薄い機械の表面を指でつっついたり、なでるだけで
地図を見れたり、店に行かず買い物をしたり
CDやMDなしで音楽を聴ける。

空飛ぶ車どころか、リニアモーターカーもまだ導入されてませんが
10年前と今を比べてみると
すでにSF世界に突入してると思うんですよね。

今月のCOURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2010年 02月号は、
「次の、ITライフ。」という特集を組んでいます。
今回、レビュープラスさんから書籍を献本していただきました。
ありがとうございます。

COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2010年 02月号 [雑誌]

mixi、Amazon、iPod、ブログなど
10年前はなかったものが飛躍的に身近になったことを考えれば
表紙に書いてある「ツイッター、iPhone、キンドル」に続くモノが
すでに動いていてもおかしくないんですよね。

テクノロジーの進歩にワクワクした反面、
日本の行く末にちょっと危機感を抱きました。
印象に残った記事を以下に書いていきます。
■一億総スカウター装着時代

通勤電車でiPhoneを使ってる人の数が、
ここ数ヶ月で飛躍的に増えています。

自分でも使ってみて驚いたのは、その手軽さと多彩さですね。
ひとつでPC、mp3プレイヤー、電子書籍といったマルチな機能を持ち
使用者の好みでアレもコレも機能(アプリ)追加ができて、
さらに本書で取り上げられているTwitterとの相性も抜群です。

特に興味深いのは、ゴーグルを通して街を見るだけで
レストランのメニュー、ATMの場所、マップのナビが表示されるという
「拡張現実」の記事ですね。
紹介されていた拡張現実iPhoneアプリ
「セカイカメラ」の使い勝手はイマイチでしたが、
今後進化していけば、ドラゴンボールのスカウターみたいに
街や人の情報を次々と表示する便利なアプリが登場するかも。

これなんかはあると助かる機能ですね。
拡張現実技術を利用し、何をどうすればマシンを修理できるか教えてくれるゴーグルが開発中 (GIGAZINE)
携帯電話の代わりに、こんなのを皆が持ち歩くようになったら?

10年後はどうなっているか、誰にも分かりません。

■個人的テーマ「欧州の労働」


もうひとつ興味深く読んだのは、
欧州の労働と制度に関する諸々の記事です。
25歳以下の若者の失業率が42.9%というスペインや、
労働時間を調節することで、不況下でも解雇を最低限に抑える
ドイツの知恵など、同じヨーロッパでも多種多彩です。

特に面白いのはフランス。
少子化対策が着実に効果を挙げ、出生率が増加しているそうです。
キーになっているのは、移民受け入れと、子育て世代の支援制度とのこと。
日本でも外国人参政権や移民受け入れ、子ども手当など
関わりのある話題が最近増えつつありますね。

ただ印象に残ったのは、
「フランス人の10人に7人が現金給付の家族手当よりも
託児施設の充実化を望むと回答している」という一節です。
なるほどいくらお金があっても、
両親が遅くまで仕事、託児施設もなくては、子育ては無理でしょう。

数ヶ月前のクーリエで、東南アジアから受け入れた看護師が
待遇の悪さに帰国してしまうという記事がありました。
移民にせよ子育てにせよ、システムなくして機能するでしょうか?
日本に求められているのは、まず機能だと思います。

なお、同じフランスの記事で
労働時間を週35時間に規制したら
税収が7年間で2兆円も下がり、批判が出ているという
相反するような記事も載っていて、思わず笑いました。
ゆとりがあるだけじゃ、国家は成り立たないんですね。

■裏テーマは「斜陽の日本」?

今回は今まで以上に、
日本の弱点が目立った号ではないかと思います。
日本のマイナス面を強調する記事が多かったこともありますが
迫り来るITの波に対して、日本がどう対抗するのか見えてこなかった。

毎回楽しみにしている、「世界から見たNIPPON」で
「日本の隠れた中堅企業は世界シェアを独占し続けるか」
という長文コラムが載っていました。
世界のシェアを独占してきた中堅企業の優位性、専門性が
アジア諸国の技術アップ、日本企業の閉鎖性などによって
失われつつあるそうです。

もちろん日本企業も
例えば、Amazonの電子書籍「Kindle」に対して
出版社が手を結んで対抗しようとしています。

電子書籍化へ出版社が大同団結 (朝日新聞)

しかしKindleや、海外他社の電子書籍のように
日本の電子書籍は閉鎖性を打破することができるでしょうか?
既得権益を守ろうとするだけでは、
国内でしか流通しない携帯電話のように
「ガラパゴス」と呼ばれてしまう予感がします。

Twitterに対し、「Amebaなう」「mixiボイス」
Amazonに対し、「楽天」など
どこかで見たようなサービスを国内向けにカスタマイズして
満足するのではなく、
新機軸を打ち出せる国にしていかないといけません。

個人的には、英国ユリイカ紙の
「未来を変える世界の科学者10人」に
日本人が2人もノミネートされていたことに希望を持っています。
資源のない日本が生きていくとすれば、
やはり地道な技術力と堅実な国民性をベースに広げていくべきだと思うのです。