2012年02月09日
2012年1月に観た映画
●私の教え子 (2007年/フィンランド/監督 オーリ・サーレラ)★★
てんかんを患い他人と距離を置いて生活している女子大生のサリと、妻に突然離婚を言い渡された教授のミッコ。互いの孤独感に強く共感し、惹かれ合ったふたりは徐々に心の穴を埋め合っていく。以上がWikipediaによるあらすじ。
フィンランド語の響きが他の北欧のスウェーデン、デンマーク、ノルウェー(ドイツ語みたいだったな)3言語(アイスランド語、グリーンランド語、フェロー語もあるぞ!! なんてツッコミはやめようね)よりも心地よい(←もっとも、フィンランドもスウェーデン語も話され、北極圏近くの奥地ではサーミ語なんてのもある)というのがキッカケでフィンランドという国に非常に興味が出てきて、これもフィンランド映画という事で鑑賞。サリとミッコは同棲をはじめてるワケだが、それがただのルームメートであると言うが、実際に最初はそうなんだが当然誰もそうは受け止めない。「ああ、何ちゅう真面目なヤツなんや。俺やったら、すぐにでも手を出してまうがな」ともどかしい思いで観ていた。周囲からも冷たい視線に耐えきれず開き直ったのか、二人は結ばれる。そんな他愛もないような話ながら、映像はやたらとキレイ。
●極道兵器 (2011年/日本/監督 山口雄大、坂口拓)★★
あの「フルメタル極道」を彷彿させるが、実際は同じスシタイフーン仲間、井口昇の「片腕マシンガール」の変形パターン。このパターンなら際限なくバリエーションが広がりそうやね。石川賢のコミックが原作らしいが、コミック史上に残る怪作「地上最強の男竜」の映画化を熱望する。
●デッドボール (2011年/日本/監督 山口雄大)★★
「アストロ球団」、ナチス女収容所ものの要素をぶち込んだ青春スプラッターアクション。明らかにイルザ所長(ダイアン・ソーンへのオマージュ!!)を意識したキャラ
●みづうみ (2007年/日本/監督 安達正軌)★★
クレジットが一挙にオープニングに出てきて、やたらと使用曲のクレジットの多さに閉口、しかもこんだけの曲がこれでもかと劇中にブチ込まれるのかと思うと憂鬱と思ったら、どういうワケが何曲もフェードインしてはフェードアウトするという繰り返しで、この愚行に怒りが込み上げてくる。
●ADULT 24歳の恋 (2011年/日本/監督 中町サク)★★
性格ブスでふてくされたような表情の女優、あんり(よくわからんが元中野腐女子シスターズとか)が気に入るかどうかでかなり印象が違ってしまうと思う。元アイドルが脱いだ云々でも、元々知らないワケだから有り難みが全く感じられなかった。しかし、ふてくされて脱力感満載なところ、かつての桃井かおりといったら言い過ぎか?
●ドクターズ・ハイ (2008年/アメリカ/監督 マーク・ショーラーマン)★★★★
医者や科学者は自分が特別な存在であるという自覚のもとに非人道的な行為に及んでしまう・・・というのは本当かどうかはわからないが、映画的なモチーフとしては一般的である。その一般的なモチーフを使った極めて良質なサスペンスであると思う。ヒューマンドラマとしても、サイコサスペンスとしても両方の側面から楽しめた。
2012年02月02日
スラブ&テクノ魂の強烈な一枚は家宝なり!!
●RENI JUSIS/Trans Misja(CD/ポーランド)ポーランドでは結構人気歌手らしいレニ・ユシスは1974年生まれの女性シンガーで初期の作品「zakrecona」を買ったら、R&Bで面食らった覚えがあるが、2003年の4枚目「Trans Misja」全編にわたってポーランド版テクノ歌謡が展開されている。シンセ類(ミニムーグがあるぞ!!)を前にした彼女のジャケットが素晴らしいじゃないの!! この印象的なジャケに憧れて、どれほど探した事か!! ようやく、入手できた、めでたしめでたし。
例によって、メロディーはスラブの哀愁を携えたメランコリックなもので、そこにエレクトリック魂全開なアレンジで迫ってくるのでもうたまらん!! テクノファン、フィメール・ヴォーカル・ファン、プログレ・ファンにはおすすめ!!
テクノな心意気「W Zwolnionym Tempie」
これを聞いて心が熱くならない奴に明日はない!!
「Osatani Raz」スラブ魂全開のメランコリックさがたまらん!!
歌詞が英訳されてて、なるほどこういう内容だったのか!!
2012年01月27日
フィリピンにもあったドリームシアターズ・チルドレンには驚異の才媛がいた!!
●FUSE BOXX/Animated(CD/フィリピン)世界各地にフォロワーを産んだドリームシアターだが、フィリピンにも彼らから間違いなく影響を受けたと思われるFUSEBOXXというグループがいる。Abby Cultarioという女性ヴォーカルを中心とした典型的なドリームシアター・タイプの音を聴かせてくれるが、問題はこのAbbyなる女性。彼女はなんとスティックを駆使しながら歌うのである。スティックを弾きながらリードヴォーカルを取るのは初めて聴いた。YouTube上に色々とアップされたライブ映像ではスティックを左手で弾き、右手はキーボードを弾いて歌うというRUSHのゲディー・リーもビックリな離れ技をやってくれる。非常にテクニカルな曲構成で、細かいフレージングのスティックによるベースラインを構築しているのには脱帽。トルコの歌姫、Sebnem FerahバンドのBuket Doranと並ぶ女性ベーシストいえよう、どちらも辺境系だな・・。
今回入手したアルバムは2ndで、YouTubeで1st収録の「Outlet」を聴いたら何とかして1stを入手したい!!
まだ入手できてない彼らの1stからの「Outlet1」、なかなかかっこいいぞ!!
2012年01月25日
かっこええぞ、中華プログレッシブ・フュージョン!!
●SIU2/Open Door (CD/中国)香港で活動するプログレッシブなフュージョングループ、SIU2のアルバム。中華トラッドと西洋音楽との融合、とにかくユニークでかっこいい!! 下の画像の中盤でみられる笙(日本の雅楽でも使われるあれね)を駆使したアドリブプレイが素晴らしい。まさに衝撃的といえよう!!
メンバーはリーダーで全ての作曲を行い、笙、キーボードをプレイする伍卓賢、劉瑞中(琴)、紅一点の林天惠(三弦)、陳學明(ベース)、樊國雄 (ピアノ)、徐協倫(ドラムス)の6人組でライブでは弦楽四重奏も加わる事があるようだ。
2012年01月24日
プログレハードの雄、11作目はいかに
●DREAM THEATER/A Dramatic Turn Of Events (CD/アメリカ)89年にアルバム「When Dreams And Day Unite」で衝撃のデビューを果たし、当時からずっと追いかけていたドリームシアターも11作目。キーボードのジョーダン・ルデスが加入してから10年以上も不動のラインナップで活動していたが、ギタリストのジョン・ペトルーシと共に音楽的主導権を握っていたドラマーのマーク・ポートノイが脱退。後任にはドラム世界最速記録を持つマイク・マンジーニが加入。バンドの主導権を持つ2人のうち、1人が消えてどうだろうか? 興味はそこにある。
好きなバンドながら、1st「When Dreams And Day Unite」、2nd「Images And Words」以降の作品は買った当初以外は殆ど積極的に聴く事もなくなっていった。確かにテクニカルな演奏に磨きがかかっているが、何かひっかるものが少ない、というか印象的なメロディーがない。どんなに複雑な曲でもメロディーが印象的でなければならないというのが僕の持論。ドリームシアターのアルバムはいつしか惰性や義務感で買うようになっていったので、今回も期待など全くしていなかったのが本音である。だが、メタル色が薄れ、プログレ色の増大、しかもメロディーラインのキャッチーさが初期の2作品の頃を彷彿させるように思える。特に10分以上の大作が4曲収録され、それらにその傾向が顕著にみられる。彼らのどのアルバムにもそういった大作が収録され、アクロバチックでトリッキーな演奏が披露されているが、いたずらにテクニカルに走り演奏のために演奏という印象を否めなかったのも事実だが、今回はあの名作「Images And Words」のテクニカルなプレイを披露した「Take The Time」「Metropolis Part1」「Unde A Glass Moon」を初めて聴いた時のような興奮を覚えた。
2012年01月22日
やっぱり歌がなきゃ!! それも日本語で!!
●GERARD/Visionary Dream (CD/日本)もう30年近い活動歴になる元ノヴェラの永川敏郎率いるジェラルドの新作は過去の日本語ヴォーカルのあった時代の曲のリメイク。以前にも「Meridian」というアルバムで過去の曲のリメイクをやったが、そちらは歌詞を英語に変えてのリメイク。「Meridian」とは曲がダブらないよう意識しているのだろうか? 「夢幻」「心の壁」「希望なき蒼い星」なんぞは学生時代に死ぬ程聴きまくったので感慨深い。もっとお気に入りだった「Last Night Forever」「伝説の聖夜」「Midnight dreamer」が入ってのは残念。しかし、オリジナル歌詞の日本語でリメイクは正解!! 一時期、リーダーの永川敏郎は日本語のヴォーカルは嫌い云々とか言っていたが、ジェラルドはやはり日本語が断然いい!!
2011年12月31日
2011年12月に観た映画
●スペイン一家監禁事件 (2010年/スペイン/監督 ミゲル・アンヘラ・ヴィヴァス)★★★
もう12月、巷ではヘドが出るようなクリスマスソングが流れる中、こんなゴキゲンなタイトルの作品ですが何か? さぞや、強烈で悲惨な内容だろうかと思いきや・・確かに悲惨な内容で、特にラストの救いのなさはあの「ファニーゲーム」を凌ぐような後味の悪さ。しかし、しかし、それ以上に長廻しを多用したカメラワークのトリッキーさに目を奪われた。自主映画か何かでカメラを扱った事のある人なら一体、どうやって撮影したのか?と腰を抜かさんばかりに驚くショットの数々。かつて、ゴダールとトリュフォーが溝口健二の「新平家物語」のロングショットを観て、慌てて映写室でプリントを確かめたというエピソードを思い出す。役者やカメラの動き方等、本当に面倒で緻密な計算だったのだろうと苦労の後が偲ばれる。ラスト近くの画面が2分割のスプリットで同時進行で起こるシチュエーションを見せ、さらに両シーンが合体という離れ技にはマイッタ!! というワケでバカテク過ぎて、内容にまで目が行き届きにくかった。
●ヘル・ドライバー (2011年/日本/監督 西村喜廣)★★
景気よく血がドバドバながら、過剰になるとコミカルになる。それは20年近く前にピーター・ジャクソンの「ブレイン・デッド」で学んだハズ。まあ、海外マーケットを意識したジャパニーズ・スプラッター・シリーズのSUSHIタイフーンはそんなんばっかですな。まあ、アメリカの市場を特に睨んだのなら大正解かも。
●永遠の子供たち (2008年/スペイン/監督 J・A・バヨナ)★★★
スパニッシュ・ホラーはレベルが高いという山口雄大の言葉を信じて鑑賞した一本。孤児院で育った女ラウラは大人になり夫とともに自ら育った現在は廃墟となった孤児院を買い取り、再開させようとする。そこに現れる子供たちの霊に導かれていくラウラの子供シモン。一見、純粋なオカルト作品に見えるが、そうだろうか? 自分の育った孤児院を再建させようとするラウラの心象風景が当時の孤児院メイトをつくりあげてしまったのではないだろうか? そう思うとオカルトものがサイコサスペンスへと早変わり。結局は謎のまま幕は閉じるが、リバーシブルな一本でしたなあ。
●微熱 愛と革命の日 (2006年/ノルウェー/監督 ハンス・ペーター・モランド)★★★★
最近はレンタルDVDのエロティックもののコーナーに意外と掘り出し物があることに気付いた。ジャケットには映画中の裸の出てくるシーンのスチールを大々的に掲載して、それらしい邦題という何ともピンク映画的な手法で、エロを期待する人には詐欺としか思えないようなものも多々あるが、北欧、東欧の未公開作品の宝庫であった。かつてのノルウェーで共産主義に傾倒した男が同志の医師でもある女性に惹かれていく。最初は相思相愛のようであったが、女の方が共産主義に重度に傾倒していき男と恋愛関係にあったことを自己批判する始末。しかし、その思想自体が幻想であった事に気付き、周囲の人間が次々と離脱していき、ゲシュタルト崩壊によりコミュニスト女も自決。
流れとしてはノルウェー国内の共産主義に傾倒した若者の群像劇であり、結局は若気の至りでそんなものに傾倒したが、後になってそれは幻想だったと気付くというよくあるパターン。まあ、今でも左がかった思想で活動をしてる人もいるようだが、もはや共産主義は一種の哲学のようなものだろう。昨今の反原発系のイベント(こういったイベントを客観的に見た事がある人ならわかると思うが、反原発をダシにしたアイデンティティー確認の場であるんだよな)が彼らの絶好のプロパガンダの場になっていて、それに巻き込まれて自分を見失い、狭い了見を露呈した知人もチラホラ。
最初にも触れたが、エロを期待した人は御愁傷様という他ない。
●アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ (2010年/アメリカ/監督 スティーヴン・R・モンロー)★★
「お前の墓に唾をかけてやる!!」という挑発的なタイトルのこの作品はかつて洋ポルノ枠で公開された「発情アニマル」のリメイク。80年代のレンタルビデオの黎明期に「悪魔のえじき」というタイトルでビデオリリースされた「鮮血の美学」と並ぶ70年代裏サスペンスホラーの傑作としてマニアに語り継がれた作品。レイプされ陵辱の限りを尽くされた女が男どもに血なまぐさい復讐をしていくというもので、血みどろ度はオリジナルを凌駕。しかし、どうもテンポが悪く、復讐の下りがどうしてこんなに都合よく展開するの?というくらいのご都合主義。
2011年12月21日
28年間夢中だった天才音楽家、僕の青春そのものの東欧ロックを想う

●SBB/Iron Curtain (CD/ポーランド)
●SBB/Blue Trance (CD/ポーランド)
僕が天才だと思う音楽家にエディ・ジョブソン、ヴァンゲリス、パット・メセニー、ヤン・ハマー、マイク・オールドフィールド、そして今回取り上げるポーランドのSBBのリーダー、ユセフ・スクシェクがいる。
僕のユセフとの出会いは高校1年の頃、ミュージック・マガジンの輸入盤店の広告でポーランド、チェコ盤が続々入荷とあり、コレギウム・ムジカム、フェルマータ、Mエフェクト、SBBといった名前だけを知った。しかし、既に旧ソ連のロックには関心はあったものの共産圏の得体の知れない音に高校生にとっては結構な金額でなかなか冒険できなかった。それから、2年ほどして大学受験で大阪へ出てきて、帰りにブラリと寄った清水さんというプログレ好きの担当者がいた頃の新星堂ディスクインなんばの共産圏のコーナーでみかけたSBBの「Memento Z Banalnym Tryptykiem」、裸電球に4人のメンバー(このアルバムは異色的にギタリスト2人のカルテット)写真。ちょうど、その頃の僕はアンジェイ・ワイダというポーランド人監督の「灰とダイヤモンド」という映画を観たばかりで、そのイメージとジャケットが見事にだぶってしまった。そして、もう1枚チェコからの「SBB」というタイトルの作品。迷わずに買ってしまい、ヴォーカル、キーボード、ベース、ハーモニカをマルチにこなすユセフの技量にすっかりとまいってしまった。特に「SBB」のA面ラストにおけるムーグシンセサイザーの怒濤のようなソロにどれだけしびれた事か!!もしかして、ユセフはムーグの使い手としては世界一ではないだろうか!! こう思ったりした。 そして、ユセフの影響でキーボードをやっていた僕もベースギターにもプレイするようになっていった、しかしヴォーカルだけはちょっと・・。そして、ユセフの「Ojciec Chrzestny Dominika」というソロを手に入れ、全ての多彩な楽器を一人でこなした絶句もので、一人多重録音ものではこの作品を越えるものは今だにないと信じている。僕もいつか一人多重録音ものにトライしたいとずっと思っていて、やってはみたものの・・・ダメですな。
また、ずるずると東欧ロックにのめりこみ、東京神田にあったロシアのレコードの輸入元だった新世界レコードにもお世話になったり、ご無理を聞いてもらったり、そこを通じて僕の東欧ロックの師匠ともいえる北田裕幸さんにも知らないミュージシャンや現地の事情や色々と教えていただいたりと随分と見聞も広がりました。北田さんがポーランドやチェコのレコード店を巡ってきたと聞いた時は本当に羨ましかったなあ、行きたかったなあ。その北田さんの東欧ロックへの傾倒が詳細に書かれたサイトがあり、驚くほど僕のパターンと似ていて強い自己肯定へとなりました。
よかったらみて下さい。
http://sound.jp/grouptherapy/touou.htm
そのギタリストとしても素晴らしかった北田さんも物故者となり、ロシアンミュージックのシンボルのような新世界レコードも今は存在していないというのが、非常に悲しい限りです。
クサイ言葉を使わせてもらうと、東欧ロックは僕の青春そのものだっと言えるのは確かです。
閑話休題
それから、ずっとユセフを追い続け、SBBは一時的に解散したけど、現在こうやって元気に活動しているのは嬉しい限り。近年の2枚をまとめて入手したけど、かつての若々しさはなく円熟という言葉が似合う音楽である。確かに再結成直後あたりのスタジオ盤には少々辛いものがあったが、この2作はかつてのSBBの素晴らしさとは互角とは言わないが、その領域に接近していると言ってもいいだろう。しかし、決して安易にアンプラグドやフォーク、トラッドに走ることがなく、昔からのブレのない音楽観は流石である。また、ムーグシンセを今も愛用していて、ムーグが泣いている!! こんなに素晴らしくムーグを歌わせる事の出来るプレーヤーはユセフの他にはヤン・ハマー、マンフレッド・マンくらいだろう。
2011年12月11日
悶絶もののクサさと叙情、凄過ぎる!!
●OPUS ATLANTICA/Same (スウェーデン/CD)この間から以前のCDを整理していて、スウェーデンのヴォーカリストPete Sandbergを再評価するに至った。といっても、MIDNIGHT SUNの3rd、SILVER SERAPHの2枚しか持ってない事にも気付いた。このPete Sandbergというヴォーカリスト、声が自分の好みにピッタリ。まさに甘い歌声で声質だけで叙情性を演出出来るのではないのだろうか? こんなヴォーカリストは他にはあのJohn Wetton、カナダのHarmoniumにいたSerge Fiori、日本ではSurgery(←もっと評価されていいと思うグループ)の堀沢俊樹、Moon Dancerの沢村拓(←ヴォーカルは厚見玲衣が多かったが、少々暑苦しい)だと個人的には思っている。
話は逸れてしまったが、そんなPete Sandbergの歌がもっと聴いてみたくなって、入手したのがこのOPUS ATLANTICA。あのMIDNIGHT SUNの名作「Nemesis」とギタリスト以外が共通している。しかしまあ、ベースのJonas Rheingoldって、ハードロックとプログレを行き来して幾つのバンドを掛け持ちしてるんだ一体? それはそうと、絵に書いたような北欧ネオクラシカル路線が始まり、2曲目の「Judas Call」で早くも見せ場全開!! Aメロ部分はAlcatrazzの「Too Young To Die, Too Drunk to Live」を思わせるのネオクラシカルで悪くはないと思っていたら、4小節ほどAメロの流れを汲むBメロで僕好みの展開と思いきや、その直後にリズムチェンジで女性コーラスによる怒濤のサビは考えられる限りのクサいメロディーの最大公約数を結集させたかのようなメロディーで神々しいまでの眩さを伴って襲いかかり、僕の感性を力技でもって揺さぶりにかかる。 しかし、それだけではなかった!! 2分20秒あたりから変拍子のリズム隊によるパッセージでプログレ的展開を期待させて、2分55秒あたりで早弾きキーボードソロに導かれて、またも怒濤の悶絶の女性コーラスパート!! いやあ、僕の理想のハードロックがここに集約されていると言っても過言ではない!! この1曲が素晴らし過ぎるが、他にもネオクラシカル魂全開のインスト「Anthem」、またも神々しい女性コーラス隊が活躍するスピードチューン「Endless Slaughter」など捨て曲なし!! と言いたいところだが、ラストのアコースティックギターに導かれるバラード「Upside Down」はどうもいただけない。そういや、僕のiPodにはハードロック系でバラードはもちろん、ミディアムテンポの曲すらあんまり入ってなかったような気がする。
問題の「Judas Call」、この曲に心酔せよ!!
2011年12月10日
2011年11月に観た映画
●ヒア・アフター (2010年/アメリカ/監督 クリント・イーストウッド)★★★
公開時にあの震災が起こり、冒頭の津波シーンによって公開中断となった曰く付きの作品。製作をスピルバーグが行ってるせいか、人の死と死後をテーマにしているのに観終わった後に「ミリオンダラーズ・ベイビー」のようなどん底へ叩き込まれるような重たさがない。実はイーストウッド特有の変態的な重たさを期待していたが・・・少々残念。タイプは違うが同じ俳優出身監督ロバート・レッドフォードの「普通の人々」を何故か思い出した。
●極悪レミー (2010年/アメリカ/監督 グレッグ・オリバー、ウェス・オーショスキー)★★★★
「世界最低のバンド」の称号を得たモーターヘッドのフロントマンにしてハードロック界のカリスマ、レミー・キルミスターの半生を追う音楽ドキュメンタリー。レミーの意外な一面が色々と観れて驚き、父親としてのレミー、ミリタリーマニアのレミー、あんなスターなのに家賃900ドルのアパートに住むレミー、糖尿病を患うレミー、何よりも衝撃的なのがホークウィンド以前のモッズ系バンドに在籍していた頃のレミーの写真!! ヒゲがないのはもちろん、襟なしジャケットにマッシュルームヘアーのすっかりアイドル!!
モーターヘッド結成当初から何十年もブレのない音楽人生、ヤッた女は1000人だって?? ホークウィンドをクビになった時にメンバーの女を寝取ったり(←レミーさん、シビれるぜ!!)、部屋の壁一面には軍用の剣のコレクションがずらり・・・男の理想的な生き方ですな。誰しもこういう生き方に憧れるんではないだろうか? 日本のロックミュージシャンでこんな人いるか? まあ、内田裕也が近いといや、近いだろうか?
●チェイサー (2009年/韓国/監督 ナ・ホンジン)★★★
韓国って「悪魔を見た」といい、どうしてスター級の俳優が出てて予算も潤沢な作品でエグい描写が可能なのだろうか? 韓流とかヘドが出る情報操作や韓国ホラーのお涙頂戴なメロドラメ的展開(メロホラと勝手に命名させてもらったよ)には本当にウンザリだが、こういったダークな部分をレイティングの事を無視するかのような真正面から捉えた姿勢は評価したい。
●心中天使 (2010年/日本/監督 一尾直樹)★★★★★
ピアニストのユウ、サラリーマンのアイ、女子高生のケイという全く接点のない3人が意識を失って倒れ、その瞬間から「奇妙な何か」にとりつかれていく。実際、非常に難解な作品で、かつてのATG映画を今のイディオムで製作したらこうなるのだろうかと思わせる。また映画ならではの醍醐味に溢れていて、文字では伝わりにくい作品でもある。感覚的な映像も多く、「ああ、僕も昔は自主映画を撮ってたけど、こういうのを撮ってみたかったよなあ」と思った。また、音楽を極力を排する事により緊張感が高まり、ここぞというところ美メロディーが流れて緊張の糸がほぐれるという仕掛けでクローズアップさせたいシーンを強調してくれる。確かにクライマックスみたいな演出が施されているけど、何でこうなるの?? しかし、そういった理屈を無効にしてしまう程の力のある映像(←言葉を超越したものであるという意味であって、キレイなシーンとかロケ地がいいとかの類いではない)と3人の主要登場人物が映画と一体化したかのような存在感(←安易な情緒による俗な芝居や表情が見つからない)のは見事。
監督の前作「溺れる女」ではさほど気にならなかったが、一挙に気になる監督となってしまった!!
●メタルヘッド (2010年/アメリカ/監督 スペンサー・サッサー)★★★
心に問題を抱えた家庭に異者が入り込み迷惑な行動を繰り広げ、その家庭をとりあえず再生させるというハナシ・・ん? ん?? これって、三池崇史の「ビジターQ」とそっくりじゃないの?? オマージュかと思ったよ!! 但し、三池ヴァージョン(もう完全に「メタルヘッド」が「ビジターQ」のカバーだと捉えているなあ・・)の方が規格を大きく外れて精神的ロック度が高く、それ故にポップなキッズの許容範囲を超越し孤高の域にしてしまってるが。しかしまあ、ヘヴィメタルってやっぱりこういったイメージがあるんですかねえ?? また、SF映画かと思うような邦題って、やっぱりそういう意図??
公開時にあの震災が起こり、冒頭の津波シーンによって公開中断となった曰く付きの作品。製作をスピルバーグが行ってるせいか、人の死と死後をテーマにしているのに観終わった後に「ミリオンダラーズ・ベイビー」のようなどん底へ叩き込まれるような重たさがない。実はイーストウッド特有の変態的な重たさを期待していたが・・・少々残念。タイプは違うが同じ俳優出身監督ロバート・レッドフォードの「普通の人々」を何故か思い出した。
●極悪レミー (2010年/アメリカ/監督 グレッグ・オリバー、ウェス・オーショスキー)★★★★
「世界最低のバンド」の称号を得たモーターヘッドのフロントマンにしてハードロック界のカリスマ、レミー・キルミスターの半生を追う音楽ドキュメンタリー。レミーの意外な一面が色々と観れて驚き、父親としてのレミー、ミリタリーマニアのレミー、あんなスターなのに家賃900ドルのアパートに住むレミー、糖尿病を患うレミー、何よりも衝撃的なのがホークウィンド以前のモッズ系バンドに在籍していた頃のレミーの写真!! ヒゲがないのはもちろん、襟なしジャケットにマッシュルームヘアーのすっかりアイドル!!
モーターヘッド結成当初から何十年もブレのない音楽人生、ヤッた女は1000人だって?? ホークウィンドをクビになった時にメンバーの女を寝取ったり(←レミーさん、シビれるぜ!!)、部屋の壁一面には軍用の剣のコレクションがずらり・・・男の理想的な生き方ですな。誰しもこういう生き方に憧れるんではないだろうか? 日本のロックミュージシャンでこんな人いるか? まあ、内田裕也が近いといや、近いだろうか?
●チェイサー (2009年/韓国/監督 ナ・ホンジン)★★★
韓国って「悪魔を見た」といい、どうしてスター級の俳優が出てて予算も潤沢な作品でエグい描写が可能なのだろうか? 韓流とかヘドが出る情報操作や韓国ホラーのお涙頂戴なメロドラメ的展開(メロホラと勝手に命名させてもらったよ)には本当にウンザリだが、こういったダークな部分をレイティングの事を無視するかのような真正面から捉えた姿勢は評価したい。
●心中天使 (2010年/日本/監督 一尾直樹)★★★★★
ピアニストのユウ、サラリーマンのアイ、女子高生のケイという全く接点のない3人が意識を失って倒れ、その瞬間から「奇妙な何か」にとりつかれていく。実際、非常に難解な作品で、かつてのATG映画を今のイディオムで製作したらこうなるのだろうかと思わせる。また映画ならではの醍醐味に溢れていて、文字では伝わりにくい作品でもある。感覚的な映像も多く、「ああ、僕も昔は自主映画を撮ってたけど、こういうのを撮ってみたかったよなあ」と思った。また、音楽を極力を排する事により緊張感が高まり、ここぞというところ美メロディーが流れて緊張の糸がほぐれるという仕掛けでクローズアップさせたいシーンを強調してくれる。確かにクライマックスみたいな演出が施されているけど、何でこうなるの?? しかし、そういった理屈を無効にしてしまう程の力のある映像(←言葉を超越したものであるという意味であって、キレイなシーンとかロケ地がいいとかの類いではない)と3人の主要登場人物が映画と一体化したかのような存在感(←安易な情緒による俗な芝居や表情が見つからない)のは見事。
監督の前作「溺れる女」ではさほど気にならなかったが、一挙に気になる監督となってしまった!!
●メタルヘッド (2010年/アメリカ/監督 スペンサー・サッサー)★★★
心に問題を抱えた家庭に異者が入り込み迷惑な行動を繰り広げ、その家庭をとりあえず再生させるというハナシ・・ん? ん?? これって、三池崇史の「ビジターQ」とそっくりじゃないの?? オマージュかと思ったよ!! 但し、三池ヴァージョン(もう完全に「メタルヘッド」が「ビジターQ」のカバーだと捉えているなあ・・)の方が規格を大きく外れて精神的ロック度が高く、それ故にポップなキッズの許容範囲を超越し孤高の域にしてしまってるが。しかしまあ、ヘヴィメタルってやっぱりこういったイメージがあるんですかねえ?? また、SF映画かと思うような邦題って、やっぱりそういう意図??
2011年11月05日
2011年10月に観た映画
●ビー・デビル (2010年/韓国/監督 チャン・チョルス)★★★★
おなじみの井口昇&山口雄大のバタリアンズの副音声付き。日本公開前から一部のマニアで話題になっていた作品で、肉体的、精神的の双方から容赦ない暴力が満ちている好作品。「丑三の村」の韓国ヴァージョンとでも言おうか。ラストはスラッシャームービーの如くフルスロットル!!
●農家の嫁 (2010年/日本/監督 いまおかしんじ)★★
何かATG映画の「遠雷」を思い出してしまったが、意識してるのではないだろうか? ヒロインの小鳥遊恋(たかなしれんと読むらしい)の垢抜けない癒し系ぶりが農家の嫁というものにリアリティーを感じさせる。いまおかしんじお得意の切ない展開もみせてくれる。
●富江 アンリミテッド (2011年/日本/監督 井口昇)★★
富江って一体何作目になるのか? 富江を演じた女優は何人いるのか? しかし、菅野美穂を越える富江にはお目にかかった事がない。だが、今回の仲村みう、原作のイメージにかなり近い気がする。
そして、活躍の目ざましい井口昇が今回の監督。いつもの井口監督にしてはギャグの要素は控え目のように思えるし、ギャグをやられても困る。本人も原作のイメージを再現したかったと語っているのだから、そうなんだろう。伊藤潤二原作の富江は地味に怖いホラーであり、だからこそ怖さの引き立つ作品だと思うので、派手な見せ方の演出は控えて欲しかった気がする。
●吸血蛾 (1956年/日本/監督 中川信夫)★★
中国経由で入手した昔の金田一耕助もの。池辺良演じる金田一耕助、僕らが古谷一行や石坂浩二で見慣れた袴に下駄というスタイルから大きく離れ、まるでイギリスのミステリーに登場する探偵のようなダンディーでキザな男。その前の片岡千恵蔵にしたって、多良尾伴内と変わらないようなキャラだし、「悪魔の手毬唄」の高倉健のような爽やかな金田一耕助というのもある。
塩沢ときが「塩沢登代路」の名前でかなり重要な役で出演しているが、あまりの美人ぶりに気付かないだろう。その辺は岡本麗のロマンポルノ時代を観たらビックリするのと同じようなもんか。
●幽霊男 (1954年/日本/監督 小田基義)★★
こちらは河津清三郎という地味な顔立ちの役者が演じる金田一耕助。まず、河津清三郎という役者、無声映画時代から活躍し、僕らの馴染みのあるところでは東宝特撮ものの「妖星ゴラス」「電送人間」「モスラ」「宇宙大怪獣ドゴラ」「透明人間」と決行出てるんですなあ、まあ地味な顔立ちなんで記憶に残りにくいか。
これは原作を読んだ事がないが、「猟奇」というキーワードが非常に危険且つ魅力的な響きを持っていた当時の雰囲気がよく伝わってくる。昭和初期には「月刊変態」とか「変態資料」とかいう雑誌が堂々と刊行されていたワケで、たまに古書専門店で恐ろしく高い値段で売られていて読んだ事がないけど。
●虹男 (1949年/日本/監督 牛山虚彦)★★
角田喜久雄原作の映画化。メスカリンの幻覚により虹のような光景を見せるというのが当時としては斬新だったのだろう。今でもそういうトリックは斬新だと思うけど。幻覚映像を当時は珍しかったカラーフィルムで見せているあたりに大映製作陣の気合を感じる。
●狂気の行方 (2010年/アメリカ、ドイツ/監督 ヴェルナー・ヘルツォーク)★★★
なんと、デヴィッド・リンチ製作、ヴェルナー・ヘルツォーク監督の作品。80年代からこの両名をチェックしていたので感慨深い。ロバート・フリップとクリス・スクワイアが組むようなもんか。
母親を殺害し、立てこもった男vs警察の異色サスペンス仕立て。男の婚約者や友人を交えて、何故このような犯行に至ったかを回想ドラマで綴っていくシーンが大半。ウド・キアといったニヤリとするキャスティングにはみ出し映画野郎に対する気遣いにも抜かりがない。断然、回想シーンが面白い。ダチョウ農場なんて・・・奇妙すぎる。
おなじみの井口昇&山口雄大のバタリアンズの副音声付き。日本公開前から一部のマニアで話題になっていた作品で、肉体的、精神的の双方から容赦ない暴力が満ちている好作品。「丑三の村」の韓国ヴァージョンとでも言おうか。ラストはスラッシャームービーの如くフルスロットル!!
●農家の嫁 (2010年/日本/監督 いまおかしんじ)★★
何かATG映画の「遠雷」を思い出してしまったが、意識してるのではないだろうか? ヒロインの小鳥遊恋(たかなしれんと読むらしい)の垢抜けない癒し系ぶりが農家の嫁というものにリアリティーを感じさせる。いまおかしんじお得意の切ない展開もみせてくれる。
●富江 アンリミテッド (2011年/日本/監督 井口昇)★★
富江って一体何作目になるのか? 富江を演じた女優は何人いるのか? しかし、菅野美穂を越える富江にはお目にかかった事がない。だが、今回の仲村みう、原作のイメージにかなり近い気がする。
そして、活躍の目ざましい井口昇が今回の監督。いつもの井口監督にしてはギャグの要素は控え目のように思えるし、ギャグをやられても困る。本人も原作のイメージを再現したかったと語っているのだから、そうなんだろう。伊藤潤二原作の富江は地味に怖いホラーであり、だからこそ怖さの引き立つ作品だと思うので、派手な見せ方の演出は控えて欲しかった気がする。
●吸血蛾 (1956年/日本/監督 中川信夫)★★
中国経由で入手した昔の金田一耕助もの。池辺良演じる金田一耕助、僕らが古谷一行や石坂浩二で見慣れた袴に下駄というスタイルから大きく離れ、まるでイギリスのミステリーに登場する探偵のようなダンディーでキザな男。その前の片岡千恵蔵にしたって、多良尾伴内と変わらないようなキャラだし、「悪魔の手毬唄」の高倉健のような爽やかな金田一耕助というのもある。
塩沢ときが「塩沢登代路」の名前でかなり重要な役で出演しているが、あまりの美人ぶりに気付かないだろう。その辺は岡本麗のロマンポルノ時代を観たらビックリするのと同じようなもんか。
●幽霊男 (1954年/日本/監督 小田基義)★★
こちらは河津清三郎という地味な顔立ちの役者が演じる金田一耕助。まず、河津清三郎という役者、無声映画時代から活躍し、僕らの馴染みのあるところでは東宝特撮ものの「妖星ゴラス」「電送人間」「モスラ」「宇宙大怪獣ドゴラ」「透明人間」と決行出てるんですなあ、まあ地味な顔立ちなんで記憶に残りにくいか。
これは原作を読んだ事がないが、「猟奇」というキーワードが非常に危険且つ魅力的な響きを持っていた当時の雰囲気がよく伝わってくる。昭和初期には「月刊変態」とか「変態資料」とかいう雑誌が堂々と刊行されていたワケで、たまに古書専門店で恐ろしく高い値段で売られていて読んだ事がないけど。
●虹男 (1949年/日本/監督 牛山虚彦)★★
角田喜久雄原作の映画化。メスカリンの幻覚により虹のような光景を見せるというのが当時としては斬新だったのだろう。今でもそういうトリックは斬新だと思うけど。幻覚映像を当時は珍しかったカラーフィルムで見せているあたりに大映製作陣の気合を感じる。
●狂気の行方 (2010年/アメリカ、ドイツ/監督 ヴェルナー・ヘルツォーク)★★★
なんと、デヴィッド・リンチ製作、ヴェルナー・ヘルツォーク監督の作品。80年代からこの両名をチェックしていたので感慨深い。ロバート・フリップとクリス・スクワイアが組むようなもんか。
母親を殺害し、立てこもった男vs警察の異色サスペンス仕立て。男の婚約者や友人を交えて、何故このような犯行に至ったかを回想ドラマで綴っていくシーンが大半。ウド・キアといったニヤリとするキャスティングにはみ出し映画野郎に対する気遣いにも抜かりがない。断然、回想シーンが面白い。ダチョウ農場なんて・・・奇妙すぎる。
2011年10月20日
極甘コテコテのシンフォニックロックにお腹イッパイ!!
●CAST/Legend (CD/メキシコ)メキシコのシンフォニックロックグループの2000年の11作目。ライブ盤やベストを含めると20枚近くリリースしているのではないだろうか。しかも、プログレッシブロックという範疇から外れる事なくリリースし続けているのには頭が下がる思いだ。
90年代初頭に台頭してきた頃は平均的なポンプロックという印象で一生懸命追いかける程のものでもないと判断した。まあ、メキシコもので80年代にメディアで大絶賛のイコノクラスタに大いに外されたのもあって、メキシコはこまめにチェックしてなかった。CASTもリリースされていたが、手を出す事がなかった。しかし、最近本作を格安でゲットして聴いてみたら、格段に進歩した音となり聴き狂っている。一言で言ったら、巷によくあるジェネシスクローンだが、反論もあるだろうがピーガブ時代のジェネシスよりも聴く頻度が高い。僕はフォロワーがオリジナルを凌駕するというのはよくある事で、ピンクフロイドよりも四人囃子、ピュルサーの方が、ジェントル・ジャイアントよりもイエツダ・ウルファの方が間違いなくよく聴いたと断言できる。コテコテの絵に書いたようなシンフォニックロックで、録音が悪くてiPodで聴くと音の悪さが顕著にわかるのが難点。
2011年10月12日
2011年9月に観た映画
●悪魔を見た (2010年/韓国/監督 キム・ジウン)★★★
婚約者を殺人鬼にバラバラにされて殺された刑事の復讐劇。一旦捉えて発信器を内蔵したカプセルを飲ませ、GPSで常に居場所を確認し、暴行を加えては陰湿に復讐を遂行していく。しかし、相手の殺人鬼もなかなか負けてなくて、殺人鬼サイドのセコンドの乱入等のギミックもあるが名勝負の様相を呈してくる。主人公の婚約者がバラバラに殺されるくだりがもっと描かれててたら、より一層問題作になったのに・・・あ、そういうの狙ってないか?
●コリン (2010年/イギリス/監督 マーク・プライス)★★★
今まで低予算映画と銘打った作品は数あれど、この「コリン」はちょっと信じ難い低予算ぶり。なんと5800円!! 僕も自主映画を撮ってたけど、5800円なんてアンタ、どう考えても無理やで、ホンマ。実際に観ても、ホンマに5800円で出来たのか? と思わせる。FACEBOOK等でキャストを集めたらしい。そう思ってもう一度観たが、ホントに?
まあ、腐るほどあるゾンビ映画としてはかなりアイデアで勝負に出ましたなあ。ゾンビ化した主人公をメインに据えてという、これは結構斬新かも。
●愛するとき 愛されるとき (2010年/日本/監督 瀬々敬久)★★★
瀬々敬久という監督は器用な監督だと思う。「感染列島」という商業映画を撮る一方で、こういったピンク映画的なものも撮る。
主役の江澤翠、こりゃええわあ。何とも地味な顔立ち、これがテレビドラマなんかで主役を演じるようなタレント女優だったら、この作品の魅力は半減するだろう。すべてはこの江澤翠に尽きるだろう。
●アンチ・クライスト (2009年/デンマーク、ドイツ、フランス、イタリア、スウェーデン、ポーランド/監督 ラース・フォン・トリアー)★★★
「奇跡の海」を観た時にラース・フォン・トリアーってアンチ・クライストだと思った。熱心なクリスチャンを心の底から馬鹿にするかのような悪意がヒシヒシと感じとれたが、世間では感動的な作品として通ってしまったが、それも計算の上だと思うし、こんな表面的なものにコロリと感動してしまうなんてなんて馬鹿な奴らだと笑っているだろう。そして、その似非感動作ぶりの悪意は「ダンサー・イン・ザ・ダーク」で頂点に達した。日本では園子温の「愛のむきだし」の似非感動作ぶりってのもあったけど。そして、「イデオッツ」「ドッグヴィル」ではその本性を露にした。神経を逆撫でするかのような嫌悪感いっぱいの展開と映像で鬱な登場人物と同じ気分をお前らも体験してみろや!!というイカれた巨匠ラースのありがたいメッセージでしょうかねえ。
しかし、シャルロット・ゲーンスブールの老けぶりに驚き、メイクか?
婚約者を殺人鬼にバラバラにされて殺された刑事の復讐劇。一旦捉えて発信器を内蔵したカプセルを飲ませ、GPSで常に居場所を確認し、暴行を加えては陰湿に復讐を遂行していく。しかし、相手の殺人鬼もなかなか負けてなくて、殺人鬼サイドのセコンドの乱入等のギミックもあるが名勝負の様相を呈してくる。主人公の婚約者がバラバラに殺されるくだりがもっと描かれててたら、より一層問題作になったのに・・・あ、そういうの狙ってないか?
●コリン (2010年/イギリス/監督 マーク・プライス)★★★
今まで低予算映画と銘打った作品は数あれど、この「コリン」はちょっと信じ難い低予算ぶり。なんと5800円!! 僕も自主映画を撮ってたけど、5800円なんてアンタ、どう考えても無理やで、ホンマ。実際に観ても、ホンマに5800円で出来たのか? と思わせる。FACEBOOK等でキャストを集めたらしい。そう思ってもう一度観たが、ホントに?
まあ、腐るほどあるゾンビ映画としてはかなりアイデアで勝負に出ましたなあ。ゾンビ化した主人公をメインに据えてという、これは結構斬新かも。
●愛するとき 愛されるとき (2010年/日本/監督 瀬々敬久)★★★
瀬々敬久という監督は器用な監督だと思う。「感染列島」という商業映画を撮る一方で、こういったピンク映画的なものも撮る。
主役の江澤翠、こりゃええわあ。何とも地味な顔立ち、これがテレビドラマなんかで主役を演じるようなタレント女優だったら、この作品の魅力は半減するだろう。すべてはこの江澤翠に尽きるだろう。
●アンチ・クライスト (2009年/デンマーク、ドイツ、フランス、イタリア、スウェーデン、ポーランド/監督 ラース・フォン・トリアー)★★★
「奇跡の海」を観た時にラース・フォン・トリアーってアンチ・クライストだと思った。熱心なクリスチャンを心の底から馬鹿にするかのような悪意がヒシヒシと感じとれたが、世間では感動的な作品として通ってしまったが、それも計算の上だと思うし、こんな表面的なものにコロリと感動してしまうなんてなんて馬鹿な奴らだと笑っているだろう。そして、その似非感動作ぶりの悪意は「ダンサー・イン・ザ・ダーク」で頂点に達した。日本では園子温の「愛のむきだし」の似非感動作ぶりってのもあったけど。そして、「イデオッツ」「ドッグヴィル」ではその本性を露にした。神経を逆撫でするかのような嫌悪感いっぱいの展開と映像で鬱な登場人物と同じ気分をお前らも体験してみろや!!というイカれた巨匠ラースのありがたいメッセージでしょうかねえ。
しかし、シャルロット・ゲーンスブールの老けぶりに驚き、メイクか?
2011年09月16日
本当に歌手のアルバムか? ってくらい演奏がスゴイ!!
●EMMANUEL BOOZ/Dans Quel État J’err (CD/フランス)このアルバム、存在自体は専門誌「Marquee Moon」で10代の頃から知っていたけど、色々なレコードを入手するのに必死で、ヴォーカリストのアルバムといったものに魅力を感じる余裕などなかった。もちろん、当時はアナログ盤が高くて、手が出なかったってのもあるけど。その頃はフレンチロックではアトール、エルドン、アンジュ、マグマ、シャイロック、パルサー、モナリザ等のレコードを手に入れるだけで精一杯だったと思う。でも、狂気の女性ヴォーカリスト、ママ・ベアのレコードは比較的に安かった事もあって買った事があるけど。
それから、月日は流れ、Emmanuel Boozの事などすっかり忘れていた頃、名古屋の大須にあったPOOR HOUSEというプログレ、サイケ、ハードロックのアナログ盤専門店でこのアルバムを聴かせてもらって本当に驚いた。LP盤を通じて全部で3曲の大作揃い。全てがテンション上がりっぱなしのハードな内容で、1万数千円くらいしたと思うけど、即買ってしまった。歌手のアルバムなのに、ヴォーカルを置き去りにしてギターやキーボードが暴れるというプログレハード然とした演奏の比重が高く、バンドのアルバムだと言って聴かされた間違いなく信用してしまうだろう。その日から愛聴盤になり、毎日のように聴き狂ったし、今でもイントロのギターが聞こえてくると拳に力が入る。
このアルバムがなかなかCD化されず、レコードジャケットをスキャンして自作の紙ジャケを作って、レコードから落とした音からCD-Rを作成してずっと聴いていた。やがて、ブートでCDが出回り、それを買った。
そして、遂に正式にCD化、もちろん紙ジャケ。オマケに10分にも及ぶ既存の3曲にも負けないテンションの高い曲がボートラとして収録。キーボードがなく、ハードなギターリフがかっこいいこの曲を毎日のように聴いている、このアルバムを初めて手に入れた時のように。
2011年09月04日
2011年8月に観た映画
●いわく憑き (2005年/日本/監督 橋口卓明)★★★
葉月蛍出演のホラーポルノ。何の期待もせずに観てたけど、意外やホラーとしてもワリとしっかりとした作りに感心。
●新怪談残虐非道 女刑事と裸体解剖鬼 (2004年/日本/監督 山田誠二)★★★
このタイトル、どうしても気になるよね!! 低予算のせいか異常なもでにチープな作りながら、後半のダルマ女のくだりは結構面白い。まあ、今まで都市伝説では有名ながら、それをモチーフとした映像作品というのがなかったのが不思議なくらい。
●新怪談裸女大虐殺 化け猫魔界少女拳 (2005年/日本/監督 山田誠二)★★
こちらはダメ。チープさが祟って、どっかのそこそこスキルのある映研の自主映画のよう。素人にしてはスキルがあると変に商業映画に接近したがるもので、それは映画ごっこさながらの様相で内輪なら大ウケだろうがとても観ちゃいられない作品を生み出すというのがよくある事。僕もそんな素人作品を何度観たことか!! 別にこの監督の山田誠二を素人と言ってるワケではないが、この作品を観てるとそういう気になった。あの「発狂する唇」とスタンス的には近いところにあるような気がするが、予算の違いといわれればそれまでながら、出来は雲泥の差を感じる。
●冷たい熱帯魚 (2010年/日本/監督 園子温)★★★★★
園子温という監督はそれほど好きな監督ではない。ある8ミリ映画のコンテストでも同期であり、彼の8ミリ作品も何度も観ているし、16ミリの「自転車吐息」も観てるし、「部屋」「桂子ですけど」はDVDまで買ってしまった。だが、「愛のむきだし」「自殺サークル」「エクステ」「奇妙なサーカス」「紀子の食卓」とイマイチ好きになれないが、無視出来ずについ観てしまった。この「冷たい熱帯魚」もそんな感覚で観た。そもそも過激なスプラッター描写のある作品であるという事すら知らなかった。その先入観のなさがよかったのか、非常に気に入ってしまった。世界レベル的にみても素晴らしい作品ではなかろうか。
そして、殺人鬼役のでんでんの魅力全開と新しいタイプのシリアルキラーがキラーものの新境地を切り開いたようにも思える。前々から気になる女優だった黒沢あすかの魅力も再認識した。但し、園子温の演出でよく見られる感情の爆発の描写の恥ずかしさは遺憾ともし難い。黒沢清や佐藤寿保のような低体温的感覚ではなく冷静さという均衡が失われたかのような危ういバランスで成立したかのように思える。まあ、好きな人からすればそこが魅力なんだろう。結局のところ、ホン(台本のこと)と役者が良かったのであってこのホンと役者で三池崇史なんかが撮ったらとてつもないものが出来ただろう。
それでも評価は最高点で、DVDを買ってしまったが。
●レイキャビック ホエール・ウォッチング・マサカー (2009年/アイスランド/監督 ジュリアス・ケンプ)★★★
捕鯨禁止で失業した一家が鯨ウォッチャーを虐殺!! とまあ、ゴキゲンなプロット。更に裕木奈江が出演し、更に更にあのレザーフェイスを演じたガンナー・ハンセンが出演!!
まあ、内容としては可もなく不可もないスラッシャーものという感じだが、監督は間違いなく裕木奈江を気に入ったとみた。続編で殺人鬼となった裕木奈江を主役に据えたヤツが観たいぞ!!
2011年08月25日
裕木奈江×レザーフェイス=アイスランディック・スラッシャームービー
我らが裕木奈江がアイスランドのホラーに出演するという情報を得て久しいが、「レイキャヴィク・ホエール・ウォッチング・マサカー」というタイトルで日本上陸!! 既にDVDにもなっていて、レンタルで借りる事もできる!!
アイスイランド映画でフリドリック・トール・フリドリクソンという監督くらいしか浮かばんが、実のところ結構あるらしい。たかだか人口30万くらいの国なのにすごい事ですなあ。
アイスランド、グリーンランドって僕の永遠の憧れの地で死ぬまでに行ってみたいところの一つ。
そんな国があろう事か、スラッシャムービーを!! しかも出演者に裕木奈江が!! それだけでなく、あのホラークラシック殿堂入りの「悪魔のいけにえ」のレザーフェイスを演じたガンナー・ハンセンも出演!!
物語としては捕鯨禁止で失業した捕鯨一家が観光鯨ウォッチャーを虐殺するというもの。また、虐殺されるウォッチャーもイヤなヤツが多い。鯨見物も鯨の安息を邪魔してるのではないかという議論を盛り込む等、社会派作品としての側面もみせる事に抜かりはない、
そして、問題の裕木奈江が日本人(どう見ても日系の片言日本語をしゃべる胡散臭い役者)の金持ちの秘書という設定で、殺人一家の虐殺劇に巻き込まれていくのだが、その後の展開が素晴らしい。
監督は裕木奈江のことを相当、気に入ったとみたぞ!!
ネタばれになるので、詳しくは書けないが、続編を作るとしたら主役は間違いなく裕木奈江やね!!
捕鯨禁止により失業した漁師軍団vsシーシェパードのような過激な団体の血みどろな抗争といった図式も見てみたっかたぞ!!
アイスイランド映画でフリドリック・トール・フリドリクソンという監督くらいしか浮かばんが、実のところ結構あるらしい。たかだか人口30万くらいの国なのにすごい事ですなあ。
アイスランド、グリーンランドって僕の永遠の憧れの地で死ぬまでに行ってみたいところの一つ。
そんな国があろう事か、スラッシャムービーを!! しかも出演者に裕木奈江が!! それだけでなく、あのホラークラシック殿堂入りの「悪魔のいけにえ」のレザーフェイスを演じたガンナー・ハンセンも出演!!
物語としては捕鯨禁止で失業した捕鯨一家が観光鯨ウォッチャーを虐殺するというもの。また、虐殺されるウォッチャーもイヤなヤツが多い。鯨見物も鯨の安息を邪魔してるのではないかという議論を盛り込む等、社会派作品としての側面もみせる事に抜かりはない、
そして、問題の裕木奈江が日本人(どう見ても日系の片言日本語をしゃべる胡散臭い役者)の金持ちの秘書という設定で、殺人一家の虐殺劇に巻き込まれていくのだが、その後の展開が素晴らしい。
監督は裕木奈江のことを相当、気に入ったとみたぞ!!
ネタばれになるので、詳しくは書けないが、続編を作るとしたら主役は間違いなく裕木奈江やね!!
捕鯨禁止により失業した漁師軍団vsシーシェパードのような過激な団体の血みどろな抗争といった図式も見てみたっかたぞ!!
2011年08月18日
ポップなのに超絶技巧!!
●MOE TAR/From These Small Seeds (アメリカ/CD)メタルにしろ、プログレにしろテクニカルな音は結構好きだが、Henry Cow、フレッド・フリス周辺なんかはちょっと苦手ですなあ。どうも演奏のための演奏のような気がして・・・。どんなにテクニカルな演奏でも曲自体はキャッチーである・・これが僕の理想。だから、ジェントル・ジャイアントよりもそのフォロワーであるアメリカのイエツダ・ウルファの方が聴く回数が遥かに多いのもそういうとこだろうか?
今回のモエ・タールなる女性ヴォーカルを中心とした5人組はまさにそんな感じ。メチャメチャ、ポップなメロディーにフランク・ザッパ張りの変拍子が絡む、それがキワモノ的でなく実にナチュラル。時折、ジェントル・ジャイアントみたいな屈折したヴォーカルラインもあるが、ヴォーカルのポップさとの対比が絶妙。
2011年08月16日
32年前の熱きスピリット
●野獣/地獄の叫び (CD/日本)1979年にリリースされたハードロックグループ。32年も前の音ながら、今聴いても全然カッコいい。タイトルチューンの「地獄の叫び」を当時中学生だった僕がFMラジオで聴いて、カッコいいといかいいようのないギターリフの応酬や緩急付けた曲構成に新鮮な衝撃を覚えた。その当時、日本のハードロックはBOW WOW や紫くらいしか思い浮かばず、ラウドネスの高崎晃もまだレイジーでアイドルしてた頃で、ハードロックといえばかなりマニアックな存在だったと思う。そして、YMOのブレイク前夜で時代はニューウェーブへと流れていった頃でもあり、タイミングが悪いといえばそうだろう。
その後、レイジーが解散しラウドネスが誕生し、雨後の筍のように次々とヘヴィメタバンドがメジャーデビューした。そんな時期に野獣がデビューしてたらどうだっただろう?
野獣解散後、ギタリストのローラこと中野重夫氏はヴァイオリンをフューチャーした中野ブラザースを結成し、偶然テレビで目撃してプログレッシブなテイストを感じたら、その次にはインストグループ、ダイナゴンでハードロック寄りのフュージョン的な音をプレイし、プログレファン完全対応だったが、残念ながら音源はデモテープのみでそちらのCD化の望みたいところ。さらにその後はシゲオ・ロール・オーバーでジミヘンの完コピを実践して、その筋の人では知られた存在となっていく。
余談ながら、このCDを買った店でジョー山中の訃報を知り驚きました。フラワー・トラベリン・バンドの「SATORI」を聴きならが冥福を祈りました。
2011年08月05日
メロディーの力は偉大なり!!
●ASIA/Omega (CD/イギリス)去年もブログでエイジアのオリジナルメンバーによる復帰作「Phoenix」を褒めちぎったが、そのメンバーによる次作「Omega」は去年のリリース。「Phoenix」の興奮が醒めやらぬうちに買っておくべきだったと深く反省。
先日のイエスでも強力なメロディーメーカーぶりをみせつけたジェフ・ダウンズのホームグラウンド、エイジアではメロディーの力の偉大さというものをまざまざと痛感させられる。僕はプログレでどんなにテクニカルであっても基本のメロディーに力がないとダメなんですわ。イエスの「危機」なんてアナログ片面を費やした組曲の中でもその要素を満たしていると思う。そして、名曲といわれているジェネシスの「Supper's Ready」や3rd以降のドリームシアターが何度聴いても愛聴曲にならないのもメロディーの力の欠如だろうか? (まあ、これは個人的嗜好も多分にあるだろうが)。
ハナシを「Omega」に戻すと個人的なキラーチューンは3曲目の「Holy War」、7曲目の「Light The Way」、8曲目の「I'm Still The Same」ですな。ポップな中にドラマチックな要素を盛り込む得意なパターンが見事に開花。8曲目などは開き直ったかのようにポップさ全開ながら、何という人懐っこいメロディーだろう。まるでPILOTのようだ。やはり、ジェフ・ダウンズのメロディーセンスは一流ですな。同じジェフ・ダウンズが参加したイエスのドラマー、アラン・ホワイトがリーダーのWHITEの作品も同時期に入手し、同じようにポップなプログレ作品ながらジェフが作曲面で参加していないせいか、ジェフの作曲力の偉大さを思い知らされるような印象の薄い出来だった。
2011年08月04日
2011年7月に観た映画
●黒く濁る村 (2010年/韓国/監督 カン・ウソク)★★★
20年も音信不通の父親が死に山奥の村へとやってきた青年、その村に何とも不穏な空気を感じる。そして父の死に不審を抱き、独自に調査をはじめていく。当然のように村人たちは一癖も二癖もあるようなキャラばかり。
う〜ん、全体的に覆うこのミステリアスな空気感、30年くらい前に邦画のオールスターキャストと銘打って封切られる作品の空気感に似てやしないか? 例えば金田一耕助シリーズのような。何とも懐かしい雰囲気に浸りながら、楽しく観賞しましたよ。
●23年の沈黙 (2010年/ドイツ/監督 ハラン・ボー・オーダー)★★★
こちらはドイツの新進監督によるミステリーで本国ではベストセラー小説が原作だそうだ。23年前に起こった少女殺人事件を傍観していた男が忘れるために名前を変えて、建築家として成功し裕福な生活を送っていたが、23年前の事件を彷彿させる事件が再び起こる。この何ともミステリーに包まれた導入から、いかにもヨーロピアンなゆったりとした映像が流れていき、ミステリードラマであり、屈折した良質なヒューマンドラマでもあった。
●愛人のいる生活 (2010年/クロアチア、セルビア、スロヴェニア/監督 ライコ・グゥルリッチ)★★
裕福な家庭を築きあげながら妻と愛人を行き来し、オマケに女癖の悪さで大学教授の職を追われた弟の教え子とまで出来てしまうという、ええ年してギンギンで衰え知らずの羨ましく、男の永遠の夢を実現したオッサンのストーリー。これを観て、ああ俺もこんな風に年をとっていきたいな・・と遠い目で思った人、少なくないハズ。
2011年07月06日
43年という驚異のキャリア!!
●YES/Fly From Here (CD/イギリス)11年ぶりのイエスの新譜。看板ヴォーカリスト、ジョン・アンダーソンの名前がなく、カナダ人のニューシンガー、ベノワ・デヴィッドが加入、さらにキーボードにはエイジアのジェフ・ダウンズ。1980年の隠れた名作「DRAMA」でもキーボード奏者として参加している。そして、プロデュースにはトレバー・ホーンときたら、イヤでも「DRAMA」を思わせる。この当時にオクラとなった楽曲をベースに20分を超える大作となり、この曲が素晴らしい。ヴィンテージ感溢れる音で、非常に暖かみがあるし、何よりキャッチーなメロディーがいい!!どうも、「90125」以降のイエスはどれを聴いても、イマイチ傑作と呼べるに値するものがなかったと思うが、本作は傑作であると思う。「90125」以降のアルバムで何度も繰り返して聴き込んだ経験は皆無だが、本作は何度も何度もくりかえして聴いている。ただ、「The Man You Always Wanted Me To Be」というクリス・スクワイアとセント・エティエンヌのジェラルド・ジョンソンとの共作曲はいただけないな。セント・エティエンヌ自体は好きなグループだが、やはり場違いな感は拭えない。
イエスの好きなアルバムといえば「Close to the Edge」「Fragile」の2作は外せないが、「Relayer」「Drama」も好きで本作を入れてベスト5という事になるだろう。
2011年07月02日
2011年6月に観た映画
●火星のわが家 (2000年/日本/監督 大嶋拓)★★★
等身大の日常生活に似せたものを描いても美男美女の俳優が演じて、ガラスケースの中に入れられた現実から距離を置いたドラマを見せられる事になる。しかし、時として生々しいまでの日常を切り取ったかのようなドラマに遭遇する時がある。この大嶋拓監督の「カナカナ」という作品がまさにそうであった。その大嶋監督の第二弾がこの「火星のわが家」。これまた生々しい日常のようなドラマ。NYで活動するジャズシンガー、鈴木重子を主役に据え、その姉役をミュージシャンのちわきまゆみという非役者的存在にスポットを当て、このキャスティングが効を奏している。
●ソーシャル・ネットワーク (2010年/アメリカ/監督 デヴィッド・フィンチャー)★★★
facebookの開発者マーク・ザッカーバーグの物語。脚本を興すにあたって、本人への取材は拒否されたという。また、ザッカーバーグは非常に変わり者というが、映画の中でもイヤなヤツぶりが描かれる。まあ、ザッカーバーグのリアルな人間に対するコミュニケーション能力の欠如が人間関係のもつれ等をひきおこしていく。こんなヤツが周囲にいたら本当に迷惑だろうが、映画の題材としては非常に面白かった。
●君と歩こう (2009年/日本/監督 石井裕也)★★
男子高校生と34歳の女教師との駆け落ちドラマをコミカルに描いた作品。といっても恋愛沙汰など殆ど描かれず、どうして駆け落ちなんかしたの?と問いたくなる2人。コミカルに描く・・といったが、そのポイントは少々寒いような気がする。
●白いリボン (2010年/ドイツ/監督 ミヒャエル・ハネケ)★★
コイツの映画って、何を考えてるのか理解に苦しむ時がある。デンマークのラース・フォン・トリアーも似たようなヤツだが、またわかりやすいし、少なくとも観客に観せるという点ではサービス精神溢れる。しかし、ハネケはそうした配慮も感じられず、映像作品にも拘らず大半を観客の想像力に委ねるようなところがある。今回はまだ観せるという点に於いては比較的に大人しいが、意図的に観客の神経を逆撫でするかのようなメンタリズムは健在。
●襲撃者の夜 食人族Final (2009年/アメリカ/監督 アンドリュー・ヴァン・デン・ハウテン)★★★
スコットランドの洞窟に住み人間を食い続けた原始一族ソニー・ビーンを題材に描かれたジャック・ケッチャムの1981年のデビュー作「オフシーズン」が原作。映画化にあたって、ケッチャム本人が脚本を手がけた。現代人vs食人族といった図式は悪くないけど、食人族のメイク等がどうもコントに見えて仕方なかったのは僕だけ?
2011年06月17日
岐阜県在住の国際的なプログレミュージシャン
●TADASHI GOTO/Innervisions (CD/日本)岐阜県在住の教諭であり、キーボード奏者の2ndアルバム。日本国内での活動をほとんどやっていないので、知る人ぞ知るミュージシャン。僕も最近まで知らなかった。しかし、アメリカのレーベルと契約していたりと実はスゴいミュージシャン。
King Crimsonのトニー・レヴィン、元メガデスのクリス・ポーランド等が参加したこのアルバムを聴いてブッ飛んだ。基本的には打ち込み系ドラムをベースにしたインスト・テクニカル・ロックで、200kmくらいで車をブッ飛ばしたようなドライブ感が凄まじくカッコいい。1曲目のカッコ良さは世界的にプログレッシブロックの範疇で考慮しても近年では秀逸な出来だと思う。
今年フランス映画に楽曲を提供したり、ビジネス英語に関する書籍を出版したり、臨床心理学や国際経営学の学会に所属していたりと、多才な人であるようだ。個人的にはライブ活動を一切(多分)やらず、自宅やスタジオワーク中心の音楽活動というのもとても共感出来る。
2011年06月03日
2011年5月に観た映画
●エンター・ザ・ボイド (2010年/フランス/監督 ギャスパー・ノエ)★★★
毎度毎度挑戦的な事をやってのける過激な映画作家ギャスパー・ノエの最新作は東京歌舞伎町が舞台、そして僕が長年やりたかった主人公の主観映像。ドラッグディーラーの男(白人系在日外国人)が近親相姦的に愛する妹を本国から呼び寄せるが、手入れに入った警官に射殺されて映画が半分も終わっていないうちに呆気無く死んでしまう。そこからは殺された男の魂からの主観映像と思われる描写が続く。魂の主観なので、各々のシーンが俯瞰により捉えられている。また、要所要所にインサートされるビデオドラッグのようなサイケな画像、シーンの継ぎ目を感じさせず、魂が高速で場所から場所へと移動するかのようなシーンとシーンのブリッジ。役者が芝居をするシーンに於いてもキャメラは落ち着いていなく、常にフワフワとしていて、観る側も不安定な気分になる事間違いなし!! 但し、根がスケベなせいか浮遊していてもラブホに潜入し、ヤリまくるカップルをのぞき観したりと微笑ましい。
●デコーダー 解読者 (2009年/イギリス/監督 ブラッド・ワトソン)★
バチカンが封印していた聖書に隠された予言をコンピューターでハッキングして解読しようとするもの。また、解読に成功したハッカーが神に等しい力を手に入れた・・オイオイ、壮大なプロットを密室でこじんまりとやるなよ。誇大妄想なパソコン&アニメ野郎が話しをどんどん膨らませたものの、志は高いが悲しいかな予算がなくショボいもんしか出来んかった・・そんな感じかあ? 大いなる脱力を感じまっせ!!
●ひきこもり (2008年/韓国/監督 パク・チェシク)★★
パッケージの雰囲気から陰惨なホラーを想像してたら、ジャパホラでは「死国」「仄暗い水の底から」あたりようなメロドラホラー。韓国って、メロドラホラーって、ちょくちょくあるよなあ、また演技(特に感情表現)が邦画のそれより過剰(クドい)なんで、結構満腹感があります。
●マッドネス・ヒル (2008年/アメリカ/監督 G・キャメロン・ロメロ)★
ジョージ・A・ロメロ御大の息子の作品だそうだ。しかし、しかし、しかし、親父と違って決定的に演出力の欠如、過剰なまでのスプラッター描写以外のシーンで観客を惹き付ける力が弱過ぎる。まるでテクを自慢しながら、作る曲があまりにも駄作というギタリストのようだな。でも、頭の皮を剥がしたりの描写は手に汗握ったよ!!
●ジャーロ (2009年/イタリア/監督 ダリオ・アルジェント)★★
ダリオ・アルジェント師匠の新作で残念ながら劇場で観る機会を逃したものの、僕は映画館原理主義者、スクリーン絶対主義者ではないので観れればええんですわ。
結論から言うと、これをもし映画館で観たらガッカリしただろうな。
まず、こういった作品は基本はミステリーなので犯人は誰かという謎解きの要素が入っていなければならないが、途中から犯人が顔出し、おいおいもう犯人を出してんのか? 殺し方もアルジェント節ともいえるいつもの黒手袋(これはアルジェント本人が演じている)での犯行描写がないため、イマイチ盛り上がらない。ヒロインが美しくない!! 何よりも殺害される描写のアルジェントの世界ともいえる美的感覚は何処へ? 本当にアルジェントが撮ったのか? すら思える。「デスサイト」以降、失速気味やね。
●モルモット (2010年/日本/監督 葉山陽一郎)★
三輪ひとみ出演となれば、何でも手を出してしまうが、今回はこれで久々の主演作!! 新薬が開発されるとアルバイトを使っての人体実験ってのがあるが、それを佐藤寿保の「暴行本番」(後に「女虐」としてリメイク、どちらも必見作!!)というのがあるのが、妊婦を使っての人体実験。この妊婦ってのが妊娠中に酒は飲むは、内縁のDV野郎のいいなりで既に産んだ子供への虐待を容認(まあ、最近ちょくちょく捕まるケースですな)。だから、安易に人体実験の被験者になって不幸な結果を招いても決して同情など出来ん。その実験を捜査する三輪ひとみ・・・こちらが主役!! 車から携帯電話をかえるショットはスカートから少し出た生足をメインに据えたアングル、隣人のハッカーにハッキングを頼みに行くシーンも前もってブラウスのボタンを外して相手に勘違いさせる等、ニクい演出も入って世間の三輪ひとみフリーク(何人くらいいるのだろうか?)へのサービスにも抜かりはない。そして、製薬会社に捕まり解放された森の中で3人のクズ野郎にレイプされる三輪ひとみ、しかし何を思ったか棒キレで反撃し、3人のクズどもを鈍い打撃音とともに血祭りにあげていく。あ、これって映画の主旨から外れてますな、でもそういう映画なんですわ。
●告白 (2010年/日本/監督 中島哲也)★★★
かつて、「四月物語」という映画があった。主演の松たか子は本当に良かった。思わずDVDを買ってしまい、何度も何度も観た。今でも時折観ている。その松たか子の衝撃の作品・・という触れ込み。
僕は原作の小説をもちろん読んだ事もない。当然ながら原作との比較も出来ないし、する気も毛頭ない。映画である以上は、原作を知っていようが、知っていまいが楽しめなければならない。原作を知らなければ楽しめない映画(そんな映画ってあまりないと思うが、原作を読む事を絶対条件として語る輩はいるねえ)なんて論外だ。
まず、告白というタイトル通り本当に告白に始まる。事前に話題にもなっていた教師役の松たか子の娘がクラスの生徒に殺された・・そして、該当の生徒2人の心情を語る告白を中心としたシーン、その母親の告白など文字通り告白を中心に成り立った作品。退屈だったか? No、いやいや決してそうではない。しかし、観てもらうとわかるがラストの松たか子の台詞はなかった方が良いのだろうか?
また、冒頭の松たか子は良かったと書いたが、僕が夢中に「四月物語」に観ていたのが1999年頃。公開が98年なので、ひと昔以上も前、そりゃ劣化もするわな。最近、何かで松たか子はチェーンスモーカーであるというのを読んだのが脳裏にあり、そういった情報があるともうダメ!! 画面に松たか子が写る度に脳内でリフレインされる。僕自身が重度の嫌煙家というワケではないが、やはりある程度の想いを抱いた人がスモーカーというのは嫌ですな。興味の対象でない人ならいくら喫煙してもらっても何とも思いませんが。まあ、映画とカンケイないハナシですな。
●パラノーマル・アクティビティ 第2章 (2011年/日本/監督 長江俊和)★★
昔、プロレスが全盛の頃に次のシリーズにはアメリカから凄いヤツがやってくる!!といった触れ込みで、幻想を抱きすぎてフタを開けてみたら全然大した事がないってのもよくあった。映画でもそういった事が時折あり、それが「パラノーマル・アクティビティ」。この映画の予告編的に日本人観客が映画館で怖がっている様子、観終わった後に半泣きで感想を述べたりと、そういうヤオな宣伝方法に本当に腹が立つ。
その続編がアメリカと日本で同時に製作されるという。その日本ヴァージョンがこれ。監督は「本当にあった呪いのビデオ」シリーズの長江俊和。ほん呪シリーズで培ったテクニックで少なくともコケおどし1作目よりも遥かにマシ(怖いという観点からで、完成度はまた別)。大層にアメリカ映画の続編というより、オリジナルビデオ作品という感じではなかなかの出来。
●プリズンアイランド 残虐非道女刑務所(2010年/ドイツ/監督 アンドレアス・ベスマン)★★
「プリズンアイランド 残虐非道女刑務所」か、シネコンで上映されるユルい映画がお好きという女子に好きな映画は聞かれてこの名前を出したら間違いなく退くだろうな。
K3女子刑務所に服役する精神科医の主役は看守からレイプや拷問を受ける女囚の治療に当たっていた。こういうプロット、かつてのダイアン・ソーンのイルザ所長シリーズを彷彿させますなあ。僕も小学生の頃、近所の映画館で「イルザ ナチ女収容所 悪魔の生体実験」「イルザ シベリア女収容所 悪魔のリンチ集団」のロビーカードを食い入るように眺め、ガキだったためR18指定のこれらの作品が観れなかった事を呪ったのを覚えている。
まあ、幾つになっても興味の対象は変わらないもので、ええオッサンになってもこういった作品には心熱くするんですな。
この作品もロメロJr.の「マッドネス・ヒル」と同じく、残虐シーン以外はダメダメ。台詞も何故かアフレコで口とずれる箇所も散見。しかし、ロメロ坊ちゃんと大きく違うのが残酷とエロの組み合わせをようわかってらっしゃる、さすがドイツ人。グロいシーンとなると足の裏にナイフを突き立てたり、太ももナイフでグリグリ等かなりキテます。クレジットで特殊メイクはあのジャーマン・スプラッターの雄、オラフ・イッテンバッハを見つけビックリ!! しかし、ストーリー的展開は全く期待できません。こんな投げやりなラストを作るか?
●ミッドナイト・ミート・トレイン (2008年/アメリカ/監督 北村龍平)★
ジャーマンスプラッター「プリズンアイランド 残虐女刑務所」の後のせいか、非常に薄味に思えるのも日本人監督の所以か。北村龍平作品は何本か観てるが、ダンシングパフォーマンスのようなアクションシーンがイマイチ好きになれん!! 意図的にスローを多用し、「どうだい、スタイリッシュだろう?」と言わんばかりの映像も鼻に付く。
で、スプラッター描写はどうかというと、確かにゴアなシーンも多い。ミートハンマーを片手にしたスーツ男が地下鉄で繰り広げる虐殺。しかし、血ノリ自体がCGであったりと興醒め。ミートハンマーで殴られ目玉が飛び出て、首がゴロンと切断、屠殺された家畜の如く人間が吊るされ・・・文字にすると本当に陰惨なシーンも軽くポップに思えるのは、ハリウッド的には望むところだろうが。
2011年05月24日
奇跡ともいえる珠玉の映像の数々

●伊藤高志映画作品集 (DVD)
その昔、僕が8ミリカメラ片手にした映画少年だった頃、実験映画という禁断の上映会に足を踏み入れて、脳ミソをかき回されるような衝撃を覚えた。スタン・ブラッケージ、トニー・コンラッド、ケネス・アンガー、かわなかのぶひろ、相原信洋などの作家で、中でも伊藤高志という作家の特異性は僕の感性を刺激して止まなかった。体育館の中に立つこれまた体育館内部の写真を撮影した写真をモチーフに24frame/secのアニメーションの技法で再構成され、体育館の中の写真に吸い込まれ、さらにその中の体育館の中の写真に吸い込まれという観賞者の感覚をズタズタにるかのような摩訶不思議なヴィジュアルアクションがバックに流れるアシッドな電子音楽との相乗効果で永遠にこの快感に身を委ねていたいとまで思った。僕もこういった映像作品を創るんや!! と固く心に誓ったものの、8ミリ四方の小さなフィルムに透過性のあるマジックで着色する作業、部屋の中の物体を1コマずつ撮影するストップモーションアニメ、フィルムにキズを付けるカリグラフ等を試したけど、なかなか根気を要する作業にほぼ断念してしまったのに等しく、稚拙な短編を残しただけの結果にとどまった。実際にこういった作業を経験しているので、この伊藤高志の途方もない作業には敬服に値する。
「SPACY」があまりにも衝撃だったが、他にも「THUNDER」という作品のカッコ良さはどうだろう。まさにサイバーである。「BOX」に至っては今の視点でみれば、ああCGか・・となるだろうが、時は1982年、アナログな16ミリフィルムを駆使して撮影された。一体どのような技法を用いて撮影されたのだろうか? 今だに不可解だ。
10年ほど前にビデオテープ版で「ILLUMINATION GHOST」なるタイトルで伊藤高志作品集がリリースされたが、こういった短編映画のアンソロジーはサーチレスポンス性の優れたDVDで観賞するのがベストやね。
2011年05月23日
日本屈指のドラマーのインプログレ


●大文字/Improg (日本/CD)
●大文字/Into a Blind Alley (日本/CD)
吉田達也、ホッピー神山、ナスノミツルのトリオによるインプロヴィゼーション・プログレッシブロック。このメンバーといえば、戸川純バンドの中心メンバーでもある。
インプロ特有の退屈感はなく、ホッピー神山のエレピを中心としたキーボードワークに時折入るアナログシンセの分厚いソロやうねるモジュレーションワーク、聴いているだけで快感である世界に誇れる吉田達也のドラミング、ホッピー&吉田の即興造語によるヴォーカル等、常にテンションが高くリスナーとしても緊張感が強いられ、聴き終わった後の疲労感が心地よい。
以前にKENSOのキーボーディストを迎えてのルインズは本当に凄まじかったが、吉田達也のドラムによる構築されたプログレッシブロックを聴いてみたいものだ。プロレスの他団体交流戦みたいな世界だな。
2011年05月17日
日本人ミュージシャンの偉業

●奥本亮/Solid Gold (日本/CD)
時は1980年、世間ではYMOをはじめとするテクノポップ全盛。僕も富田勲、タンジェリン・ドリーム、ジャン・ミッシェル・ジャール、クラフトワーク等に小学生〜中学生の過渡期に出会い衝撃を受け、自然な流れでテクノ少年となっていった。
しかし、その反面ではキングレコードが78年頃からはじめたユーロロックコレクションがきっかけでプログレッシブロックといった世界に興味を持ち、テクノ&プログレの二面性を持った少年であり、売れ千ものには全く関心がなくひたすらその当時から裏街道まっしぐら!!な人生であった。 15歳の少年は日本のメジャーな音楽シーンからもナチコ「薬屋の娘」、芸能山城組「組曲 恐山」、茂木由多可「Flight Information」、四人囃子「Neo-N」(これは個人的には今でも10本の指に入る愛聴盤である!!)、山口美央子「月姫」、マライア「Marginal Love」、マジカル・パワー・マコ「Welcome To The Earth」、ダダ「DADA」、スペース・サーカス「Fantastic Arrival」、ムクワジュ・アンサンブル「樹・モーション」、坂田明「テノク・サカナ」、神谷重徳「MU」、そして今回の主役である奥本亮の「Solid Gold」と「シンセサイザーのすべて」等を発掘してはそのプログレッシブな音楽性に悦に入っていた。これは全て当時メジャーなレコード会社からリリースされ、普通に近所のレコード屋で入手したものばかりだった。何枚かはCD化され陽の目を見たものもあるが、未だにCD化されずに埋もれてしまっているのは残念な限りだが、目出たく奥本亮の「Solid Gold」がCD化!! それまで状態の悪いアナログ盤からCDRに落として、更にmp3化して今までiPodで聴いたりしていた。
このレコードを買った背景には購読していたFool's Mateに載っていたレビューか何かでとっさにプログレ的な何かを嗅ぎとって、早速購入したら結構好きな音だったなあ。奥本亮の下手な英語の発音で、これまたお世辞にも上手いとはいえない歌唱によるアメリカ指向な歌もので、演奏となると奥本亮のエモーショナルでジャズやクラシック臭があまりないキーボードプレイが随所に散りばめられている。その後、「Makin Rock」(これは未聴)、企画もの「シンセサイザーのすべて」をリリースし、渡米しフィル・コリンズ、エリック・クラプトン、アレサ・フランクリン、ポインター・シスターズ等のツアーサポート、スタジオワークに関わり一流スタジオミュージシャンとして20年以上もアメリカで活躍。日本人でこういったスタンスまでいったミュージシャンって、屋敷豪太、ジャズのケイ赤城、お馴染みの喜多郎くらいしか思いつかない。
それよりも95年にプログレ好きのスタジオミュージシャンによるスポックス・ビアードなるバンドが日本でもリリースされたが、2ndから現在に至るまでキーボード・プレーヤーとして奥本亮が参加しているのがプログレファンには周知の事実だろう。
2011年05月02日
2011年4月に観た映画
●逆襲!スケ番ハンターズ 地獄の決闘 (2010年/日本/監督 奥田真一)★★
往年のスケ番ものへのオマージュにアップデイトな感覚を盛り込んだ作品。杉本美樹や池玲子あたりが演じたであろう役は「片腕マシンガール」が印象的な亜沙美。役名は亜沙美ときた。そして、敵役のクールな殺し屋にはなんと三輪ひとみ!! 僕らのようなドサぐれた映画野郎への最高のプレゼントだろう、但し作品としての評価は・・・チト、キビしいですな。
●冷酷処刑人 (2008年/オーストラリア/監督 スティーヴン・キャストリシオス)★★
娘をAVに出演されクスリ漬けにして死に追いやった関係者たちを父親が残酷な方法で復讐していくというプロットは概ねOK。しかし、残酷描写は殆どなく、観る者の想像に委ねられる。復讐の旅に出た父親と途中で拾った若い女のロードムービーのようでもあり、製作者は寧ろそちらに重点を置いたのか。日本の配給元の誤った(意図的に)宣伝方法に見事にハメられてしまったかな・・。
●キャタピラー (2007年/日本/監督 若松孝二)★★★
戦争から生還してきた旦那は手足がなく、喋る事も出来ない・・それって、江戸川乱歩の「芋虫」じゃないの?? 何処にも乱歩のクレジットはないけど・・。
その「芋虫」は本当に短い小説だったが、そこにフリークスとなって帰ってきた旦那を性具として扱い、己が性欲を満たしていく妻の姿をエロティックに描く丸尾末広の漫画の解釈に近いものがある。但し、そこには色気というのには些か縁遠く疲れ切ったノーメイクの寺島しのぶ演じる妻がある。だが、その寺島しのぶの台詞でなく表情での語り口にはハッとさせられるものがある。四肢、声を失った男は確かに自由を奪われただろう。また、それと同時に旦那の一切合切の世話を余儀なくされた妻もまた自由を奪われたに等しい。寺島しのぶの表情を引き合いに出したが、旦那を犯すかのような戯れを終えた後の笑み、ラストで(「芋虫」を読んだ人なら容易に想像出来るラスト)不自由さからの解放からの安堵感を秘めた表情。若松監督は反戦といったものを描きたかったらしいが、寧ろ介護地獄を描いているようにさえ思える。
●モスリン橋の、袂に潜む (2000年/日本/監督 羽野暢)★★★
ミステリーであり、SFであり、寺山修司的でもあり・・こう書くと何だんねんそれ? そう思うのも無理はない、しかしそうとしか言いようがないのである。きっと、監督の中にいっぱ詰まったアイデアをハキ出させて作るとこうなったのだろうか? ストーリー展開(決して難解というワケではない)というよりも白昼夢のような映像に身を委ねればよいのだろうか? 多分そうなんだろう。
●爆発!スケ番ハンターズ 総括殴り込み作戦 (2010年/日本/監督 中平一史)★★
記念すべきスケ番ハンターズの1作目。「地獄の決闘」でも書いたが、確かに僕らのようなヤツ向きだろうが、映画というよりもバラエティー番組中での悪ノリで作ったようなお遊びドラマのようなトーンを感じる。かつての東映映画に見られたようなギラギラした感じが薄いのは残念。ドラマ展開がプロットの奇抜さに比較してオーソドックスだもんなあ。
●ある探偵の憂鬱 (2000年/日本/監督 矢城潤一)★★
ある探偵に依頼者からの仕事はマンションに住む一人暮らしのある老婦人を向いの部屋から見張るというもので、来る日も来る日も変化がない。ところが老婦人の部屋に若い女が現れ、さらに老婦人を殺すように依頼が来る。ミステリアスな展開は面白いが、ラストの探偵が幻の女を追い求めるのはどうもピンとこないし、説得力に欠けるような気がする。
●愛のむきだし (2010年/日本/監督 園子温)★★
純愛エンターテイメント・・・らしいです。4時間がアッという間に過ぎる・・・らしいです。
まず、純愛というがそれはそれはかなり胡散臭いぞ!! 盗撮エロ、スプラッター、アクション、家族崩壊、新興宗教といったそれぞれで映画1本分になるであろうファクターをぶち込み、最後の最後で純愛的なもので一応は締める。これって一種のトリックですなあ。
そして、これを観た時、5話くらいのテレビドラマをDVDにしたのかとマジで思った。すると、実際は劇場で公開されたものとの事。そう思ってしまうくらい、テレビドラマ的なスピーディーな演出によって4時間という時間が短く感じるんだろうな。
●甘い蜜 消えたレコード (2010年/日本/監督 亀田則幸)★★
ビートルズバー「リボルバー」オープンパーティーの日にビートルズの激レアアルバムで通称ブッチャーカバーと呼ばれるマニアの間では有名なアイテムが盗まれた、その罪を着せられた男がその数か月後に事故で死ぬ。それから1年、「リボルバー」にやってきた探偵、1年前にブッチャーカバーを盗んだとされる男の友人で、友人の罪を晴らすために来たのだという。そこで、当時の状況等から検証していこうという密室ドラマで。法廷劇のようでもある。但し、あまりにも芝居臭い演技が多々目立って、少々キツかった。
●JIGSAW ザ・リアリティーショー (2010年/ロシア/監督 ヴァディム・シメリョフ)★★
アルバトロスの名物シリーズの11作目、当然それぞれの作品の関連性は全くなく、今回はロシア製のシチュエーションスリラー。ロシア映画だからといって特有の重厚さはなく、アメリカ映画に出てきそうな軽そうなノリの若造が中心で、そいつらが殺されていくというもの。とにかく、ミュージッククリップでも撮っていた監督だろうか? 音楽もうるさくて効果的ではなく、スタイリッシュなつもりの映像も空回りでみっともない。
2011年04月16日
東欧ゴシックメタルはポップさ炸裂!!
2011年04月08日
哀愁のマンティス節炸裂
●PRAYING MANTIS/Sanctuary(CD/イギリス)80年代にたった1枚のアルバムを残してレジェンドとなったプレイング・マンティスが1990年にアイアン・メイデンの初期メンバー、デニス・ストラットンを迎えて突如復活し、再結成後のスタジオ録音盤で現役時代を凌駕する事例などないという定説を覆すように93年に「A Cry For The New World」、98年にメロディアスハードの金字塔ともいえる「Forever In Time」をリリースし、2003年の「The Journey Goes On」を最後に再び沈黙してしまった・・・かのように思えたが、2009年に「Sanctuary」を引っさげて再度シーンに参戦。もっと、早く買うべきだったが、遅れながらの購入。
メンバーには既にデニス・ストラットンの名前がなく、トロイ兄弟以外はニューカマーと思われる。
1曲目の「In Time」からプレイング・マンティスお得意の哀愁を帯びたオープニングでクサさは充分。しかし、やや薄いような気がする。そして、シンセのフレーズに導かれてこれまた哀愁度120%全開でマンティス節炸裂の「So High」を聴けば、この曲だけでこのアルバムを買って良かったと思える。その後も「Touch The Rainbow」「Threshold Of A Dream」「Playing God」とマンティス・フリークを納得させるナンバーが収録される。いやあ、満足・・しかし、何か薄い。確かに哀愁たっぷりのメロディーだが、聴いてるこちらまで恥ずかしくなるくらいの純情なメロディー、ニュー・イングランドばりの分厚いコーラスワークで聴かせる露骨なまでのクサメロが足りないように思える。
PRAYING MANTIS 「So High」
2011年04月03日
2011年3月に観た映画
●トルソ (2010年/日本/監督 山崎裕)★★★★
トルソ(胴体だけの人形)を恋人のように愛でるというフェティッシュな作品。空気人形のトルソとベッドを共にし、風呂で洗って、海水浴も共に楽しむ。何とも屈折したように一見思えるかもしれないが、以前に男に抱かれたいよりもギュッと抱いていたい、その願望から寝る時は抱き枕を抱いて寝ると発言していた女性がいたが、この作品ではまさにそうなのだろうと思えた。そのフェティッシュでリアルな男性に対して絶望を感じたかのような暗さを携えた女性を演じる渡辺真起子、精神的にニュートラルな妹に安藤サクラといった姉妹が絶妙なキャスティング。淡々としたシチュエーション描写の積み重ねが良質なヨーロッパ映画を観賞した時のような満足感を覚えた。
●ピラニア (2010年/日本/監督 井土紀州)★★
井土監督の「ラザロ」三部作の一つ「朝日のあたる家」に多少かかわった事があり、その時の井土監督のロケ地へのこだわり、そして土地の持つパワーへの執着といったものにシンパシーを覚えたものだった。
その井土監督の商業映画デビュー作。時間がない、予算がないと厳しいんだなと痛感させられた。シナリオも監督のシナリオ講座の教え子のペンによるものらしい。元来、不器用な(失礼!! でも、僕の敬愛するクリエーターは一概にして不器用だといえよう)クリエーターと認識していたので、商業映画ベースでの仕事はさぞや辛かったろうし、企画段階から完パケでの納品(つまり公開まで)恐ろしく短期間で練る時間がもっと欲しかったのであろうと察する。そういった意味では「ラザロ」は恵まれてたんだよなあ。まあ、この映画は基本的にはピンク映画としての公開で、ピンク映画としての商品価値をクリアーさせる条件を満たすのに苦心の跡が伺える。
そうそう、「ラゾロ」以降も精力的に撮っていたようで「泥の惑星」「土竜の祭」「行旅死亡人」「犀の角」は未見なので、機会があれば是非観てみたい。
●エビルロード 悪魔の十字架 (2010年/日本/監督 深月事務所)★
スプラッターものは一応観ておかないと気が済まないが、この作品の主演、製作の深月ユリアは全く知らなかったが、調べてみるとポーランドとアイヌのハーフであり、母方はポーランドの魔女の家系で幼少期から霊感を持つという自称魔女系女優。素人臭い脇の演技と深月ユリアの勘違いしたかのような成りきりぶりが観ていて非常に寒く、作品の時間経過と共に溝が深まるばかりで、何度リタイアしようと思った事か。
●ヌードの夜 愛は惜しみなく奪う (2010年/日本/監督 石井隆)★★★
石井隆は日本初の本格スプラッター映画といわれる「死霊の罠」の脚本を手がけたりしているが、自身の監督作でも心理的にはホラーともいえるような描写が多い。今回は「ヌードの夜」の続編ともいえる内容で、「死んでもいい」の大竹しのぶ、「フリーズ・ミー」の井上晴美といった石井ワールドでドロドロでジュルジュルな(抽象的な表現だけど、わかるよね)歴代ヒロインを演じた女優がガッチリと脇を固め、石井ワールド初参戦の佐藤寛子が初戦とは思えぬ善戦ぶりを披露。冒頭の死体を風呂場で解体するシーンではハーシェル・ゴードン・ルイスばりの血と生々しい肉塊が過剰に描写され、血溜りの中での佐藤寛子に心ときめかせた切株映画(人体切断や肉体破壊描写のある映画)マニアは狂喜し、このシーンだけで及第点を与えるのに躊躇しないだろう。石井映画にこういった要望をすると殴られそうだが、惜しいのは後々の殺人シーンにスプラッター描写があまりない事だな。もし、それが満たされていれば良質なジャーロ(イタリアで盛んな過剰な残酷描写のあるスリラー映画)に匹敵しうる作品になっていただろう。
●花と蛇3 (2010年/日本/監督 成田裕介)★
「ヌード夜 愛は惜しみなく奪う」を観た後では間違いなく分が悪い!! 「ヌードの夜」では佐藤寛子の脱ぎっぷりの良さに唖然、場面によってはAVもかくやというのもあり。そして、本作の小向美奈子は脱いで当たり前で当初から過激な場面が期待されている・・が、この出し惜しみは何やねん!! ・・・そう思った貴兄も多いハズ。
●セリーヌとジュリーは舟で行く (1974年/フランス/監督 ジャック・リヴェット)★★★
ゴダール映画でお馴染み(?、「中国女」「ウィークエンド」・・ちょっとマイナーかな)のジュリエット・ベルトが出ていて、実はこのヒト結構好きなんですわ。1981年には「Neige」という映画を監督してるらしいんけど、観た事がない!!
「北の橋」で充分に驚かせてくれたジャック・リヴェットのファンタジー的な作品。淡々とした作風で単純なファンタジーが難解なものに思えてしまうのは、議論好きで理屈っぽいフランス気質だろうか? しかし、3時間は長いぞ!!
●SAW ザ・ファイナル (2010年/アメリカ/監督 ケヴィン・グルタード)★★★
そうか、ファイナルか・・もう7作目か・・。ってなワケで半ば義務的な観賞ですな。やはり、とういうか予想通りでファイナルとは銘打っていたものの、この続編はいくらでも作れそうな出来。ホラーで最も成功したシリーズらしいので、恐らくほとぼりの醒めた頃に「SAW ニュービギニング」なんて出来るんだろうな。しかし、取り敢えずの幕引きとしてはまずまずの出来。
しかし、いつも思うのだがシリーズ全ての手の込んだ殺人ゲーム。一流企業にチーフエンジニアにすぐに迎えてもらえそうな専門知識、かなりな財力がないと不可能だが、それを日陰者となり単なるゲームとして浪費するのには頭の下がる思いだ。
●THE JOYUREI (2009年/アメリカ、日本、南アフリカ/監督 フルーツ・チャン)★
「女優霊」がリメイクされるというハナシは随分と以前から効いていたが、ついに出来たか!! ・・が、オリジナルのジワリジワリと来る恐怖感に及びもつかない。また、オリジナルで登場する幽霊の得体の知れなさこそが恐怖なのに、どうしても登場する理由を付けたがるんだよなあ。それに、「呪怨」がヒットしたせいか幽霊モンスター系にしてしまった事が全く台無し。イーライ・ロスが出演しているが、ホラーに縁もゆかりもなさそうなフルーツ・チャンに監督させずに、ホラーLOVEなイーライ・ロスに監督させろよ!!
●名前のない女 (2010年/日本/監督 佐藤寿保)★★★★
待ちに待った敬愛する佐藤寿保監督の新作。原作というか下敷きになったのがAV女優に関するノンフィクション。ノンフィクションとはいえ原作ものかよ!! 佐藤寿保は「薮の中」「刺青」「乱歩地獄」の中の「芋虫」といった原作ものはあるが、大半は映画のためのオリジナルなストーリーであり、夢野史郎や渡剛俊といった優秀なストーリーテラーが佐藤ワールドの屋台骨を構築していて、その中でのみ佐藤作品は血にまみれ、眩いくらいの輝きを放ってた。その両名のシナリオライターではなく西田直子というピンク映画系女流シナリオライターによる脚本。西田直子という人物? 女池充の「ビタースイート」を書いた人か? しかし、佐藤ワールドにどこまで迫れるだろうか? 結果としてはまずまずの善戦ぶりではないだろうか? 佐藤ワールドの嫌世感、世間からの疎外や世の中への呪詛が充分に感じられ、佐藤ワールドに突入していこうとする意気込みは伝わった。余談ながら、嫌世感、疎外感、呪詛というのは僕の創作のベースでもあったりする。
後半の過剰なスプラッターシーンや都会の狭間を流れる川をゴムボートで流れるヒロインの桜沢ルルに佐藤ワールドを存分に味わった。精一杯、コンテポラリーなニーズに応えようとするが、それでも佐藤寿保は佐藤寿保であると痛感。
2011年03月02日
2011年2月に観た映画
今回は観た本数が少ないが、当たりばっかり!!
●アンヴィル 夢を諦めきれない男たち (2009年/アメリカ/監督 サーシャ・ガヴァシ)★★★★
80年代前半にたしかに日本でもアンヴィルのフリークは存在した。僕はそうではなかったけど、解散せずに現在進行形のグループとして30年もの間続けるというのはスゴい事だと思う。当時のメンバーはリップスとロブ・ライナーのみ。特にロブ・ライナーのドラムには当時は度肝を抜かされたなあ。メタリカもアンスラックスもない頃でスラッシュメタルの存在を鮮烈に印象付けた。
しかし、アンヴィルのストーリーではあるが、同様にカナダのエキサイター、ドイツのデストラクション、イギリスのプレイング・マンティスあたりにもドラマがありそうやね。涙なしでは観れないぞ!!
●北の橋 (1981年/フランス/監督 ジャック・リヴェット)★★★★★
出演のパスカル・オジェはエリック・ロメールの名作「満月の夜」に主演し、公開直後に心臓発作で還らぬ人となった事で知られる。そして、もう一人の主役のビュル・オジェ・・実はパスカルの母親。母娘共演なのに、似てないなあ。何よりもワケのワカラんストーリー展開に唖然。ビュルが最後に何故か射殺され、パスカルが2人の周囲に出没する謎の男に何故か空手で挑むが、いつの間にか男に何故か空手を教えられている始末。画面が何故かカメラのファインダーを通した絵になってしまう。何故か・・が多いけど、全く謎だらけの作品。しかし・・・快感になるくらいハマった。
●ブラックムーン (1975年/フランス、ドイツ/監督 ルイ・マル)★★★★
不思議の国のアリスが根底にあるのだろうか。しかし、そのアリスにあたる存在が妙に女を意識させエロい雰囲気の少女であり、冒頭では自動車を運転している。何の説明もないままにシュールな展開が続き、観る者を困惑させる。何でもありですな。
●アンヴィル 夢を諦めきれない男たち (2009年/アメリカ/監督 サーシャ・ガヴァシ)★★★★
80年代前半にたしかに日本でもアンヴィルのフリークは存在した。僕はそうではなかったけど、解散せずに現在進行形のグループとして30年もの間続けるというのはスゴい事だと思う。当時のメンバーはリップスとロブ・ライナーのみ。特にロブ・ライナーのドラムには当時は度肝を抜かされたなあ。メタリカもアンスラックスもない頃でスラッシュメタルの存在を鮮烈に印象付けた。
しかし、アンヴィルのストーリーではあるが、同様にカナダのエキサイター、ドイツのデストラクション、イギリスのプレイング・マンティスあたりにもドラマがありそうやね。涙なしでは観れないぞ!!
●北の橋 (1981年/フランス/監督 ジャック・リヴェット)★★★★★
出演のパスカル・オジェはエリック・ロメールの名作「満月の夜」に主演し、公開直後に心臓発作で還らぬ人となった事で知られる。そして、もう一人の主役のビュル・オジェ・・実はパスカルの母親。母娘共演なのに、似てないなあ。何よりもワケのワカラんストーリー展開に唖然。ビュルが最後に何故か射殺され、パスカルが2人の周囲に出没する謎の男に何故か空手で挑むが、いつの間にか男に何故か空手を教えられている始末。画面が何故かカメラのファインダーを通した絵になってしまう。何故か・・が多いけど、全く謎だらけの作品。しかし・・・快感になるくらいハマった。
●ブラックムーン (1975年/フランス、ドイツ/監督 ルイ・マル)★★★★
不思議の国のアリスが根底にあるのだろうか。しかし、そのアリスにあたる存在が妙に女を意識させエロい雰囲気の少女であり、冒頭では自動車を運転している。何の説明もないままにシュールな展開が続き、観る者を困惑させる。何でもありですな。
2011年02月20日
一生もののユーロポップとの出会い
●NAPOLEON BOULEVARD/Same(ハンガリー/CD)一生聴き続けるであろうイタリアのマティア・バザール、スペインのメカノを初めて聴いた時の衝撃が再び。最近入手したハンガリーのナポレオン・ブールヴァードがそれ。ハンガリアン・プログレの金字塔「火星年代記」を作ったソラリスのメンバー5人全員に女性ヴォーカルを加えたのがこのグループ。本国では大ヒットしたらしい。80年代に日本でもヒットしたハンガリーのニュートン・ファミリー(本国ではNeoton Familiaと表記されマジャール語で歌っており、断然こちらがいい!!)を思わすキャッチーさにOMEGA、KORAL、EAST等のハンガリアン・プログレの持つ日本人の琴線に触れるメランコリックさが加わり、80年代が活動時期という事もありエレポップ的なアレンジされている。ハンガリーのマティア・バザールとでも言おうか、ヴォーカルのヴィンツェ・リラ嬢もクリアーな歌声を聴かせてくれ、どことなくクセを少なくしたマティア・バザールのアンオトネッラ嬢を思わせる。マジャール語と女性ヴォーカルの相性はとてもいいようで、哀愁溢れるメロディーの洪水が僕の感性を揺さぶりまくる。
スラブの哀愁全開の名曲「Uram Segits」、この哀愁に涙せよ!!
2011年02月17日
スーパーロボット レッドバロン
1973年から74年にかけて39話が放映された特撮テレビドラマのDVD-BOXがアメリカ逆輸入盤で3000円弱でゲット。当時、観ていた時に感じたのは小学生ながらダサいドラマだなあ!! まず、レッドバロンを操縦する紅健が子供ごころにもカッコいいなあ・・とは決して思えなかった。ヒーローものの主役はカッコいいという不文律を軽く破ってしまった。そして、彼の所属するチームSSI(科学秘密捜査隊)がダメなんですわ。隊長が普段は自動車修理工場のオヤジでSSIの本部も修理工場内にあるという設定。ツナギを着た修理工のオッサンが何故かグランドピアノの前に座り、流麗な鍵盤さばきで通信機器を操るというシーンはあまりにも衝撃的だった。これは「シルバー仮面」の第1話でみられる変身シーン、「人造人間キカイダー」での変身シーンと並んで僕の特撮3大衝撃シーンだった。
また、こういったチームには必ず女性メンバーがいるものだが、松原真理という普段はカメラマン見習いという女性。演じるのは牧れいという女優。東宝俳優養成所であのひし美ゆり子と同期だとか。この牧れい、結構好きだったんですわ。子供向けには円谷プロ製作の「緊急指令10-4 10-10」にも出てたなあ。また、「スーパーガール」のレギュラーだったのも忘れられない。
とにかく、色んな意味でダサいドラマながら何処となく捨て難い魅力がったんですな。この後に製作された「マッハバロン」の方が遥かに好きだけど。
2011年02月14日
旧東ドイツのロック姐さん
●VERNIKA FISCHER & BAND / Golden Brucken(CD/旧東ドイツ)1979年にリリースされたという現在もポップス歌手として活動するヴェロニカ・フィッシャーとバンドの作品。バンドだなんて、もう少しマシなネーミングがなかったんかい!!
ジャケからして、なかなか手の出しにくいアイテムながら実はこれはなかなかのプログレファンのハートにしっかりと届くポップスであったりして。どうも、音楽面でイニシアチブを執っていると思われるキーボード奏者が曲を書いていて、1曲目のインスト曲はヴィンテージ感あふれるシンセのファンファーレに混じってメロトロンコーラスがさりげなく顔を出し、始終リードはアナログばりばりのシンセで徹底。もし、この曲がディスクユニオンプログレ館やガーデンシェッドで流れていたら、「これは誰の曲や?」と問い合わせてて買い求める方も多い事だろう。僕だったら、間違いなくそうするだろう。
そして、ヴォーカルもロック魂全開だぜいっっ!!といわんばかりのクリアーな歌声とは別次元の暑苦しいのを覚悟(期待ぢゃないよ)してたけど、ワリとフツウ。フツウって何や? と聴かれても困るけど、ホンマにようあるタイプのヴォーカル。ポップロックをやってるけど、キーボードの存在がやっぱりデカい。多分、プログレが好きなんだろうな。
日本でもカルメン・マキ&OZがプログレファンに評価されたり、チリのSOL Y MEDIANOCHEとかクロアチアのSTIJENEなんかが近いスタンスかなあ。カルメン・マキのようにドサぐれたヴォーカルじゃないけど。
2011年02月12日
ダリオ・アルジェントの作品はいつでも観れるよう手元に!!
●インフェルノ (DVD/監督 ダリオ・アルジェント)先日、ダリオ・アルジェントの「4匹の蝿」を山口雄大らのオーディオコメンタリーで観ていたら、やたらと「サスペリア2」が観たくなった。しかし、探してもないではないか!! そうか・・・貸してしまったんだなあ。しまったなあ、1年や2年で返ってこないかもな・・・。あろう事か「サスペリア」とセットで貸してしまった事に気付くが、もう後の祭り・・・。だいたいからして、DVDやCDを貸してしまうと、数年くらいは返ってこないパターンが多い。今までそうやって貴重なDVDやCDを100枚以上は手元から消えてしまい、泣く泣く買い直した経験も何十回とある。
さて、僕が持っていなかったアルジェントの「インフェルノ」のDVDをたまたま入手。10代の時にこの映画を劇場で観て、非常に複雑な気分になったのをはっきりと覚えている。いつもながら脚本の甘さや適当ぶり、ご都合主義はアルジェント作品の中でも1、2位を争うほどの出来。当時はスクリーンで何が繰り広げられているのか理解に苦しんだ。ラストシーンの呆気なさと脱力感も並々ならぬ才能を感じさせる。アメリカが舞台という設定もあり、ヨーロピアンな重厚さも抑えられ、映像の持つ説得力も今回は乏しい。
ここまで書くとサイテーな作品のように思えるが、そういったマイナスポイントもひっくるめたのが唯一無比なアルジェントの魅力である。また、冒頭で登場し早々と殺されるヒロイン、アイリーン・ミラクル(他作品で彼女を観た事がなく、知っている限りで唯一の出演作が本作)をフェイバリットなヒロインに挙げるアルジェント・フリークも多い。僕もそうだが(アーシア・アルジェントなんて認めまへん)。
まあ、何にせよマスターピース的な作品は常に手元に置いておきたいもんやねえ¥。
2011年02月05日
2011年1月に観た映画
●フリージア (2007年/日本/監督 熊切和嘉)★★
どうも、漫画が原作のようだ。例によって読んでいない。しかし、漫画で描かれているであろう狂気はおおよそ見当がつく。残念ながら、映画では狂気の片鱗を覗かせるが、ヤバい狂気に至っていない。前半の至近距離からの発砲で坂井真紀の指が手のひらもろとも吹っ飛ぶシーンに、かつて「鬼畜大宴会」を撮った熊切監督の心意気を感じた。
●市川崑物語 (2006年/日本/監督 岩井俊二)★★★
これを観て、市川崑の映画って結構観てるつもりでも、そんなに観てなかったんだなあと再認識。また、市川崑にしか脚本を提供しなかった(と思う)和田夏十とのラブストーリーとでもいえるような仕上がり。でも、ドキュメンタリーだけど。結構、退屈せずに最後まで一挙に一つのドラマを観るように観れた。
●アウトレイジ (2009年/日本/監督 北野武)★★
出演者が全員ワルという触れ込み。まさに生き残るヤツは誰だ!! というようなサバイバルヤクザムービー。いつになく、笑いの要素は抑え気味だが、過剰なヴァイオレンスシーンがドッサリにも拘らず、全体的にコントのような雰囲気を醸し出している。仁義もへったくれもないような暴走ムービーにみえるが、ヤクザも頭が良くないとダメなのよといわんばかりに古い世代からの新しい世代の交代の図式が描かれている。さて、ここで思ったのだが、主人公のビートたけしのスタンスはそのまま芸能人ビートたけしにして、作品で描かれるヤクザ世界(一部、警察も絡んでるけど)を芸能界というものに置き換えるとこの映画の主張がより明確に思えてくるのは考え過ぎだろうか? 芸能界でも頭が良くないダメなのよといわんばかりに、昔から頭がキレるキャラだったビートたけしが自分の立ち位置を再確認しているようにも思えた。
●4匹の蠅 (1973年/イタリア/監督 ダリオ・アルジェント)★★★★
30年以上もダリオ・アルジェントを追い続けてきて、この「4匹の蠅」だけは権利の関係上、一度もソフト化されずに幻の作品となっていて。その次の異色コメディー「ビッグ・ファイブ・デイ」(これは以前に日本でソフト化されたとの事だが、一度も観た事がない)と共にミッシングリングとなっていた作品。
所謂ジャーロ(イタリア産の残酷描写を取り入れたスリラーもの)ものだが、お得意のご都合主義丸出しのストーリー展開ながら、映像の力が強くて脚本の弱さなど忘れてしまう。圧巻は公園での殺害シーン。夕闇に包まれた公園の中、狭い通りを逃げる、逃げる、逃げる。カメラが執拗に追う。追いつめられ、体がやっと入るような狭い隙間を抜けると袋小路、そこでバッサリ。
また、ネタバレで言及しないが、「4匹の蠅」のタイトルの由来がラストで明らかにされるが、その時の脱力感といったら・・・是非、皆さんも体験して欲しい。
●恐怖 (2009年/日本/監督 高橋洋)★
パッケージの雰囲気といい、期待が高まる。しかし、待てよ・・高橋洋といえば、「女優霊」「リング」や黒沢清のホラー仕立てサスペンスの「蛇の道」のシナリオを手がけているけど、自分がメガホンを取るとなると「ソドムの市」「狂気の海」といった二度と観るか!!というような作品を撮ってるので、一抹の不安。その不安は的中で三度目の正直ならず!! 脳内に電極を埋め込む事により人間には普段見えない感覚が得られるという事は自分の娘で実験する女医と埋め込まれて暴走する娘、それを追う妹といったケミカルホラーで心霊的な要素は全くなしだが、よっぽど怖がらせるのに自信があるのかこのタイトル!! 結論から言ってしまえば、全然怖くない!! 幽霊らしきものの登場もギャグにしか見えないし、画面の向こうで勝手に役者が怯え、怖がるという3流の心霊実録DVDでも見せられたかのような始末の悪さ。恐怖という観点を差し置いて、映画の出来として観ても退屈な作品で、ワクワクするようなところがなく、とっとと終わってくれよ!! という思いが募るばかり。「女優霊」のシナリオを書いた同一人物とは思えない出来、どうしてしまったの??
●欲望の旅 (2003年/フランス、ドイツ、アメリカ/監督 ブリュノ・デュモン)★★★
片や英語、片やフランス語でコミュニケーションをとる男女がアメリカのプール付きのモーテルを拠点にして、欲望の赴くままに戯れ合う様が続く。そんな中、2人組の暴漢に襲われ、女が犯され・・・ではなく、男の方が犯される。すっかりと鬱になった男は精神が混乱を来して、女をナイフで何度も何度も執拗に刺してしまう。ロードムービー的なエロティックムービーかと思わせておいて、実はショッキングな内容だったりする。
●おのぼり物語 (2010年/日本/監督 毛利安孝)★★
若い時に抱いていた夢に折り合いを付ける時。しかし、なかなか諦めきれない。この主人公も漫画家を志したものの雑誌が休刊の憂き目に、ヒロインとなる女性もカメラマンを志し未だに助手。厳しい現実に直面してくなか、主人公から悲壮感、危機感も特に感じられず、無責任に「君はこれから先、忙しくなると思うよ・・根拠はないけど」と雑誌編集者に言われ自嘲的に笑うのみ。
●4夜 (2004年/フランス/監督 カトリーヌ・ブレイヤ)★★
女を愛せない男が自殺未遂の女を助けた事から不思議な関係がはじまる。男はゴヤの裸婦のように横たわった女の裸体を眺め続ける。そうして、男は女嫌いを克服していくという奇妙な展開。ただ、タンポンの血を飲ませたり(水で割るけど)といったストレンジな描写に驚く。女嫌いを克服出来ても、屈折した方向に行ったりして。
●ハロウィン2 (2009年/アメリカ/監督 ロブ・ゾンビ)★★
映画監督としても、ミュージシャンとしても成功したロブ・ゾンビのハロウィン。前作はジョン・カーペンターのオリジナルに沿ったリメイクものだったけど、今回はマイケルの母親(あらら、ロブ・ゾンビの嫁ハンのシェリー・ムーン・ゾンビやおまへんか!!)が妄想の人物として登場したり、オリジナルではドナルド・プレザンス扮していたドクター・ルーミス(前作から続投のマルコム・マクダウェル)がマイケルに関する書物でひと山当てようとしたりとジョン・カーペンターズ・ハロウィンからロブ・ゾンビズ・ハロウィンにしようと苦労の後が伺われる。ホラーというより、ストレンジムービーとしての面白さはある。「13日の金曜日」シリーズがニューヨークに行ったり、宇宙に行ったりと回を重ねるにつれてエスカレートしたかのように。
●隣の家の少女 (2007年/アメリカ/監督 グレゴリー・M・ウィルソン)★★★
いやあ、これは原作をどう映画化するかというのがまずあったけおd、あの鬼畜な原作ではどう考えてもアメリカの規制では難しいだろう。案の定、ソフトに仕上がった作風に。どうしても女子高生コンクリート詰め殺人事件を彷彿させるが、虐待シーンから特に苦しみが表現が今一つな感も拭えないが、限界ってとこだろうか? それよりも、まだ子供である出演者が少女を裸にして虐待を加えるシーンを演じてるのが、「おいおい、大丈夫かよ」とツッコミたくなる。
2011年01月15日
ノヴェラの築いたプログレハードのDNA、脈々と
●ANGEL'S LADDER/The One (CD/日本)もう30年以上も昔の話だが、ノヴェラというグループが脚光を浴びていた。 ハードロックとプログレッシブロックのおいしいところを一緒にした音がとても新鮮だった。
しかし、今までそういった音は皆無かというとそうでもなく、古いところではDEEP PURPLEの「Child In Time」にそういった部分を見出す事が出来る、特に「Live In Japan」で聴けるテイクは秀逸。RAINBOWの2nd「Rising」はいきなり「Tarot Woman」のイントロのムーグシンセのソロにプログレッシャーの心は熱くなるし、「Stargazer」なんぞモロにプログレハード!! それとURIAH HEAPや初期のQUEENなんてのもプログレッシャーの許容範囲だと思うし、ドイツのLUCIFER'S FRIENDの「...Where The Groupies Killed The Blues」なんて名作はプログレハード好きな方は何が何でも聴いて欲しい。アルバム中の「Rose On The Vine」はDREAM THEATERより15年先をやっている!! それにカナダのRUSHの存在なんてのもある。駄文ついでにオランダのFOCUSはハードというよりも本来はメロウなギターにクラシカルなオルガンやフルートを中心としたグループだが、かつて日本でもヒットした「悪魔の呪文」はハードなギターの嵐とヨーデルが融合したQUEENの「ボヘミアン・ラプソディー」と並ぶ変態的プログレハードの名作といえる。
話がかなり逸れてしまったけど、日本人はハードロックとプログレッシブロックの融合した音が肌に合うようである。ノヴェラがある程度の商業的成功を収め(たんでしょうね、多分)た後にフォロワー的存在が80年代には続々と現れた時代が懐かしい。新人バンドでこのANGEL'S LADDERなるグループがまた懐かしい感覚にさせてくれる。ヴォーカルがのノヴェラのアンジーこと五十嵐久勝を彷彿させ、音も初期ノヴェラのハードとロマンテックの二面性にDREAM THEATERから影響されたかのような新しいプログレハード的要素もブレンドさせたように思える。
2011年01月02日
2010年12月に観た映画
●ACACIA (2007年/日本/監督 辻仁成)★★
プロレスラーが役者として映画に出るというのは時々あるけど、大御所のアントニオ猪木が本格的に役者をするのは初めてだろう。以前に「がんばれ!ベアーズ大旋風 日本遠征」という映画で本人役で出てたけど、まあこれはご愛嬌で。ってワケでアントニオ猪木は役者としてどうなのか? これが・・役者の技量としてはダメですな。それでは、全然ダメなのかというと、そうでもない。演技がダメでも妙なリアリティーと存在感でもってセミドキュメンタリーのようにも映る。同じレスラーでも藤原喜明のように芸達者でなく不器用な猪木で正解だったかも。川津祐介、石田えり、北村一輝、諏訪太朗といった役者に囲まれ、一人異彩を放ってみえるのは僕がプロレスファンだからというだけではないだろう。ただ、メイクで老人という事にしてるが、無理があるなあ。
●ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男 (2010年/アメリカ/監督 スティーヴン・ウーリー)★★
言っておくが、ローリング・ストーンズというグループには全く興味がない。しかし、初期の重要メンバーだったブライアン・ジョーンズという人物には興味がある。初期を支え、謎の死を持ってロック界からフェイドアウトしてしまった。死んだワケではないが、ピンク・フロイドの初期を支えたシド・バレットのような存在とダブる。快楽主義者であり、モロッコで出会った民族音楽を「ジャジュカ」(音楽のジャンル名)というアルバムとしてリリースしたり、酔った(翔んだ状態?)勢いでバスを買ったり、かなりブッ飛んだ人のようだったみたいですな。まあ、死ぬ寸前にストーンズをクビになったけど、生きてればどういう展開になってたのだろうか? ジョージ・ハリスンの「Electronic Sound」やルー・リードの「Metal Machine Music」のような突然変異なアルバムを作ったかも?
●バーダー・マインホフ 理想の果てに (2008年/ドイツ、フランス、チェコ/監督 ウリ・エデル)★★
ドイツ赤軍RAF(Rote Armee Fraktion)の前身であったバーダー・マインホフ・グループの実録ドラマ。バーダー・マインホフという人物がリーダーのグループと思っていたら、アンドレアス・バーダーとウルリッケ・マインホフの2人の双頭グループとは16歳まで知らなかった。日本赤軍の重信房子と奥平剛士みたいなもんか。
この映画はバーダー・マインホフ・グループの事を描く実録ドラマで、一ジャーナリストだったウルリッケ・マインホフがアンドレアス・バーダーの行動に共鳴し、やがてはテロリズムに積極的に足を踏み入れ、逮捕。逮捕されずに残されたメンバーは次第に国が再びファシズムに支配されてはならないといった大義名分を忘れたかのように無差別殺人を繰り返す事への絶望の後に獄中自殺。といった様を大河ドラマ的に描いている。映画の趣旨がRAFの記録というよりも、アンドレアスとウルリッケの2人の人物像に焦点を置いているので、獄中自殺に至る苦悩を描く事が希薄に思え、そこら辺りをもう少し判りやすく描いて欲しかったという気はする。
当時の西ドイツの刑務所はテレビが観る事ができ、タイプライターで文章を書く事もでき、本棚には多数の書籍、短い時間ながらも逮捕されたかつての同志たちと意見交換を交わす時間もあるという待遇に驚く。
●休暇 (2008年/日本/監督 門井肇)★★★
死刑を執行する事によって一週間の休暇が貰える結婚式を控えた刑務官。一人の死刑囚の命と引き換えに得た一週間の自由での新婚旅行。命と引き換えといっても、立派な職務を遂行した結果であって、誰からも非難される筋合いはない。しかし、小林薫演じる主人公が大杉漣演じる同僚刑務官から「人の命を何だと思ってるんだ!!」と非難されるシーン、ここで主人公よりも非難の言葉を浴びせる同僚の方に同意する方も多いと思う。全体的に地味な作風で主人公自体が感情が死に絶えたかのような演出のため、妙に印象に残るエモーショナルでヒューマンなシーンだと思う。地味で感情を露にしない主人公だけに言葉少ない新婚旅行シーンと死刑執行前の緊張した職場シーンとが交互に配することによって、主人公の苦悩がより明確に伝わったように思う。
2010年12月30日
2010年最大の収穫だったりして・・
●AREA51/Daemonicus (日本/CD)今年も数えきれないくらいの音楽との出会いがあった。中でもウズベキスタンのFROMUZや中国の冷酷仙境(Cold Fairyland)やそのリーダーである才女、林笛のソロ、日本でも様式美メタルのARK STORM等が印象的。しかし、今年最大の収穫は日本の女性ヴォーカルをフューチャーした様式美メタルのAREA51だろう。
女性ヴォーカル、古くは女性ながらに日本のロニー・ジェームス・ディオと呼ばれたテラ・ローザの赤尾和恵やRAJASや魔女卵のようなドスの効いたタイプでもなく、今年最大の失敗といえるDRAGON GUARDIANのようなアニソン系でも、大鴉のようなJ-POP接近タイプでもなく、無機的な雰囲気もあり、適度に力も抜け、本城未沙子をもう少し線を細くしたようなといったらいいだろうか? ネオクラシカル系の音をバックにそういったヴォーカルが乗る・・・いやあ、僕のツボに見事にハマッてしまった。16分にも及ぶ組曲まで披露していて、プログレメタル色も覗かせるのもニクいねえ。
2010年12月10日
トルコの歌姫 6枚目!!
●SEBNEM FERAH/Benim Adim Orman(トルコ/CD)2003年の暮れにたまたま入手したトルコのシンガー、シュブネム・フェラーのアルバムとの出会いは衝撃だった。その年はウクライナのマリア・ブルマカ、イリーナ・ビリク、インドネシアのTITI DJといった今でも愛聴している女性ヴォーカリストとの出会いもあり、当り年でもあったし、その前年にはギリシャのマリア・パパドボリューといった素晴らしい女性ヴォーカリストとの出会いもあり、辺境女性ヴォーカルものにのめりこんでいった頃でもあった。
さて、このアルバムも6枚目らしい・・。という事は僕の持っていないシュブネム・フェラーが3枚もあるって事か・・・。
初めて聴いた時のインパクトは絶大だったが、どうも楽曲が洗練されてきて、辺境ものという観点から物足りなく感じるのも否めない。もっとも、最初の出会いから7年・・・その間に強烈な個性に慣れてしまったというのも原因であろう。そして、ミディアムテンポやバラード系が殆どで疾走するダイナミズムを感じさせるのはオープニングの1曲のみ。しかし、この1曲が素晴らしく、何度もリプレイしてしまう。
この曲が問題の曲
2010年12月05日
2010年11月に観た映画
●ゴースト・ドッグ (1999年/アメリカ/監督 ジム・ジャームッシュ)★★
江戸時代中期に肥前国鍋島藩藩士、山本常朝が武士の心得をまとめたガイドブックのような日本人もロクに知らんような書を愛読する黒人スナイパーの男。
しかしまあ、これってジム・ジャームッシュなんだよねえ。因みに「パーマネント・ヴァケーション」「ストレンジャー・ザン・パラダイス」「ダウン・バイ・ロー」の3本しかジャームッシュを観ていないので、ちょっと戸惑う。しかも、配給が懐かしのフランス映画社バウシリーズだって??
まあ、アート系っていうよりも完全な娯楽系ですな。でも、アクションシーンにスリリングさもなければ、鈴木清順のようなフェイクさもなく、観せられたこちらとしてもどう対処していいのかわからない。
●アメリカの森 (2005年/アメリカ/監督 ガブリエル・サヴェージ・ドクターマン)★★
ベトナム戦争でのトラウマが原因で森の中で世捨て人生活を送る男。そこにガンで余命いくばくもない戦友の娘を預かり、その娘が加わった生活により癒されていくっていう内容。さらに森には何人ものベトナム帰りの癒されざる人々が暮らしていて、一人の娘の存在が彼らの心を次第に癒していくかのよう。
●鉄男 THE BULLET MAN (2009年/日本/監督 塚本晋也)★★★
21世紀版の鉄男。リメイクでも続編でもないアナザー鉄男とでも言おうか。主役も日本在住の外人、台詞も英語。インターナショナルな需要を狙ったのだろうか。
視覚的には非常に面白く、劇場で観たならその大音響も凄まじかった事だろうと思う。まさにライブ感覚? しかし、肝心の脚本が・・・。鉄男にされてしまった男の苦悩や哀しみがどうも重要なファクターとして絡むようだが、そういうものがまるで伝わらないし、塚本晋也本人が演じる謎の男が重要なキャストのハズなのに映画での役割がさっぱり意味不明。主役の子供を轢き殺して怒りを注ぎ鉄男に変身させるって事くらいか。塚本晋也には繊細な心理描写は似合わないって事なのかも。しかし、メジャーな存在になった塚本晋也がいつでもあのインディーズの頃の感覚に戻れるんだなあ。
●エグザム (2009年/イギリス/監督 スチュワート・ヘイゼルダイン)★★★
従来のソリッドシチュエーション・スリラーの形態ながら、大きく違うのは失格者は部屋からの強制退場のみで命を落とす事はないという事。これは謎の企業の奇妙な就職試験をサウペンス仕立てに描いたもので、舞台も試験会場となる一室のみと低予算のアイデア勝負のサンプルみたいな作品。先の読めにくい展開により、スリラーものとしては良質。ラストはちょっと拍子抜けだったが。
●サムライ・アベンジャー (2008年/アメリカ/監督 光武蔵人)★★★
あの名作スプラッター時代劇「子連れ狼 三途の川の乳母車」に狂喜したヤツならこの作品の面白さが理解できるハズ!! 言ってしまえば、そういったスプラッター時代劇のオマージュ。オープニングの「光武プロダクション」というテロップの導入からモロ!! そして、「子連れ狼 三途の川の乳母車」の敵役の大木実を倒す際に大木実が瀕死の中、己の首筋から放たれる血飛沫から発せられる音(もがり笛)について解説を始めるシーンがまるごとオマージュされているのにはビックリ!!
2010年11月13日
若いヤツらもメタルで頑張る
●大鴉/Asymmetry (日本/CD)グループ名からして、エドガー・アラン・ポーの文学界のゴシックメタルといえるような物語詩から拝借したのだろう。メンバーにポーの幻想的な世界に魅せられたフリークがいるのだろうな。という沖縄のグループでジャケットからは単なるロックのフリしたJ-POPかと思わせるが、なかなか本格的なヘヴィロック。J-POPフィールドのヘヴィロックではHIGH AND MIGHTY(擬音プログレッシブとかいう紛らわしいタイトルを付けやがって!!)とかスクリームヴォイスとクリアーヴォイスを使い分けるDAZZLE VISONとかがあるが、やっぱりJ-POPベースなんだよなあ。そして、この大鴉(タイア)、シンフォニックメタル風のアレンジがあったり、中にはヴォーカルスタイルこそ全然違うものの、あのナイトウィッシュを彷彿させる曲まであったりする。メンバーが若いのに、こういった音楽を演る事自体に拍手を送りたい。しかし、若いだけあって純度100%メタルってワケではなく、他の要素も色々と混じっていて、様式美ではない。
かつて、J-POPフィールドの中から彗星の如く現れ彗星の如く消えた厚見玲衣プロデュースであのイアン・マクドナルドまで参加したパンゲアという男女2人組のパンゲアというユニットがあり、J-POPの範疇を超えた(ヴォーカルはもろにJ-POPだけど)やり過ぎのようなプログレッシブロック大会を繰り広げていた。そいった突然変異が探すとJ-POPの中にもあるのかも。
この曲、何となくナイトウィッシュしてると思いませんか?
2010年11月05日
2010年10月に観た映画
●サバイバル・オブ・ザ・デッド(2009年/アメリカ/監督 ジョージ・A・ロメロ)★★★
元祖ゾンビのロメロの「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド」から数えて5作目のゾンビもの。前作の「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」とリンクしているようで、今回もヒューマンドラマ的要素も強く、人間vsゾンビというよりも人間vs人間といった図式が色濃い。もちろん、ゾンビに食いちぎられ死んでいく人間の血みどろ描写はあるけど、全体を覆うトーンはアメリカの片田舎での対立する人間達の西部劇アクションにも通じるようなドラマでああって、そこにゾンビを絡ませたといったらいいのだろうか? 新境地といや、新境地だろうけど、一重に無数に出現するフォロワーに対するパイオニアとしての心意気が感じられる。
●めがね(2010年/日本/監督 萩上直子)★★★
昔、夏のひとときを鹿児島県の吐?喇列島の某島で過ごした経験がある。そこは本当に何もない島で、あるのはゆっくりと流れる時間。その時間に身を任せて特に何をするというワケでもなくただただ黄昏れる。この映画を観ているとその時の記憶が鮮烈に蘇ってくる。この映画にも何が起こるというワケでもなく、登場人物の素性も明らかにされず(したところで意味を成さない)、一般的な映画に不可欠な色恋沙汰が微塵も描かれていない。あるのはゆっくりと流れる時間・・・あ、やっぱり異郷の地でゆるやかな時間を体現する感覚に似ている。この映画を観るとまたそういう知られざる離島へと何もかも忘れて。砂浜に腰掛けてぼんやりと海を眺めてビールを飲む、そんな時間を求めて旅立ちたくなる、
●団地妻 昼下がりの情事(2010年/日本/監督 中原俊)★★★
昭和46年の同名のにっかつロマンポルノ作品のリメイク。実はオリジナルの方は未見。本作は新たな解釈によってオリジナルとは異なる血を導入しようといったものではなく、オリジナルを尊重したノスタルジーとして観賞すれば非常に有効だろうか。団地というものに一度も住んだ事はないにも拘らず、冒頭の幾棟も並んだ団地とその奥に見える給水塔のカットに得も言われぬ懐かしさを覚えてしまう。
●おんなの四畳半(1975年/日本/監督 武田一成)★★★
リメイクのロマンポルノを見たら、70年代のロマンポルノを1本観ようと思い、怪優殿山泰司出演のこの作品が未見だった事に気付く。吉本新喜劇にも通じるかのようなベタベタ下町人情ドラマ。ベタ過ぎて、そんなアホな!!的なラストも思わず許してしまいそうな気にさせる。
●真幸くあらば(2007年/日本/監督 御徒町凧)★★★
婚約者を殺された女が殺人者が収監される刑務所へボランティアとして訪れるうちに恋愛感情が芽生えるというもの、しかし、このボランティアな女、婚約者を殺されると別の男と結婚し、今度は夫に別れてと懇願し刑務所で死刑囚と恋に堕ちる。まあ、短期間に次々とよくやりますなあ。冷静に考えたら、そういったヒロインを実に生真面目に描く。また、監督が詩人のせいか風景を捉えたインサートカットに独特の詩情がみられる。「萌の朱雀」に出てたデビュー当時は思わなかったけど、ヒロインの尾野真千子って地味ながらいい女優やねえ。
●ヘル・ドライブ(2009年/アメリカ/監督 エンダ・マッキャリオン)★★
免許更新時の講習で見せられる悲惨な映画、まるでそんな感じのノリ。飲酒運転で人をハネて、その男が復讐に来るというのは飲酒運転の恐怖を伝えるのに充分で、ある種の啓蒙ムービーですな。
●シャッター・アイランド(2010年/アメリカ/監督 マーティン・スコセッシ)★
ミステリーで期待したものの、大抵の人は途中から気付くのではないだろうか? まさか、それがオチなんかと違うよな、もっと意表を突くヤツが用意されてるんでは? しかし、実際はあまりにもくだらんオチ。こんなオチってまだハリウッドのA級大作でまだ採用されるのか?
しかし、ストーリーから外れるが、あちこちでみれるディティール描写は素晴らしい。
2010年10月27日
ジャパネオクラシカル? これだぜ!! これ!!
●ARK STORM/The Everlasting Wheel(日本/CD)この間のDRAGON GUARDIANの悪夢のような大失敗がきっかけで良質なジャパメタを求めて、ジャパメタ三昧な日々。今度ゲットしたのは日本のイングヴェイとでもいいたくなる太田カツ率いるアーク・ストームの3rd。ALHAMBLAやGALNERYIUSのキーボード奏者Yuhkiも参加。2曲目の「Symphony On Wings」を聴くと、歌メロやギターのフレージングなどまるっきりイングヴェイ、Yuhkiのキーボードソロもしっかりとヤンス・ヨハンソンしている点も微笑ましい。やはり、こういう疾走系キラーチューンは何度聴いても拳を握りしめたくなる。他にもイントロから緊張感溢れる「Face The Evil Master」など聴きどころが多い。
Yuhki絡みで興味を持ったけど、ALHAMBLAのようなアニソン(?)的恥ずかしさ、GALNERYUSのポップスをメタルアレンジしたような甘さもなく、ひたすら硬派に突っ走る様は快感。
2010年10月24日
ハードロックって大人の音楽なんやね
●FATIMA HILL/The Snow Tower(日本/CD)先日、キャッチーな疾走系メロスピって事でDRAGON GUARDIANというグループを特に予備知識なしで買ったら、これが大外れ!! 確かにキャッチーでJ-POP然とした女性ヴォーカルで疾走系メロスピ。しかし、しかし、しかし、アニメ系のダサいファンタジーのストーリー仕立てで、恥ずかしいナレーションが入り、悪夢のようなアニメ的な台詞が挿入され、最後まで聴くのが辛くてリタイアしてしまい、こんなCDを買った自分に自己嫌悪し、持っている事すら腹立たしくて、人にあげてしまった!!
そして、無性にまともなメタルが聴きたくなり、北海道のメタルグループFATIMA HILLの2009年リリースの3rdをこれまた多分いいだろうという軽い気持ちで入手。今度は当りやね。僕の渇望した欲求を充分に満たしてくれた。少しだけプログレッシブメタル的な色彩がみられるが、ネオクラシカルとか、メロスピ以前の正統的な様式美を聴かせてくれる。力強い女性ヴォーカルは一瞬ハイトーンな男性ヴォーカルかと思うが、バンドアンサンブルによくハマッている。全編英語だが、ラストのみ日本語でAメロが演歌ロック的で泣き泣きのギターがラストで一挙に盛り上がる。気分はもう80年代やね。
派手さはあんまりないけど、渋い大人の音楽って感じやね。
2010年10月20日
メロディー命!! もっと早く出会っときゃよかった!!

●PILOT/Second Flight (CD/イギリス)●PILOT/Morin Heights (CD/イギリス)
何を今更という感じながらの紹介。パイロットは古くから存在はあちこちの雑誌で知っていて、プログレファンのためのポップスという認識だったけど、10代、20代の頃は未知のアルバムがありすぎて、ポップスに手を出す余裕なんぞありはしなかった。また、リーダー的存在のデヴィッド・パットンが元ベイ・シティ・ローラーズというのも尖った感性の絶頂期の10代には購買意欲を衰退させる要因でもあった。要するに聴かず嫌いの状態が20年以上もあったんですな。
しかし、ここ数年は思い切りメロディアスなものに飢えてきて、ようやく手を出してみたという次第。代表作的な2枚を一挙に購入、これがまたいいんですな。トッド・ラングレンを思わせるポップでキャッチーなメロディーは確かにブリティッシュロックを愛する人には至宝と成りうる音。因みに僕はそんなにブリティッシュロックを好きというわけではないが、ニューイングランドを聴くのと同様な感じで聴いている。ポップといってもメロディーがしっかりしているので、30年以上を経た現在でも決して色褪せる事がない。その胸キュンとでも言いたくなるような甘いメロディーにはトッド・ラングレンやニューイングランドと出会った10代の頃に出会いたかった。もちろん、今の出会いも充分に満足なんだが。
2010年10月09日
2010年9月に観た映画
●カロン(2005年/日本/監督 高橋玄)★★★★
定期的に、例えば1年か2年に一度くらいは釘付けになってしまう女優、もしくはその女優が演じるキャラクターとの出会いがあったりする。今回の「カノン」という源氏名の娼婦であり、作家の妻であり、英語が堪能な書店員だったりする多重生活者でその存在自体がミステリアスでラストまでグイグイ引込まれていく。演出や脚本の巧みさもあるだろうが、カロンを演じた森崎めぐみという一見、地味な女性に底知れぬ魅力を感じてしまった。
●ロフト(2008年/ベルギー/監督 エリク・ヴァン・ローイ)★★★
ベルギー製のサスペンス。台詞はオランダ語。好き者オヤジが仲間から報復されるサスペンスドラマ。まあ、可もなく不可もなくといったところか。
●ポチの告白(2010年/日本/監督 高橋玄)★★★
警察組織の犯罪といったヘヴィーなテーマで、警官となった人物が歪んだ権力を得た時、正義は置き去りにされる。実際にこの作品で描かれている事は日本各地の警察において行われているのではないかと想像に難くない。
●JIGSAW デビルズ・ゲーム(2008年/アメリカ/監督 ダグラス・A・レイン)★
スナッフフィルムを題材にしたので興味を持ったものの、そこはJIGSAWシリーズ、見事に外してくれる。スナッフフィルムの巨匠(?)といわれた男へのインタビューを機にスナッフフィルムに憑かれたように蝕まれていく。まず、冒頭から30分くらいで早くも退屈の嵐。設定自体が凝ったものをやろうとして大きく空回り、ゆえにどんどん観る側と映画との溝が深まっていく。
2010年09月27日
老いてなおロック魂盛ん
●SHEHERAZADE/All For One (CD/日本)僕が中学生で世間はテクノポップ全盛期の頃にキングレコードからノヴェラが「魅惑劇」というアルバムでデビューした。その当時は(今でもそうだが・・)テクノポップに狂っていたが、プログレも好きだったので入手してとても驚いた。ハードロックとプログレの美味しい部分の両方がある。今でこそ、そういった音は珍しくないが、当時はそんな音は皆無だった。そして、ビジュアル系の走りともいえるルックスに女性ファンを多く獲得し、僕の周囲にもノヴェラファンの女の子も結構いたっけ。
そんなノヴェラの前身バンド、シェラザードの2nd。バンド全盛期の70年代にはアルバムを残す事なく、92年の再結成に1stアルバム。しかし、あのアルバムは新曲が中心でメンバーもテルズ・シンフォニア、ジェラルド、スターレスでの活動の傍らのため、それらの没になったような曲の寄せ集めのようで期待していた音とは違って殆ど聴く事はなかった。
それから、2010年に2ndがリリース。収録曲が当時の曲の再演なので文句があろうハズがない。パワフルな音にグイグイ引込まれてしまう。アンジーさんのヴォーカルが若い!! この人って、結構なトシだと思うんだが、あのハイトーンヴォイスは衰える事なく健在!!
2010年09月21日
個人的に理想的な到達点と思える音空間
●MAGENTA/Metamorphosis(イギリス/CD)イギリスのマルチプレーヤー、Rob Reed率いるメロディアスプログレグループの現在のところの最新作。ポップな女性ヴォーカルをフロントにし、演奏面ではプログレの美味しいところをこれでもかと聴かせ、今回もキャッチーな曲を中心なのに全4曲。実はこのグループ、僕のプログレグループ、MUSICA RESERVATAの理想的な到達点ではないかと密かに思っている。メンバー編成も似てるし。因みにMAGENTAはROB REED(ベース、キーボード、ギター、マンドリン、リコーダー)、CHRISTINE BOOTH(ヴォーカル)、CHRIS FRY(リード・ギター)でドラムはサポートメンバーのようで、他にヴァイオリン2本、チェロ2本、ヴィオラ1本の生の弦楽セクションも導入。しかし、この弦楽導入には些か疑問というか、勿体なさを感じる。折角の導入がシンセと間違えるほどのアレンジで、どうせなら思い切りクラシカルに活かした方が・・何とも勿体ない。とはいえ、メロディー作りはさすがで、ポップな歌メロをさりげなく変拍子に乗せたり、要所要所にドラマチックな仕掛けを持ってきたりと聴かせどころも多い。また、今回は心なしかキーボードが控え目でいつも以上にヴォーカルの比重が高い。欲を言うと、曲を無理矢理長尺にしたような感があり、折角のメロディーの印象がやや薄れているように感じる。プログレテイストなアレンジそのままに曲を5〜8分くらいが曲が活きるように思うのは僕だけだろうか?
まあ、ともかく僕個人の理想的なゴールである事には変わりはない。


