2009年11月23日
心理療法における大きなパラダイムシフト
11月22日(日)、都内大田区産業プラザでブリーフセラピー協会第1回学術会議が開催され、小雨降る寒い日でしたが、参加してきました。実は2009年、MRI(Mental Research Institute)誕生50周年記念会議がサンフランシスコで開催されたのを機に、我が国でも東北大学、長谷川敬三先生を中心に記念すべき第1回学術会議が開催されました。午前の部ではサンフランシスコ会議に参加した理事長から、MRIの研究の発展に貢献した先陣達の発表内容が一人ひとり紹介され、最後に東北大学長谷川敬三教授が日本代表として発表された、当日のパワーポイントを使って、MRIの過去、現在、未来について総括されました。今日はこの学術会議に参加して感じたこと、あらためて気づいたことなどをまとめてみたいと思います。私は糖尿病を専門とする内科医ですので、こうした心理療法の大きなパラダイムシフトを、どのように糖尿病診療に活かしていったら良いか?という点に着目しながら考えを整理してみたいと思います。
続きを読む
2009年11月19日
糖尿病自己管理におけるマクロ的視点とミクロ的視点
11月だというのに12月のような寒い1日でしたね。先週末、米国の娘とskypeで話しました。skypeは対面しながら話ができるので、愛犬ハナを抱きながら話します。卒論の進行状況や最近の出来事。カルチャーナイトというイベントでは数名の日本からの留学生とともに「ソーラン節」を踊り、次にモー娘の歌に合わせて踊ったことなどが語られました。卒論のテーマは行動経済学(behavioral economics)、なんか知らないうちに父親と同じような世界を探求しているようで、嬉しく思いました。さて、今日はDITN11月号を読みながら感じたことを、少し長文になるかも知れませんが書いてみたいと思います。ミクロ的視点(実験医学に基づく病態仮説)とマクロ的視点(臨床疫学に基づく大規模臨床試験)を、私たちはそれぞれどのように受け止めるべきだろうか?ということに対する雑感です。続きを読む
2009年11月17日
飲酒は高血糖ではなく、低血糖に注意が必要!
少しずつ寒くなってきました。我が家の今夜の夕食は、とり鍋でした。ポン酢とゆず胡椒の2種類の味で楽しみました!やっぱり鍋は身体も温まって、この季節には欠かせませんね。さて、今回はつまみなしに飲酒をしながら、血糖測定をしてくださった患者さんがおられたので、その貴重な実験結果をお示ししたいと思います。この世の中、「酒は血糖値を上げるから良くない」という迷信を信じている患者さんや医療者がたくさんおられることと思います。
そのような誤った常識を覆すためにも、ぜひ今日お示しするお二人の実験結果を皆さんで共有したいと思います。お忙しい中、実験をしてくださったお二人に心から謝意を表したいと思います。続きを読む
2009年11月13日
1型糖尿病患者さんの選択
saradaさんとのやりとりを通して気づいたことがあります。それは、1型糖尿病患者さんの食事療法における2つの選択についてです。
1つは、主治医を信頼し、主治医の指示を遵守し、主治医の言いつけ通りの食事を守るように努力する道です。
もうひとつは、自分でカーボカウントを学び、それに基づいて、自分の頭で考えて、自分が食べたい料理を、血糖値を上げずに食べることができるようになることをめざすことです。この方法を選んだ患者さんは、血糖管理、体重管理、脂質管理の結果についても、自分が責任を負う覚悟が必要です。
本来なら、ドイツで行われたDAFNE研究のように、医療関係者がfree dietについて患者をトレーニングしていくシステムが確立されていれば良いのでしょうが、まだカーボカウントが正式な栄養療法として認められていない我が国においては夢のまた夢・・といった現実ですね。
続きを読む
2009年11月11日
1型糖尿病のsaradaさんからの質問(11/11)に答える
終日、雨降りの1日でしたね。実は、今日は米国に留学中の娘の誕生日です。今は卒論の準備で大忙しの生活を送っているようです。昨夜、寝る前に娘にBirthday e-Cardを送信して、朝目を覚ましてPCを開いたら、「みんなの糖尿病ストーリー」に、最近1型糖尿病(DM)と診断されたばかりのsaradaさんからの質問が書き込まれていました。今日は、このsaradaさんの質問にお答えしたいと思います。
まずsaradaさんの<質問の要約>を、以下に示します。
<自己紹介>こんばんは。今年、8月1型糖尿病とされたsaradaと申します。忙しくてお返事が難しいかもしれませんが、無理を承知で書かせて頂きます。ゴメンナサイ。
入院当初、A1C11.3、インスリン治療開始後10月は8.4、11月は6.6と順調に下がってきております。主治医は糖尿病の専門医ですが、私の値をご覧になり「劇的に下がっていますね。インスリンの量を減らしてもいいかもしれません」と。現在ノボラピット4-4-4、ランタス4です。
質問1)先日主治医に、「私はカロリーを気にしたらよいのか?糖分を気にしたらよいのか?炭水化物を気にしたらよいのか?」と聞いたところ、「総カロリー量に気をつけたらよい・・・」との回答でした(1日1700キロカロリーくらいです)。
質問2)1型の場合、運動療法や食事療法は必要なのでしょうか?カーボカウント・・・少し興味はあります。現在のインスリンの量もそれほど多くないので、これ以上減らすとなると、さらに食事制限をしなければならないのかなぁとふと考えもします。
一生のお付き合いの病気なので、つらい食事制限をするのか、それとも他に無理なく食事制限をする方法があるのか。数値が落ち着いてきていますが、少し行き詰っております。長々とすみませんでした。何か少しでもアドバイスをいただけると有り難く思います。続きを読む
2009年11月09日
飲酒の血糖値への影響(続報)
10月07日のブログで「飲酒の血糖値への影響」を取り上げました。午前の外来が少し早めに終了したので、昼休みにこのブログをアップします。まぁ、自己血糖測定を、日常の自己管理に取り入れておられる方であれば、飲酒が血糖上昇をもたらさないこと、場合によっては血糖上昇を有効に抑えてくれることは当たり前過ぎる事実かも知れません。案外、こういうことを一番知らないのが医療従事者であったりするのかも知れませんね。
今回はある患者さんが提出してくださった実験結果をご紹介します。
続きを読む
2009年11月08日
マイケル・ジャクソン ” This is it ”
昨夜、六本木ヒルズでM.Jの“ This is it ”を観てきました。実は1週間前にもユナイテッド・シネマ豊島園で、家内と二人で観てきたのですが、昨夜は妹夫婦と一番下の妹と5人で観てきました。やはり、スクリーンの大きさ、十分な座席前スペース、そして何よりも迫力のある音響効果も手伝って、先週よりはるかにパワフルで迫力のある映像(ステージ)を満喫することができました。そして、あらためて彼のアーティストとしての魅力に魅了されました。続きを読む
2009年11月02日
日本の幸福度は世界60位?
本当に寒い一日でした。10月31日(土)朝日新聞の朝刊に幸福学に関する記事が紹介されていました。すでにお読みになったという方もおられることと思いますが、大変興味深い記事だったので、読んでおられないという方のために、その内容をご紹介したいと思います。
ルート・ビーンホーフェン博士(Ruut Veenhoven)は幸福に関する科学的研究を体系化している文化人類学者です。彼はオランダ・エラスムス大学で、「世界幸福データベース」を主催しています。幸福の度合いは、その国に住む人の「人生の満足度」で測るのですが、各国で実施された世論調査を元に、10点満点で示します。上位にデンマークなど欧州各国が並ぶ中、日本は6.2点で、なんと60位前後に位置しています。集計を始めた、この30年間でほとんどの国が点数を上げる中、日本の点数は変わらぬままだと言います。
続きを読む
2009年10月25日
週末の雑感&“家族療法”講義メモ
今週は月曜日に開業医の先生方との定例の勉強会、そして金曜日には足立区の栄養士さん9名と看護師さん1名をお迎えしてカーボカウントの勉強会があり、プレゼンする機会をいただきました。月曜日の勉強会では、私が1時間程インスリン療法についてお話しし、その後この学習グループに属する先生が毎回輪番制で、新しくインスリン導入された症例を数例提示され、個々の症例について、ディスカッションしています。
金曜日は、足立区の医療機関にご勤務されている栄養士さんを対象としたカーボカウント勉強会で、6〜8名と聞いていたのですが、当日は1名の看護師さんを含む10名の皆さんが集まってくださり、私が19:00〜20:30までお話しした後、会食をしながら、22:20頃まで楽しく歓談することができました。テーブルの端から順番に自己紹介を兼ねたフリートークをしていただきながら、料理を味わうという贅沢な?(皆さん、緊張したかな?)ミーティングでした。カーボカウントには最近出会ったばかりという方が多かったのですが、中には拙著「糖尿病でもおいしく食べる」の中で紹介した実験を実際に検証して下さったという栄養士さんもおられました。やぁ、とても楽しかったです。ビールや紹興酒の勢いも手伝って、ちょっと調子に乗って喋りすぎました!(いつも後から反省するのですが懲りませんね!(^^;))
そして、土曜日は、13:00〜17:00までブリーフセラピー研究会の定例研究会に参加しました。今日のテーマは「ダブル・ディスクリプション・モデルの実際」。講師は、日本ブリーフセラピー協会理事長 生田倫子先生(とはいってもまだお若い)。この研究会に参加して気づいたこと、知ったことについて、なるべく簡単に?お話ししたいと思います。このブログは、日々の体験で感じたことの言語化、考えの整理、新しく得た情報の整理を目的としているのですが、ご興味のある方はお付き合いください。
続きを読む
2009年10月18日
医師・栄養士さんへの自己血糖測定の薦め
我が家は今、リフォーム中です。転居した当時のリフォームを含めたら3回目のリフォームです。
今回は、玄関周り、水回り(風呂場)、外塀の塗り替えなどです。新潟から遙々駆けつけてくれている大工さんはとても腕が良い上、気が利く方なので、とても助かっています。
最初のリフォームを彼にお願いしていたら・・・と、つい考えてしまいます。
そして、建築というものは大工さんの腕とプロフェッショナリズムによって、大きく変わるものだと、つくづく感じています。
さて、今日は糖尿病療養指導に関わる皆さん方へのメッセージです。
私は最近、医療関係者を対象として、カーボカウントの話をするとき、「ぜひ皆さんもSMBGを行ってみて下さい」と話しています。
続きを読む
2009年10月13日
トマト vs 玄米の血糖値への影響を比較する
キンモクセイの甘い香りが漂う気持ちの良い季節となりました。私は先週末の連休、本当に久しぶりに皮靴の手入れをしました。最初にステインリムーバーで革靴の表面の汚れや古い靴クリームを取り除いて、その上からそれぞれの靴用のクリームを塗って、最後に磨きをかけます。今年の正月に「オートフィッツ」というドイツの健康靴のショップと出会ってから、靴の大切さに目覚めました。この店の靴を履いて歩くようになって、歩くことの喜びを感じるようになりました。ここの靴は何か“正しい歩き方”を教えてくれるような気がします。そんなところにドイツ人の気骨を感じます。結局、下駄箱で埃を被っていた4足の靴すべてをピカピカに磨き上げました。さて、今日は「トマト vs 玄米対決」の話題です。
皆さんは、かぼちゃやじゃが芋などのデンプン野菜が血糖値を途轍もなく高く上昇させることはすでに経験して知っていることと思います。
それではトマトのような野菜は、どの程度血糖値を上げるか、ご存じですか?
続きを読む
2009年10月07日
飲酒の血糖値への影響は?(実験参加者募集)
皆さんはお酒が好きですか?今日は「お酒が好き」という方に対するお願いです。
私はあまりアルコールが強い方ではありません。結婚した当時は、350mlの缶ビールを家内と2人でようやく空けることができる程度でした。しかし、結婚後、お酒の好きな義父と一緒に会食を重ねるうちに少しずつ飲めるようになりました。そして、今では酒が強いとはいえませんが、「美味しく食事を楽しむためにはお酒は欠かすことができないもの」と考えています。
それ故、毎日晩酌は欠かしません。毎晩350mlの缶ビール1本、あるいは500mlの缶ビールを家内と2人でシェアして飲んでいます。
続きを読む
2009年10月05日
カーボカウントの“イイ処取り”にご注意
うっとうしい秋雨の季節に入りました。秋らしい、高い青空が待ち遠しい今日この頃です。
この2年間、かなり集中してカーボカウント指導を行ってきました。
そして、この方法が「主体的に、自分の責任で血糖管理を行うことができる患者を育成するという意味において、大変効果的な方法である」と感じています。しかし、注意しなければならない点もあります。
先日の外来で、比較的最近糖尿病と診断され、食事療法を開始したばかりの女性が再診しました。このとき、「いかがですか?」という私の問いかけに対して、「きっとダメです。私、カーボカウントの“イイ処取り”をしてしまいましたから、体重が増えちゃいました!」と答えたのです。
続きを読む
2009年09月27日
今、栄養指導の現場に求められているものは何ですか?
今日は「今、栄養療法に求められるものは?」と題して、医療現場で実際に療養指導を担当しておられる皆さんにご意見を伺おうと思います。今年の日本糖尿病学会でも、また神戸で開催された日本病態栄養学会においても、カーボカウントのシンポジウムが開催され、熱心な討論が行われたと聞きます(たまたま私はこのどちらのシンポジウムにも参加できませんでした)。明らかに医学界における「カーボカウント」をめぐる環境が大きく変化してきていることを感じます。糖尿病に関する患者さん達の掲示板の書き込みも、以前は劣勢であったカーボカウントが今や主流を占めていると聞きます。続きを読む
2009年09月26日
次の本の企画
東京は気持ちの良い週末を迎えています。まだ半袖で過ごせる陽気ですが、もう秋の気配が感じられる季節となりました。今日は、次に書いてみたい本の話です。2つあります。
1.患者さん向けのやさしいカーボカウントの入門書
「糖尿病でもおいしく食べる」を出版したばかりだというのになぜまた出すのですか?という疑問をもたれる方も多いと思います。もっともです。
「糖尿病でもおいしく食べる」は、確かに患者さんを強く意識して執筆しました。しかし、すでにお気づきの方も多いと思いますが、この本は表向きは「患者さんに向かって語りかけるように書かれていますが、底流にはエネルギー制限一辺倒の現行栄養療法に対する批判」が隠されています。このため、可能な限り平易な表現を用いてはいますが、その実、医療従事者に向けた、かなり骨太な主張に貫かれています。このため、現行の栄養療法に対する問題意識を抱いている人々にはご理解いただけると思うのですが、一般の患者さんにはやや難解な印象を与えていると思います。そこで、今度は徹底的に実用にこだわったスタイルの本を書いてみたいという抱負を抱いています。
2.個別性を重視した栄養指導の実践テクニック
糖尿病の栄養療法は、心理療法と同じように個別性を重視することが重要ではないでしょうか?しかし、我が国の栄養療法はまだまだこうした分野で十分な議論が行われていないように思います。そこで、患者さんとのやりとりをICレコーダーに録音し、逐語録を蓄積しながら、日頃行っている個別性を重視した栄養療法のノウハウを伝える本を書けたら・・・という願望を抱いています。
どちらも実現できるかどうか?分かりませんが、新たな目標として掲げたいと思っています。
2009年09月20日
円環的思考法をマスターする(9/22更新)
晴天に恵まれた5連休ですが、皆さんどのようにお過ごしでしょうか?昨日、私たち夫婦は南青山で待ち合わせてランチを摂って、青山〜骨董通り界隈をそぞろ歩きしました。家内のウインドウショッピングに付き合いながら歩いていると、「ちょっと!なぜそんな詰まらなそうな顔してるの?」という檄が飛んできます。
私としては、のんびりウインドウショッピングを楽しんでいるつもりなのですが、こういう場面では「とびっきりの演技力で、目を細めたり、ニコニコしなければならない」という教訓を得たのでした!
私も家内に勧められておしゃれなメガネフレームショップに入ったところ、店員さんのおだてに乗せられて、ネイビーブルーのメガネを買ってしまいました!連休は何かと出費がかさむものですね。
続きを読む
2009年09月11日
I have a dream!(キング牧師・演説のパロディー)
1963年8月28日、公民権運動の嵐の中、キング牧師が聴衆に語りかけた演説 “ I have a dream” はあまりにも有名です。今日は、そんなキング牧師の演説に倣って、思いつくまま即興詩を書いてみました。
PS:本日、中外医学社編集部から連絡があり、拙著「糖尿病でもおいしく食べる」が発売1ヶ月で、第2版の増刷が決定したという連絡が入りました。これも読者の皆様のお陰と感謝申し上げます。
第2版では、表現の言い回しの訂正や数値の誤り、図の変更などの修正を加えました。引き続き、よろしくお願い申し上げます。
続きを読む
2009年09月04日
カーボカウント指導の奥義
東京はとても過ごしやすい一日でした。しかし、今日の外来は大変忙しく、昼食を食べることが出来たのは16:00でした。
午前外来が14:30までかかってしまって、この結果14:00から始まる午後の予約患者さんをそのまま診察し、一段落してから昼食にありつくことができました。このときのホットドックと珈琲の美味しさは格別でした!
明日は「糖尿病トータルケアフォーラム」に参加するため、大阪を訪れる予定です。
さて、今日はカーボカウントの奥義という大それたタイトルをつけてみました。
9/12の高崎での講演会でお話ししたいと思っていましたが、少しだけお話ししましょう!
PS:この写真、素晴らしいと思いませんか?
日没少し前の海の波の合間の一瞬を見事に捉えたショットですね。
私は海の写真が大好きなので、夏が通過して秋が訪れる直前まで、皆さんにご紹介したいと思います。続きを読む
2009年09月03日
カーボカウントに込めた思い
9月に入ってから、随分と涼しくなってきました。仕事帰り、荻窪駅前を通ると、マクドナルドの店員さんの大きな声が聞こえてきます。「時間限定キャンペーン!、1時間だけ、ホットコーヒー、アイスコーヒーが『0円』で〜す。残り時間、あと何分です。是非マックに足をお運び下さい」その声につられて、私も一度マックに足を運び、家内と待ち合わせに使いました。店内に入ると、「今、この時間だけ、ホットアップルパイがたったの『50円』、ビックマックが『200円』で〜す」と聞こえてきます。
ビックマック+ホットアップルパイ+コーヒーがたったの250円で食べられるとは?
ついうっかり食べてしまいそうになりますね。でも、ビックマックのカーボは約45g、ホットアップルパイは「30g」ですから、両方食べると「75g」、なんと5カーボになってしまいますから、要注意ですね。どうしても食べたいという方は、ビックマックの真ん中にしかれているパンを抜き取って食べることをお勧めしたいと思います。
さて、今日は「カーボカウントに込めた思い」というタイトルをつけてみました。このたびの出版で、大変お世話になった方に「糖尿病でもおいしくたべる」を謹呈させていただきました。その際、カードに何か一言書き記したいと考えました。というのも、彼自身、糖尿病患者であって、熱心なカーボカウント実践者でもあるからです。色々と考えて、以下の3つの言葉を書き記しました。
カーボカウントとは、
1.医療者が患者の権利を尊重しながら、血糖管理支援をしていくための方法論を提示してくれます
2. 患者が、エネルギーに束縛されることなく、自らの意思と責任で自由な食事を手に入れることを可能にします
3. 医療現場に患者中心主義を推進してくれます
これは、私にとってのカーボカウントの意義です。
皆さん、人それぞれかと思います。
2009年08月30日
高崎でのカーボカウント講演会
夏も残すところ、あとわずかとなりましたね。昨夜は沿道のかぶりつきの席で高円寺阿波踊りを堪能しました。年々人出が増加していることがわかります。
やはり、観るものと踊り手の心が通い合うとき、最高のパフォーマンスが引き出されるようですね。
今日は、9月12日(土)に高崎で予定している講演会についての情報です。
昨年に引き続き、群馬メディカルスタッフの会から招請されて、高崎を訪れます。
以下に「案内状」の内容をそのままご紹介します。
●日 時:平成21年09月12日(土)、13:25〜17:00(13:00受付開始)
●場 所:ビエント高崎 群馬県高崎市問屋町2-7 TEL:027-361-8243
●講 師:杉本 正毅先生 糖尿病心理研究所代表
●受 講 料:グメス会員 500円 非会員 1,000円
●定 員:100名人数にかぎりがございますので早めに申し込みください
●申込方法:裏の申込用紙をご記入の上、清水内科までFAXしてください
FAX先 027-363-7848 (清水内科 宛)
【ご芳名】
【ご施設名】
【職種】
【ご連絡先】 どちらかに○をご記入ください (グメス会員/非会員)
以下にプログラムをご紹介します。
続きを読む
2009年08月29日
娘の出発
8月11日、米国から帰国していた娘が8月28日午後のフライトで再び米国へ出発しました。いつものように後ろ髪を引かれる様子はまったくみせず、むしろ久しぶりに大学キャンパスに戻れる期待と喜びに溢れた様子で出発していきました。
再び家内と二人の生活に戻りました。
今年の夏、娘はワシントンセンターという機関を通じて、インターンシップ制度を利用して、米国の退役軍人省・情報データ分析科にて10週間勤務するという経験をしました。
はじめて米国社会で働くという体験を通して、多くのことを学んだようでした。続きを読む
2009年08月23日
夏の日曜日の朝のひととき
日曜日の朝、誰も起きてこないので、ひとりで朝食の準備に取りかかる。音楽は日曜日の朝の気分にぴったりのサウンド・・・、
何が良いだろうかと、i-Tuneのインターネットラジオを立ち上げてみる。
うん、これだ!
普段、家族がいるときには絶対聴くことができないフォーク。
FolkAlley.comを選択して、台所へ。
軽快なサウンドが始まる。
アコースティック・ギターと澄んだ男性ボーカル。たまにはこんなサウンドも良い。
(家内や娘がいたら、きっとすぐにチャンネルを変えられてしまうに違いない)
今朝はリラックスのため、思いつくまま書いてみます。
続きを読む
2009年08月22日
システムズ・アプローチ(円環的思考法)
皆さんは「システムズ・アプローチ」のことをご存じでしょうか?私は最近、このアプローチにおおいに触発され、これを糖尿病療養指導に活用したいと考えています。このアプローチと出会うことで、今までとは異なった自由な発想が生まれます。
そのkey wordは「直線的思考法」から「円環的思考法」へのシフトです。
本当は、さまざまな実際のケースについて書く方が、皆さんの理解を得やすいと思うのですが、それではとても長くなってしまいますので理論についての話題に止めたいと思います。ただ、糖尿病療養指導に関していえば、患者を「個人」としてみるのではなく、「システム」として捉えることでさまざまな問題解決方法を提案することが可能となります。
天才的セラピストといわれる東 豊氏の「セラピスト入門」からシステムズ・アプローチについて理論面から解説してみたいと思います。続きを読む
2009年08月20日
「美食を忘れたら、人間をやめなくては・・」ある読者からの手紙
ようやく夏らしい気候が続く、今日この頃ですが、朝晩は随分と涼しくなってきました。そんな風に吹かれると、夏好きの私はもう過ぎ去る夏を惜しむ気持ちになります。「真っ青な海をぼんやり一日眺めていたい」、そんな気持ちでいっぱいです。
そこで、今一番行きたいと思っている「海」の写真をこれからしばらくブログに貼っていこうと思っています。
さて、早いもので「糖尿病でもおいしく食べる」の出版から早1ヶ月が経ちました。
今日はお二人の読者からいただいたお便りの一部をご紹介させていただきます。
続きを読む
2009年08月14日
カーボ/インスリン比からインスリン治療計画を立てる
STさんは74才で発症した1型糖尿病の男性です。入院する1ヶ月前から66kg→49kgまで体重が減少し、1週間前から口渇感、多飲、倦怠感が出現、来院時の血糖値>500mg/dlでした。膵β細胞に対する自己抗体は陰性でしたが、グルカゴン負荷試験や臨床経過などから1型糖尿病と診断されました。現在までランタス6-0-10、ノボラピッド6-6-4というレジュメでしたが、高齢発症ということもあって、なかなかインスリン調節能力が上達しません。
そこで、月に1回で良いので、「食事記録と完璧な血糖測定」をお願いしました。完璧な血糖測定というとき、私は食前・食後1H・2H・3Hの血糖測定を指しています。
今日は、この結果からカーボ/インスリン比(C/I 比)を計算して、インスリン治療計画を立てたので、その詳細をご紹介します。続きを読む
2009年08月08日
栄養療法選択ためのアルゴリズム
昨夜、東京衛生病院の栄養科の皆さんとミーティングをもちました。テーマは「糖尿病教室」において、カーボカウントとバランス食をどのように位置づけるか?というものです。
衛生病院は菜食主義を基本とする病院ですので、これまでカーボカウントは栄養科としては指導対象とはしてきませんでした。
そんな中、昨夜はわずか1時間半という時間でしたが、カーボカウントとバランス食の位置づけについて、私の考えを述べて、皆さんとディスカッションすることができました。
今日は、そこで感じたいくつかの論点と私の考える栄養療法選択のアルゴリズムをお示ししたいと思います。続きを読む
2009年08月05日
カーボカウントを使ってオーダーメイドBasal Plus
夏真っ盛りですが、夏休みをとれない私は、患者さんから旅行や帰郷の計画を聞きながら少し羨ましく思っています。せめて想像の世界だけでも「夏の海のバケーション気分」に浸ろうと、この写真を貼り付けました。
今日の話題はひと工夫したBOTのご紹介です。
BOTという治療法は、持効型インスリン1回注射と内服薬による治療法で、一般的には治療コンプライアンスが良いので手軽にできる治療法として紹介されています。しかし、適切な症例を選んで、カーボカウント指導を行うと、頻回注射療法よりも劇的に改善する症例があります。
今日、ご紹介するのは14才で発症し、現在20代の2型糖尿病の女性です。
彼女はすでにご結婚されていて、今までは第2子を希望されて、強化インスリン療法を続けておられましたが、今年私の外来を受診してから、いったんBOTへの変更を希望されました。
続きを読む
2009年08月01日
糖尿病治療における家族の役割
「糖尿病は家族で治していく病気です」私はよく初診外来でお話ししています。
私のような診療スタイルをとっていると、ときどきご家族から「もっと厳しく叱ってください」というお叱りを受けることがあります。
また一方、ご本人から「いつも家族から叱られています」という告白を聞くこともあります。
今日、外来で出会った83才の女性からも、そうした訴えが聞かれました。
「うちは貰いものが多くて、甘いお菓子をたくさんいただくんですよ。家族がみんなで美味しそうに食べているので、つい私も手を出してしまうと、いつも娘から『お母さん、ダメよ』と叱られます」
そのご老人はにこやかに笑いながら、そう言われました。
83才、アマリール1mg+ランタス8単位/朝で、A1c 7.0〜7.3%は年齢を考えたら、まぁまぁ合格点だろうと、私は考えています。
家族は、どのようなかたちで、患者に対して援助の気持ちを表したら良いのでしょうか?
家族の役割について考えるとき、いつも思い出す2つのケースがあります。
今日は、そのエピソードについてお話ししたいと思います。
続きを読む
2009年07月30日
2009年07月26日
「重力ピエロ」と「付け睫毛を付けたメス豚」
「夏」が2階からおちてきた!そんな週末でした。
週末の土曜日、知り合いの栄養士さんとそのお友達の栄養士さん、そして臨床心理士さんと青山で会って、ランチを食べながら、僕が新しい本の話をしたり、保健組合に所属する栄養士さんの保健指導のご苦労話などを聞きながら、楽しく歓談、久しぶりにいろいろとお喋りをしました。そして、すぐに有楽町に直行して、静岡から会議で上京した昔の同僚と会い、お茶を飲みながら、近況を話し合い、その後、焼き肉「トラジ」で夕食を摂って別れました。人と会って、喋って、食べて、日が暮れました。
今日はそんな週末の雑感を綴ります。
続きを読む


