December 05, 2016

妄想結婚式(中編)♪

(妄想ショートショート)



 失神したと書いたが、実際は立ち眩みのちょっとひどい程度だった。「ふー。」とため息をつくと、わたしは完全に意識を取り戻した。

 「あ、おとん、大丈夫かあ?」
 「お客様、大丈夫でございますか?」
 「あ、ああ。。。きのう、あまり眠れなかったもんで。。。それよか、いとし、その『おとん』はやめてんか。これからはお父さんのことは『パパ』と呼ぶように。」そう言いながらわたしは手をついて椅子に戻った。

 「わかった。。。プァプァ。。。パパ。」
 「なんか、こそばいな。それから女らしい言葉使いをするように。」
 「いやだわ、パパーん。。。こんな感じ?」
 「なんか違うけど、前よりましやな。」

 「あのー、時間も押しているので、これから親族の紹介に移ります。新郎のお父様から順に自己紹介してください。」係の人が苦笑いしながらせっついてきた。

 「では、わたしから。わたしは新郎の父の。。。」わたしはそう言い掛けたが、先方の父親も今から話そうと立ち上がっていた。
 「あ、すいません。わたしんとこは新婦やった。」
 また間違えた。うちの息子はきょうからは娘だったのだ。



 先方の自己紹介が全て終わったあと、新婦側の順番になった。

 「えーと、愛(あい)の父親の英一です。きょうから息子は娘。。。あ、いや、ふつつかな娘ですが、よろしくお願いします。」わたしは失神の後遺症もあったので、最もシンプルに自己紹介した。

 次に家内、そしてわたしの兄弟と次々に親族が自己紹介していった。

 「ではご両家のみなさん、ただ今から式場に向かいます。二列になって私についてきて下さい。」係の人が慌ただしそうに指示をした。

 式場は教会だった。わたしは特にキリスト教を信奉しているわけではなかったが、わたしが娘を息子として育てることを決意したときから家内がキリスト教信者となった。よほどこの世の終わりを感じたのだろう。

 親族が順番に座ったあと、子供の会社関係、同僚、友人などが会場に入ってきた。そんなに広くない教会は瞬く間に人で埋め尽くされた。

 五分ほど待つと、司会者の女性が挨拶し、新郎新婦の入場となった。



 「あのー、新婦のお父さま。花嫁の介添人の柳本と申します。バージンロードの付き添いにすぐいらしてください。」
 「あ、そやった。忘れとった。」
 わたしは慌ててバージンロードから外へ出ようとしたが彼女に止められた。バージンロードは花嫁が最初に歩くのだそうだ。

 「もう、パパ、何やってたんよ!!」
 「ごめんごめん、ついうっかりしとったわ。」
 「では愛さま、お父様、参ります。」

 音楽が鳴り響き、わたしは愛の手をとった。扉が開き、バージンロードの上にやって来た。パシャパシャとフラッシュの光が眩しい。

 「あれっ!?」
 会場はどよめいている。わたしのあとに引き続きやって来た新郎を見たときは更にどよめきが大きくなった。

 「あれーっ、俺たち会場間違えたかなあ。」
 「彼、いとしじゃねーよな。」
 「でも、あのお父さん、いとしのおとんやけどな。」

 そんな中、新郎新婦がバージンロードを歩ききったところでこちらを向き、愛が司会者のマイクを渡すように合図をした。



 「みなさん、本日は私たちのために来ていただき誠にありがとうございました。」
 「さて、わたくしごとになりますが、わたしは昨日までは男子の『いとし』として生きて来ましたが、きょうからは本来の戸籍通り、女子の『あい』になります。宜しくお願いします。」

 「ええーっ!!」
 「なんじゃそれは!!」
 「おれ、聞いてねーぞ!!」

 案の定、会場は大騒動になった。愛の勤めているIT会社の社長には伝えてあるが、他は親友さえも今日まで知らなかったはずである。

 「みなさま、静粛にお願いします。」司会者が場を静めた。

 来賓の皆さんは気持ちが相当動転していた様だったが、取り敢えず式は終わり、愛たちは女性バイオリン奏者が美しい旋律で先導するなか、フラワーシャワーのために会場の外に出ていった。




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December 04, 2016

妄想結婚式(前編)♪

(妄想ショートショート)



 そしていよいよ息子。。。いや、娘の結婚式の朝が来た。
 ほんと、この日が来るまでは大変だった。

 わたしは小さな電機会社を神戸で経営している。後継ぎとして男子を期待していたのだが生まれてきたのは女の子。わたしは世間に隠し、娘を男子として育てた。

 名前は「愛」。もちろん本名は「あい」であるが、「いとし」と言うことにしてある。

 体つき以外は全て本物の男子にするため、空手を習わせ、ボーイソプラノを学ばせ、スカートめくりを推奨し、電車や家のソファでは大股を開いて座るように教育した。

 お陰で今日呼ばれる友人もほとんど全て男子だ。
 息子は実は女子であることを知る者はいないと思う。
 きょう、披露宴で大パニックにならなければいいが。。。



 息子、いや娘が選んだのは北海道から来た美少年。
 彼はコスプレで女装するのが好きで(見た目には男子には決して見えない)、コスプレイベントで息子(愛)が一目惚れして声を掛けたと言う。

 後で息子が実は女で、北海道の彼女が男と分かり、お互い大笑いしたと言う。すっかり意気投合した二人は知り合ってから一年後、きょうのめでたき日を迎えたわけだ。

 娘は急遽だったので髪は短かった。なのできょうはカツラにしたそうだ。

 今朝は大事な日だったが悪夢にうなされ脂汗を流し、起きるのが遅くなった。

 バタバタと朝食をかきこみ、シャワーを浴び、家内を髪結いに行かせた。わたしもタキシードを慌てて着こんだ。

 きょうのイベントのまず最初は「親族の顔見せ」と言うことだ。
 ほとんどぎりぎりセーフで親族待合室に駆け込んだ。



 「ではみなさん、これから親族の顔見せを行います。別のお部屋になりますので、私についてきて下さい。」ホテルの担当者が顔見せのための専用室に連れて行ってくれる。

 ウェディングドレスを着てるはずの息子(愛)はまだ来なかった。顔見せのときに来るらしかった。

 そして親族がわたしを先頭として順番に対面式の椅子に座って行く。

 全員が座って暫くすると扉が開き、新郎新婦が入ってきた。

 「えーと、息子はどっち?。。。」
 わたしは頭が混乱し、どちらが「愛」かすぐには理解できなかった。

 「なにゆっとんや、おとん。わいがいとしや。。。あっ、きょうからあいやった。」彼、いや彼女は照れくさそうに頭をかいた。
 もちろんと言うか、口を開いたのはウェディングドレスに身を包んだ新婦の方だった。

 わたしはショックのあまり、頭では理解していたつもりだったが気を失ってしまった。




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December 03, 2016

ホテル阪急エキスポパークに泊まる♪

 明日はいよいよ親族の結婚式。

 と言うことでホテル阪急エキスポパークに前泊する。

 最上階の部屋から見えるのは『太陽の塔』と、ららぽーとの日本最大の観覧車。

 晩ご飯は子供と義理の弟夫婦と一緒に摂った。

 弟夫婦はお子ちゃまと一緒に東京から駆けつけてくれた。

 久し振りに再会し、楽しいひとときを過ごした。




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December 02, 2016

やっと色付き始めた御堂筋のイチョウ♪

 世間では黄色を通り越してかなり散り始めているイチョウてあるが、御堂筋の有名なイチョウ並木は今週やっと色付いたと言える。

 それでもまだまだ青い夏の葉っぱで頑張っている木もある。

 大都会の真ん中と言う特殊な環境のせいなのか、養分や水分の関係なのか分からないが、とにかく御堂筋のイチョウは紅葉が遅いので有名だ。

 御堂筋のイチョウが黄色に染まったら文句なく秋も本格的に深くなったと言うことだ。




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December 01, 2016

「神ってる」、「かみってる」♪

 今年の流行語大賞は「神ってる」だそうだ。

 野球業界で生まれたものだが、「神がかっている」の省略形なのだろう。

 この「神ってる」、発音だけ流用すると色々使えそうだ。



(例1)

 社員A 「あれ?山川課長はどこ?」
 社員B 「ああ、いま谷岡部長に『かみってる』ところだよ。」

 「かみってる」=噛みついている


(例2)

 学生C 「あー、なんか風邪引いたみたいや。」
 学生D 「ここで『かみっても』ええよ。」

 「かみってる」=鼻を紙でかむ


(例3)

 女子高生E 「あんたきのう、『かみって』きた?」
 女子高生F 「うん、三センチくらいね。」

 「かみってる」=髪を切っている

(例4)

 兵士G 「こいつをしばいて喋らせよう!!」
 兵士H 「なんだこいつ。。。舌を『かみってる』。」

 「かみってる」=噛んでいる、噛みきっている


などなど。




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November 30, 2016

梅田のクリスマス商戦本番間近♪

 先週あたりから、梅田界隈の商店街のクリスマスのオーナメントが完成したようだ。

 ホワイティうめだはクリスマスツリーが至るところに置かれ、阪急百貨店の近くの地下には断面にされたスノーマンが居座っている。「断面スノーマン」の中には各種プレゼントが詰まっていた。

 そうそう、日本語の「プレゼントする」に対応する英語はpresentではなくgiveだ。presentは日本語のような日常的プレゼントには使用せず、もっと公式な場合に使われる。



 阪急百貨店の梅田本店はクリスマスツリーはまだのようだがその他の飾り付けは完成形になっているようだ。

 飾り付けが始まったのはハロウィーンが終わった次の日から。

 アメリカやカナダでは『感謝祭』(サンクスギビングデー)と言うのがハロウィーンとクリスマスの間に来るのだが(11月第4木曜日)、日本にはそう言う習慣・イベントがないのでクリスマスが直接来るわけだ。

 感謝祭はわたしも参加したことがあるが、興味深い祭なので明日にでも触れることにする。





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November 29, 2016

宇宙活動法により宇宙の民間利用促進♪

 御堂筋では、まだ青々しくイチョウの葉っぱが繁っている木もあるが、関西のかなりの地域ではイチョウが黄色く色付き、更には散り始めている。

 晩も徐々にしんしんと冷え始め、本格的な秋が近づいて来たことを実感するきょうこの頃。

 さて、今月、日本で『宇宙活動法』が成立した。

 これは、打ち上げが失敗したときのロケット会社の損害を低くしたり、宇宙からの高解像度画像がテロリストに渡らない様にする法律だ。

 これにより、民間の人工衛星打ち上げなどが大幅に加速されると言う。

 アメリカでは30年も前にすでに同様な法が成立しており、スペースX社(テスラのイーロン・マスク氏経営)などの民間会社がロケットを打ち上げて、例えば国際ステーションに物資を運んでいる。

 日本は宇宙開発技術は世界トップクラスだが、民間利用が進んでいなかった。これからは参入する会社も増えてくるだろう。

 ところで、日本には「リアル下町ロケット」と言うか、従業員20名にも満たない小さな町工場が宇宙開発で世界的にも注目されていると言う。



 その町工場は北海道にある。

 『植松電機』と言う、金属の廃材を選別する電磁石運搬機などを作っている会社だ。
 その取締役の植松努さんが突然「ロケットを作ろうぜ!!」と言い出した。何のノウハウもなかった会社だったが、10年後、NASAやJAXAがひっきりなしに訪れるほど有名な会社になった。

 努さんは小さい頃、飛行機や宇宙、ロケットへの夢を持っていたが先生に話すと、「あはは、そんなんおまえさんの頭では無理。それに東大に行かなくちゃむりだべ。でも、わが校から東大行ったやつおらんし。」みたいな感じで夢を潰された。
 「ライト兄弟は東大出てへんけど飛行機飛ばしたし。」努さんは思った。

 それでも母は「思うは招く」と、夢を持ち続ける大事さを説いた。

 努さんは流体力学などを独学で勉強し東京で航空機設計の仕事をしたが、やがて北海道に帰り、父の経営する『植松電機』に入ることに。

 そして仕事が軌道に乗ったある日、「ロケットを作ろうぜ!!」と言い出す。

 宇宙開発は何億円どころではない、何百億円もかかる事業だ。それに植松電機の従業員は中卒もいるし、ましてやロケットの専門家はいない。それでも北海道大学と共同し、2005年には小型ロケットの打ち上げに成功してしまう。『リアルロケットボーイズ』だ。
 民間企業初の人工衛星も飛ばしてしまう(自社ロケットではないが)。

 ロケットから人工衛星まで丸ごと自分達で作ってしまうのだ。

 今や「微小重力発生装置」など、世界に三台しかない装置も自作し持っている。

 彼らが主力とするのはまだ小型ロケットであるが、数十万円で作っている。国がやったら何千万、何億円の仕事でも、コストを減らすアイデアがあるのだ。

 それにしてもほんと、夢を持ち続けるといつかは叶うと言うことだ。




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November 28, 2016

本当は拾っては行けない、怖ーいどんぐり♪

 秋と言えばどんぐりの季節。

 公園にお子ちゃまを連れていくと夢中になってカシの木のどんぐりを拾い始めるのではないだろうか。

 それにママも参戦。

 いくつ拾えたかを家にかえってお子ちゃまと一緒に数えたりする。

 微笑ましい風景だ。

 ただし…、どんぐり拾いは気を付けないと後で怖ーいことになる。

 「大変なものを持ち帰った」と後悔するのだ。



 どんぐりの実の中には、実は昆虫が卵を生んでいるのだ。

 春になるとふ化し、「白いイモムシ」がうようよ、ぞろぞろと出てくる。
 エイリアンが人間の胸を食い破って出てくるように、どんぐりの殻を食い破って出てくるのだ。キモーーー!!

 どんぐりを机の中にでも入れとこうものなら、春になるとイモムシの巣になり、やがて成虫が這い出してくる。

 対策としてはどんぐりで遊ぶ前に煮る、冷凍する等が有効だと言う。

 本当は怖いどんぐりだったのだ。




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November 27, 2016

雨の神戸♪

 きょうは買い物に出掛けなければならなかったが、外は朝からどしゃ降りの雨。おまけに山の手のわたしのところは濃霧。車に気を付けながら出掛けることにした。

 予定では三宮と元町に行くつもりだったが、雨と疲れのため三宮界隈で用事を済ませた。

 雨の日に思うのだが、三宮センター街はアクセスが不便である。

 阪急神戸三宮駅からセンター街の入口が目の前にあるにもかかわらず、雨の日は傘が必要になる。
 仕方ないので一旦サンチカに下り、そごうの地下入口を越えて三井住友銀行の階段から上がらなければならない(他にもルートはあるが)。

 お陰で雨のサンチカはものすごい混みようである。



 元町の大丸も雨の日は不便だ。

 一応、『地下鉄海岸線』の大丸前で降りれば三宮から雨に濡れないで行けるのだがわたしは使ったことがない。

 理由は簡単、地下鉄料金が滅茶苦茶高いのだ。

 JRや阪神電車なら三宮から元町まで120から130円で来れる。しかし、地下鉄だと210円もかかるのだ。

 大阪市の地下鉄も以前は1区200円と高かったが、橋下さんのお陰で今は180円だ。神戸市の公務員の給料は高いと聞く。バスの運転手でさえ、年収1000万だとか。

 それゆえ、雨の日はそもそも大丸に行かないのだ。

 神戸そごうが阪急百貨店に買収されるが、アクセスから言うと大丸よりそごうの方が断然有利である。




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November 26, 2016

早朝テニス♪

 きょうは初めてのうちの部署のコートでの早朝テニスに参加した。

 知り合いが誘ってくれたからだ。

 天気は快晴、メンバーはわたしを入れて全部で五名。

 四時間ぶっ通しで試合をした。

 流石に帰ると疲れてバッタンキュー。

 あまり寝ては行けないところで寝てしまった(;^_^A




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November 25, 2016

久し振りの枚方♪

 きょうは、久し振りに枚方(ひらかた)地区に出張だった。

 NIMS(国立の物質・材料研究機構)のMI(ミッション・インポシブル。。。じゃなかった、マテリアルズ・インフォマティックス)の講演を聞くためだ。

 今、科学が大きく変わろうとしている。

 20世紀までは、理論から出発して考える「演繹法」と、実験から法則を導き出す「帰納法」が科学の手法であった。
 これらはあくまでも人間の直感が原点である。

 それに対し、最近の新しい手法はコンピュータの大幅な進歩により、サイバー空間で理論から計算で結果を予測するものであり、「計算科学」と言われる。

 更に新しい手法、第三の方法がマテリアルズ・インフォマティックスと言われるものだ。



 第二の方法までは、「偶然優れた材料を発見」する手法であるが、第三のものは、「この材料が全ての組み合わせの中で最も優れていることを実証」する方法で、もう、「偶然の発見」は有り得ず、「計画された発見」と言うことになる。

 そのためにデータマイニングなどの情報科学、統計学が駆使される。

 宇宙人との遭遇に例えてみる。

 将来、人類がワープ可能な宇宙船でたまたま訪れた恒星系に人類より進んだ文明があったら「大発見」であろう。これが従来型の研究手法。

 もし、予めこの宇宙で最も進んだ文明がある場所が分かっているとして、そこに行くだけのことが第三の方法である。

 このマテリアルズ・インフォマティックスはアメリカ生まれなのでアメリカが最も進んでいるが、やがて韓国、中国等が追い上げてくることだろうとのことだ。





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November 24, 2016

計算科学の成果のミニ報告会♪

 わたしはいわゆる「分析屋」でもあり、「材料技術者」でもある。

 もちろん、「妄想小説家」でもあることは言うまでもない。

 さて、材料技術の世界では近年、急速にコンピュータの利用が浸透してきている。
 そのもっとも典型的なのがものが『計算科学』と言われる分野だ。

 計算科学とは、実験をしないと分からない物性、反応性等をコンピュータの中でやってしまうことだ。実験器具、実験装置、薬品などは不要で、ワークステーションと「シュレーディンガー波動方程式」を多少理解できる人間の脳さえあれば答えが出る。

 わたしも取り組み始めたのが昨年からだが、今は高性能科学計算ワークステーション、最新の第一原理計算ソフト等を揃え、本格的な運用をしている。



 昨日は計算科学の成果のミニ報告会をやった。

 この分野は新しく、わたしの報告を聴いてもポカンとしていた人が多かったのに違いない。

 今でこそ新しいが、五年、十年もすれば、ビジネスマンにとってのエクセルソフトのように、かなりの材料技術者が平気で計算科学をやる日がくると思う。

 昨年だっただろうか、高温超伝導の新しい材料が見つかり、その構造が不明だったが、大阪大学と金沢大学の計算科学屋さんが見事、構造を理論的に第一原理計算で解析することに成功し、大ニュースになった。今年、ネイチャーにも投稿されている。

 こう言う先端的材料開発には今後、計算科学が不可欠の技術になっていくはずだ。




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November 23, 2016

阪急三番街を久々に歩く♪

 きょうは、土曜日以外では久々のテニスを大阪でやった。

 朝から窓の外をピューピューと六甲おろしが吹き付けていた。天気も厚い雲が垂れ込んでいた。多少迷った末、雨は降らない予定なので部署のコートに出掛けた。

 2時間練習したあと、宝塚から来た連れと「どこかで昼ごはんを食べて帰ろう」と言うことになった。

 すぐ近くに『王将』はあるが、たまには違うものがいいと言うことで、取り敢えず梅田に出ることに。

 大阪駅伊勢丹地下の『バルチカ』は人工的飲み屋街であるがランチもやっている。そこにする手もあったが、そこを抜け、帰りに近い『阪急三番街』に行ってみることにした。



 久し振りに阪急三番街に来ると、どんな店があるのかさっぱり分からない。

 でも、「ぼったくり」、「何処にでもある」、「お年寄りばかり」、「子供が多い」、「油っこい食材の」店は外した。

 さらに、「混んでいる」、あるいは「空きすぎている」店も除外した。

 ぐるりと回った末、海鮮丼の店に決定。

 『堂島とろ屋』と言う、新鮮さではピカイチの店らしい。堂島ご本店であるが、三番街と二店しかないと言う「稀少さ」が良い。
 メニューを見るも、もっとも無難な定番の海鮮丼を注文。

 期待通りの美味しさで大満足な休日だった。




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November 22, 2016

未来への課題先送り♪

 政治の世界でも、自治体でも、会社でも、家庭でも、「未来・将来への課題先送り」はよくやることだ。

 今話題の、「政治をエンターテイメント」にしてしまったトランプ氏の政策案も典型的な課題の未来先送り型だと言える。

 断っておくが、わたしはトランプ氏を否定していない。

 安倍さんのような「プロの政治家」でさえ、練りに練ったアベノミクスを失敗させた。このグローバル低成長の時代、どこの国の政治家も経済学者も打開策を見いだしていない。

 どうせ誰にやらしても駄目なら、思い切り異端児にやらせるのもいいと思うのである。
 少なくとも未来の政治家はトランプ氏の成功、あるいは失敗を学ぶことができる。



 それにしても、型破りなトランプ氏でさえも、やはり「課題先送り型」から抜けていない。。。いや、むしろ思い切り尖鋭化させているように思える。

 課題の先送り方式は非常に楽ちんなので世界の政治家がよく使う手法だ。人間、「いま、そこにある危機」は見えやすく対処するが未来は見えにくいものなので。

 「課題先送り型」に関し、トランプ氏の政策案で典型的なのが、「パリ協定離脱」である。

 そりゃ、二酸化炭素出し放題でいいなら生産のコストはかからず、儲けは多くなる。産業は発達する。
 しかし、50年後、100年後の世代は今撒いた種を刈り取らなければならないのだ。重圧が彼らに大きくのし掛かる。



 減税で企業(法人税)、エスタブリッシュメント層、中低所得者層を一時的に喜ばせるが、結局は資金源として国債の増刷に結び付き、トランプの後継者の頃に火を吹くのである。

 また、TPPを離脱宣言をしたが、一時的に雇用が良くなっても、輸出型企業の減速、関税により消費者が高いものを買わされるなど、全体としては経済を発展させることはできないたろう。

 人間がいかに「課題先送り型」に騙されやすいかよくわかる。



 個人の次元の話でいえば、老後の問題、親の介護の問題も「課題先送り型」になっているのではないだろうか。

 最近の若い人は「厚生年金保険」を払わない人が増えているという。
 これも今を大事にし、将来は考えない「キリギリス型思考」だと思う。

 そういう意味では、クレジットカードによる買い物も「課題先送り型」の一種だと言えなくもない。




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November 21, 2016

「パパ、きょう、ねこいなかったね。」♪

 朝の各駅停車の電車のなかでのこと。

 座席の端に座ってスマホでニュースを読んでいると、となりで立っていた父娘の何気ない会話が耳に飛び込んできた。

 「パパ、きょう、ねこいなかったね。」

 「あっ、そう?」

 「ねこ、どこかに連れていかれちゃったのかな?」

 「そんなことないと思うよ。」

 ちらっと見ると、小学生のパパッ子らしき女の子とスーツを着たサラリーマンパパがいた。

 あまりジロジロ観察するわけには行かないので、一瞬で見抜く。



 そうそう、「ジロジロ」で思い出した。

 パリの地下鉄の禁止事項のなかに、「人をジロジロ見ない」と言うのがある。パリのメトロは対面座席が多いので、居合わせた人をついつい見てしまう。
 特に美人はジロジロ見られやすいので迷惑がっているそうだ。
 つまり「美人をジロジロ見ない」である。

 ついでに言うと、その他のメトロの禁止事項は、「車内で化粧をしない」(化粧はお風呂上がりにするものと言う認識がフランス人にあるので入浴をイメージさせる。絶対禁止事項)、「お年寄りや女性に席を譲らない」、「荷物を床に置く」、「駆け込み乗車」などだ。

 日本では駆け込み乗車、携帯電話での大きな声での会話、席を譲らない等だろうか。



 話のつづき。

 「パパ、あの塔の上に白黒のねこがいるんだよ。」

 それからしばらく走ってのことだ。わたしも女の子の指差す方を見てみたが、駅のない、電車が通過する区間で、この速度から小さいねこの存在が分かるとは思えない。

 「ふーん。」パパが応えた。

 おいおい、いくら小さい娘だと言え、甘やかすのはよくない。
 あんな高いところにいるなんて、置物か、布団か、パンダか、魔女のねこジジの見間違いじゃないのか。あるいは妄想少女か。
 妄想を肯定すると、更なる妄想少女になってしまうのだ。

 せめて、「見間違いかもね。」とか、釘をさして欲しかった。

 わたしが大きな疑問を抱えていると、その父娘は次の駅で電車を降りた。

 果たしてそこに本当に白黒のねこがいたのか、永遠の謎である。




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November 20, 2016

今年の錦織圭の活躍♪

 きょうのツアーファイナルの準決勝「錦織対ジョコビッチ戦」は錦織がストレートで負け、残念な結果であった。

 錦織は、予選ではバブリンカを素晴らしいテニスでストレートで下し、非常に期待が持てたが、この準決勝では「錦織、やる気ないんか?」と思うくらい自爆ミス、イージーミスの連続だった。

 これでジョコビッチとは11敗2勝になると思う。今年は6回くらい対戦しているが全て負けている。

 それでも彼自身としては、マレー(全米オープン準々決勝)やナダル(オリンピックで彼に勝って銅メダル)に勝てた年なので悪くなかったと言えよう。
 オリンピックでは日本のメダルは96年振りだった。

 引き続き来年以降が楽しみだ。



 錦織圭がスポーツ界に与えた影響は小さくない。

 日本ではテニスクラブが勢いを取り戻し、テニススクールも活況だと言う。ラケットやテニスウェアもたくさん売れていることだろう。

 わたしの勤務する構内でも今年新たにテニスコートができたことでもわかる。

 また、わたし自身も今までやらなかったシングルスを時々やるようになった。と言っても、テレビで観るようなスマートなラリーではないが。

 ただ、シングルスをやると次の朝はバッタンキューだ。
 10時くらいまでは起きたくなくなる。

 それでも、運動をやるとやはり体調がいいので、中々やめることはないだろう。





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November 19, 2016

ボジョレー・ヌーボーの白♪

 毎年11月の第三木曜日は『ボジョレー・ヌーボー』の解禁日だ。

 早速、梅田の百貨店に寄ってみる。

 「あ、お客さん、今年は珍しい白のヌーボーありますよ!!」

 「えっ!?、ボジョレー・ヌーボーに白なんてあったかな。。。」わたしは独り言を言いながらそれを試飲した。

 「どうです?フルーティーで美味しいでしょう?」

 「ほんとやね。よっしゃ、一本頂くわ!」

 よろこび勇んで家に帰った。



 家に帰り、『ボジョレー・ヌーボーの白』についてくぐってみる。

 すると。。。

 「ボジョレー・ヌーボーには赤しか存在しない。フランスの法律で決められている。」と書いてあった。

 では、わたしが買ったのは…

 どうやらフランスの南部の白の新酒(ヌーボー)らしい。ボジョレー地区のではないが、美味しいのは事実なので安心した。




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November 18, 2016

リアル『神田川』(最終回)♪

 「三畳一間の小さな下宿」で三年間暮らしたわたしは、やがて大学院を卒業し社会人となり、関西の世界的企業に就職した。

 やっと大人になったと言うことだ。

 就職当初は、教授とテニスをするために月に一回のペースで研究室を訪ねた。社会人が手ぶらで行くのは失礼だと思い、毎回ではないが教授、助教授、助手の先生にはウイスキーをお土産に持っていった。

 就職最初の夏、実家で採れた大きなスイカを持って下宿を訪ねた。

 大家さんが出てきて「ありがとう」と言ってくれた。
 そうそう、大家さんは35歳くらいで背が高く、中々のイケメンだった。奥さんも若く、小さな子供がいた。

 わたしは簡単に関西で就職したことなどを報告してした。

 その後、次の年だったが、もう一度スイカを持って挨拶に行ったが、関西での仲間も増え、あまり大学や実家には帰らなくなった。

 大家さんに会ったのはそれが最後だと思う。



 もう20年以上も下宿を訪ねていない。

 下宿は強固な木造だったが、流石に古いので今はもう立て替えされているはずである。

 アパートになっているか、大家さんが下宿を止めて潰して花壇か畑になっているかもしれない。

 いつか機会があったらもう一度、下宿があったあたりを訪ねてみたい。

 もう、「三畳一間の小さな下宿」はわたしの記憶の中にしか存在していない。





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November 17, 2016

リアル『神田川』(4)♪

 三畳一間の『神田川』生活における食生活について書く。

 月曜から土曜の朝、昼、晩は学食があるので栄養もバランスが取れているし心配いらなかった。

 朝ごはんは味噌汁や卵、海苔や漬け物が付いて120円、昼ごはんは定食が二種類あって210円、晩ごはんが220円だ。
 一日あたり550円。月に25日あるとして、14000円弱。

 月の食費をこれくらいで納めたかったので、下のように工夫した。



 あるスーパーの中にパン屋さんがあって、パンの端(耳ではなく)を三斤30円で売っていた。

 それを買ってきて祝日や日曜日の食料にするのだ。

 大体金曜日か土曜日に買ってくると、日曜日の三食と土曜日の学食が浮く。
 更に月曜日や火曜日の朝ごはんも賄うことで更に浮く。
 浮いたお金を牛乳などの飲み物代に当てるのだ。

 しかし、水曜日ともなるとそろそろカビが生えてくるので潔く捨てた。

 ほんと、わたしの体はパンと若干のカビでできていたのだ。

 会社に入ってから、そのパン生活の反動で殆どパンを食べなくなった。
 レストランで「パンにしますか、ご飯にしますか?」と聞かれると必ず「ご飯」と応える。
 これはご飯党と言う訳ではなく、パンの耳を食べ過ぎたせいなのだ。



 実験で忙しくない週は土曜日の晩に実家に車で帰り、月曜日には実家で調達した食料品を持って下宿に帰る。

 実家には野菜や果物が食べきれないくらいあったから、ビタミン欠乏症にはならなかった。

 パンの耳を除けば、それほど悪い食生活は送っていなかった。




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November 16, 2016

リアル『神田川』(3)♪

 「三畳一間の小さな下宿」に住んでいた下宿人について書く。

 そもそも部屋は3つ位しかなかった。

 わたしが下宿を始めた時に住んでいたのが「神田」と言う人だった。まさに「リアル神田川」に相応しい名前だった。

 彼は非社交的な人間だったので、わたしと話すことは殆どなかった。

 次に住み始めたのが「ワッキー」だ。

 同じ学科の同級生で、彼が家から通うのがしんどくなったとき、わたしの下宿の「超コストパフォーマンス」に感激し、住み始めたのだ。



 ワッキーは将棋が好きだった。

 夜遅くまで彼の部屋で将棋を指すことも多かった。

 やがて神田さんが下宿を出たとき、ワッキーは彼の部屋も追加で借り、3+3=6畳にして暮らしていた。結構な広さだった。

 わたしが住みはじめて約一年後、ワッキーは高校の教師となり、下宿を後にした。

 わたしは大学院に進んだので、あと二年、この「三畳一間の小さな下宿」に住み続けたのであった。



 次回は食生活について。

 パンの耳だけではたして何日暮らせたか。。。




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