【金蓮花(きんれんか)】【西洋カンボク・鶏頭(けいとう)・風船蔓(ふうせんかづら)】

2008年08月13日

【鬼の腕・宗旦槿(そうたんむくげ)】

sotanmukuge

立花/天道花/モチツツジ/米々...たぶん同じものを指して地方で言い方がかわるのだと思うのですが、それを以前に文献の中に見つけていたのですが、今度はその本が見つからない。
たしかに写真付きで解説のついた文章を読んだんだけどなぁ...
夢で見たのか...?
 
とにかく部屋はいろんなジャンルの本で溢れいて、いまじゃどうにもなりません。
また見つかったらここに書くことにします。

ところで...その「立花/天道花...」を探しているうちに、興味深いものを見つけてしまったのですが、

...というのも、今日、この宗旦槿を入れたこの花入れ...
じつは高野・天野の陶芸作家・森岡茂好さんの焼き〆で、『鬼のうで』という銘だか名前だかがあるんですが、至極気に入っていて、同じもので焼き色のちがうこの花入れが三つあります。花入れ道楽もこうなりゃ、ややビョーキですね...

そんな話はさておき、ずいぶん前からこの『鬼のうで』という言葉について、焼き〆のざらっとした肌触りが『鬼のうで』なのかな? ...とか、名前の意味をいろいろ想像していたのですが、

「鬼の腕」の話がこの本に載ってました
「鬼の腕」の出典は「平家物語」のようです。
興味深い話なので、ちょいと前の段階から長めに引用しておきます。


Ψ冥界に通じる一条戻り橋

現在、晴明神社が京都市上京区堀川通りにある。むろん、祭神は晴明である。
このあたりは晴明町といい、町名は安部晴明ゆかりのものだ。そのすぐ近くにかかっている一条戻り橋がある。この橋には昔からさまざまな奇怪な伝説が伝えられてきた。

浄蔵という僧が熊野にいたとき、その父三善清行が重病となった。知らせを受けて駆けつけたのだが、父はすでに他界し、戻橋の上で父の葬列と出会った。浄蔵が橋の上で加持を行ったところ、父は蘇った。あの世から戻ったので戻橋と名づけられたという。

渡辺綱(わたなべのつな)が主人源頼光の使いで一条大宮まで出かけた。その夜の帰り道、戻橋を通りかかったとき、一人の美しい女と出会った。女は五条の家まで送ってほしいという。綱は承知し、女を馬に乗せた。すると、女は鬼と化し、綱の髻をつかんで空を飛んだ。綱は少しもあわてず名剣髭切を抜いて鬼女の腕を切り落とした。鬼女はそのまま愛宕山の方角へ飛び去った。綱は鬼女の腕を頼光に差し出したが、さすがの頼光も驚いて、晴明に相談した。
晴明は「七日間謹慎し、鬼の手には封印をして、祈祷には仁王経を読むこと」と教えた。頼光は晴明が教えたとおり鬼の腕を朱櫃に入れ、七日のあいだ仁王経を読誦することにした。その法会をしているところへ、頼光の母に化けた鬼女が腕を取り戻しに現れた。鬼は腕を取り戻したものの、首を打たれ屋根の破風をつき破って逃げ去ってしまった(平家物語『剣巻』)。

たぶん、陶芸作家やなんかは、こんなところからイメージを受けて作品をつくってるんでしょうか?オチはありませんが、そんなところです。

今日入れた宗旦槿は、まだ茶道を習っていた頃、よく買い物に行く駐車場の片隅に咲いていた槿の木から、枝を一本拝借して指し芽したもの。当時からうちにも宗旦槿はあったのですが、同じ宗旦槿でも、これは底紅の色が鮮明で、花弁の端に向かって伸びてゆく線が血脈のようにはっきりしていて好きなんですよね... くだんの駐車場は現在、立体駐車場に代わり、元の槿の木は当然切り倒されました。
せっかく、うちの庭で遺伝子を残したのだから、もう少し手入れしてあげないとダメですね...


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myokasyo at 20:52│Comments(6)TrackBack(1) 妙花 

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1. 日の丸槿(むくげ) *とても繊細です*  [ *月下  桜 の 世界* ]   2008年08月26日 23:31
うす曇の9時前くらいに、自転車でふらりと御近所めぐり。 気をつけてみていると、いろいろな百日紅(さるすべり)の花が桜のように咲いていたりします。 槿も何種類かみかけることができました。 わりあい、庭木に使われていることが多いので、犬のお散歩や朝の通勤の途中...

この記事へのコメント

1. Posted by nageire   2008年08月14日 22:18
鬼の腕とは面白いですね。
自分も、渡辺綱の話を思い出しました。
歌舞伎やお能で演じられていますよね。

鬼の腕花入れに星型の宗旦なんて
文学ですね〜〜〜〜。

槿って同じ銘の花でも、微妙に違いが
ありますよね。花の型。色。葉つき。大きさ
自分の好むのを探すのは大変です。
虫食い葉が良い感じです。
2. Posted by ichi   2008年08月16日 22:33
そうですね〜
宗旦槿の中にもいろいろ細かい種類があるようですね。
図鑑がどこかに行ってしまって、名前が分からないんですが、
これはこれで名前があるようです。

虫食い葉、夏のこの季節はかえってリアリティがありますが、
客室へは、やはりもう少しキレイな葉のものを生けたいですね...
3. Posted by ryo   2008年08月17日 00:04
こんばんは。
夢枕獏の著書は愛読書なんですが、その中でも
淨蔵さんのキャラクターがとても好きです。
平安時代の京都、タイムマシンがあったら行ってみたいです。
夜は百鬼夜行が本当にありそうな闇がまだあったのかも...
4. Posted by ichi   2008年08月17日 23:35
夢枕獏は、学生時代に確かブルータスの連載で読みました。
その中で「気」の話なんですが、あれ何ていうシリーズだったのか?
例えば、ある場所に、無念の「気」を残して命を絶った自殺者の「気」が残っている...っていう...
ショートなストーリーなんですが、
妙に記憶に残っています。



5. Posted by 月下  桜   2008年08月26日 23:33
はじめまして。
槿の記事を今日アップして、名前を確かめておりましたらこちらにご縁がありました。
とても端整な姿に涼をわけていただきました。
ありがとうございます。
トラックバックさせていただきました。
6. Posted by ichi   2008年08月29日 03:03
ようやくマシになりましたが、
暑い夏でしたね...
槿の花も、桔梗の花も、この季節にには涼をよぶ色彩ですね。
コメントありがとうございます。
少し油断しておりました、レス遅れてすみません...

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