いまわのきわあやし うらめし あなかなし

2006年07月02日

梅雨の...よしなしごとかきつらめ

アジサイ















いかにもジメリとした梅雨の季節。
天候定まらぬ鬱陶しい日が三日も続けば、
かつては身も心も塞いでしまったものだ。
だが、このところ、この季節の旨味を知っている。

例えばガラム。
湿度と不快指数が、あるレベルに達したとき、
この、独特のフィルターの甘みと、ねっとりとした濃厚な煙は、いかにもこの季節にふさわしい。

古い映画で、『戦場のメリークリスマス』。
または、もっと古いところで、『日本のいちばん長い日』を観ていると、
夏用の軍装をした兵隊の背中が縦長に汗でべっとりと濡れて、
おそらく木綿製であろう軍服の表面に汗が染み出している情景はいかにもリアルだ。
昔の学生時代ならば、同級生の背中がそうなっているのを見かけたものだが
(もちろん自分もそうなっているのであろうが自分の背中は見えない)、
最近は学生も綺麗になって、しかも交通手段の電車もバスもクーラーがよく効いているから、そんな情景を見かけない。


湿度をいちばんよく感じる小説といえば、
いままで読んだ中では景山民夫の『ボルネオホテル』。
ストーリーは忘れてしまったが、クライマックスで、悪霊と戦う主人公がディズニーのヒットソングを武器に戦うときの理屈がすばらしい。

(以下引用…)

「例えば、生きている人間同士の戦いを考えてみるといいわ。ギャングとそれに対立するギャングが、バッタリと出くわしたとすると、どうなると思う」

「敵意のぶつかり合い、まあ武器を持っていれば撃ち合いってとこだろうな」

「では、そのギャングと本当に無邪気な小さな子どもがバッタリ街角で出くわしたら?」

「その場合はまず何も起こらないだろう。運が良ければ子供はキャンディを貰える」

「そういうこと。邪気の無い人間には。悪霊も手を出すことは出来ない。だから私たちも、できるだけ心の中の邪気、邪(よこしま)な考えを捨てて、単純にユリカの肉体を元に戻してもらうことだけを念じて、進んで行く。恐怖も怒りも心に抱いてはいけないわ。心に影を作るようなこと、妬みや嫉みも駄目。そして明るいことを考える」


ボルネオホテル











myokasyo at 02:09│Comments(0)TrackBack(1) よもやまばなし 

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1. 戦場のメリークリスマス  [ 映画の缶詰 ]   2006年07月02日 07:24
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