金山彦神社の参道⑥龍王社(柏原市・峠)に関する記事です。

龍王社はJR大和路線の河内堅上駅(かたかみ)の北東1.4km
大和川右岸の亀の瀬にあります。

峠マイマップ

亀の瀬マイマップ

JR大和路線で奈良へ行くとき、車窓から眺める大和川の渓谷が楽しみで、
ここ亀の瀬が大和川の川幅がもっとも狭く、流れも速い地点です。

河内堅上駅
河内堅上駅

龍王社のある亀の瀬は「畏(かしこ)の坂」として万葉集にも登場するほど、
地すべりでおそれられてきた場所です。


数百万年前に「亀の瀬」の北には火山があり、最低2回は噴火したことがわかっています。
1回目の溶岩やそれに堆積した地層の上に、2回目の噴火に伴う溶岩がのっています。
その溶岩の境目が非常に脆く、水分を含むと上の溶岩が滑り台のように滑ってしまいます。

亀の瀬1
古代から地滑りで恐れられた亀の瀬

亀の瀬には昔から亀岩と呼ばれる巨石があり、
この亀岩が動くと、地すべりが起こって大和川がふさがれ、
大和に洪水が起こるという伝承があります。

亀の瀬で地すべりが起こって大和川がふさがれると、
奈良盆地は水没し、大洪水になってしまいます。
その水は、やがて鉄砲水となって大阪平野を襲い、大阪平野も水没してしまいます。

大和名所図会では川の中央に描かれている亀岩が、
現在は右岸近くにあり亀岩が動いたことがわかります。

つまり、亀岩が動いて地すべりを起こすのではなく、
地すべりが起こると亀岩やまわりの地形も変化します。


亀の瀬2亀石
亀の瀬の亀岩

亀の瀬右岸には龍王社があり、修験道の開祖・役行者が
二十八品を埋納した葛城二十八宿経塚の内、最後の経塚とされます。

経塚は和歌山県加太町の「友が島」を第一品経塚として始まり、
「亀の瀬」の第二十八品経塚が、最後の経塚となります。

奈良時代の頃から神仏習合が行われ、
写経して神前に奉納したり、経塚に納める風習が起こりました。


龍王社1
龍王社


亀の瀬は剣先船の船着き場があった地で、
竜王社は船仲間が運航の安全を祈った祠でもありました。

ここには、「大坂剣先船問屋中」と刻まれた石燈籠も建っています。

亀の瀬から下流は、剣先船で大坂の荷物を運び、
亀の瀬から上流は魚梁船や牛馬に積み替えて大阪の荷物を大和に運んでいました。

 

葛城二十八宿関連の札 (1)
龍王社のお札