August 24, 2016

水のある風景『コンチェルト乗り場』♪

 『コンチェルト』号の乗り場から見た『神戸ポートタワー』と『ホテルオークラ』、『海洋博物館』。

 『コンチェルト』はメリケンパークから出航するレストランクルーズ船だ。

 「ランチクルーズ」、「ティークルーズ」、「ディナークルーズ」などがあり、明石大橋の手前までクルーズする。

 わたしは会社に入ってすぐの頃、職場懇談会で「ディナークルーズ」に乗ったことがある。





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August 23, 2016

夏を知らない君へ(11)♪

(妄想ショートショート)




 「これで作戦はバッチリじゃね。」

 わたしは窓の外の朝陽に照らされた庭木を眺め、大きく手をあげてあくびをした。

 「まだまだじゃが。この作戦だと住民の避難はパニックに任せると言うことじゃが。中には逃げ惑ううち、また半径20キロに迷い込む人も出るで。」基にーにーがわたしの甘い考えを否定した。

 「そうですね、有効に避難させるためには統率された誘導員が百名以上必要でしょう。彼らには事前に避難ルートを教えておき、逃げ惑う避難者を効率よく誘導させます。」ミンタンが基にーにーの意見に賛同した。

 「統率なんて、そんな軍隊みたいな経験のある人を急に百人集めろゆーたってじゃなあ。。。あっ、おるわ。ボーイスカウトの子らがおった。あっ、それにうちのテニスクラブの子じゃが。うちのクラブ、軍隊みたいじゃけん。」わたしはとっさに彼らのことを思い出した。
 「いいね。」

 「うちのカラテ部じゃって軍隊式なら負けとらんよ。」目を覚ました香織が口を挟んだ。
 「いいね。」

 「わしのとこの軽音部は使えんかのう。避難誘導するときの目印としてラッパか何かを吹くんじゃが。」高校の軽音部に入っていた基にーにーも提案した。
 「いいね。」

 「ミンタン、あんたの返事、さっきからfacebookみたいじゃが。」
 一同笑った。



 「多分なあ、それらの人をかき集めればまあ人数の問題は何とかなると思うんじゃが、問題はどうやってこの危機を信じて貰うかじゃ。」基にーにーは課題提起した。

 「ミンタンがその人ら集めて魔法を見せたら、ゆーこと聞くんじゃないかなー。」香織が呟いた。
 「でも、どうやって?」
 「あっ、それじゃが!!夜に彼ら百人だけ中学の校庭に集めて、ミンタンくんが宇宙人だって言うこと、地球が危ないって言うことをデモンストレーション交えて説明するんじゃが。」わたしは香織の意見をヒントにして思い付いた。

 「そうじゃな、それしかないなぁ。」
 「あの、レーザーでカボチャを蒸発させるやつじゃね。」わたしはミンタンのレーザービームを思い出して言った。
 「ついでに校舎をひとつ消してもらったらええが。学校行かなくてよくなるで。」香織が言った。
 「それで嬉しいんはあんただけじゃが。」
 一同笑った。

 「そのときの誘導員に持って貰おうと思うものがあるんだ。」ミンタンがポケットから何やら取り出した。

 そのスイッチを入れると、胸の辺りの空中に三次元の地図が現れた。
 「これはホログラムのインフォメーションディスプレイさ。該当地区の地図に避難経路や避難状況など全ての情報が現れるのさ。」
 確かに、東岡山らしき立体地図の上に避難経路が青で、人々の動きが赤の点で表示されていた。

 「通信機能ももちろんあるんだ。どんな情報が欲しいかは考えるだけで表示されるよ。エウロパのテレパシーテクノロジーを使ってあるんだ。当日までに人類の脳波に合うようにチューニングアップしておくよ。」

 「あとはマスタープランの作成じゃな。。。えーと、ダーク星人が来てからでは遅いから、ダーク星人を罠にかける一日前の晩に誘導員を召集し、その後隕石プラス旧日本軍の毒ガス作戦を起こし住民を避難開始、じゃろうか。」基にーにーがスケジュールを頭の中で整理していた。

 「と言うことは、その更に二日か三日前にはみんなを集め、ミンタンのレーザービームのデモンストレーションじゃな。」わたしもそれに付け加えた。

 その後更に細かいところも打合せし、作戦のマスタープランを練った。



 そして次の日、中学のタイムカプセルのモニュメント前にくくりつけるツチノコとヒバゴンの捕獲作戦が始まった。

 ツチノコは数匹すぐに見つかったがヒバゴンは探知できなかったので、ダイダロス号に保管してあったヒバゴンの肉片サンプルからクローンで作ることにした。

 更に翌日はわたしがダーク星の母船を狙い撃ちし、身を隠すためのタイムカプセルの作製だった。





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August 22, 2016

水のある風景『メリケンパーク』♪

 もう説明の不要なほど神戸の有名なスポットだ。

 『モザイク』から見た『神戸ポートタワー』と『ホテル オークラ』である。

 ポートタワーの高さは108mで県内の建築物で41番目の高さ、オークラは135mで県内で9番目。

 ちなみに、兵庫県で一番高い構造物は『明石海峡大橋』主塔の298mであるが、超高層建築物というわけではない。

 建築物としては『シティタワー神戸三宮』の190mが兵庫県一だ。

 参考までに、お隣の大阪で最も高いのは『あべのハルカス』で300m。
 これは日本一でもある。

 また、京都で一番高いビルは『日本電産本社ビル』の101m。
 参考までに『京都タワー』は131m。

 ついでに言うと、世界で最も高いビルはドバイの『ブルジュ・ハリファ』で828m。

 『あべのハルカス』は世界で133位に過ぎない。





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August 21, 2016

夏を知らない君へ(10)♪

(妄想ショートショート)




 「ところで、航平くんは大丈夫なんじゃろーな?」

 父がミンタン(航平くんの体を借りている宇宙人)に尋ねた。荒唐無稽な話より、まずは親戚の航平くんのことが心配だったんだろう。

 「はい。航平くんの実体はいま、深い眠りに就いています。僕のミッションが終わり完全に支配を止めると、実体は朝が来たように何事もなく目覚めます。」

 「ミンタンくん、ダーク星人はテラフォーミング技術を使って最終的には地球上の生物を絶滅させるんじゃろ?なにか迎撃作戦はあるんか?」基にーにーが質問した。

 「はい。ダーク星人は今、世界各地にUMAを送りこんで攻撃を開始していますが、これらUMAはダーク星人のDNA操作テクノロジーを使って、地球上の生物を遺伝子操作したものです。きょう、あなた方がヒバゴンとツチノコと呼んでいるUMAのDNA配列を調べた結果分かったのです。しかし、ダーク星人のテクノロジーには『くせ』、つまり、DNA配列のパターンがあって、我々エウロパ星人ならこれを逆手にとって、ダイダロス号の研究室でUMAだけがかかる病気を作ることができます。」

 「ふむふむ。。。でも、UMAが絶滅してもテラフォーミングは止められんじゃろ?」

 「はい。UMA攻撃は地球侵略の第一段階にすぎません。しかし、UMAがバタバタと倒れて行くとダーク星人にとっても打撃です。ダーク星人はその原因を探ろうと発生源を必死に探索して来るはずです。そこで我々は故意に発生源を分かり易く作っておき、彼らの母船が調査に来た時に仕留めます。」
 「『わな』、『トラップ』じゃね。」
 「はい。わなです。」

 「君らの武器じゃったらダーク星の母船は破壊できるんじゃろね?」
 「いえ、そもそも我々には武器と言うものが殆どありません。戦争は数百年前に絶滅しましたから。それにダーク星の技術水準もよく分かっていません。太陽系外から来たことなどから、エウロパより数百年進んでいるようです。」
 「えっ!?ならどうすんじゃが?」

 「彼らはこの星にエウロパ星人が来ていることをまだ知りません。地球人の兵器はまったく彼らにとって脅威ではないので、彼らに隙があるはずです。そこを狙います。」
 「隙?」

 「はい。油断です。彼らの母船がやって来た時、そいつの真下から水爆の10億倍くらいの強力なエネルギーを一点に照射します。恐らく母船は破壊できるはずです。」
 「恐らく?」
 「残念ながら、絶対に成功すると言う確証はありません。」
 「。。。」

 「水爆の10億倍って、地球は大丈夫じゃろか。。。」
 「ジュールじゃなくてワットです。数千兆分の1秒に集中するので地球がどうこうなることはありません。」



 「で、具体的にはどうすんじゃろか?」基にーにーは東大医学部を目指しているので、科学的な質問ができるのはにーにーだけだった。

 「UMAが謎の死を遂げた(※=わたしとミンタンがやっつけた)現場はここなので、この近くのランドマークからUMA死滅ウィルスを撒きます。やつらの母船がそのランドマークの真上に来た時に、ダイダロスのハイパーワープエンジンをオーバードライブして、そのときのエネルギーで母船を叩きます。」

 「ランドマークって。。。どこ?」
 「佐織さんの中学のタイムカプセル用モニュメントが最適でしょう。この先端からウィルスを流し、タイムカプセルに入っている佐織さんがエネルギーを発射します。」

 「あんなあ。。。二つ質問があるんじゃけど。まず、ダーク星人がウィルス源を発見して母船が来る前にウィルスを熱核爆弾とかで焼き払ったらどーするんじゃ?二つ目は佐織のことじゃけど、何で佐織なんじゃ。佐織は大丈夫じゃろな?」

 「ひとつめですが、UMAを捕獲しておいてモニュメントのあたりに縛っておきます。UMAの『盾』ですね。二つ目ですが、佐織さんはテニスを通じて照準、狙うと言う観念を身に付けています。また、ボーイスカウトと言う活動でサバイバルスキルがあります。また、タイムカプセルはエウロパテクノロジーで作ります。1億度の熱でも溶けない有機金属です。」

 「そっかー。。。やつらの母船を破壊した時、回りの人間は大丈夫じゃろか?」
 「そこはよく分かりません。念のため、半径20kmくらいの住民は避難した方がいいと思います。」
 「避難ってゆーてもなあ。。。」

 「。。。今の君の話をここの住民が納得してくれたら話が早いんじゃがなあ。。。まあ、話したら大笑いして誰も逃げんじゃろ。だれかの『妄想ショートショート』みたいじゃと。」
 「そこは僕も分かりません。人間心理をうまく利用する方法を考えてみてください。」
 「はあ。。。」

 わたしたちはその日はほぼ徹夜をして「どうしたら住民が避難するか」話し合った。



 「おはようございます。どうでしょう、なにかいい案は出ましたか?」

 次の日の朝、ミンタンは居間で徹夜をしていたわたしたちに問いかけてきた。
 香織と疲れていた母を除いてはみんな徹夜をしていた。

 「うん、主なアイデアは三つじゃが。」わたしが代表してミンタンに説明した。
 「人間が怖いと思うことを利用するとええんじゃと思うで。自衛隊とか警察に相談しても無駄じゃと言う結論になったんじゃが。」

 「で?」

 「一つ目。ミンタンが『宇宙からの侵略者』みたいな振りをして、宇宙船でこの地域を襲うんじゃが。人間は未知の者に恐怖を感じるから、住民は逃げること間違いなしじゃって。」

 「二つ目。中学校から『第二次世界大戦の旧日本軍の毒ガス』が出たと言うことにしてに逃がすんじゃが。ちょっと前、サリン事件と言うもんがあって、みんな怖がるはずじゃが。」

 「三つ目。中学校に『謎の放射能を持つ隕石が落ちた』と言うことにしてに逃がすんじゃが。放射能は日本人が最も怖がるものの一つじゃから。」
 「ふむふむ。。。」ミンタンが顎に手を添え考え込んだ。

 「最初のアイデアは危険だと思う。僕たちが表舞台で動けばダーク星人に探知され、計画は水の泡さ。絶対にエウロパ星人が来ていることを感づかれては行けないから。」

 「第二と第三のアイデアはいいと思う。これらを組み合わせたら更に完璧だと思うよ。」

 「組み合わす?」

 「うん。恐怖の二乗だよ。例えば、空から放射能を持つ隕石が落ちてきて、その落ちた場所に旧日本軍の毒ガスが埋まっていてそのショックで毒ガスが漏れたとか。これで逃げない人間がいたら不思議だよ。」
 「うんうん、行ける行ける!!」わたしはミンタンの作戦が気に入った。

 「それにテレビ局、ラジオ局をハッキングして、偽のニュースを流すんはどうじゃろ?NHKとテレビ岡山とか。さらに隕石落下地点に小爆発を起こしたり、夜にオーロラを見せたりして放射性が本当であるように偽装するんじゃが。」基にーにーは科学に基づいた、さらに詳細かつ具体的アイデアを提案した。

 「それはいいですね。偽装は得意ですから。NHKとテレビ岡山を偽装してCGのアナウンサーに本当らしく喋らせます。隕石落下の偽装もオーロラもお任せください。」

 こうして作戦は大体出来上がった。





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August 20, 2016

神戸メリケンパークオリエンタルホテルでランチ♪

 きょうは子供がフィアンセを連れて来ると言うので、わたしの裏庭であるメリケンパークの『神戸メリケンパークオリエンタルホテル』でランチを予約しておいた。

 神戸にはあまり来たことがないというので、海が見える、最も神戸らしい場所にあるフレンチレストランにした。

 ホテルには三宮の『ミント神戸』から出発するシャトルバスで行くことにした。このバスは混むので、一つ前の便を予定した方がいい。

 バスからの景色は最高である。

 フラワーロードや神戸港に停泊している『日本丸』、メリケンパークの『フィシュ・ダンス』などを見ながら、『ホテルオークラ』を経て『神戸メリケンパークオリエンタルホテル』に到着する。



 コースはフルコースの『ボヌール』。7000円ちょっとで、ランチとしては十分だ。

 赤ワインをボトルで注文。こちらも7000円ちょっと。味はやはりグレートだ。

 前菜、スープ、メインディッシュ(魚+肉)、デザートと進む。

 フィアンセと色々自己紹介をする。

 あちらは北海道出身で、関西に数年前出てきたとのこと。親は自営業。

 当方も仕事は量子力学計算(計算科学)と材料開発、趣味はカメラやテニスなど、種々自己紹介する。

 またたく間に時間は流れ、ランチタイムを1時間過ぎてのお開き。



 これでお爺ちゃんへの道をまっしぐら。
 (「ジイジ」ではなく、「JJ」と呼ばせるつもり)

 でも、「子供は小悪魔、孫は天使」だ。

 まあ、楽しみにしておこう。





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August 19, 2016

水のある風景『日本丸』♪

 夏休み、メリケンパークをバスで通っていると神戸港に帆船発見。

 間違いなく『日本丸』だ。

 いつもは『飛鳥�』が停泊するメリケンパークの北東部からスマホで撮影。

 初代の日本丸は1930年、神戸市の川崎造船によって作られ、「太平洋の白鳥」や「海の貴婦人」など世界でも最も美しい帆船と言われたが、現在のものはその後継船だ。

 世界最速性能記録「ボストン・ティーポットトロフィー」を三回受賞している。

 総トン数2570t、全長110m、最大乗員190名。

 博多から来て、神戸には8月25日まで停泊。今後、佐世保、横須賀、東京を経て、来月中20日頃からは外洋へ出発する。






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August 18, 2016

焼肉屋で神戸牛を食べる♪

 まあ、当たり前だと思うが、神戸っ子でも毎日『神戸牛』が食べれるわけではない。
 年に数回が限度だ。

 例えばお盆と正月とか。

 そのお盆が来たので三宮に神戸牛を食べに行った^^;

 神戸牛が食べれるお店は多いが、今回は、韓国風焼肉店に行った。

 三宮にある『大長今』だ。



 韓国焼肉はメニューが分かりにくいので、コースをお願いした。

 神戸牛の三品目のうち、ニ品目がさしみである。

 かなり抵抗があったが、食べてみるとトロのような食感と味がする。

 三品目目は普通の焼き肉。

 これが一番食べたかったかもしれない。

 神戸牛は霜降りなので、最近の健康志向から言うとちょっと路線がずれているようにも思うが、味はピカ一だ。

 まあ、いつも食べるわけではないので、多少脂肪が多くても問題はないだろう。




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August 17, 2016

夏を知らない君へ(9)♪

(妄想ショートショート)




 さて、ツチノコとヒバゴンに襲撃されたその日の夕方、わたしと航平くんは家に帰り、わたしは水を一杯飲み干してから夕食前で居間に集まっていた家族の前でさっきのできごとを報告した。

 「あんなぁ、お父ちゃん。さっきツチノコとヒバゴンに襲われたんじゃが。うちと美咲と航平くんが帰りょったら、ツチノコが百匹くらいおってじゃな、跳びかかって来たんじゃが。それらを航平くんがレーザーでやっつけたら、今度はヒバゴンが出てきてもう少しで死ぬとこじゃったが。」

 わたしは帰り道で起こったできごとを報告したが、しばらく沈黙が続いた。

 「くすっ。」

 最初に沈黙を破ったのは香織だった。

 「ヒバゴンでてきたら、うち、けり殺したるで。」
 香織は去年から中学校の空手部に通っているので、ときどきかなり闘争的な発言をする。

 「あはははは。」次に父と長男の春にーにーが笑いだした。

 「なに寝ぼけとんじゃ。そりゃ、この辺にツチノコやヒバゴンがおるって言われとるじゃけど、なんぼツチノコでも、そげーにぼっけーぎょーさん出てくるわけなかろーが。それにヒバゴンもセットで?」
 「ほんとじゃて!!」

 わたしは真剣だった。基にーにーと母の方を振り返ると悲しそうな顔をしている。
 「佐織、大丈夫か?」
 二人はわたしの精神がおかしいんじゃないかと心配しているようだった。

 「もう!!ほんとじゃけん!!航平くんも美咲もおったんじゃし。なあ、航平くん。」
 わたしは航平くんに援護射撃を求めて彼の顔を見た。

 「さあ。」
 なんと、信じられない返事が返ってきた。
 「佐織さん、妄想ショートショート、読みすぎたんじゃない?」
 「航平くん、あ、あんた。。。」航平くんはわたしを裏切った。



 「あんな、ツチノコとヒバゴンはダーク星と言う地球侵略を企てる星から来た宇宙人が作った怪物なんじゃが。ダーク星人は地球の生物を皆殺しにして地球の温度を百度以上に上げるつもりじゃが。自分達が住みやすいように、テラ。。。テ・ラフォーレじゃったかな。。。地球改造するつもりなんよ。」
 「えーと、テラフォーマーのことかなぁ?」
 基にーにーはわたしの目を見つめて言った。

 「なんか佐織の話、ウルトラマンとスターウォーズを足したようなもんじゃけど。佐織、きょう、なんかあったんか?」

 「違うんじゃが。ほんとなんじゃが。地球を守るためには航平くんに乗り移っとるミンタンに頼るしかないんじゃゆーて。ミンタンは木星の衛星のエウロパのええ宇宙人なんじゃから。」

 「航平くん、あんたミンタン?」基にーにーは航平くんに聞いた。
 「さあ、何のことやら?」航平くんは肩をすぼめて手を横に出した。

 「もう、航平くんったら。。。」わたしは信じてもらえなくて泣き出した。



 そのとき、わたしの脳裏にあるアイデアがひらめいた。

 わたしはラケットを取り出して言った。

 「これな、ミンタンの宇宙船なんじゃが。いま、ラケットに偽装しとるけど、ほんとはなロケットなんじゃが。」
 「くすっ。」香織がまた笑った。

 「じゃあ、このラケットを机に叩きつけて壊すけんね。航平くん、いいんじゃね?」
 わたしはそう言うと、思い切りラケットを机に振りかざした。
 そして机に当たる瞬間、航平くんが手でラケットを受け止めた。

 「バカな真似はやめたまえ。ラケットが勿体ないじゃないか。」

 「あっそー。」
 わたしはすかさず航平くんからラケットを奪い、航平くんの反対側のシンクにぶつけようとした。

 ササッ!!

 またもや航平くんが信じられないスピードで回り込み、ラケットを素手で受け止めた。
 「シンクが壊れちゃうよ。」

 「あんなー、基にーにー。航平くん押さえとってくれへん?」
 「なんでじゃ?」
 「このラケットが宇宙船じゃから、航平くんは守ろうとしているんよ。」
 「航平くん、ちょっとごめん。。。」
 基にーにーは航平くんを両腕で包み込み、動けないようにした。

 そしてわたしは思い切りラケットを机に叩きつけようとした。

 「わっ、わっ、わっ、やめて!!」
 とうとう航平くんは床にドスンとお尻から落ちた。

 「わ、わかったよ。。。正直に話すよ。」
 「えっ!?何を?」基にーにーはけげんな顔で航平くんを覗きこんだ。



 「佐織さんの話はすべて本当さ。だから宇宙船を壊さないで。もし机に叩きつけてハイパーエンジンが暴走したら、半径100kmの全てのものは核爆発で蒸発するから。だから、絶対にむちゃしないで。」

 わたしはにんまりした。わたしの作戦が成功したからだ。

 「どういうことじゃが?航平くん、詳しく話してーな。」基にーにーが航平くんをソファに座らせ、みんなで話を聞くことにした。

 「佐織さん、知らない振りしてごめん。でも、こんな話だれも信じないと思ったし、パニックになったら大変だと思って。。。」

 「事実は佐織さんが話した通りさ。僕はエウロパの科学調査船『ダイダロス』のクルーで、この星の『夏』を調査しに来たんだ。そのとき、この星で動きやすいように『航平』という男の子に乗り移ったんだ。だから、本当の名前はミンタンさ。」
 「無事に調査を終えて帰ろうとしていたら、きょう、ダーク星によるDNA改造を受けた生物と遭遇したんだ。ダーク星は以前、エウロパを支配しようとしたけど寒過ぎて失敗し、今度はより暖かい地球にしたようなんだ。」

 「ごめん。」基にーにーが話を遮った。「話のつじつまは何となく合っとるんじゃけど、なんか、証拠みたいなものあるんじゃろーか?」
 「証拠?」
 「何でもええけど。」
 「ほら、航平くん、レーザービーム見せてあげたらええんじゃが。」
 「ああ、レーザーね。」

 わたしたちは夕暮れの農場の外に出て、石の上にカボチャを置いた。

 「行くよ。」

 ビーッ!!

 赤いレーザー光線がカボチャに当たったかと思うとカボチャが蒸発した。
 みな、目が点になり、言葉が出なかった。

 次に、居間に戻り、ラケットの先端のハッチが開いて、ロボットアームが出て来るとこも実演した。
 もはや、家族はわたしたちの言葉を信じないわけには行かなくなった。






Natsu-18


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August 16, 2016

夏を知らない君へ(8)♪

(妄想ショートショート)



 「これって、ヒバゴンよね?」
 わたしはレーザーでやられて煙臭く横たわっている怪物の方を見て言った。

 「このような生き物、どれくらい前から出現しているの?」
 「そうじゃねえ。。。30年くらい前からじゃろか。」
 「そうか。。。ダーク星が我々の星、エウロパに来てから間もなくだね。彼らは移住のターゲットを地球に決めたんだな。」

 「うちら、みんな死んじゃうん?」美咲が悲しそうに質問した。

 「百度、二百度で生きられるんなら別だけど、その温度じゃ生物はやがて炭化してしまうと思うよ。彼らが地球に降りて来た時にはその辺、炭だらけさ。」
 「気持ちわりーこと、言わんといてよ。」
 「これは科学的予測だよ。99.9%そうなるよ。」

 「ミンタン、なんとかならん?」
 「うーん。。。やつらはこの星の科学水準を知っているはずだ。赤子の手をひねるように軍隊は絶滅するだろうね。だけど、やつらの盲点はエウロパの僕たちが地球に来ていることを知らない点だ。そこを突けば勝算がないわけでもない。」
 「どうするん?」
 「作戦は後で考えるとして、まずはその怪物、ヒバゴンだったっけ、の肉片を分析して弱点を探ることにするよ。」

 そう言うと、ミンタンはヒバゴンの肉片を取り、ラケットに偽装した宇宙船に分析を依頼した。ラケットは先端部をパクッと開け、肉片をロボットアームで取り込んだ。

 「それから僕。。。船長のツクツクに話して来るよ。」
 「何の話を?」
 「僕がここに残って、最後まで戦うってこと。」
 「ミンタン。。。」

 そう言うと、ミンタンが乗り移っている航平くんが意識を失ってパタッと倒れた。ミンタンが離脱して宇宙船に戻ったようだ。



 しばらくすると航平くんの意識が戻った。

 「ミンタン?航平くん?」
 「ああ。。。僕だよ、ミンタンの方だよ。」
 「どうじゃった?」
 「うん。やはりヒバゴンにはダーク星のDNA操作テクノロジーが使われていたよ。その配列を解読し、ヒバゴンだけに感染する致死ウィルスも作っているそうだよ。」
 「すご。。。で、船長はミンタンのことなんてゆーてたん?」

 「あほか、って。」
 「えっ?」
 「僕たちは地球に生態系を調査しに来たのに、ダーク星と戦うなんてあり得ないって。」
 「それで?」
 「じゃあ僕はこの星に残って戦うって言ったんだ。」
 「そしたら?」
 「ほんじゃ、わしも残るって。」

 「はあ?」

 「船長は僕の父なんだ。息子が戦うなら父も残って戦うって。」
 「でも、ほかの船員は?」
 「ああ、ほかの船員も親戚兄弟なんだ。うちの父が戦うって言ったら反対するものはいないよ。」
 「そうなん。。。」

 「。。。ところで、勝てる戦略はあるの?」
 「うん、僕なりに考えてみたんだ。」
 「聞かせてみて?」
 「うん。例のウイルスを君の中学のタイムカプセルの記念碑の先端から放出するんだ。世界中のヒバゴンやツチノコやその他UMA(未確認生物)はそのウィルスで絶滅できるけど、やつらはその原因を探るうち、発生源としてタイムカプセルの記念碑にやってくるはずだ。」
 「ふむふむ、それから?」

 「その記念碑の下で、佐織さんが宇宙船のハイパードライブエンジンをオーバードライブさせた武器を使って、やつらの母船を撃墜するんだ。」
 「えっ、わたしが?」
 「そうさ、君が人類の救世主になるんだ。」
 「救世主。。。急性虫垂炎にならなったことあるんじゃが。。。」
 「。。。」

 「宇宙船をオーバードライブさせて大丈夫?壊れん?」
 「うーん、やったことないからわかんないらしい。でも、オーバードライブさせたときのエネルギーは太陽の10個分くらいあるから、母船のど真ん中に当たれば間違いなく撃墜できるよ。」
 「うん、わかった。うち、やってみる!」
 わたしは全人類の望みをかけ、その作戦に乗ることにした。



 その後ウィルスの放出が始まることになる。
 世界各地でUFOが目撃されるようになった。彼らも作製したUMAが次々謎の死を遂げ混乱しているようだった。

 そしてUFOの目撃件数は日本が一番になり、やがて岡山に集中するようになってくる。
 何も知らない若者は岡山がパワースポットになったと喜んでいたが、わたしは来るべき決戦に備えていた。

 これは人類だけの戦いではなかった。生きとし生けるもの全体、地球の生態系が全滅するかどうかの戦いだったのだ。






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August 15, 2016

夏を知らない君へ(7)♪

(妄想ショートショート)



 お盆休み最後の日、渋川海水浴に行ってきたわたしたちは、東岡山駅からバスに乗り、最寄りのバス停で降りた。中学の近くである。

 「あーきょうは楽しかった。航平くん(周りに人がいるときはミンタンとは言わないことにしていた)も楽しかったじゃろ?」美咲が尋ねた。
 「うん、地球の海は暖かいんだね。故郷では見たこともない生き物がいて、ほら、一杯採集してきたよ。」
 航平くんはクーラーボックス一杯に海水浴場界隈で採集した生き物を持ち帰った。

 「航平くんたら、折角ビーチに行ったのに、岩場で採集ばかりしとったらおえまーと、佐織と一緒に海に放り込んだら、あんま、イルカみたいに泳いでもんげー驚いたが。」
 「一応、深海生物だからね、僕は。おかげでついでに、八本足や十本足の奇妙な標本も採れたし、こんなのも捕まえれたよ。」
 そう言って航平くんは頭がT字型の小さなサメをクーラーから取り出して見せてくれた。シュモクザメのあかちゃんのようだ。

 「わっ!!なんすんの、きょーてーがな!!」
 わたしはいきなり顔の前にサメの口が来たので驚いて後ろにこけた。

 「わっ、わっ、わっ、宇宙船が!?」
 航平くんの宇宙船をお尻に敷いてしまったのだ。

 「じゃから、言わんこっちゃないんじゃが。きゅうにきょーてーことせんといてよね。」



 話が盛り上がっていると時間が経つのは早いもので、田んぼの端で美咲と別れることになった。美咲の家は田んぼの向こうにある。

 「なあ、ミンタンは男子じゃがね?」美咲が突然変な質問をした。
 「えっ。。。えーと、子供を産む方が女子という君たちの定義に従えば、僕は男子じゃなく、女子だね。」
 「ええーっ!!」
 わたしと美咲は大声を上げて驚いた。てっきり男子の航平くんに乗り移っているミンタンも男子と思ったからだ。

 「なんか、ちょっとショックじゃが。」美咲がつぶやいた。
 「なんで?宝塚みたいでかっこええが。うちらほんまの女子トモじゃが。」
 美咲もそれを聞いてちょっとほほえんだ。

 「じゃあ、またあした。明日から夏休み後期の練習じゃけんね。」
 「うん、またあした。」

 「キャー!!」

 美咲がわたしたちと別れて10秒くらいした後、美咲の叫び声がした。

 「わっ、あ、あれは。。。」

 美咲の帰り道の先を見ると、黒い生き物が数十匹、地面を這って美咲の方に近づいていた。わたしたちも美咲の方に駆け寄った。

 「こ、これは。。。蛇の様な体に、ビール瓶の様な胴体。ツチノコじゃが。」

 そうこうするうち、わたしたち三人はツチノコ軍団に囲まれてしまった。



 シャーッ!!

 先頭を這っていた一匹がわたしたちの方に飛びかかってきた。
 5メートルくらいの距離から飛んできたのだ。

 ビーッ!!

 航平くんはレーザービームでそいつを迎撃し、空中で蒸発させた。
 彼は傘に偽装させたレーザー銃で仕留めたのだった。

 「あっ、あっち。また来るんじゃが!!」

 ツチノコは次々わたしたちを目がけて襲ってきた。
 航平くんは信じられない運動神経でそれらを次々レーザービームで蒸発させていった。

 そして最後の一匹と思われる親玉が彼目がけて襲って来た時、彼は避けながらレーザービームを照射した。

 ドスン

 その親玉は体長が1.5メートルくらいあったが焼け焦げて地面に落ちた。

 「どしたん、ミンタン。レーザーのエネルギーが切れたん?」
 「いや。こいつを調べるためだよ。こいつらの動き、なんか変だっただろ?ドイツ軍の機甲戦車部隊みたいだったよ。明らかに統率された動きだった。その大きいのがボスだと思ったんだけど、最後に突っ込んできたあたりを考えると、こいつも別のやつに統率されていたんだと思う。いまから調べてみるから、ラケットの先をこっちに向けて。」

 わたしがラケットを取り出し、先をミンタンの方に向けると、ラケットの先頭のハッチが開いた。ミンタンがツチノコの親玉から採取した肉片をそのハッチに近づけると、中からロボットハンドの様なものが出てきてパクっとラケット内に取り込んだ。

 「わーっ、びっくり!ほんまに宇宙船じゃったんじゃね。」

 わたしは自分のラケットが偽装宇宙船ということを知ってから、ミンタンにどこに行くにも24時間肌身から離さないように言われていたのだ。



 やがて、ラケットのガットの面に映像が出てきた。

 「やあ、君がミンタンの友人のサオリさんだね。君のことはミンタンからよく聞いているよ。仲良くしてくれてありがとう。あ、わたしはこの船の船長、キャプテン・ツクツクだ。」
 「は、初めまして。」
 初めて見た船長だったが、人間の姿をしていた。多分、わたしたちを怖がらせないように人間の姿に化けていたんだと思う。

 「ミンタン。分析の結果が出たよ。この生物のDNAは君が採集したヘビに似ているが、明らかに人工的にDNA操作した痕跡がみられる。。。」
 「あんた、ヘビまで採集しとったん?」
 「しっ、ちょっと待って、いま大事なとこだから。」
 「こほん。このDNA操作パターンは『ダーク星』テクノロジーとよく似ていることが分かった。」
 「えっ!?ダーク星!!」

 「そうだ。もしそうなら、早くこの星から避難した方がいい。採集したものを整理し、あすの夜には出発しよう。」
 そこで映像は消えた。

 「なあ、ミンタン。ダーク星って?避難って?」



 「わかった。大事なことなのでゆっくり話すよ。」

 「今から数十年前、僕たちの星、つまりエウロパだね、そこに太陽系外から侵略者がやってきたんだ。彼らはエウロパの表面の厚い氷にドリルで穴をあけ、マントル近くまで調査しに来たんだ。やつらはマントルを地表まで噴出させ、エウロパの氷を溶かし、テラフォーミング(星を自分たちの都合がいいように気象を操作すること)するつもりだった。」
 「うっそー。。。」

 「僕たちはその計画を知り、連合軍を率いて彼らと水中で戦ったんだ。彼らは液体の『水』は初めてらしく、彼らの体がぶよぶよになって一旦は退散したんだ。10年後、彼らは我々の星で捕まえた生物にDNA手術を施し、体がぶよぶよにならないようにして戻ってきたんだ。戦いは1年に及んだけど、結局、マントルの熱量が足りないことが計算で分かって去って行ったんだ。」
 「なんと。。。」

 「そしてきょう、彼らのDNA操作の痕跡を発見したんだ。」
 「。。。ということは。」
 「彼らはまずこの星の生物を土台にして、それにDNA手術をして戦闘集団を作る。それにこの星の生物を皆殺しにして、次に、この星の気温をテラフォーミングで温める。」
 「み、皆殺し?。。。」
 「ああ、かれらにとっては君らは石ころみたいなものだからね。」

 「温めるって、何度くらいに?」今度は美咲が質問した。
 「百度以上だよ。」

 「ひ、百度!?」
 「うん。彼らの体はシリコン系、つまり石に近いんだ。だから、100−200度くらいが適温なんだ。」
 「テラフォーミングって、いつ頃からはじめるん?」
 「彼らのことだ、皆殺し作戦と同時にやっているはずだよ。」
 「えっ、じゃあ、地球温暖化っていうのは。。。」
 「テラフォーミングがすでに始まっていると言うことかな。」

 「航平くん。。。ミンタンはうちらを見殺しにして故郷に帰るん?」
 「そ、それは。。。でも僕らのテクノロジーだと彼らには勝てないんだ。」



 「ミンタン。この星で一番重要なのはなんじゃった?」
 「えーと。。。恋愛、友情、努力だったっけ?」
 「ミンタンは航平くんの体の中で恋愛について学んだんじゃよね?でも友情と努力は、まだ、なにも経験しとらんじゃが。」

 「友情って。。。こうやって毎日仲良くすることじゃないの?」
 「あんなー。。。あんた、ぼっけーあほじゃが。友情っていうのは、友達のために自分の命を投げ出してもええことを言うんじゃが!!」わたしはミンタンの目を見た。

 「。。。友情って、めんどくさいんだね。」
 ミンタンはクーラーボックスを抱え、家に帰ろうとした。

 ガオーッ!!

 そのときだった。わたしの背中の方から、草むらの中から黒い獣がわたしの方に飛びかかってきた。
 ミンタンがレーザー銃を構えたものの、わたしがじゃまになって撃てなかった。

 「佐織、しゃがむんだ!!」
 「えっ!?」

 わたしが間に合わないのを知り、ミンタンはわたしを守るため、わたしとその怪物の間に飛び込んできた。

 ザクッ!!

 その怪物の最初の一撃をミンタンは背中で受けた。
 「う、うっ。。。」
 レーザー銃が地面に転がった。

 「美咲、それでそいつを撃つんだ!!」
 レーザー銃は美咲の近くに転がったが、美咲は怖くて腰が抜けていた。

 怪物は第二撃目を準備していた。左手を大きく上げ、わたし目がけて手を振りおろしてきた。
 「美咲ーっ!!」



 ビーッ!!

 そのときだった。レーザービームが怪物に当たり、怪物がバタンと倒れ込んだ。

 「さ、佐織、大丈夫?」
 「美咲。。。怖かったろーに、よーやってくれたんじゃが。」
 「ううん。佐織が死んじゃうと思ったら必死じゃったんじゃが。」
 わたしたちは二人で抱き合って泣いた。

 「あ、ミンタン!?」
 わたしは振り返り、ミンタンの様子を見た。その横にはゴリラの様な、熊の様な巨大な毛むくじゃらの生き物が倒れている。
 「うっ。。。佐織さん、そのラケットを僕の体の上に置いて。。。」

 ラケットを体の上に置くと、何やらロボットアームの様なものがたくさん出てきて、航平くんの体を治した。

 しばらくしてミンタンが意識を取り戻した。

 「ミンタン。あんとき、なんでうちを撃たなかったん?自分を犠牲にするなんて、あほじゃが。」
 「あ。。。あはは。。。痛た。」
 ミンタンが急に笑い始めた。

 「僕にも理由が分からない。なんで、ああしたんだろ。。。でも、これだけは今わかったよ。佐織さんのためだったら僕は死ねるって。」
 「そう、それが友情なんよ。」

 わたしたちは三人で抱き合って泣いた。






Natsu-16


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錦織圭、ナダルを破り銅メダル♪

 錦織圭は苦しい試合を制覇し、先程、リオのオリンピックでナダルを破り、銅メダルを獲得した。

 日本勢では96年ぶりのメダルだと言う(当時は熊谷一谷が銀メダル)。

 この銅メダル、ツアーでランキングが「3」と言うのとは全然違うと思う。

 ATPランキングは個人の成績に過ぎないが、オリンピックは国の代表として来ているわけである。日本人スタッフ、サポーター、テレビで応援しているファンもおり、みんなに支えられながらのメダルなわけだから。

 わたしは昨日も京阪奈で9時から16時半の、夕立が降るまでテニスの練習試合をしていたが、やはりテニスファンとして今回のメダルは価値が大きいと思う。ある意味、われわれ草テニスプレーヤーに贈られたプレゼントみたいな気がする。

 錦織圭が登場するまではテニスは下火で、各地のテニスコートは次々と閉鎖されていった。わたしの会社でもおととしだったか、本社のテニスコートが全部潰された。わたしはそうは思わないが、「スポーツは利益を産まない」と思う経営者も多いのではないだろうか。
 スポーツでは「チーム」(仲間意識)や「努力」、「体力」と言う並外れた経験が出来る。これは他では醸成されにくいものなのだ。

 今回のことが契機となり、ますますテニス少年、テニス少女が増え、テニスが盛り上がって欲しいと思う。






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August 14, 2016

高知名物、『チャンバラ貝』♪

 三宮にある高知の魚介類を出す居酒屋に行った。

 どんな食べ物か分からないので息子にオーダーを任せる。

 最初の写真は、高知の居酒屋の定番と言えばこれらしい。
 『チャンバラ貝』と言う名で、「刀」のような突起物を肉の部分に持った、変わった貝だ。
 食べたところ、ツブ貝よりそんなに美味しいと言うわけではない。

 『カツオ巻き』はボリュームがあって美味しい。

 その他、万願寺や鳥のあぶり焼きの柚コショウたれなど、ちょっとだけ異国情緒な気分を楽しめた。




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August 13, 2016

夏を知らない君へ(6)♪

(妄想ショートショート)



 その夏、わたしと美咲と航平くんの三人はほとんど行動を共にした。

 テニスクラブの練習も航平くん(に乗っ取っている宇宙人)は毎回観察したいと言い、付いてきたし、行き帰りもボディーガードをしてくれた。しかし、なぜ人間は真剣にスポーツをするのかは中々理解してもらえなかった。

 「もし相手を倒すのが目的なら武器を使うとか、もっと効率的な手段があると思うのに、どうしてこんな非効率で、ルールが多いことをやるんだい?」
 「なぜテニスをするのかってゆーてもなぁ。。。美咲は何で?」
 取り敢えず美咲に振った。

 「まあ、気持ちえーからかなあ。それに男子に持てるかも知れんし。佐織は可愛いしスポーツできるから、結構男子が噂しとんよ。」
 「えっ!?そーなん?」
 「あれっ?佐織知らんの?」
 「うわーっ、誰じゃろ、うちのこと噂しとるんわ。。。」



 「ちょっと待ってね。。。僕の頭のなかには、スポーツの原点はオリンピックで、昔、ギリシャでは都市国家が戦争ばかりしていたのだけど、アテネがその祭典を提案し、その期間中だけ戦争をしなかったとあるよ。」
 「えっ!?あんた、航平くんの記憶を使えるん?」
 「うん。そもそも、僕が君たちの言葉を話せるのも彼の言語中枢を使用しているのさ。」
 「ふーん。。。だからちょっとやそっとでは宇宙人ってばれんのじゃね。」
 「それにしても、戦争がなくなって文明が発達した現代、オリンピックの競技だけが遺産として残っているんだね。」

 「なあ、あんた。。。って、いちいち『あんた』ってゆーのしんどいわ。名前何てゆーたらええん?」
 「僕の本体?」
 「そう。」
 「ミンタンでいいよ。ほんとの名前は発音出来ないから。」
 「あぁ、セミやからミンタンじゃね。あんなあミンタン、航平くんは佐織のこと好きじゃったん?航平くんの記憶覗いて欲しいんじゃが。」

 「な、なにゆーとん!!変な質問せんのじゃが。」
 わたしは焦った。
 「えーと、この体の持ち主によると。。。」
 「そんなんえーから!!」
 「何か、体中が暖かくなってきた。心臓もドキドキしてきたな。。。記憶によると、佐織さんに会うために日本に来たとなっているよ。日本の叔父さんから来た農場の写真に佐織さんが写っていて、一目惚れして日本に遊びに行くと決心して来たと書いてある。それに。。。」

 「もーええんじゃって!!」
 わたしは怒り、持っていたラケットで航平くんの頭を軽く叩いた。
 「わっ、わっ、わっ、宇宙船が壊れる!!」
 「人の記憶を盗み見するなんて最低じゃが。そんなんは航平くんから直接聞きたいんじゃが。」

 「ねえ、美咲さん、佐織さんは何を怒っているの?」
 「あっ、えーと、わたしもうかつじゃった。。。ごめんな、佐織。。。一番大事なことを不用意に言わせてしもーた。ファーストキスを知らん人に奪われたみたいな感じかな。。。」
 わたしは座り込み、しばらく泣いていた。

 「あんなあ、航平くん。。。じゃなかった、ミンタン。うちらの種族で一番大事なんは、第一に恋愛、第二に友情、第三に努力なんじゃが。」わたしはまだひくひくいいがら航平くんの中にいるミンタンに言った。
 「お願いじゃから、航平くんの誰が好きとか嫌いとか、その部分の記憶は見んといて。」
 「。。。分かった。約束するよ。ごめん。もう、アクセスしないから。」

 「佐織、うちもぼっけー反省しとるけん。うち、佐織とけんかしとーないけん。うちが一番大事なもんは佐織やけん。」
 「ほんま?」
 「当たり前じゃが。一に佐織、二に友情、三にテニスじゃが。」
 「努力は?」
 「そうじゃなあ。。。五か六か。」
 わたしも立ち直り、わたしたちは笑った。わたしの気分もよくなった。

 「美咲、ほんとはな、うちも航平くんの気持ち知りたかったんじゃが。でもな、何ヵ月も何年も付き合って知りたかったんじゃが。」
 「佐織、うちにも分かるで、その気持ち。」
 「僕にはさっぱり分からないけど。。。」

 わたしはラケットでまた航平くんの頭を軽く叩いた。

 「わっ、わっ、わっ、僕の宇宙船が!!」
 ミンタンには悪いと思ったが、わたしと美咲は笑いながら怒った。



 わたしたちは、クラブが休みの盆の三日間だけ、鷲羽山、アイビースクエア、チボリ公園、渋川海水浴場、後楽園など、航平くんの調査の参考になりそうなところを一緒に回った。航平くん(ミンタン)は「娯楽」と言うものがあまり理解できなかったが、彼の調査には役立ったと思う。





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August 12, 2016

新鮮なイカは透明♪

 夏休み、ひょこっと長男が神戸に帰ってきた。

 彼はIT企業に勤めているが、三宮で仲間と飲んだついでに実家に帰ってきたのだ。真夜中のことだったが。

 次の日、久し振りに家族で三宮で食事をすることにした。

 いいとこないかと彼に聞くと、値段は高いが、新鮮な海鮮が食べれる店があると言う。せっかくのお盆でもあるし、そこに決めた。

 メニューで目を引いたのがイカ料理。
 旨いと言うので早速注文する。

 出てきたのはイカの刺身だったが、普通と違うのはイカが白くなく、透明であること。

 イカはさばいて1−2時間以内が透明で、その後白くなるらしい。

 初めて食べる透明のイカ。
 めちゃ甘い。

 同時に出て来たのが足の部分だが、まだ動いていた。
 (最初の写真)

 この足の部分は焼くか、フライにするかと聞いて来たので焼くことに。
 (2枚目の写真)

 これもめちゃ美味しい。

 さすが息子は仕事の接待や何かで色々な店を知っているようだ。

 久しぶりに感動の経験をした。

 (おあいそ金額はすごかったが。。。)





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August 11, 2016

夏を知らない君へ(5)♪

(妄想ショートショート)



 「僕らは宇宙探検隊。木星の衛星の、君たちが『エウロパ』って呼んでる星から来たんだ。」
 「『僕ら』って、他にもおるということじゃろか?」
 「うん。実は君のラケットは僕たちのロケット、つまり宇宙船なんだ。」
 「はあ?」

 わたしは握っているラケットをまじまじと見た。しかしどう見ても宇宙船には見えない。

 「ごめん。最初に君に会った日、君が持っていたラケットが僕らの宇宙船に形が似ていたので、ちょっとお借りして三次元スキャンして宇宙船をラケットに偽装させてもらったんだ。」
 「はあ?。。。じゃあ、あの日、わたしがラケットを忘れたと言うのは。。。」
 「ごめん。ラケットを三次元スキャンするために、僕が抜き取ったのさ。」
 「でも。。。このラケットの細かい傷とかも本物としか思えないけど。」

 「0.1ミクロン単位でスキャンしているから、完全偽装しているのさ。」
 「はぁ。。。で、わたしの本物のラケットは?」
 「ごめん。消去してしまった。。。」
 「ひどい!」

 「あ、でも三次元データは残っているから、同じものを複製できるよ。」
 「複製って言ったって、同じじゃないけん。」
 「うん、ごめん。でもね、君たちの体も、1カ月もしたら全ての原子は入れ替わっているんだって知ってるかい?」
 「あ、聞いたことある。」美咲が答えた。

 「だから、君たちの体同様全く同じじゃないけど、同じラケットなんだ。」
 「なんか、変な理屈。」
 「ごめん。」



 「で、このラケットが宇宙船なんじゃね?」
 わたしはラケットをもう一度まじまじと見た。
 「うん。柄の部分がハイパードライブエンジン。亜光速まで出せるんだ。」

 「ほかの宇宙飛行士は?」
 「ラケットの中にいるよ。」
 「えっ!?」
 「僕らはこの星のセミに似た体を持っていて、ラケットを振る加速度くらいなら耐えられるんだ。」
 「うっそー!!」

 「いま、彼らは必死に手すりに捕まってるよ。」
 「ふーん。。。」
 わたしはラケットを色々な角度からまじまじと見た。

 「でもあんた、なんで人間の姿なん?」美咲が質問した。

 「僕は意識を人間に投影して憑依しているんだ。幽体離脱みたいなもんかな。地球に来た時、最初に出会った男の子の体をお借りしてるんだ。」
 「航平くんじゃね?」
 「うん。」

 「でも、この秘密を知られたからには。。。」

 「うちら二人をレーザーで殺すとか、食べちゃうとか。。。」
 「そんなことしないよ!!」
 「ほんとに!?」



 「もう、航平としてここで生きられないなあって。」

 わたしと美咲はお互い顔を見合ってしばらくして頷いた。

 「なんで?このまま航平くんに化けて調査を続けりゃえーんじゃが。」
 「えっ?」
 「あんたは美咲の命を救うために自分の正体をばらしたんじゃろ?よほど命を大事に思って、人間を好きじゃなかったらそんなことせーへんと思うんじゃけど。」
 「そうそう、うちもあんたに恩があるし、あんたのこと気に入ったし、これからもおれるだけここにおったらえーんよ。」
 「ほ、ほんとに?」

 「しくしく。。。」
 「えっ、あんた、どーしたん?」
 「嬉しくなったらこの体の目から液体が流れて来た。」
 「ああ、涙ね。そりゃ、この先の探検に幸運があるって印よ。」

 わたしたち三人はお互い抱き合って泣いた。



 「ほんとに僕はこのままここで調査してもいいの?」

 「うん。でも、他の人には言わんほーがえーと思うんじゃが。虫嫌いな人もおるし、ウルトラマンに出てくる宇宙人は大体悪者じゃし、大騒ぎになったら困るじゃろ?」
 「うちらも絶対ゆわんし。指切りげんまんじゃが。」
 「ありがとう。。。」
 しくしく。

 「僕の星はね、一年中ずーっと氷の世界なんだ。夏と言う生命が溢れる季節があるなんて夢みたいで、最年少で探検隊に志願したんだ。」
 「ふーん。そこの住人、食べ物とかどうしてんの?」
 「星の中心にはマグマがあって、厚い氷の下の方には海があるんだ。食べ物はそこで豊富に採れるんだ。」
 「魚とか?」
 「僕らは肉食じゃないんだ。海ブドウ、海桃、海りんご、海バナナとか栽培してて食べるんだ。」

 「どう?科学はやっぱり地球よりずーっと進んどるん?」
 「そうだなあ。。。千年くらい進んでいるのかなあ。比較できるものがないからよく分かんないけど。」
 「あんたの星からここまで何日かかったん?」
 「そうだねえ、地球時間で言うと2週間くらいかな。」

 美咲と夢中で色々質問しているうちに家に着いた。

 「あら、美咲まで付いて来ちゃった。」
 「またイノシシに襲われたら嫌じゃけん、きょうは泊めてーな、佐織。」
 「うん、いいわよ。」
 「じゃ、お風呂一緒に入ろ!」
 「うん。」

 「あのー。。。僕も一緒にいいかな?生態を観察したいし。」
 「ダメっ!!」

 わたしと美咲は同時に叫んだ。






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August 10, 2016

夏を知らない君へ(4)♪

(妄想ショートショート)



 やがて陽がかなり西に傾き、その日の練習が終わった。

 いつものように校庭の端の水場で美咲と顔や手足を洗っていると、美咲が何かに気付いた。
 「ねえ、あの子だれなん?」
 美咲が指差す方向を見ると、何と航平くんがポプラの木の向こうでこちらを見ているではないか。あれから帰らずに練習を見ていたのだろうか。

 「ああ、あれね。親戚の子、航平くんってゆーて夏休みにアメリカから遊びに来とんじゃが。」
 「ふーん。。。佐織にあまり似とらんね。」
 「うん、遠い親戚で血も繋がってないけん。と言うか、クォーターの血が入っとるけん。」

 「ふーん。。。あんなぁ、うち思うんじゃが、あの佐織を見る目、普通と違うんじゃが。もしかしたら、佐織のこと好きなんちゃう?」
 「はあ?」

 そりゃ、そんなことも無きにしも有らずだが、まさか。



 「航平くん、まだいたんじゃが。」
 わたしは航平くんに声をかけた。
 「あ、ああ。。。」
 「テニスに興味があるん?」
 「あ、いや、それほどでも。。。」

 わたしが話ながら顔を拭こうとスポーツタオルを首から外そうとしたとき、脇に挟んでいたラケットが落ちてしまった。

 「あ、危ない!!」
 そう叫ぶと、航平くんは私の方にダッシュしてきて滑り込みをしてラケットを受け止めた。
 あまりの一瞬の出来事に驚いたが、「ナ、ナイスキャッチ。」と航平くんの運動神経を誉めた。

 「航平くん、あんがとう。でも、そこまでせんでもええと思うんじゃけど。。。」
 「あ、あはは。でも。。。『ラケットは武士の魂』みたいなもんだよね。」
 「そりゃ、そうじゃけど。。。」

 美咲がわたしにこそっと耳元で囁いた。
 「ほら、ね。好きじゃなかったら、あんなに必死でせんじゃろー?」

 わたしは航平くんからラケットを受け取ろうとして、また手が滑ってしまった。練習のし過ぎで手が吊ってしまったようだ。

 それでも航平くんはスライディングし手を出し、ラケットをキャッチしてくれた。

 「まぁ、何度もありがとう。」
 「いや、いいってことさ。」
 「くすくす。。。」美咲が笑っていた。
 「ねえ、三人で一緒に帰る?着替えてくるから。」わたしがそう言うと、航平くんはすかさず「もちろん。」と答えた。



 「お待たせ!」
 「ううん、待ってなかったよ。」
 「くすくす。」航平くんの変な返事を美咲が笑った。

 「あんなぁ、航平くん、こちらがわたしの親友の美咲。美咲、こっちがわたしの親戚の航平くん。」
 「宜しく!」
 「こっちこそ。」

 「航平さんって、アメリカから来たんじゃってね?」美咲が質問した。
 「はい。」
 「アメリカのどこ?」
 「アラスカっていう、寒いところです。」
 「アラスカ?。。。アフリカじゃなくて。」
 「。。。。」

 「あはは。。。それで夏休みの間、日本に来とん?」
 「はい。」
 「日本の食べ物おいしい?」
 「はい。特にスイカが最高です。」
 「ああ、寒いところではスイカできんけんね。」

 色々話をしているうちに、美咲の家の近くまで来た。

 「じゃあ、ここで。佐織、明日の練習来るじゃろ?」
 「うん、もち。」
 「じゃあ。」
 「シーユー。」



 「キャ〜!!」

 その声にわたしは後ろを振り返った。美咲がちょうど田んぼの脇の三差路で別れを告げてから数歩歩いたとき、美咲の前に大きなイノシシが出て来たのだ。

 「美咲!動いちゃダメ!すぐ行くからっ!!」

 わたしんちは家畜をたくさん飼っていたので、何となく動物の扱いには慣れていた。わたしは冷静にラケットケースから愛用のラケットを抜き取り、それを持って美咲の方に突進した。

 「あ、佐織さん、それを使っちゃだめ!」
 後ろで航平くんが叫んだ。

 「ラケットが壊れちゃう。。。」
 「なに言ってんのよ、バカ。美咲が危ないのよ!」
 「でも、ラケットには替えられない。」
 「はあ?」
 わたしは航平くんを無視して美咲の方に走って行った。

 「美咲!そこにある栗の球を投げて!」
 「はあ?」
 「そこに転がってる、栗のイガよっ!」

 美咲はわたしの方に栗のイガを投げて来た。
 わたしはそれをラケットで思い切り叩き、イノシシ目がけて攻撃した。
 それを何度か繰り返した。

 イノシシは顔に当たった時は嫌がったが、むしろ余計に興奮させたようだった。

 「だ、だめじゃが。。。万事窮す。」

 ビーっ!!

 そのときだった、青白い光がそのイノシシに当たり、イノシシは蒸発したようにいなくなった。



 「な、なに、いまの?」
 わたしと美咲は航平くんのほうを振り返った。

 航平くんは何やら手に持っていて、それをイノシシに発射したようだった。

 「航平くん、い、今のって。。。?」
 「あ、ああ。。。」
 「今の、何なん?」
 「う、うん。。。」

 「レ、レーザーだよ。中国の違法メーカーから買った、出力を百倍にしてあるレーザーポインター。。。」

 「。。。それにしては変じゃったよ。」
 わたしは将来は理科系に進むつもりだったので、レーザーのことくらいは理解しているつもりだった。いくら市販のレーザーポインターの百倍の出力でも、イノシシが蒸発することはあり得ない。

 「佐織さん、科学に詳しいんだね。」
 「基にーにーに教えてもらっとったけんね。」
 「そっかー。。。」

 「あ、あんた、何者?正直言わんとこのラケット折るけんね。」
 「わっ、わっ、わっ、やめて!」

 「ははーん。やっぱりこのラケットに何かあるんじゃね?」
 「。。。」
 「なんか、このラケット気にしとったから、怪しいと思っとったんじゃが。」

 「しかたないな。ぼくの正体を教えなくちゃならないみたいだね。」
 「。。。実は僕は宇宙から来たんだ。」

 「えっ?」

 わたしと美咲は顔を見合わせた。





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August 09, 2016

夏を知らない君へ(3)♪

(妄想ショートショート)



 夕食後、居間でくつろいでいた。

 「航平くんは将来はどうするん?お父さんみたいに研究者になんの?」基にーにーが質問した。
 「そうですね。。。宇宙探検家かな?まずは大学に行きます。」
 「大学はもう決めてあるん?」
 「はい。『アンカレッジ』です!」
 「あれっ?アンカレッジってアラスカの都市の名前ちゃうん?」

 「えっ、そうなんですか!?大学の名前じゃないの?」
 「あはは、おもろいね航平くんって。佐織、香織、あんな、『カレッジ』って大学って言う意味なんじゃが。」
 「こいつ、バカだな。。。」航平くんは自分に悔しそうに独り言を言った。

 「えっ!?何かゆーた?」
 「あ、いえ、自分はバカだなーって。」
 「え。。。もしかしたら、ほんとに大学だと思ってた…」
 「あはははは。」航平くんは誤魔化すように笑った。そしてカルピスを一口飲んだ。



 「わっ、なにこれ!?毒が入ってる!!」
 「毒が?」
 わたしはコップを調べ、匂いを嗅いでから航平くんのカルピスを飲んでみたが何も変わったものがなかった。
 「何にもおかしくないで。」

 ところが、航平くんの口から血が出てきた。
 「あれっ!?航平くん、大丈夫?」
 「ど、毒が。。。な、何か入れなかった?。。。」

 「ああ、焼酎を一滴入れたけど。」香織が言った。
 「あんた、またいたずらしたん?」
 「でも、おねーちゃんに前に飲ませたら、『うまい!!』ってゆーたけん、いつもいれとうよ。」
 「えっ!?香織のカルピスの隠し味は焼酎じゃったんや。」

 「そ、それです。。。その焼酎の成分のアルコールが私には毒なんです。。。」航平くんは死にそうな声で喋った。



 「アルコールは人間には絶対毒にはならんよ。」基にーにーが言った。
 「僕は、東大の医学部を目指しているんじゃけど、アルコールは少量なら体にいいんだ。」
 「そ、そうなんですか。。。じゃ、少し横になっていますね。」
 口から血を出した割りには、基にーにーの説明で落ち着いたようだった。
 そうそう、ちなみに基にーにーは後に、本当に東大の医学部に行くことになるのだけれど。

 しばらくすると航平くんは起き上がってきた。

 「あんた、大丈夫?」
 「う、うん。。。一時はどうなるかと思ったけど。」
 「もう、びっくりさせたらおえんじゃが。あんた、お酒飲むの初めてじゃったんやね?」
 「はあ。。。まさか、犯罪者を処刑するときの毒薬を飲料とするとは。。。」
 「えっ?何か変なこと言った?」
 「いや、独り言。」

 「なあ、酔い冷ましに少し農場、散歩せえへん?」
 「うちも行く!!」
 香織もついてくると言った。
 「航平くん、香織が来てもええ?」
 「あ、ああ。。。もう僕に変なことしないんだったら。」
 「せーへん、せーへん。」



 「ここ、色んな家畜がおるじゃろ?」
 「ほう。。。まだセミと人間しか見たことなかったから参考になるよ。」
 「こっちはポニーのオラシオン、こっちはヤギのミケランジェロ、そしてこっちは牛のキタロー。。。」わたしは順番に紹介した。

 「あっ、セミが落ちとる。標本採集、標本採集。」
 そう言うと、香織は持っていた防腐剤を、まだ生きているセミにブスッと刺した。緑色の液体がセミの体に流れ込んで行った。

 「わっ、わっ、何てことを!!」
 航平くんはショックのあまり、泡を吹いてその場に倒れ混んだ。



 次の日は1学期最後の日、終業式の日だ。

 航平くんは昨晩は気絶していたが、朝には問題なさそうに目を覚ました。

 きょうは授業は午前中に終わるので、昼からは部活のテニスの練習となる。

 「ねえ、航平くん大丈夫?で、きょう、どうすんの?」
 「はは、大丈夫。香織ちゃんて、凶暴なんだね。。。きょうかあ。何も決めてないよ。そうだなあ。。。佐織さんの授業でも見に行こうかな。」
 「はあ?」
 「冗談だよ。僕にとっては初めての夏なので、その辺を探索しておくよ。」
 「了解。じゃ、行ってくるけん。行ってきまーす!!」



 そして終業式が終わり、部活のための腹ごしらえ(自家製梅干しお握り)を校庭の端でしていると、例のポプラ並木の近くに人影を発見した。
 航平くんだ。
 何かを探しているように思えた。

 「ねえ、またセミを探しとるん?」
 「あ、ああ、佐織さんか。うん。。。まあ、そんなとこかな。」
 「セミなら後でいっぱいとってあげんで。熱中症になるから日陰で休んでおいたら。」
 「あ、セミはいいよ。それよか、生き物は大事にしてね。特にセミは。」

 航平くんはわたしが言うように日陰に向かったが振り返り、「そのラケット、くれぐれも大事にしてね。」と言った。

 わたしはその時は、「またラケットを置き忘れないように」と言う意味だと誤解していて気にも止めなかった。





Natsu-12


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August 08, 2016

夏を知らない君へ(2)♪

(妄想ショートショート)



 「ただいまぁー!」

 家に帰ると小学生の妹が玄関に走ってやって来た。

 「おねーちゃん、おねーちゃん、いまな、おねーちゃんに忘れ物って、お兄ちゃんが来とるけん。」
 「は?」

 香織に引っ張られて居間に行くといつもの家族の団らんに一人、見たこともない男子が混っていた。

 「おう、佐織、お帰り。あんな、こちらはお前の忘れ物を届けに来てくれた、航平。。。えーと。。。」
 「航平ゲイツです。」
 「はあ。。。」わたしは何のことか分からなかった。

 「佐織な、お前、校庭にラケット置き忘れて帰ったってな、この航平君が届けに来てくれたんよ。」
 「ラケット?」

 私には命の次に大事なラケット(武士の魂)。置き忘れて帰ることなどあり得なかったが、調べてみると確かにラケットの袋に中身が入っていない。

 「あれ、ほんとじゃが。。。おかしいなぁ、確かに入れたんじゃけど。。。。」
 「取り敢えず、礼を言わんと。」父が急かした。
 「あ、ありがとうございました。。。」

 「せーでな、なんとこの航平くん、何を隠そう実はわしの弟の嫁さんの妹の子でな、我が家に夏休みの間、泊まりに来ることになっとったんじゃが。」
 「はあ?。。。つまり正樹おじさんの奥さん。。。弥生さんの妹さん(会ったことないけど)のこども?」
 「そうそう。」
 「あ、はじめまして、航平ゲイツです。夏休みの間、お世話になります。」




 「あ、その声は!?。。。校庭のポプラから落ちたポプラくん!」
 「ポプラくん?」
 「そう、私がテニスの練習の帰りに仕度しよったら、ポプラの木の上から落ちてきたんよ。」
 「なにそれ?」香織がくすっと笑った。

 「あ、あのときの女の子は君だったんだね。ごめんごめん。あのときはここに来る途中、学校でミーンミーンて木が鳴いていたから、原因を突き止めようと調べていたんだよ。」
 「ミーンミーンって。。。それはセミが留まっていたのね、木が鳴くわけないじゃろ。」
 一同、そやそやと笑う。

 「あっ、そか。。。僕はね、実は、アラスカに住んでいるんだ。母がアメリカ人と結婚して、僕が生まれるとすぐにアラスカに引っ越したので、セミって見たことも聞いたこともなかったんだ。」
 「ふーん。で、なんでアラスカに?」

 「僕の父は合衆国の資源エネルギー庁に勤めていて、僕が生まれたころ、アラスカの資源調査のためアラスカに引っ越すことになったのさ。」
 「寒そう。。。」
 「うん。冬の次に春が来て、秋が来て、また冬になるんだ。」
 「あれっ?夏は?」
 「日本で言う夏はないんだよ。」

 「おにーちゃん、アメリカからって。。。ハーフっていうこと?」香織が口を挟んだ。
 「父がクォーターだから、僕はミックスト。つまりワンエイト。」
 「クォーターのハーフだね。」基にーにー(次兄)が説明した。
 「ほんまじゃが、何となくガイジンぽい気もする。」香織は航平くんの顔をまじまじと見た。

 「香織、そんなにおにーちゃんの顔じろじろ見たらいけんじゃろ。あ、航平くん、アメリカの話、色々聞かせて。」基にーにーは前からアメリカに興味があったのだ。いつかアメリカに行くかもしれないと思っていた。
 「はい。」



 「ま、話は置いといて、母さん、晩ごはんにしよ。佐織も帰ってきたし。」

 と言うことで、その日は航平くんの歓迎会も兼ねて、農場で採れた夏野菜や絞めた鶏など、みんなでワイワイと夕食をとったのである。





Natsu-11


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August 07, 2016

夏を知らない君へ(1)♪

(妄想ショートショート)



 人生で不思議なことはだいたい中学時代に起こっているものだ。

 なぜだかわからないが、たぶん、それまでの自分だけへの興味から、徐々に外界の世界へ、他人へ興味が移って来る年頃であるのと、根本的知識不足。物知りの反対。それらが合わさって不思議な体験として記憶されるのだと思う。

 わたしが初めてUFOを見たのも、幽霊を見たのも、ヒバゴン(岡山県と兵庫県に住むと言う類人猿)を見たのも、ツチノコの脱け殻を見たのも中学生の時だった。

 でもこれらは、後でわたしが大人になって、色々考えてみると、勘違いや誤認だった可能性が高い。もちろん、当時は「見た見た!」と家族や友人に真剣に話していたのだが。

 しかし、本当に不思議な体験をした時は家族にも友人にも話さないものだ。そして、そういう体験は大人になってもどうしても説明が付かない。

 わたしにもそう言う体験がある。



 わたしは中学校のときは東岡山の北の方に住んでいた。
 実家は町から外れた村の中にあり、農場を営んでいた。

 中学校から家までは約2kmで、田んぼや山道を通って通っていた。特に家までの最後の半kmは民家も少なく、沼などがあり、女の子にはちょっと怖かった。

 中学2年生のある夏の夕方だった。

 もうすぐ夏休みを控えたある日の夕方、その日も強化合宿を控え、テニス部の練習があった。やや日が暮れた校舎の端でわたしは顔や手や脚を水道で洗っていた。中学校にシャワーなどないからだ。
 ややひと気の少ない山道を通らねばならなかったので、本当に遅くなるときは父に電話して迎えに来てもらうのだが、7時頃だったのでまだ夕陽が見えていた。

 その日はやや雲があり、夕陽はいつもより弱かった。前の日と同じ時間帯なのにやや暗い。
 その時、水道の水しぶきが飛ぶ辺りに、見たことのないキノコが生えているのに気が付いた。
 「あれっ?こんなんきのうあったっけ?。。。それにしても、あー、ちょっと遅なった。いまから山道かあ。。。変なものが出て来なけりゃいいんじゃけど。」そう言う時の勘は当たるものだ。

 「ドスン!」

 ちょうどそのとき、手荒い場の左手前方10mくらいの校庭の端のポプラ並木の何処かから音がした。結構大きな音だったので人が落ちたような感じだった。

 「ねぇ美咲、今の音なんじゃろ?」

 わたしは近くに同じテニス部の美咲がいるものだと思って話しかけたが、もう人の気配はなかった。そうそう、美咲は一番仲のいい部員で家の方角も同じでいつも一緒に帰っていた。

 「あれっ、美咲、うちをおいて帰ったんじゃろか。。。」

 そんなはずないのになあと思いながら、もう一度さっきの方向を目を凝らして見てみると、地面に何やら黒いものが転がっていた。そして少し動いた。

 「ギヤ〜!!」
と叫びたかったのだが、本当に怖い時には声が出ないものだ。
 それに、あまりにも近過ぎる。
 逃げると言うより、腰が抜けていた。



 「あ痛たたたた。。。」

 し、しゃべった。。。どうやら人で、男の子のようだった。しかし、こんな時間に、あんなところに何やってたんだろう。

 ほどなく、向こうもこちらに気付いた。

 「あ、君。。。ごめん、驚かして。。。でも、あ痛たたたた。。。」

 普通の女の子なら「キャ〜!だれか〜!」と言って教員室の方に走り出していると思うが、わたしは咄嗟にテニスラケットを握り締め、防御態勢に移っていた。向こうが素手なら、わたしが降り出したラケットが脳天に当たれば向こうもタダでは済まないと思ったからだ。

 「あー、服破れちゃった。。。サンプルとウェラブルは大丈夫だよな。。。え、なに?そんなに怖い顔して。」

 よーく見ると、中学生くらいの男子のようだった。不審者ではあったが、取り敢えず危険人物ではないらしい。

 「。。。あんた、何処のクラス?そんなところで何しとるん?」

 「え?。。。ああ、女の子だったんだ。ごめん、実はサンプル採集をしていたのさ。木の上に珍しい寄生植物があったんで。。。そしたらこの通りだよ。」

 「サンプル?。。。キセイ?。。。なんで?食べるん?」

 「調査のため。。。いや、夏休みの宿題さ。僕の故郷ではこういうの見たことなかったから。」

 「故郷?」

 「う、うん。。。あ、それより、じゃましてごめん。僕、もう帰るから。」「あ、けっこう暗くなってきたなあ。。。君、ひとりで大丈夫?」

 「うん。」
 わたしは早くこの場から立ち去りたかったので、「送って行く」とでも言いだしそうだったその男子のお誘いを否定した。



 「じゃあ。」

 彼はそう言うと、わたしの後ろを通って校舎の方に歩いて行った。
 わたしは数歩歩きだし、「あ、そっちは校門じゃないけど。」と言おうと思ってもう一度振り返った時にはその子の姿は見えなかった。

 その瞬間、急に怖くなった。

 ワルじゃないとは話し方で分かっていたが、もしかしたら幽霊だったのかも知れない。

 東岡山にも都市伝説ならぬ田舎伝説、怪奇物語がたくさんあるからだ。




Natsu-10


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August 06, 2016

『祇園八朔』と舞妓はん(4)♪

 自分にとって京都とは何だろう。

 小学生時代の修学旅行は京都だったし、清水寺とか銀閣寺とか金閣寺。
 古い伝統的な街と言う印象だった。

 会社に入ると京都はおとなりの県。
 何回も出かけたものだ。

 イベントとしては祇園祭くらいしか記憶がないが、湯豆腐に、田楽、賀茂なすに万願寺とうがらし、『京のおばんざい』の記憶がある。

 食べ物ついでに言うと、古くから 料亭や小料理屋などへの卸売りで栄えてきた錦市場。やがて不景気で料亭が下火になると、一般客や観光客にターゲットを移した。
 ここでは買い物をしながらおばんざいが食べれると言う凄いシステムがあるだが、「混んで買い物がしにくいどす!」と、肝心の地元のお客さんが市場を敬遠するようになってしまった。

 そこで市場の混雑解消のために今年5、 新たな対策が打ち出されたらしい。

 イートインスペースというのができて、この市場で買ったものならタダで高級和室で食べれるらしい。
 商店街も生き残りをかけて、日々進化しているのだ。



 京都の別の側面としては『伝統産業』。

 京都は平安時代から江戸時代まで1000年の長きにわたり、都であり続けた。そのため、都には様々な人が集まり、長い歴史のなかで独特の文化を作り上げてきた。

 この独特の文化を支えるために大きな役割を果たしたのが京都の伝統産業だ。

 伝統産業とは伝統的な技術と技法で,日本の文化や生活に結びついている製品などを作り出す産業のことで、その高い技術は京都だけにとどまらず、日本の文化を形作るうえでも重要な基礎となった。

 長い歴史のなかで、京都は戦乱によって町の大部分が焼失したり、都が東京へ移ったりするなど大きな苦難や変化を経験した。しかし、町を愛し、伝統産業を守り続けた多くの職人さんたちによって、伝統産業は今日に受け継がれているのだ。

 京都市では、京都市伝統産業活性化推進条例(平成17年施行)に基づき、条例第2条に規定する京都市の伝統産業について、京都市伝統産業活性化推進審議会の答申を受けて74品目を京都市の伝統産業に決定している。


 
 しかし、その『伝統産業』もいくつかは廃業の危機。

 『巽橋』を辰己大明神から渡ってすぐのところに和服っぽい洋服屋さんがあるが、実はこの店は京友禅を洋服の図柄に生まれ変われさせることを企画しているものだ。

 鶴や松など、伝統的なおめでたい柄が友禅には存在するが、着物離れは止まらず京友禅は生産量が激減していた。それを洋服にデザインするお店だ。

 ほかには、和傘の西堀さん。
 『サキどり』という番組で紹介されていたが、和傘を継いだ時には年収100万円で廃業寸前だった。
 この和傘の技術を存分に生かしたものはできないかと、照明のシェードを作り上げた。京都発の斬新なデザインはフランスなどのバイヤーの注目を集めて次々に契約が成立、僅か5年で年商が50倍の5,000万円を売り上げるまでになった。



 京の伝統産業といえども、何も工夫をしなかったら廃業してしまう。

 実は現代繁栄している産業も、100年後には伝統産業と呼ばれるかもしれない。

 日々のイノベーションが必要なのだ。






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