2010年07月

2010年07月30日

【風草(かぜくさ)】

kazekusa 05


野草の季節です…

車で走っていると、
道路わきといわず分離帯といわず、
夏の野草がコンクリートの隙間から生命の息吹を覗かせています。
この季節はふだんの生活の平凡な情景を見ていてもあきることがありません。

穂が軽くて草丈の長い風草は、
風が吹けば揺れてよくたなびき、風の吹く方向を教えてくれるといいます。
師から離れた今となっては、日常のこれらの情景が、
いけばなのインスピレーションやモチベーションを与えてくれる師ということになりましょうか。

風光明媚でなくてよく、
名勝でも景勝でも、なんでもなくてよく…
ついそこの道路わき。フェンス。河川敷。アスファルトの砂溜まり…


磐根、木株、草葉も猶能く言語ふ。
(いわね、このもと、くさのかきはもよくものいう)『日本書紀』







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2010年07月26日

言霊(ことだま)

fusenkazura2 00




なにか、ついほんのそこまで…

つい、もうここまで…

何か深い謎が解けそうで、分かりそうな感じ…


二十五年前の、ある夏の夕方。
ロンドンのある公園で、
わたしは一人の少女が、通りすがりのだれかある人に向かって
「さようなら」といっているのを聞いたことがある。
それはただ「さようなら(グッド・ナイト)」という、短い二つの言葉にすぎなかった。
わたしは、この少女がだれであるかを知らない。
顔さえ見なかった。声も二度と聞いてはいない。

それなのにその後、百回も季節を送り迎えしたのちまで、
その「さようなら(グッド・ナイト)」という少女の言葉を思い出すと、
よろこびと苦痛の入りまじった感動に胸のしめつけられる思いがする。

―その苦痛とよろこびは、おそらく、わたしのものではなく、
 この世のわたしのものではなくて、前世からのものであるだろう。

こんなふうに、たった一度しか耳にしない声に魅せられるのは、

それがこの世のものではないからである。

それは、無数の忘却の淵にある生のものだ。

……

死者は、まったく死ぬことはない。

疲れた心臓と忙しい頭脳の真っ暗な部屋に、彼らは眠っている。

―そして、ごくまれに、かれらの過去を呼びもどす何ものかの声のこだまによって、目ざめるのである。


                                     小泉八雲集 (新潮文庫)



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私は花を生けます

kanzo 016


出会いは、
私の生けた花の名を訊ねられたので、
私が懐紙に花の名前と生けた花の絵を描いてさしあげた…

そんな出会いから…

あれはいつ頃の夏でしたか。
それ以来、ずいぶんお目にかけていただいた…

今夏は、娘さんの介添えで、
立派なお孫さんもたくさんいらっしゃって、

ご本人はもう喋ることができない。
自身の足で歩くことができない。
でも、満面の笑みで訪ねてくださった。

そんな方が、私の花を見に来てくださるので、

私は、花を生けます。
いつまでも、花を生けています。




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2010年07月23日

【向日葵(ひまわり)】

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超音波のような蝉の声が、
夜になっても続いていて、音が耳から離れません。
それとも、これは純粋に耳鳴り?

今日も暑かったですね…

都市では、寝苦しい夜が続くことでしょう。
クーラーなんてかけっぱなしにしてると体に悪いので、
寝る前にはちゃんと電源を消して寝ましょうね…
こちらは、とにかく朝晩だけは涼しいです。


向日葵(ひまわり)ですが…

ひまわりを生けている間に、
ふと昔読んだラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の「日まわり」を思い出したのです。
その頃は、何とも思わず読み流したのですが、
いま読みかえしてみれば、どうも妙にせつない…
何も知らなかったころの自分と今の自分。


人は…
長く生きれば生きたぶんだけ、失うものも多い…


夏は…

重ねれば重ねるほどに、過去の残像を追って生きてゆくのか…



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2010年07月21日

夏の小さい花

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小さい花ばかり集めてみました。

上、河原撫子(かわらなでしこ)・三つ葉
下は、ミニヒマワリ・草蓮珠(クサレダマ)・三つ葉。

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どちらも三つ葉を入れました。
三つ葉にかなう小さな花はないな…と。

二景生けましたが、
いわば主役は[三つ葉]ですね…

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三つ葉は、刻んで汁物の入れてもうまいし…
胡麻和えなんかにしてもうまい!
なんて、すぐ食い気の話に走りがちですが。


夏の深山で、
三つ葉の群生なんかに出会うと、
次から次へと、小さな白い花がいかにも涼しげです…

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暑い日が続きますが、どなたさまもお体充分ご留意を…







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2010年07月20日

因果(いんが)

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人がお休みするときに忙しく、
人がお仕事するときには雑用が多くなる…
因果な稼業。
これじゃ会社勤めしていた頃のほうが気楽だったな〜…
なんて思いますが、
これも自分で決めたこと…


いつまで?いくつまで続くのか?
気がつけば、あっ!という間におじいさんになっていて、
そのうち死ぬんだろうな〜…って、

でもけっきょくは、
自分が納得ゆくまで続くし、続けるんだろうな〜…って、
最近は思いはじめています。



今生の苦しみは魂の修行…
魂の浄化…


「毒食わば皿まで…」というし、
こうなりゃ自分で納得できるまで、突き進もうじゃあ〜りませんか。



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2010年07月18日

竹一重切り二景

001^^


もう七月も半ばを過ぎたのですよ…

近ごろは、
一年がとても早く…

一週間… 
一日一日が過ぎていくのも、とても早い。

そう感じはじめてから、
器の… (貪欲な…)先どり、先走りをやめた。

せめて、お盆過ぎるくらいまで、古色の竹の花入れを使うのはやめようと…

まだ侘びる季節には早いと…


青竹を、年の初めの頃とすれば、
風炉のはじめから、今ごろまでは、まだ白竹で。
籠もそうします…


早く早く…
めまぐるしく過ぎてゆく季節への、

せめてもの抵抗…


花 上:宗旦槿(そうたんむくげ)/下:大山蓮華(おおやまれんげ)
器 竹一重切り


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2010年07月17日

【洋種山牛蒡(ヨウシュヤマゴボウ)】

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ところで…
ヨウシュヤマゴボウ(洋種山牛蒡)って、どう生けます?

実の頃、照り葉となった秋のヨウシュヤマゴボウもいいですが、
生命力あふれる青々しい葉をつけ、一風変わった穂咲き花を咲かせる。
ちょうど今頃の時期のヨウシュヤマゴボウもまたいいのですよね…

道路ぎわや野で見かけるたび、生けてみたいな…と、花生け人の心を軽くゆさぶりますね…

そうやって、生け人の心を惹きつけておいて、でも、実際に生けてみると難しい花…(><)

葉の水揚げは悪いし、水切りすると茎は反っくり返ってくるし…
無駄な葉を適当に落として、水揚げして…
花瓶に生けこむ頃には、野にある生命力あふれる姿とは似ても似つかぬ姿に変わってしまいます。

ほかの園芸種の花のなかに、さりげなく野草種として混ぜるのも一手ですが、
できれば夏の生命力あふれる、野にある姿を、単体一種生けとして室内に持ち込んでみたい…

今回… 

切ってから時間をおきすぎたのでそうはなりませんでしたが…

幸い…

成長力強くて… すぐに場に拡がって邪魔になるこの野生植物…
花を生けぬ人たちにとっては、むしろ厄介者のようで、
この夏、生ける機会は何度かありそうです。






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2010年07月15日

螺旋(らせん)


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世の中のすべての物事や発展は、
右肩上がりに一直線に進歩、発展していくのではない。
あたかも螺旋階段を登るようにして進歩、発展してゆく。

この螺旋階段を、遠く、横から見ていると、この人は、螺旋階段を上に登っていきます。
すなわち、この人は、より高い位置へと、「進歩、発展」していくように見えます。
しかし、この螺旋階段を、高く、上から見ていると、どう見えるか。
この人は、螺旋階段を登るにしたがって、柱の回りをぐるっと回って、元の所に戻ってくるように見えます。
すなわち、この人は、昔の場所に、「復活、復古」していくように見えるのです。

しかし、よく見れば、ただ元の場所に戻ってくるのではない。
螺旋階段を登ることによって、必ず、一段高い場所に登っていきます。

すなわち、「進歩・発展」と、「復活・復古」が同時に起こる。
                                  使える 弁証法


ねじばなから、いけばな世界の弁証法的「螺旋」を考える…



花 ねじばな 地苔
器 コールタールの充分滲み込んだ廃材


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2010年07月13日

【擬宝珠(ギボウシ)】

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早朝…
空は曇っていましたが、
雨はまだ降ってなかったので、
咲き始めたギボウシュを採っていたのですが、
そうしている間にばらばら大粒のが降ってきました…

よく降る雨です…



手前でネタバレしていますが、
水盤に入れた花止めは、サイズの違う二種類の六角ナットですね…
あまり高さのある花や、重い花は入れられませんが、
花の傾き具合と重力を均衡させるところが気に入っていて、水盤にはときどき使います。


花を生けるのって、剣山やオアシス使えば楽ですが…

男って…

何でも、どうにでもできることって… あまり興味なくなるのですね…






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