2005年04月29日

1994年9月市会質問 

1994年9月市会質問         

 

 私は日本共産党京都市会議員団を代表して地下鉄東西線建設費の膨張の問題、同和行政の根本的是正の問題、市営住宅建設などの問題について田辺市長と関係理事者に質問をいたします。 

地下鉄東西線建設費の膨張の問題

まず最初は地下鉄東西線建設費の膨張の問題であります。

 先の7月市会は、東西線建設費が当初の2450億円から最終的には4710億円に膨張した問題の調査の目的で、共産党市会議員団18名の要求によって開かれた臨時市会でした。

 今年2月、東西線建設費が「2450億円の当初計画から1490億円も膨張する」と報道され、定例市会でも「市長はなぜ今まで明らかにすることができなかったのか」「市会軽視もはなはだしい」との追及の発言が相次ぎました。

 定例市会では、「市長に対する警告決議」を採択したことは御承知の通りであります。 これにたいして田辺市長は「これ以上の建設費の見直しはない」「一日も早く東西線を完成させることが私に課せられた責任」と表明されました。

 しかしその後、庁内に点検・推進委員会を設けて点検と見直しをすすめていく中で、 6月末にさらに770億円の工事費の膨張、工期も最終的に2年10ヵ月遅れるとの見通しが報告されました。 

 7月市会で、わが党議員団は徹底した審議の中で、さらに、継続した調査のために調査特別委員会設置を提案いたしましたが、与党会派の反対で市会としての調査は打ち切られました。

 先の7月市会で明らかになったことは、工事費の異常な膨張の責任が、なによりも田辺市長にあるということでした。

 第一に、田辺市長は工期の延長と工事費の膨張について、交通局から一昨年6月、昨年2月、11月とくわしい報告をうけながら市会にも明らかにせず、結果として市民と市会をあざむいてきたのであります。

 第二に、建設工事はすべてゼネコンまかせで、ほとんどの工区で「別途協議事項」と称して何回も契約変更がおこなわれて大幅な工事費の膨張となっている実態が判明しましたが、2月市会での「警告決議」にもかかわらず、無計画な進行管理でずさんな資金計画となったことの市長の責任はまぬかれません。 第三に、市長は今後の問題として「財政再建団体に陥らないためにも市としての大幅なリストラの推進と市の諸事業の見直し」を指示し、具体的には交通局職員の減員、市バス赤字路線の切りすて、福祉や市民生活にかかわる予算の削減などをすすめようとしています。

 このようなやり方は、自らの失政を市民と市職員への犠牲で解決するあまりにも無責任な姿勢であります。

 さらに第四に、まったく解明されていないのが、三条京阪・御陵駅間の第三セクター部分3、5劼侶設費膨張の問題であり、この区間の工事費は610億円から1550億円にと、実に2、5倍にも膨張しているのであります。 

 にもかかわらず、鉄道建設公団への工事委託を理由に、必要な書類の提出もなく、調査が進まず疑問はなに一つ解明されていません。 この8月、京都市交通局発行の「難工事に取り組む地下鉄東西線」と題するカラー刷りのチラシが市内全家庭に配布されました。 その中で「東西線建設は難工事だったから工事費の膨張も工期の延長もやむをえなかった」との説明がされていますが、市民がもっとも知りたいのは「なぜ工事費がこんなに膨張したのか」「工程管理の最終責任は誰にあったのか」という問題の解明であります。

 先日の新聞の投書欄でも「地下鉄の費用が膨張している上にチラシに余分な290万円もの経費をつかって、これこそ市税のむだづかいだ」と指摘されています。

 これ程の膨大な市民負担を後世にまで残すことになった田辺市長にはもはや、市政を担当する資格も市民の信頼もないといわなければなりません。

 田辺市長はこの際、責任をどのようにおとりになるのか、おこたえください。

<田辺市長>6月末に点検結果につい て報告し、私自身の処分を行った。 一日も早い東西線完成に全力で取り 組むことが私に課せられた責務と考 える。

 

 ご承知のように地下鉄の建設費は京都市一般会計からの出資金が全体の20%、国と京都市の建設補助金がおよそ半々で合計42%、残り38%は交通局の企業債でまかない、この交通局企業債返済が地下鉄料金で回収される制度になっております。

 内田助役におたずねいたしますが、今回の巨額の工事費の膨張は国の補助金の大幅な増額が確保できなければ、重大な破綻をきたすおそれがありますが、国の補助金の増額の見込みについてはっきりとした見通しがあるのですか?国との折衝をされていることでもあり、おこたえください。

<内田助役>建設費増額について一定 の理解を得られつつあるが、国の財 政状況として地下鉄補助金の総額の 確保が厳しく、今後、国の予算案が 決まるまで引き続き強力に要望活動に取り組む。

 

 つぎに三条京阪・御陵間の第三セクター区間は鉄道建設公団へ工事が委託されておりますが、この「京都高速鉄道」の会長は田辺市長であり、社長は収入役であります。また京都市は51%の出資者でありますので、この問題についておたずねをいたします。

 2、5倍という異常な建設費の膨張の原因解明について、7月市会でも議論がされましたが、第三セクターの工事契約やその変更などの具体的内容について、市会へのくわしい報告を求めますが、交通事業管理者、おこたえください。 また「結局第三セクター方式を採用したことが命取りになった」といわれておりますが、こうした責任をどううけとめておられるのかおきかせください。

<交通事業管理者>鉄建公団が事業主 体であり、一定の制約もある。今後、 公表できるものは明らかにしていき たい。第三セクター方式を採用した のは、民間鉄道(京津線)の改良を 公営方式で行うことを避けるため、 監督官庁及び京阪電鉄と協議した結 果。

 

 また、京都市が最初に見直しをしなければならないのは、総工費4000億円以上、京都市の負担1000億円といわれ、市民的にも反対の声の強い高速道路の市内乗り入れ計画など大型プロジェクトであります。

 この10月から入院給食費が1日600円患者負担となりますが、老人や乳幼児、障害者や母子家庭の入院給食費補助制度の創設はやるきさえあればできることであり、高齢者対策の柱である特別養護老人ホームの建設、、市営住宅の建設などは、先伸ばしにできない緊急・重要な課題であります。

 市民の犠牲で地下鉄問題を乗り切るという安易なやり方はとってはならないと思うのでありますが、薦田助役のお考えをおきかせください。

<薦田助役>高速道路や関連五事業な どの大型プロジェクトは市政運営の 見直しを進める中で市民の理解と協 力を得ながら、実現に向けて着実に 取り組んでいきたい。

 

同和行政の問題

 次に、同和行政の問題について質問いたします

 京都市におきましては、長年にわたる同和対策の特別施策の継続と蓄積のなかで、同和行政が正常なルールから大きく外れ、過去においても公金不正支出事件や、架空名義の接待事件、あるいは表に出てこなかった暴力事件など、いまもゆがみを残している問題が数多く発生しております。

 問題は、こうした市民にも説明できないようなゆがんだ同和行政の実態を市会にさえ明らかにすることをさけ、部落解放同盟との不正常な関係を優先させてきた市長はじめ市幹部の基本姿勢にあります。

 だからこそ、わが党市会議員団の指摘もあり、1987年、1992年の二回にわたって市会は根本的に同和行政のゆがみを改めることを求める決議を採択してきたのであります。   

 部落解放基本法制定要求実行委員会からの脱退などを求めているこの市会決議に応えようとの姿勢が、田辺市長には見られませんが、まことに残念であります。

 わが党市会議員団の追及のなかで、わずかにみうけられる変化といえば、部落解放同盟幹部のヤミ専従の問題があります。

 市の職員である部落解放同盟幹部を給料を保障したまま部落解放同盟本部で仕事をさせていた異常な事態は、やっと今年4月になくなりました。

 また、市内の小、中学校の教職員配置の問題では、下京区の同和地区の小学校では一クラスに担任、副担任、副々担任までが配置されるという実態がありながら、一方では京都府の定める基準を下回った教職員配置の学校が70校にものぼったという、ゆがみの是正を求めてきましたが、やっと今年4月からはかなり改善されてきたようであります。

 もっともこれは、こどもたちの人数の減少による学級数の減少で教職員数に余裕ができたことと、小規模校が統廃合されたことが背景となっているようであります。

 同和地区の保育所の保育料は月800円であったのが、最高月額5000円に改定され、その後年ごとに見直していくという計画が発表されて5年になりますが、同和保育料はいまだに最高5000円のままであります。

 この間、一般の保育料は2年に一度のテンポで改定され、いまでは最高は月5万円近くになっています。

 市長は昨年3月に同和保育料の改定をすすめると発表しておりますが、今年度内のいつからになるのか、いまだに時期が明確にされておりません。いつ改定料金に移行するのか民生局長、こたえてください。

<民生局長>現在協議中だが、早期実 施に向け引き続き取り組みを進めて いく。

 

 同和地区の改良住宅の家賃についても、暫定家賃平均月額4100円への改定されてから、10年以上です。

 昨年3月にこれを本則家賃で平均月額6500円へ改定すると発表して、これも実施がされておりませんが、現状での家賃滞納の実態と解決のめど、暫定家賃から本則家賃への移行の時期について、住宅局長、見通しを示してください。

<住宅局長>強力な取り組みの結果、 約半数近くの滞納者が納入に応じて いる。裁判確定分については昨年か ら強制執行に着手、5月には給与所 得者への差押えを行った。今後も家 賃滞納の解消にさらに努力するとと もに、家賃改定の本年度早期実施に 向けて住民説明会の開催等による周 知徹底をはかり、暫定家賃から本則 家賃への円滑な移行を行っていく。

 教育における入学支度金、特別就学奨励費、就職援助費などはこれまで家庭の収入にかかかわりなく同和地区のすべての児童生徒に支給されてきました。

 たとえば奨学金にしても形式的には返済義務を果たしているようにみえますが、実際には京都市がかわって返済している自立援助金制度などの対応もそのありかたが批判されてきました。 地区住民のなかでも「いきすぎた個人給付はかえって自立のさまたげになる」との声も聞いております。

 そこで、地区住民のなかでこうした個人給付を辞退している世帯が現在どの位になっているのか、教育委員会、市民局をはじめ、関係する局ごとに明らかにしてください。

<市民局長>就学奨励等事業は申請主 義としているので具体的な数字は把 握していないが、各地区で若干の辞 退者があるときいている。今後は、 所得による対象者の決定を行い、激 変緩和のための経過措置を設けなが ら法期限時には育英会基準程度に改 定していきたい。         

<教育長>事業により違いはあるが、 概ね1割から2割の世帯が受給して いない。今後は日本育英会の基準を 基礎とした所得基準を導入し、激変 緩和措置を設けつつ、所得による対 象者の認定をしていく。

 

 同和行政の質問の最後に職員採用における選考採用の問題についておたずねいたします。

 清掃事業や交通局など主に現業の職員の採用にあたって特定の運動団体、部落解放同盟と全解連を通じてしか募集をしない、というこの選考採用のやり方は、一方では「なぜ一般市民がこうした現業職に採用されないのか」という当然の批判や疑問を生み、別の面では「特定団体の考え方が職場にもちこまれ、職場規律が守れなくなっている」という事態を生み出しています。 現に清掃局長は「清掃事務所など現場での実態にたいして市民からもきびしい批判があり、職員にはせめて午後3時までは職場で勤務するようにと指導をしていきたい」と委員会で答弁されています。

 このような職場規律の乱れの土台に運動団体に特別の対応をしてきた選考採用の弊害があることは明らかであります。

 これもわが党市会議員団の度重なる指摘によって、やっと来年度からの職員採用に当たって一部選考採用の枠を一般公募に切り換えていく、と発表されました。

 他の自治体がほとんどやっていない選考採用については廃止すべき段階にきているのではないでしょうか、おこたえください。

<総務局長>選考採用をこのまま継続 することは地区住民の自立に向けた 主体的努力を損なうことになりかね ず、また、公務員の募集・採用の方 法などを市民にわかりやすいものに していく必要もある。当面継続する が来年度から部分的に一般公募を導 入し、一定の見直しをはかっていく。

 同和対策の特別法の期限切れを目前にして、はっきりと同和行政の終結の計画を確立し、一般行政に移行する取組みをすすめることと、部落解放同盟との異常な関係を清算し、行政として主体性をとりもどすことは一体の問題であります。

 市長をはじめ幹部が勇気をもってこれまでのゆがんだ同和行政を改めてこそ、市の職員も誇りを持って公務員としての職務を果たすことができるのではないでしょうか。

 先の市会決議でも指摘しておりますが、田辺市長は同和行政の終結への展望をどのようにうけとめているかおこたえください。 

<田辺市長>昨年3月と7月に「今後 における本市同和事業のあり方につ いて」をまとめ、法期限内の見直し の方向を明らかにした。法期限後の 同和行政のあり方については、市会、 市同和問題懇談会などの意見をふま え、同和問題の抜本的解決に向けた 方策を見い出していきたい。

 

市営住宅建設について

 次に、市民生活の土台ともいえる住宅対策の問題でおたずねをいたします。 京都市はこれまで、市営住宅の建設を五か年計画でとりくんできて、現在は「第六期住宅建設五か年計画」(1991年度〜95年度まで)に取り組んでいますが、この計画では市営住宅は2000戸建設されることになっております。

 これまでの実績をみますと、市営住宅新規建設戸数は1991年度0、92年度79戸、93年度0、94年度も計画では0で建て替えによってふえたものを含めて合計903戸にしかなりません。 

 そういたしますと来年度五か年計画の最終年度に約1100戸の市営住宅を建設しなければ目標の2000戸は達成できません。

 まず、住宅局長に合計2000戸の計画達成のために努力する決意と裏付けがあるのかどうかおたずねをいたします。

<住宅局長>公営住宅と特定優良賃貸 住宅を合わせ来年度までの建設計画 戸数は2400戸。今年度までの実 績見込みとして約60%、1400 戸余を供給する。今後も特に公営住 宅の建替事業や特定優良賃貸住宅の 供給促進に積極的に取り組み計画戸 数達成に努めたい。

 

 さて、市営住宅建設のためには用地確保は欠かせない前提条件となりますが、住宅用地取得予算を調べてみますと、1990年度、23億円、91年度1億円、92年度18億円 93年度0、今年94年度も0で、この2年間は用地取得の努力がされていません。 田辺市長におたずねいたします。市営住宅用地の予算が0になったのはあなたが市長になってからのことであります。

 田辺市長はこれからは低所得の世帯や高齢者のための市営住宅の建設はもはや必要ないと考えておられるのでしょうか、おこたえください。

<田辺市長>公営住宅用地確保は大変 困難。建替事業や特定優良賃貸住宅 供給などにより、公的賃貸住宅の供 給促進に努める。

 

 高齢化社会への対応がさけばれ、住宅対策も待ったなしの事態になっておりますが、京都市内でも高齢者は転居を迫られた際、民間住宅入居が非常に困難であり、市営住宅は競争がはげしく、まさに狭き門であります。

 昭和63年に出された「京都市地域高齢者住宅計画」は積極的な公営住宅建設の計画と必要性を示した提言であります。

その中では「単身者の第二種住宅への申し込み者が着実に増加しており20倍という高さになっている。高齢者世帯の需要は大きく潜在していると考えられる。

京都市は11大都市のなかで高齢者世帯が公共住宅に居住する割合は最も低く、その果たしている役割は小さい」「立地条件をみても上京、中京、下京、東山区で0となっており、中心部に公営住宅が少ない」と指摘されており、こうした内容については武居住宅局長は昭和60年当時まで、住宅局次長をされていたのでご承知かとおもいます。 一昨年に出された京都市の「高齢社会対策推進計画」でも「公共住宅の提供の責任をはたすべきだ」と指摘されています。

 市営住宅応募の倍率は所得の低い世帯向けの2種住宅のほうが高く高齢者にとってきびしいことは先に示した 「地域高齢者住宅計画」の冊子のなかでも分析されていますが、最近はどのような応募状況になっているか、こんご公共住宅の提供の責任をどうはたしていくのか、住宅局長、お応えください。

<住宅局長>昨年度の倍率は、全体で 約13倍、2種住宅では約23倍。 高齢者のための住宅対策として、こ れまで単身者向住宅や親子ペア住宅 として供給してきた。現在、東九条 に福祉施設と高齢者対応住宅との合 築施設を建設中。今後、高齢者の在 宅福祉施策との連携のあり方も検討 したい。

 

 私は東京都と23区の住宅行政について先日調査にいってまいりました。 異常な地価の値上がりの中で、中堅所得階層でさえも年収の5倍程度の土地付きの家を手にいれることはまったく不可能となっている首都圏では、もはや高齢者が安心して暮らしていける住環境にはありません。

 これまで住み慣れた町で暮らしていきたい、いまさら転居といってもその見通しもない、という高齢者世帯と、一方ではこれ以上人口流出で空洞化をきたすと自治体としての機能低下で、町が巨大なスラムとなることをおそれた行政の努力とが生み出した制度に 「高齢者世帯住み替え家賃補助制度」があります。 高齢者のやむをえない事情での転居にたいして、敷金や更新料、新しい家賃の一定額を補助して、これ以上高齢者が犠牲にならないようにとの趣旨でとりくまれている措置でありますが23区すべてが東京都の制度に上乗せ助成をしております。

 住宅局長におたずねをいたします。京都市としての高齢者世帯の定住対策は現状で十分な水準になっているとお考えですか。

 例えば東京23区にみられるような「高齢者住み替え家賃補助制度」の創設を京都市の実態にあわせて検討することは必要ではないかと考えるのですがいかかですか。

 次に、高齢者のための市営住宅の環境整備の問題でおたずねいたします。 中層の公営住宅にエレベータの設置をする際の国庫補助制度が昨年からできていますが、京都市ではこの制度を活用してエレベータの設置を促進する考えがあるのですか。

「エレベータを設置すれば、家賃負担の原則から当然入居者の負担にはねかえって家賃を上げなければならない」といって、せっかくの補助制度を取り入れようとしていないように見受けられるのですが、高齢者のためのエレベータ設置にたいして、市としての一定の補助をれば、入居者への負担はさけることができますが、いかがですか、おこたえください。 

<住宅局長>高齢者用リフォーム資金 融資制度、公営住宅でのスロープ・ 階段手すりの設置、室内の段差解消 や浴槽落とし込み、特別家賃補助等 を中心に高齢者定住対策に取り組む。

 私は市営住宅の建設というハード面の問題とともに、管理・運営のソフト面でも問題を指摘しておきたいと思います。

 神戸大学の早川和男先生は「住居は福祉の基礎であり、住むという字は人が主と書きます」といわれています。 昭和63年の「京都市地域高齢者住宅計画」にも示されていますが、単に高齢者むけ市営住宅を建設すれば責任をはたしたことにはなりません。

 それは、現在の市営住宅が高齢者の割合が相当大きく、生活上の様々な問題をかかえていることをみても明らかです。

 高齢者はやがて心身の障害や体力や思考・記憶のおとろえをむかえることは避けられません。

 公共の責任で市営住宅を整備することと同時並行で、地域保健・医療・福祉の手立てがうたれてはじめて、高齢者の居住環境が保障されることはいいつくされてきたことであります。

 地域社会福祉協議会との積極的かかわりや、医療機関との密接な連携、生きがい対策のための諸事業など、協力体制を確立する上で、住宅局・民生局などの連携の努力が近年見えなくなっていることは残念でなりません。  高齢者が「入居はしたが一人では暮らしていけない」という現実、中には数日間死亡が発見されなかった、という現実などをお聞きいたしますと、市営住宅の管理には大変な熱意と努力が必要であることは論をまちません。 だからこそ行政の姿勢が後退してしまうことは、高齢者に失望を与え、きびしい住宅事情を加速させることにつながります。

 例えば住宅局と民生局が連携し、住宅福祉対策のいっそうの強化が必要ではないでしょうか。

 以上、市営住宅問題について現在の方針を転換し、市民の期待にこたえる方向での施策の充実を求め、私の第一質問を終わります。


 

(第二質問)                   

 地下鉄建設費の膨張問題と同和行政終結をめざしての見直しの質問にたいして、田辺市長からは誠実な答弁がいただけませんでした。

 田辺市長の二期目から一年を経過しましたが、昨年の市長選挙で私たちは「ゼネコンと部落解放同盟いいなり、市民不在の4年間」と批判しました。 まさにその事を示したこの一年であったし、これでは今後も田辺市政に期待することはできないことがはっきりしてききました。

 地下鉄建設費の問題で、私は京阪電鉄の三条京阪から出町までの地下鉄工事の記録を調べてみておどろきましたが、当初550億円の概算が結果では460億円で完成しています。

 民間企業はこのくらいきびしいのかと考えさせられたのですが、京都市の場合、ゼネコンまかせの無責任体制と「最後はどうせ市民の税金で」という甘さとがあったことは明らかであります。

 しかも「最終的には来年7月にならなければ正確なことは見通しが立たない」というのですから、さらに大変な事態が予測され、はたして地下鉄完成の最後まで田辺市長が市政に責任をもてるのか疑問であります。

 さて市営住宅の問題でありますが、住宅局長の答弁は、特定有料賃貸住宅の建設についてふれていますが、これで所得の低い階層向けの市営住宅建設の責任をごまかすことはできないのであります。

 これでは市営住宅への入居をまっている市民の期待にこたえることはできません。

 用地取得は、地価の異常な値上がりのために困難となったことは否定いたしませんが、最高時からかなり地価は下がっている現在も用地は取得しない、市営住宅建設の責任は持てない、というのが基本にあるように思えてなりません。

 ハード面での市営住宅建設、そしてソフト面での高齢者対策のための系統的努力を行政全体としてすすめることを求め、時間がまいりましたので私の質問を終わります。