在にスポットを当て、このキャスティングが効を奏している。
●ソーシャル・ネットワーク (2010年/アメリカ/監督 デヴィッド・フィンチャー)★★★
facebookの開発者マーク・ザッカーバーグの物語。脚本を興すにあたって、本人への取材は拒否されたという。また、ザッカーバーグは非常に変わり者というが、映画の中でもイヤなヤツぶりが描かれる。まあ、ザッカーバーグのリアルな人間に対するコミュニケーション能力の欠如が人間関係のもつれ等をひきおこしていく。こんなヤツが周囲にいたら本当に迷惑だろうが、映画の題材としては非常に面白かった。
●君と歩こう (2009年/日本/監督 石井裕也)★★
男子高校生と34歳の女教師との駆け落ちドラマをコミカルに描いた作品。といっても恋愛沙汰など殆ど描かれず、どうして駆け落ちなんかしたの?と問いたくなる2人。コミカルに描く・・といったが、そのポイントは少々寒いような気がする。
●白いリボン (2010年/ドイツ/監督 ミヒャエル・ハネケ)★★
コイツの映画って、何を考えてるのか理解に苦しむ時がある。デンマークのラース・フォン・トリアーも似たようなヤツだが、またわかりやすいし、少なくとも観客に観せるという点ではサービス精神溢れる。しかし、ハネケはそうした配慮も感じられず、映像作品にも拘らず大半を観客の想像力に委ねるようなところがある。今回はまだ観せるという点に於いては比較的に大人しいが、意図的に観客の神経を逆撫でするかのようなメンタリズムは健在。
●襲撃者の夜 食人族Final (2009年/アメリカ/監督 アンドリュー・ヴァン・デン・ハウテン)★★★
スコットランドの洞窟に住み人間を食い続けた原始一族ソニー・ビーンを題材に描かれたジャック・ケッチャムの1981年のデビュー作「オフシーズン」が原作。映画化にあたって、ケッチャム本人が脚本を手がけた。現代人vs食人族といった図式は悪くないけど、食人族のメイク等がどうもコントに見えて仕方なかったのは僕だけ?  
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2011年06月17日

岐阜県在住の国際的なプログレミュージシャン

Tadashi Goto●TADASHI GOTO/Innervisions (CD/日本)
岐阜県在住の教諭であり、キーボード奏者の2ndアルバム。日本国内での活動をほとんどやっていないので、知る人ぞ知るミュージシャン。僕も最近まで知らなかった。しかし、アメリカのレーベルと契約していたりと実はスゴいミュージシャン。
 King Crimsonのトニー・レヴィン、元メガデスのクリス・ポーランド等が参加したこのアルバムを聴いてブッ飛んだ。基本的には打ち込み系ドラムをベースにしたインスト・テクニカル・ロックで、200kmくらいで車をブッ飛ばしたようなドライブ感が凄まじくカッコいい。1曲目のカッコ良さは世界的にプログレッシブロックの範疇で考慮しても近年では秀逸な出来だと思う。
 今年フランス映画に楽曲を提供したり、ビジネス英語に関する書籍を出版したり、臨床心理学や国際経営学の学会に所属していたりと、多才な人であるようだ。個人的にはライブ活動を一切(多分)やらず、自宅やスタジオワーク中心の音楽活動というのもとても共感出来る。





  
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2011年06月03日

2011年5月に観た映画


●エンター・ザ・ボイド (2010年/フランス/監督 ギャスパー・ノエ)★★★
毎度毎度挑戦的な事をやってのける過激な映画作家ギャスパー・ノエの最新作は東京歌舞伎町が舞台、そして僕が長年やりたかった主人公の主観映像。ドラッグディーラーの男(白人系在日外国人)が近親相姦的に愛する妹を本国から呼び寄せるが、手入れに入った警官に射殺されて映画が半分も終わっていないうちに呆気無く死んでしまう。そこからは殺された男の魂からの主観映像と思われる描写が続く。魂の主観なので、各々のシーンが俯瞰により捉えられている。また、要所要所にインサートされるビデオドラッグのようなサイケな画像、シーンの継ぎ目を感じさせず、魂が高速で場所から場所へと移動するかのようなシーンとシーンのブリッジ。役者が芝居をするシーンに於いてもキャメラは落ち着いていなく、常にフワフワとしていて、観る側も不安定な気分になる事間違いなし!! 但し、根がスケベなせいか浮遊していてもラブホに潜入し、ヤリまくるカップルをのぞき観したりと微笑ましい。
●デコーダー 解読者 (2009年/イギリス/監督 ブラッド・ワトソン)
バチカンが封印していた聖書に隠された予言をコンピューターでハッキングして解読しようとするもの。また、解読に成功したハッカーが神に等しい力を手に入れた・・オイオイ、壮大なプロットを密室でこじんまりとやるなよ。誇大妄想なパソコン&アニメ野郎が話しをどんどん膨らませたものの、志は高いが悲しいかな予算がなくショボいもんしか出来んかった・・そんな感じかあ? 大いなる脱力を感じまっせ!!
●ひきこもり (2008年/韓国/監督 パク・チェシク)★★
パッケージの雰囲気から陰惨なホラーを想像してたら、ジャパホラでは「死国」「仄暗い水の底から」あたりようなメロドラホラー。韓国って、メロドラホラーって、ちょくちょくあるよなあ、また演技(特に感情表現)が邦画のそれより過剰(クドい)なんで、結構満腹感があります。
●マッドネス・ヒル (2008年/アメリカ/監督 G・キャメロン・ロメロ)
ジョージ・A・ロメロ御大の息子の作品だそうだ。しかし、しかし、しかし、親父と違って決定的に演出力の欠如、過剰なまでのスプラッター描写以外のシーンで観客を惹き付ける力が弱過ぎる。まるでテクを自慢しながら、作る曲があまりにも駄作というギタリストのようだな。でも、頭の皮を剥がしたりの描写は手に汗握ったよ!!
●ジャーロ (2009年/イタリア/監督 ダリオ・アルジェント)★★
ダリオ・アルジェント師匠の新作で残念ながら劇場で観る機会を逃したものの、僕は映画館原理主義者、スクリーン絶対主義者ではないので観れればええんですわ。
結論から言うと、これをもし映画館で観たらガッカリしただろうな。
まず、こういった作品は基本はミステリーなので犯人は誰かという謎解きの要素が入っていなければならないが、途中から犯人が顔出し、おいおいもう犯人を出してんのか? 殺し方もアルジェント節ともいえるいつもの黒手袋(これはアルジェント本人が演じている)での犯行描写がないため、イマイチ盛り上がらない。ヒロインが美しくない!! 何よりも殺害される描写のアルジェントの世界ともいえる美的感覚は何処へ? 本当にアルジェントが撮ったのか? すら思える。「デスサイト」以降、失速気味やね。
●モルモット (2010年/日本/監督 葉山陽一郎)
三輪ひとみ出演となれば、何でも手を出してしまうが、今回はこれで久々の主演作!! 新薬が開発されるとアルバイトを使っての人体実験ってのがあるが、それを佐藤寿保の「暴行本番」(後に「女虐」としてリメイク、どちらも必見作!!)というのがあるのが、妊婦を使っての人体実験。この妊婦ってのが妊娠中に酒は飲むは、内縁のDV野郎のいいなりで既に産んだ子供への虐待を容認(まあ、最近ちょくちょく捕まるケースですな)。だから、安易に人体実験の被験者になって不幸な結果を招いても決して同情など出来ん。その実験を捜査する三輪ひとみ・・・こちらが主役!! 車から携帯電話をかえるショットはスカートから少し出た生足をメインに据えたアングル、隣人のハッカーにハッキングを頼みに行くシーンも前もってブラウスのボタンを外して相手に勘違いさせる等、ニクい演出も入って世間の三輪ひとみフリーク(何人くらいいるのだろうか?)へのサービスにも抜かりはない。そして、製薬会社に捕まり解放された森の中で3人のクズ野郎にレイプされる三輪ひとみ、しかし何を思ったか棒キレで反撃し、3人のクズどもを鈍い打撃音とともに血祭りにあげていく。あ、これって映画の主旨から外れてますな、でもそういう映画なんですわ。
●告白 (2010年/日本/監督 中島哲也)★★★
かつて、「四月物語」という映画があった。主演の松たか子は本当に良かった。思わずDVDを買ってしまい、何度も何度も観た。今でも時折観ている。その松たか子の衝撃の作品・・という触れ込み。
僕は原作の小説をもちろん読んだ事もない。当然ながら原作との比較も出来ないし、する気も毛頭ない。映画である以上は、原作を知っていようが、知っていまいが楽しめなければならない。原作を知らなければ楽しめない映画(そんな映画ってあまりないと思うが、原作を読む事を絶対条件として語る輩はいるねえ)なんて論外だ。
まず、告白というタイトル通り本当に告白に始まる。事前に話題にもなっていた教師役の松たか子の娘がクラスの生徒に殺された・・そして、該当の生徒2人の心情を語る告白を中心としたシーン、その母親の告白など文字通り告白を中心に成り立った作品。退屈だったか? No、いやいや決してそうではない。しかし、観てもらうとわかるがラストの松たか子の台詞はなかった方が良いのだろうか?
また、冒頭の松たか子は良かったと書いたが、僕が夢中に「四月物語」に観ていたのが1999年頃。公開が98年なので、ひと昔以上も前、そりゃ劣化もするわな。最近、何かで松たか子はチェーンスモーカーであるというのを読んだのが脳裏にあり、そういった情報があるともうダメ!! 画面に松たか子が写る度に脳内でリフレインされる。僕自身が重度の嫌煙家というワケではないが、やはりある程度の想いを抱いた人がスモーカーというのは嫌ですな。興味の対象でない人ならいくら喫煙してもらっても何とも思いませんが。まあ、映画とカンケイないハナシですな。
●パラノーマル・アクティビティ 第2章 (2011年/日本/監督 長江俊和)★★
昔、プロレスが全盛の頃に次のシリーズにはアメリカから凄いヤツがやってくる!!といった触れ込みで、幻想を抱きすぎてフタを開けてみたら全然大した事がないってのもよくあった。映画でもそういった事が時折あり、それが「パラノーマル・アクティビティ」。この映画の予告編的に日本人観客が映画館で怖がっている様子、観終わった後に半泣きで感想を述べたりと、そういうヤオな宣伝方法に本当に腹が立つ。
その続編がアメリカと日本で同時に製作されるという。その日本ヴァージョンがこれ。監督は「本当にあった呪いのビデオ」シリーズの長江俊和。ほん呪シリーズで培ったテクニックで少なくともコケおどし1作目よりも遥かにマシ(怖いという観点からで、完成度はまた別)。大層にアメリカ映画の続編というより、オリジナルビデオ作品という感じではなかなかの出来。
●プリズンアイランド 残虐非道女刑務所(2010年/ドイツ/監督 アンドレアス・ベスマン)★★
「プリズンアイランド 残虐非道女刑務所」か、シネコンで上映されるユルい映画がお好きという女子に好きな映画は聞かれてこの名前を出したら間違いなく退くだろうな。
K3女子刑務所に服役する精神科医の主役は看守からレイプや拷問を受ける女囚の治療に当たっていた。こういうプロット、かつてのダイアン・ソーンのイルザ所長シリーズを彷彿させますなあ。僕も小学生の頃、近所の映画館で「イルザ ナチ女収容所 悪魔の生体実験」「イルザ シベリア女収容所 悪魔のリンチ集団」のロビーカードを食い入るように眺め、ガキだったためR18指定のこれらの作品が観れなかった事を呪ったのを覚えている。
まあ、幾つになっても興味の対象は変わらないもので、ええオッサンになってもこういった作品には心熱くするんですな。
この作品もロメロJr.の「マッドネス・ヒル」と同じく、残虐シーン以外はダメダメ。台詞も何故かアフレコで口とずれる箇所も散見。しかし、ロメロ坊ちゃんと大きく違うのが残酷とエロの組み合わせをようわかってらっしゃる、さすがドイツ人。グロいシーンとなると足の裏にナイフを突き立てたり、太ももナイフでグリグリ等かなりキテます。クレジットで特殊メイクはあのジャーマン・スプラッターの雄、オラフ・イッテンバッハを見つけビックリ!! しかし、ストーリー的展開は全く期待できません。こんな投げやりなラストを作るか? 
●ミッドナイト・ミート・トレイン (2008年/アメリカ/監督 北村龍平)
ジャーマンスプラッター「プリズンアイランド 残虐女刑務所」の後のせいか、非常に薄味に思えるのも日本人監督の所以か。北村龍平作品は何本か観てるが、ダンシングパフォーマンスのようなアクションシーンがイマイチ好きになれん!! 意図的にスローを多用し、「どうだい、スタイリッシュだろう?」と言わんばかりの映像も鼻に付く。
で、スプラッター描写はどうかというと、確かにゴアなシーンも多い。ミートハンマーを片手にしたスーツ男が地下鉄で繰り広げる虐殺。しかし、血ノリ自体がCGであったりと興醒め。ミートハンマーで殴られ目玉が飛び出て、首がゴロンと切断、屠殺された家畜の如く人間が吊るされ・・・文字にすると本当に陰惨なシーンも軽くポップに思えるのは、ハリウッド的には望むところだろうが。
  
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2011年05月24日

奇跡ともいえる珠玉の映像の数々

伊藤高志
●伊藤高志映画作品集 (DVD)
その昔、僕が8ミリカメラ片手にした映画少年だった頃、実験映画という禁断の上映会に足を踏み入れて、脳ミソをかき回されるような衝撃を覚えた。スタン・ブラッケージ、トニー・コンラッド、ケネス・アンガー、かわなかのぶひろ、相原信洋などの作家で、中でも伊藤高志という作家の特異性は僕の感性を刺激して止まなかった。体育館の中に立つこれまた体育館内部の写真を撮影した写真をモチーフに24frame/secのアニメーションの技法で再構成され、体育館の中の写真に吸い込まれ、さらにその中の体育館の中の写真に吸い込まれという観賞者の感覚をズタズタにるかのような摩訶不思議なヴィジュアルアクションがバックに流れるアシッドな電子音楽との相乗効果で永遠にこの快感に身を委ねていたいとまで思った。僕もこういった映像作品を創るんや!! と固く心に誓ったものの、8ミリ四方の小さなフィルムに透過性のあるマジックで着色する作業、部屋の中の物体を1コマずつ撮影するストップモーションアニメ、フィルムにキズを付けるカリグラフ等を試したけど、なかなか根気を要する作業にほぼ断念してしまったのに等しく、稚拙な短編を残しただけの結果にとどまった。実際にこういった作業を経験しているので、この伊藤高志の途方もない作業には敬服に値する。
 「SPACY」があまりにも衝撃だったが、他にも「THUNDER」という作品のカッコ良さはどうだろう。まさにサイバーである。「BOX」に至っては今の視点でみれば、ああCGか・・となるだろうが、時は1982年、アナログな16ミリフィルムを駆使して撮影された。一体どのような技法を用いて撮影されたのだろうか? 今だに不可解だ。

 10年ほど前にビデオテープ版で「ILLUMINATION GHOST」なるタイトルで伊藤高志作品集がリリースされたが、こういった短編映画のアンソロジーはサーチレスポンス性の優れたDVDで観賞するのがベストやね。


  
Posted by musicareservata at 22:30Comments(0)TrackBack(0)ゲットしたもの(映画)

2011年05月23日

日本屈指のドラマーのインプログレ

大文字1
大文字2
●大文字/Improg (日本/CD)

●大文字/Into a Blind Alley (日本/CD)

 吉田達也、ホッピー神山、ナスノミツルのトリオによるインプロヴィゼーション・プログレッシブロック。このメンバーといえば、戸川純バンドの中心メンバーでもある。
 インプロ特有の退屈感はなく、ホッピー神山のエレピを中心としたキーボードワークに時折入るアナログシンセの分厚いソロやうねるモジュレーションワーク、聴いているだけで快感である世界に誇れる吉田達也のドラミング、ホッピー&吉田の即興造語によるヴォーカル等、常にテンションが高くリスナーとしても緊張感が強いられ、聴き終わった後の疲労感が心地よい。
 以前にKENSOのキーボーディストを迎えてのルインズは本当に凄まじかったが、吉田達也のドラムによる構築されたプログレッシブロックを聴いてみたいものだ。プロレスの他団体交流戦みたいな世界だな。

  
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2011年05月17日

日本人ミュージシャンの偉業

SOLID GOLD
●奥本亮/Solid Gold (日本/CD)
 時は1980年、世間ではYMOをはじめとするテクノポップ全盛。僕も富田勲、タンジェリン・ドリーム、ジャン・ミッシェル・ジャール、クラフトワーク等に小学生〜中学生の過渡期に出会い衝撃を受け、自然な流れでテクノ少年となっていった。
 しかし、その反面ではキングレコードが78年頃からはじめたユーロロックコレクションがきっかけでプログレッシブロックといった世界に興味を持ち、テクノ&プログレの二面性を持った少年であり、売れ千ものには全く関心がなくひたすらその当時から裏街道まっしぐら!!な人生であった。 15歳の少年は日本のメジャーな音楽シーンからもナチコ「薬屋の娘」、芸能山城組「組曲 恐山」、茂木由多可「Flight Information」、四人囃子「Neo-N」(これは個人的には今でも10本の指に入る愛聴盤である!!)、山口美央子「月姫」、マライア「Marginal Love」、マジカル・パワー・マコ「Welcome To The Earth」、ダダ「DADA」、スペース・サーカス「Fantastic Arrival」、ムクワジュ・アンサンブル「樹・モーション」、坂田明「テノク・サカナ」、神谷重徳「MU」、そして今回の主役である奥本亮の「Solid Gold」と「シンセサイザーのすべて」等を発掘してはそのプログレッシブな音楽性に悦に入っていた。これは全て当時メジャーなレコード会社からリリースされ、普通に近所のレコード屋で入手したものばかりだった。何枚かはCD化され陽の目を見たものもあるが、未だにCD化されずに埋もれてしまっているのは残念な限りだが、目出たく奥本亮の「Solid Gold」がCD化!! それまで状態の悪いアナログ盤からCDRに落として、更にmp3化して今までiPodで聴いたりしていた。
 このレコードを買った背景には購読していたFool's Mateに載っていたレビューか何かでとっさにプログレ的な何かを嗅ぎとって、早速購入したら結構好きな音だったなあ。奥本亮の下手な英語の発音で、これまたお世辞にも上手いとはいえない歌唱によるアメリカ指向な歌もので、演奏となると奥本亮のエモーショナルでジャズやクラシック臭があまりないキーボードプレイが随所に散りばめられている。その後、「Makin Rock」(これは未聴)、企画もの「シンセサイザーのすべて」をリリースし、渡米しフィル・コリンズ、エリック・クラプトン、アレサ・フランクリン、ポインター・シスターズ等のツアーサポート、スタジオワークに関わり一流スタジオミュージシャンとして20年以上もアメリカで活躍。日本人でこういったスタンスまでいったミュージシャンって、屋敷豪太、ジャズのケイ赤城、お馴染みの喜多郎くらいしか思いつかない。
 それよりも95年にプログレ好きのスタジオミュージシャンによるスポックス・ビアードなるバンドが日本でもリリースされたが、2ndから現在に至るまでキーボード・プレーヤーとして奥本亮が参加しているのがプログレファンには周知の事実だろう。


  
Posted by musicareservata at 17:16Comments(0)TrackBack(0)音楽 日本

2011年05月02日

2011年4月に観た映画


●逆襲!スケ番ハンターズ 地獄の決闘 (2010年/日本/監督 奥田真一)★★
 往年のスケ番ものへのオマージュにアップデイトな感覚を盛り込んだ作品。杉本美樹や池玲子あたりが演じたであろう役は「片腕マシンガール」が印象的な亜沙美。役名は亜沙美ときた。そして、敵役のクールな殺し屋にはなんと三輪ひとみ!! 僕らのようなドサぐれた映画野郎への最高のプレゼントだろう、但し作品としての評価は・・・チト、キビしいですな。
●冷酷処刑人 (2008年/オーストラリア/監督 スティーヴン・キャストリシオス)★★
娘をAVに出演されクスリ漬けにして死に追いやった関係者たちを父親が残酷な方法で復讐していくというプロットは概ねOK。しかし、残酷描写は殆どなく、観る者の想像に委ねられる。復讐の旅に出た父親と途中で拾った若い女のロードムービーのようでもあり、製作者は寧ろそちらに重点を置いたのか。日本の配給元の誤った(意図的に)宣伝方法に見事にハメられてしまったかな・・。
●キャタピラー (2007年/日本/監督 若松孝二)★★★
戦争から生還してきた旦那は手足がなく、喋る事も出来ない・・それって、江戸川乱歩の「芋虫」じゃないの?? 何処にも乱歩のクレジットはないけど・・。
その「芋虫」は本当に短い小説だったが、そこにフリークスとなって帰ってきた旦那を性具として扱い、己が性欲を満たしていく妻の姿をエロティックに描く丸尾末広の漫画の解釈に近いものがある。但し、そこには色気というのには些か縁遠く疲れ切ったノーメイクの寺島しのぶ演じる妻がある。だが、その寺島しのぶの台詞でなく表情での語り口にはハッとさせられるものがある。四肢、声を失った男は確かに自由を奪われただろう。また、それと同時に旦那の一切合切の世話を余儀なくされた妻もまた自由を奪われたに等しい。寺島しのぶの表情を引き合いに出したが、旦那を犯すかのような戯れを終えた後の笑み、ラストで(「芋虫」を読んだ人なら容易に想像出来るラスト)不自由さからの解放からの安堵感を秘めた表情。若松監督は反戦といったものを描きたかったらしいが、寧ろ介護地獄を描いているようにさえ思える。
●モスリン橋の、袂に潜む (2000年/日本/監督 羽野暢)★★★
ミステリーであり、SFであり、寺山修司的でもあり・・こう書くと何だんねんそれ? そう思うのも無理はない、しかしそうとしか言いようがないのである。きっと、監督の中にいっぱ詰まったアイデアをハキ出させて作るとこうなったのだろうか? ストーリー展開(決して難解というワケではない)というよりも白昼夢のような映像に身を委ねればよいのだろうか? 多分そうなんだろう。
●爆発!スケ番ハンターズ 総括殴り込み作戦 (2010年/日本/監督 中平一史)★★
記念すべきスケ番ハンターズの1作目。「地獄の決闘」でも書いたが、確かに僕らのようなヤツ向きだろうが、映画というよりもバラエティー番組中での悪ノリで作ったようなお遊びドラマのようなトーンを感じる。かつての東映映画に見られたようなギラギラした感じが薄いのは残念。ドラマ展開がプロットの奇抜さに比較してオーソドックスだもんなあ。
●ある探偵の憂鬱 (2000年/日本/監督 矢城潤一)★★
ある探偵に依頼者からの仕事はマンションに住む一人暮らしのある老婦人を向いの部屋から見張るというもので、来る日も来る日も変化がない。ところが老婦人の部屋に若い女が現れ、さらに老婦人を殺すように依頼が来る。ミステリアスな展開は面白いが、ラストの探偵が幻の女を追い求めるのはどうもピンとこないし、説得力に欠けるような気がする。
●愛のむきだし (2010年/日本/監督 園子温)★★
 純愛エンターテイメント・・・らしいです。4時間がアッという間に過ぎる・・・らしいです。
 まず、純愛というがそれはそれはかなり胡散臭いぞ!! 盗撮エロ、スプラッター、アクション、家族崩壊、新興宗教といったそれぞれで映画1本分になるであろうファクターをぶち込み、最後の最後で純愛的なもので一応は締める。これって一種のトリックですなあ。
 そして、これを観た時、5話くらいのテレビドラマをDVDにしたのかとマジで思った。すると、実際は劇場で公開されたものとの事。そう思ってしまうくらい、テレビドラマ的なスピーディーな演出によって4時間という時間が短く感じるんだろうな。
●甘い蜜 消えたレコード (2010年/日本/監督 亀田則幸)★★
ビートルズバー「リボルバー」オープンパーティーの日にビートルズの激レアアルバムで通称ブッチャーカバーと呼ばれるマニアの間では有名なアイテムが盗まれた、その罪を着せられた男がその数か月後に事故で死ぬ。それから1年、「リボルバー」にやってきた探偵、1年前にブッチャーカバーを盗んだとされる男の友人で、友人の罪を晴らすために来たのだという。そこで、当時の状況等から検証していこうという密室ドラマで。法廷劇のようでもある。但し、あまりにも芝居臭い演技が多々目立って、少々キツかった。
●JIGSAW ザ・リアリティーショー (2010年/ロシア/監督 ヴァディム・シメリョフ)★★
アルバトロスの名物シリーズの11作目、当然それぞれの作品の関連性は全くなく、今回はロシア製のシチュエーションスリラー。ロシア映画だからといって特有の重厚さはなく、アメリカ映画に出てきそうな軽そうなノリの若造が中心で、そいつらが殺されていくというもの。とにかく、ミュージッククリップでも撮っていた監督だろうか? 音楽もうるさくて効果的ではなく、スタイリッシュなつもりの映像も空回りでみっともない。  
Posted by musicareservata at 19:51Comments(0)TrackBack(0)月間映画記録

2011年04月16日

東欧ゴシックメタルはポップさ炸裂!!

UNSUN●UNSUN/Clinic For Dolls (CD/ポーランド)
ついジャケ買いしてしまった!! ポーランドのゴシックメタルでリーダーでギタリストがデスメタルのVADERの人との事。
 ゴシックメタルってそんなに好きじゃないけど、このUNSUNはいいよ!! ポップなメロディーでメタル色もポップミュージックを演る上での単なるアレンジの一環として聴こえる。例えはおかしいかもしれないけど、ノルウェーのTHEATER OF TRAGEDYのポップさにも通じるし、習慣性がある。
 そして、ヴォーカルのAYA嬢(日本人ぢゃないよ)の美形ぶりにも胸キュン。


  
Posted by musicareservata at 16:29Comments(2)TrackBack(0)音楽 ポーランド