June 27, 2009

CSアラカルト

今回は定番カットソーを作れる型紙です。
『カットソー・アラカルト』 こんなネーミングにしてみました。
アラカルトとは、レストランでお好みで選べる単品料理のことです。

重ね着をしなくても着られる服(単品)で、普段着を作りたい気分、お出かけ着を作りたい気分、カジュアルに、エレガントに・・・気分や季節、必要性に合わせて、お好みのデザインを作ってください。

そんな意味を込めてあります。

===========================

アレンジ用パーツを使うと、定番以外(デザインもの)も作れますが、まずはベースとなる形(デフォルト)でトワル作りです。(このトワルは途中経過のラインなので、最終のラインとは違います。)

最初のイメージでは『やや大きめの衿ぐり』で、タートルと同じ生地設定で作り始めました。でも、生地のテンションや伸びの戻りによって、衿ぐりのラインが変わりすぎてしまい…どこで間を取るか?で試行錯誤を繰り返しました。

カットソーのアラカルト・トワル

当然のことですが、伸びの戻りが弱いと衿ぐりが大きくなります。
この設定で型紙を調整すると、戻りが強いニットでは衿ぐりが詰まり過ぎます。

逆に、戻りが弱いニットを基準にして調整すると、戻りが強いニットでは着用不可の大き過すぎる衿ぐりになってしまいます。



カットソーのアラカルト・衿ぐりライン取り

衿ぐりの大きさ(広さ)も関係していますが、どんなライン(カーブ)か?も影響するので、生地設定を少しずつ変えながら、衿ぐりラインを細かく微調整していきます。

型紙販売用の型紙には生地設定はありますが、それを皆さんがどのように受け止め、実際にどんな生地を使うかを想像するのは、すごく難しいことです。でも、そこを想像できないと、意味(活用度)のある型紙が生まれません。ここが、先に生地が決まっているメーカーのお仕事と違うところです。

これをすると、各種ニット性質別の没サンプルが大量に出来上がっていくわけですが、手順書にも色々と書けますし、ご相談を受けたときにも役立ちます。写真を撮っていないだけで、かなりの枚数を縫いました。

===========================

<<どんなニットで?>>
試行錯誤の結果、タートルよりもテンション設定をほんの少し下げて「中の高〜高」としてます。最初は『中の高くらい』のほうが、伸びの戻りの影響を受けにくいので、作りやすいと思います。(着れる服が出来上がるという意味でもあります。衿ぐりが広すぎると着れませんからね。)詳しくは「ソーイングルーム」と「サイトの型紙詳細」で書きます。


<<サイズ選びと着用感は?>>
伸びが足りないかな?というときは、型紙のサイズを1つ上げるとO.Kです。
テンション高で戻りが弱いニットのときは、型紙のサイズを1つ下げます。
ゆったりめに着たいときは、型紙サイズを上げます。1つか2つ。

型紙のサイズ選びとしてはタートルと同じにしてあります。タートルは縫った人が多いので目安になると思います。


<<タートルの身頃と同じ?>>
タートルの型紙とは、寸法を含め、全く違う型紙になってます。トワルだけ見ると同じに見えるのは残念ですけど、かなり違います。ですから、タートルの衿を無くして衿ぐりのラインを入れてもダメですよ。タートル用の型紙はあくまでも『衿あり用』の身頃ですので。


<<胸のシワ対策。今回は?>>
タートルはバストにシワが出にくい型紙でしたが、今回も調整してあります。前回のとき「テンション高設定だからシワが出ないの?」と質問を受けました。それもありますが、やはり、意識して調整しないと出ます。企業秘密と言うか、パターン技術ですよね。言葉で表現できる部分ではありません。

カットソーのアラカルト・胸じわ

今回のトワルも微調整前は怪しいです。この程度でも体型によっては出ます。これを更に調整して販売用の型紙となります。






最近の既製服でよく見かけますが、胸ダーツを入れれば、私としては楽に型紙を作ることができます。でも、Tシャツに胸ダーツは好きではありません。なぜTシャツに胸ダーツがある!?見かけると驚きます。


ベーシックな型紙こそ小さなこだわりの積み重ねが、型紙の完成度を上げていきます。いつも見ている人には説明不要なお話ですよね。(初めて読む人もいるので書いてますが、知ってるわよ〜の人は適当に聞き流して頂ければ。。)


販売準備をしながら、サンプルを「ソーイングルーム」で順次アップ(プレビュー)していきます。


トラックバックURL

コメント

1. Posted by ぼさ   June 27, 2009 11:59
定番カットソー待っていました!
きれいなベーシックカットソーってなかなかないんですよね。
胸ダーツのお話もなるほど!とうなってしましました。確かに入れれば立体にしやすいですものね。
アレンジを含めて続報楽しみに待ってます!
2. Posted by silkpin   June 28, 2009 00:11
☆ぼささんへ

先日は掲示板でコメントを頂きまして、ありがとうございます。
大変お待たせしました。

既製品でも、ベーシックなカットソーはたくさんありますが、
ブランドごとに少しずつ違いますよね。
おぉ〜!と感動するものから、おや?と思うものまで。
販売用の型紙になると、もっと限定されるかもしれません。
パタンナーの技術もありますが、生地設定が難しいですから。

たくさんの人に、私の型紙を縫っていただき、
コメントやご相談を受け続けてきた今だからこそ、
作ることができた型紙かもしれません。

はい♪続報も楽しみにしててくださいね。
コメント頂きまして、ありがとうござます。励みになります。
3. Posted by VIVI   March 03, 2010 20:19
 初めまして。
型紙の検索をしていてこちらのHPにたどり着きました。

 「なぜTシャツに胸ダーツがある?」
この一言、探していました!!!
 
 昨年からニットソーイングの教室に通い始めました。
ふだんDカップサイズの私には、教室のパターンは
ほとんど合いません。
 仕方なくLサイズの型紙に脇を出して作っています。

 最近教室でも2Lサイズ用の型紙が出たのですが、
Tシャツには胸ダーツがはいっていました。
 既製品でダーツがなくてもきれいなシルエットが出る物もたくさんあるのに、何で自分で作れないのか疑問でした。

 教室の先生は3人居るのですが、3人とも規定以外のことは教えられないとのことで「多少は妥協してください」といわれてしまいました。
 体に合わない物と承知で作らなければならない悔しさ、
本当に悲しかったです。

 作ることが大好きというだけで、洋裁の経験も知識もないためパターンを自分で引く、規制のパターンを補正するというのはいくら本を読んでも思うようには行きませんでした。

 そんな時先ほどの一文に触れ、ものすごくうれしかったです。
 こちらのHP、よく拝見させていただいてパターン購入可能でしたら是非利用させていただきたいと思います。


4. Posted by silkpin   March 04, 2010 00:26
VIVIさん はじめまして

教室へ通っていても、
規定以外のことは教えてもらえないのは、残念ですね。
最初は縫いあがるだけでも、楽しいものですが、
色んな服が縫えるようになると、
もっと自分が着たい服を作りたいと思うのが自然でしょう。

私の型紙は、洋裁の上級者から初心者まで
色んなレベルの人が、縫っていらっしゃいます。
補正が必要な人も、時にはいらっしゃいますが、
縫って着てみたい!という気持ちがあれば、できるものですよ。

CSアラカルトシリーズは、テンション高設定の特殊な型紙ですから、
基本的には補正不要の型紙になります。
サイト内の型紙詳細をご覧になり、わからなことがありましたら、
ご遠慮なくお問い合わせくださいね。

コメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価:  顔   星
 
 
 
Search

New Coment
livedoor Readerに登録
RSS
livedoor Blog(ブログ)